歴史対フロイト裁判 / トッド・デュフレーヌ
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0:07 - 0:1020世紀への変わり目の
ウィーンで活動した彼は -
0:10 - 0:13神経科医として働き始め
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0:13 - 0:17後に精神分析の分野を
開拓しました -
0:17 - 0:22人間は無意識の欲望や
抑圧された記憶に動かされており -
0:22 - 0:26対話による療法を通して
そういう動機を意識化することによって -
0:26 - 0:29抱えている問題は
解決可能だとしました -
0:29 - 0:34世間の注目の点で彼の影響は
他の心理学者より抜きん出ています -
0:34 - 0:37しかし人間の本性へのフロイトの理解は
正しかったのでしょうか? -
0:37 - 0:40その手法は科学的だったのでしょうか?
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0:40 - 0:45(裁判官) 静粛に
証言台にいるのは…親父さんかね? -
0:45 - 0:47(弁護士) いいえ 裁判官
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0:47 - 0:49こちらはジークムント・フロイト博士
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0:49 - 0:52心理学の歴史上
最も革新的な思索家です -
0:52 - 0:56(検事) 疑似科学的理論を広めた
自己中な男です -
0:56 - 0:58(裁判官) どっちなんだ
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0:58 - 1:01(弁護士) 医学が扱おうとしなかった問題に
彼は取り組みました -
1:01 - 1:03フロイトは開業医として
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1:03 - 1:06神経症を患う女性の
治療に当たりました -
1:06 - 1:11当時はヒステリーと呼ばれ
真面目に取り合われてはいませんでした -
1:11 - 1:13初期に治療したうつの女性から
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1:13 - 1:16第一次世界大戦のため
PTSDになった元兵士まで -
1:16 - 1:19対話によるフロイトの療法は功を奏し
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1:19 - 1:22そういう症例を世に知らしめたことで
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1:22 - 1:27医学界は精神疾患というものを
認めざるを得なくなりました -
1:27 - 1:29(検事) 彼は患者をみんな
救ったわけではありません -
1:29 - 1:33人の行動は無意識の衝動と
抑圧された記憶によって -
1:33 - 1:35形作られるとフロイトは考え
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1:35 - 1:40トラウマを被った人の行動の背後にある
無意識ないしは非理性的な動機を -
1:40 - 1:44根拠もなくでっち上げ
害をなしたのです -
1:44 - 1:45(裁判官) どうやってかね?
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1:45 - 1:51(検事) 代表的な症例を曲げて発表し
治療がうまくいったと主張しましたが -
1:51 - 1:54その実 悪化させていたのです
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1:54 - 1:56彼の理論に影響された
後の療法家たちは -
1:56 - 1:59患者が ありもしない
子供時代の虐待の -
1:59 - 2:04抑圧された記憶を
回復したことにさせたのです -
2:04 - 2:06そのせいで生活や家庭が
メチャクチャになりました -
2:06 - 2:10(弁護士) 後の誤用によって
フロイトを非難することはできません -
2:10 - 2:11濡れ衣です
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2:11 - 2:15(検事) 彼のアイデアには誤用せずとも
有害なものがたくさんあります -
2:15 - 2:19彼は同性愛を
発達上の異常とみなしていました -
2:19 - 2:22また「ペニス羨望」という言葉をつくり
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2:22 - 2:25女性はペニスを欠くことに
生涯苛まれるのだとしました -
2:25 - 2:28(弁護士) フロイトも時代の子です
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2:28 - 2:30細かい点では間違いもありますが
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2:30 - 2:34後の科学者たちが
探求し研究し さらに構築していける -
2:34 - 2:36新たな領域を生み出したのです
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2:36 - 2:40何百万という人々が頼っている
現代的な治療技法は -
2:40 - 2:43彼が始めた精神分析から来ています
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2:43 - 2:46今では誰でも「無意識」という
概念を知っていますが -
2:46 - 2:49これもフロイトによって
広められた考えです -
2:49 - 2:53(検事) 今日の心理学者が認めているのは
「認知的無意識」だけで -
2:53 - 2:57人はその時に起きていることすべてを
意識はしていないということです -
2:57 - 3:03フロイトは無意識に深い意味付けをして
何でもそのせいにしました -
3:03 - 3:06彼の理論は
現在においてだけでなく -
3:06 - 3:10当時においてすら時代遅れの考え方に
基づいていました -
3:10 - 3:13たとえば 個人の心理は
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3:13 - 3:18生物的に受け継がれた大昔の出来事に
由来すると考えていました -
3:18 - 3:22大昔のことというのは 氷河期とか
モーセの殺害といったことです -
3:22 - 3:28フロイトや その仲間は
そういう有史以前のトラウマが -
3:28 - 3:31人間の心理に影響を与え続けていると
考えていたのです -
3:31 - 3:36思春期の手前にあたる
性への冷たい無関心の時期は -
3:36 - 3:39氷河期が反復されたもの
なのだとか -
3:39 - 3:43こんな突飛な考えの人間を
どうして真剣に受け取れるでしょう -
3:43 - 3:46(弁護士) 何世紀も前の
有名な思索家は誰でも -
3:46 - 3:50今日の基準からすれば
突飛に見える考えを持っており -
3:50 - 3:54そのことで彼らの影響を
軽く見ることはできません -
3:54 - 3:58フロイトは様々な分野の考えを結び付けた
革新的な人でした -
3:58 - 4:00彼の生み出した概念は
日常の言葉になり -
4:00 - 4:04我々に自分の体験を
理解し語るすべを与えてくれたのです -
4:04 - 4:10エディプスコンプレックスも 自我とイドも
防衛機制も 死の願望も -
4:10 - 4:11みんなフロイトです
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4:11 - 4:14(検事) しかしフロイトは
社会理論家として振舞ったわけではなく -
4:14 - 4:17自分の手法は
科学的だと主張していました -
4:17 - 4:20(裁判官) 不都合な事実を
押し潰していたと? -
4:22 - 4:25(検事) フロイトの理論は
誤りの存在を検証できません -
4:25 - 4:27(裁判官) つまり正しかった
ということかね? -
4:27 - 4:33(検事) そうではなく 経験的に確認できる形で
示されてはいないということです -
4:33 - 4:38自分で売り込んでいた精神分析を
信じてもいませんでした -
4:38 - 4:41治療の効果について
悲観的だったのです -
4:41 - 4:44(裁判官) なんじゃと!
ちょっと休ませてくれ -
4:44 - 4:48ジークムント・フロイトの考えの多くは
現代科学の目に耐えられないし -
4:48 - 4:52その治療のあり方は
今日の倫理基準にそぐいません -
4:52 - 4:57しかし彼は心理学と社会に
革命を引き起こし -
4:57 - 5:00感情について議論するための
言葉を生み出しました -
5:00 - 5:02フロイトもまた誤りを犯しましたが
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5:02 - 5:05後の世代が
そのアイデアをどう使うかについて -
5:05 - 5:08思索家は責任を
問われるべきなのでしょうか? -
5:08 - 5:10歴史を裁きにかけるとき
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5:10 - 5:15そのことで彼らを 非難や 称賛や 救済の
対象とすべきなのでしょうか?
- Title:
- 歴史対フロイト裁判 / トッド・デュフレーヌ
- Speaker:
- トッド・デュフレーヌ
- Description:
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20世紀への変わり目のウィーンで活動し、神経科医として働き始めたジークムント・フロイトは、後に精神分析の分野を開拓し、その影響は世間の注目度の点で他の心理学者から抜きん出ています。しかし人間の本性についての彼の理解は正しかったのでしょうか? その手法は科学的だったのでしょうか? トッド・デュフレーヌが歴史対フロイト裁判でこの物議を醸す人物を審理します。
講師 トッド・デュフレーヌ
監督 ブレット・アンダーヒルこのビデオの教材 https://ed.ted.com/lessons/history-vs-sigmund-freud-todd-dufresne
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 05:15
Naoko Fujii approved Japanese subtitles for History vs. Sigmund Freud | ||
Naoko Fujii edited Japanese subtitles for History vs. Sigmund Freud | ||
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Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for History vs. Sigmund Freud | ||
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