1 00:00:00,227 --> 00:00:02,842 Every Frame a Paintingへようこそ 2 00:00:02,948 --> 00:00:04,949 映画を分析しよう 3 00:00:05,248 --> 00:00:08,679 映画を分析するコンテンツは多いが 4 00:00:08,812 --> 00:00:11,444 欠けているものがあると思う 5 00:00:11,577 --> 00:00:13,221 絵面と音だ 6 00:00:17,699 --> 00:00:21,686 今回紹介する映画は芸術としての好例だ 7 00:00:21,819 --> 00:00:24,890 ポン・ジュノの「母なる証明」2009年 8 00:00:25,024 --> 00:00:27,675 まだ見てないならこれは殺人ミステリで 9 00:00:27,790 --> 00:00:31,659 ポン・ジュノを知らないなら彼は最高だ 10 00:00:32,044 --> 00:00:34,913 この動画はネタバレになるので 11 00:00:35,045 --> 00:00:37,822 知りたくないなら見るのをやめよう 12 00:00:37,946 --> 00:00:39,210 いい?OK 13 00:00:44,840 --> 00:00:47,529 2つのテクニックを紹介したい 14 00:00:47,666 --> 00:00:51,076 1つ目は話の重要な瞬間の撮り方 15 00:00:51,209 --> 00:00:54,224 2つ目は望遠レンズの使い方だ 16 00:00:54,347 --> 00:00:56,984 普通役者を取る時は顔を写す 17 00:00:57,104 --> 00:01:01,549 正面から撮るのが感情もよく見える 18 00:01:01,677 --> 00:01:03,745 横から撮った場合は 19 00:01:03,854 --> 00:01:06,564 少し変わり 静けさがある 20 00:01:06,683 --> 00:01:07,892 このように 21 00:01:09,893 --> 00:01:11,268 一方これ 22 00:01:12,370 --> 00:01:15,315 ああ やめて 23 00:01:15,721 --> 00:01:20,006 望遠レンズは空間を圧縮する 24 00:01:20,130 --> 00:01:22,885 クローズアップでよく使われ 25 00:01:23,014 --> 00:01:25,594 背景がいい感じにボケる 26 00:01:26,032 --> 00:01:29,851 だが横でやるとあまり美しくない 27 00:01:29,986 --> 00:01:33,799 揺れも加われば見るのがやっとだ 28 00:01:34,362 --> 00:01:37,719 この構図がこの映画では多い 29 00:01:37,849 --> 00:01:43,734 映画の重要な部分で使われているようだ 30 00:01:45,353 --> 00:01:50,362 母親が廃品回収業者に会う場面 31 00:01:51,096 --> 00:01:56,012 母親が被害者遺族に謝罪する場面 32 00:02:01,718 --> 00:02:04,210 うまいカットだ 33 00:02:05,351 --> 00:02:09,592 ポン監督がよく使うテクニックと言える 34 00:02:09,747 --> 00:02:13,193 これは「グエムル-漢江の怪物-」の一場面 35 00:02:13,370 --> 00:02:15,541 横から望遠レンズだ 36 00:02:15,735 --> 00:02:17,991 なぜそうするのか 37 00:02:18,121 --> 00:02:21,812 ここには人物視点のリズムが存在する 38 00:02:21,954 --> 00:02:23,048 正面 39 00:02:23,349 --> 00:02:24,440 正面 40 00:02:25,045 --> 00:02:26,069 横 41 00:02:26,189 --> 00:02:30,349 珍しい撮り方というわけではない 42 00:02:35,329 --> 00:02:36,564 このように 43 00:02:36,689 --> 00:02:40,442 この映画での使い方は変わっているが 44 00:02:40,584 --> 00:02:46,516 重大な瞬間は横から撮ってもいいだろう 45 00:02:48,010 --> 00:02:49,538 そしてクライマックス 46 00:02:50,327 --> 00:02:51,488 犯人がわかる 47 00:02:51,587 --> 00:02:53,184 息子が 48 00:02:53,790 --> 00:02:59,261 ずっと無実だと思われてきたが人を殺す 49 00:03:02,315 --> 00:03:04,388 目撃者は回収業者だけ 50 00:03:04,538 --> 00:03:06,564 母親はその男を殺す 51 00:03:07,376 --> 00:03:09,268 そして血を拭く 52 00:03:10,227 --> 00:03:11,964 ここでもだ 53 00:03:12,129 --> 00:03:15,332 重要な場面で使っている 54 00:03:15,446 --> 00:03:20,248 遠い視点は物語の謎を思い起こさせる 55 00:03:20,376 --> 00:03:23,976 もやもやとして隠されていることを 56 00:03:24,268 --> 00:03:27,203 それが目撃者となれば変わる 57 00:03:27,369 --> 00:03:29,253 そして目撃すれば 58 00:03:30,427 --> 00:03:31,868 事態がわかる 59 00:03:32,242 --> 00:03:34,661 それがこの映画の特徴だ 60 00:03:34,798 --> 00:03:38,732 映画の最初 人物が大地で踊る 61 00:03:38,872 --> 00:03:42,578 顔を見てもそうする理由はわからない 62 00:03:42,699 --> 00:03:44,864 説明を待つしかない 63 00:03:45,206 --> 00:03:47,091 最後にまた踊る 64 00:03:47,216 --> 00:03:49,139 横から望遠レンズだ 65 00:03:49,240 --> 00:03:53,216 だが結局理由はよくわからないまま 66 00:03:53,353 --> 00:03:55,698 2時間を通してわかるのは 67 00:03:55,808 --> 00:03:58,680 母親の息子への愛だ 68 00:03:59,309 --> 00:04:03,109 そして最後にどうなるかを見る 69 00:04:04,011 --> 00:04:07,217 僕はこの映画と監督の大ファンだ 70 00:04:07,348 --> 00:04:13,619 このような大胆なカットが増えるといい 71 00:04:15,772 --> 00:04:17,400 こうではなく 72 00:04:19,129 --> 00:04:22,214 ああ だめだ 何か飲もう