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ニュートンの運動の第1法則(慣性の法則)

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    この動画では、ニュートンの運動の第1法則について、
    話していきたいと思う。
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    これが、そのラテン語で書かれた法則を
    英語に訳したもの。
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    第1法則
    「全ての物体は、外力が加わらないかぎり、
  • 0:16 - 0:23
    静止した状態を維持するか、
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    一様に直線的な運動をする。」
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    つまり、これを言いかえると、
    全てのものは、力が加えられて、状態が変化しない限り、
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    静止した状態を維持するか、一定の速度で動き続ける。
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    特に「不均衡な力」を受けない限り。
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    この「不均衡な力」については、後で説明しよう。
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    それじゃあ、ここに、
    完全に静止している状態の物体があるとしよう。
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    こういう物体は、前にも登場したね。
    それじゃあ、岩があるとしようか。
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    岩が1つある場所にあって、草の上にしようかな。
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    それを観察したところ、動きそうにもないし
    何かが起きそうにもない。
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    その岩に何も力が加わらなければ、
    岩はそこから動かないはずだ。
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    法則の最初の部分は、わかりやすいよね。
    「全ての物体は、静止した状態を維持する。」ってとこ。
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    ここでは、後半の部分はおいとこう。
    何も力が加わらない場合を考える。
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    力が加わらないかぎり、岩が動かないのは、当たり前だよね。
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    もし誰かがそれを押したり、転がしたり、
    何かした場合は別だけど。
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    第1法則で、ピンとこないのは、後半の部分。
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    全ての物体は、外力が加わらないかぎり、
    静止した状態を維持する。
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    または、「一様に直線的な運動を続ける。」
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    これがニュートンの第1法則だけど、一度これはおいておこう。
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    なんでって、ここにいるニュートンを、
    先に紹介したいからね。
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    でもこれがニュートンなら、
    なんでこっちの写真の人物の方が、大きいんでしょう?
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    それは実は、ニュートンの第1法則は、この人物が見つけた
    「慣性の法則」を言い直しただけだからなんだ。
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    そしてこの人物は、ニュートンと並ぶ
    文明の巨人、ガリレオ・ガリレイだ。
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    彼が最初に、慣性の法則を導き出した人物なんだ。
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    ニュートンは、それをちょっと言い直して
    他の自分の法則と、セットにしたってわけ。
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    もちろん、彼は他にも数多くのことを、成しとげたけどね。
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    だから、ニュートンの第1法則の功績は、
    本当はガリレオに、あるんだね。
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    だから、ここでは彼を大きくのっけたわけ。
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    まぁでも、まだ法則の半分までしか、来てないよ!
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    今のところ、静止した物体は、外から力を加えられないかぎり
    静止を続ける、ってことを確認したとこだ。
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    別の言い方をすると、
    「不均衡な力を加えられないかぎり」ってこと。
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    なんでここで「不均衡な力」って言うかというと、
    物体にかかる2つの力が、
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    均衡する(つりあう)こともあるからなんだ。
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    たとえば、ある一定の力で、
    私がこちら側から、岩を押したとしよう。
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    そしてまったく大きさの力で、キミが反対側から押したとする。
    その場合、岩は動かないよね。
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    岩を動かすには、一方の力より大きな力で、
    反対側に力を加えるしかない。
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    それが、「不均衡な力」ってこと。
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    たとえば、1トンの…
    ちょっと岩は、例がよくないな。
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    氷にしようか。氷なら、動きやすいしね。
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    氷の上に、氷があるとしよう。
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    氷の床があって、その上にもう1つ氷がのっているとしよう。
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    もう一度、これはもう大丈夫だよね。
    力が加わらないかぎり、氷は動かない。
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    けど、私がこちら側から一定の力で、氷を押して
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    キミが反対側から、同じ大きさの力で押したら
    何が起こる?
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    氷は、動かないね。
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    これが、「均衡した力」だ。
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    均衡した(つりあった)力
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    氷の状態、静止した状態を変えるには、
    不均衡な力を加えるしかない。
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    こちら側にちょっと力を加えて、
    それ以上の力を反対側から加えれば、
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    氷は動き出すね。その方向に加速していく。
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    でもここの話は、分かりやすいよね。
    静止している物体は、不均衡な力を加えられないかぎり
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    静止し続ける。
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    分かりくいのは、この部分。
    「一様に直線的な運動を続ける。」
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    これは言いかえると、
    一定の速度で、ってこと。
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    一定の速度でだ。
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    つまり、一定の速度で運動している物体は、
    永遠に一定の速度を保ち続ける、ってこと。
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    不均衡な力を、加えられないかぎりね。
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    やっぱり、ピンとこない。
    だって、私たちの経験からすると、
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    たとえば、この氷を押したとして、
    いつかは、止まっちゃうよね。
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    永遠には移動し続けない。
    たとえ、この氷の床が無限に続いていたとしても
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    氷は、どこかで止まるはずだ。
    もしくは、テニスポールを投げたとしても、どこかで止まるよね。
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    いつかは止まってしまう。
    ボーリングの球でも、何でもだ!
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    少なくとも人生の中で、そんなこと見たことない。
    いつかは、きっと止まるはずだ。
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    だから、ピンとこないんだよ。
    動いているものは、永遠にその運動を続ける。
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    本能的には、何かを動かし続けたければ
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    力を加え続ける必要がある、動き続けるように
    たくさんのエネルギーを加え続けないと、いけないんだ。
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    燃料を燃やして、運転してエネルギーを使わないかぎり
    クルマも永遠に動き続けたりしない。
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    じゃあ、こいつらは何を言ってるんだ?
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    それじゃあ、こう考えてみよう。
    こう考えてみたことが、この科学者たちの洞察力の
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    すごいところだと思うけど、
    ここにある全てのものが、永遠に動き続けると考えてみるんだ。
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    ボールも永遠に動き続ける、
    氷も永遠に動き続ける。
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    それを止めるような、不均衡な力が加わらないかぎりね。
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    それじゃあ、氷の場合。
    氷の上の氷に、それほど摩擦(まさつ)はないけど、
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    いくらか、2つの氷の間には摩擦があるはずだ。
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    そしてこの場合、この摩擦力が
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    氷が動く方向に反して、はたらくことになる。
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    摩擦は、実際には原子レベルの話になるんだけどね。
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    氷の中に、格子状の水分子があるとしよう。
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    そしてこれが、氷の表面の格子状になった水分子だとする。
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    そこには、お互いにでこぼこがある。
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    見た感じだと、なめらかだけど、
    実際には、完全になめらかではない。
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    そのでこぼこが、わずかな熱を発生させる。
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    そしてそれが、運動に反してはたらくことになるんだ。
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    なので、ここではたらく摩擦力によって
    運動が止まってしまうわけなんだ。
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    そういうのは、摩擦力だけじゃない。
    空気抵抗なんかも、そうだね。
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    氷も空気中にある、あらゆる分子に当たりながら
    運動をしている。
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    初めは分からないくらいだけど、
    それが永遠に運動を続けることを、さまたげている。
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    これと同じことが、空気中のボールにも起こっているんだね。
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    それに重力で、ボールもいつかは地面に落ちてしまう。
    この重力も、ボールにはたらく力の1つ。
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    けど地面に落ちたからって、永遠に転がり続けるわけじゃない。
    今度は、摩擦力がはたらくからね。
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    特に地面が草なんかだと、それが運動を止める力として、
    はたらいてしまう。
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    たとえ空気中でも、速度は落ちていく。
    一定の速度を保ち続けることは、不可能だ。
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    物体にぶつかりつづける、空気中の分子があるからね。
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    それが、減速させる力として、はたらくんだ。
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    そう考えると、この科学者たちの本当にすごいところは、
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    重力ない状態、速度に影響する空気のない状態を
    想像できたとこだろう。
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    そして、そんな状態では、
    物体が運動を続けることまでも、想像できたんだ。
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    なんでガリレオが、そんな考えができたかって言うと
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    彼が、惑星の軌道を研究していたからだろうね。
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    そして、それを理論化することで
    宇宙には空気がないんじゃないかと、考えた。
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    だから、惑星は軌道を
    ずっと回り続けることができるんじゃないか、ってね。
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    もちろん運動の方向は変わるけど、
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    惑星の運動速度が、落ちることはない。
    宇宙には、惑星を減速させるようなものがないからだね。
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    まぁ、彼らの偉大さが少しでも
    少しでも分かってくれると、嬉しいな。
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    だってこの法則、理解しやすいとこもあったけど
    全く理解しづらいところも、あったよね。
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    特に、「一様に直線的な運動を続ける」ってとこ。
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    もうちょっと分かりやすくするために…
    重力も空気もなくなったとしよう。
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    ボールを投げれば、
    ボールは永遠にその方向に進んでいく状態だ。
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    それを止めるような、不均衡な力が加わらないかぎりね。
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    これを日常生活でも想像しやすい、別の方法で考えてみよう。
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    私が飛行機にいたとする、
    しかも、完全に一定の速度で進む飛行機。
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    その飛行機には、まったくゆれがない。
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    私は飛行機のここに座って、一定の速度で進んでいく。
  • 8:51 - 8:53
    なめらかに、ゆれもなく。
  • 8:53 - 8:58
    この飛行機には窓もなくて、私は飛行機が進んでいるか
    確かめる方法がないとしよう。
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    この飛行機には、窓がないって考えて。
    そして、完全に一定の速度で進むんだ。
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    そして、ゆれも全くない。
    音も何も聞こえない。
  • 9:07 - 9:09
    エンジンの音も聞こえないんだ。
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    そうすると、飛行機が動いてるのを、感じる方法はないよね。
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    だって、私がわかる範囲では、
    飛行機が進んでいる状態と
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    地面に静止している状態は、完全に同じように感じるからね。
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    これで本能的に、2つの状態がとても似ていることを
    感じられるんじゃないかな。
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    つまり、一定の速度で運動している状態と、
    静止している状態。
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    本当にどっちか、分からなくちゃうはずだよね。
Title:
ニュートンの運動の第1法則(慣性の法則)
Description:

ニュートンの運動の第1法則(ガリレオの慣性の法則)

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Video Language:
English
Duration:
09:32
Koichi Nakamura edited Japanese subtitles for Newton's First Law of Motion
Koichi Nakamura edited Japanese subtitles for Newton's First Law of Motion
Koichi Nakamura edited Japanese subtitles for Newton's First Law of Motion
Koichi Nakamura edited Japanese subtitles for Newton's First Law of Motion
Koichi Nakamura edited Japanese subtitles for Newton's First Law of Motion
Koichi Nakamura added a translation

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