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Damsel in Distress: Part 1 - Tropes vs Women in Video Games

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    マリオ!
  • 0:03 - 0:05
    きゃあ!助けて!
  • 0:25 - 0:30
    ビデオゲームにおける女性の描写と役割を
    追求するビデオシリーズへようこそ。
  • 0:30 - 0:36
    このプロジェクトは、ゲームの女性キャラに
    まつわるトロープ (比喩)、プロット・デバイス
    (筋書きを進めるための要素・仕掛け)、
    そして様式を
  • 0:36 - 0:39
    全体的な観点から考察していきます。
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    このシリーズには、皆さんの愛するゲームや
    キャラの批評が含まれます。
  • 0:43 - 0:46
    ですが、誰もがゲームを楽しみながらも、
    そのメディアが持つ
  • 0:46 - 0:53
    問題面や有害面の批評が可能であり、
    必要であることを忘れないでください。
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    それでは、「悲嘆の女性」トロープに
    突入しましょう。
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    まずは、誰もプレイできなかったゲームの話から
    始めましょうか。
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    1999年、ゲーム開発会社レアは「ダイナソー・プラネット」
    という N64 向けのゲームを開発していました。
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    主人公はクリスタルという16才のヒーローで、
    2人のプレイヤーキャラの1人でした。
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    彼女は時空を旅し、魔法の杖で古代の化物を倒し、
  • 1:19 - 1:24
    世界を救うために戦い、
    強く、有能で、英雄らしかった。
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    「お前は誰だ、獣の少女よ」
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    「私は名はクリスタル」
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    とてもクールでしょう?
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    しかし、このゲームは発売されませんでした。
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    ゲームの完成が近づいた頃、
    伝説的なゲームデザイナー宮本茂氏は
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    スターフォックスの3作目にしたらどうかと
    冗談で言いました。
  • 1:55 - 1:57
    そして2年に渡って、
    彼と任天堂はその冗談を現実にしたのです。
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    脚本とゲームデザインを変更し、ゲームキューブ向けの
    スターフォックス・アドベンチャーとして
    2002年に発売されました。
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    この改訂版では、主人公だったクリスタルは
    「悲嘆の女性」に変身させられており、
  • 2:09 - 2:13
    ゲームの大半を水晶の檻の中に
    閉じ込められたまま過ごし、
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    新しいヒーロー、フォックス・マクラウドに
    救出されるのを待っています。
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    クリスタルのために作られたゲームの
    アクションシーンは
  • 2:19 - 2:22
    フォックスに置き換えられました。
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    クリスタルは肌の露出を増やした
    セクシーな衣装を与えられています。
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    「わー、すげえ美人だ!」
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    「俺は何をしてるんだ?」
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    いかにもわざとらしいサックスの
    音楽が重なり
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    身動きが取れなくても、彼女が
    情欲の対象であることがよくわかります。
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    さらに侮辱的なのは、フォックスが彼女の魔法の杖を
    彼女の救出に使っていることです。
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    クリスタル自信が主人公の壮大な冒険から
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    他人のゲームの受け身な犠牲者に変化した話は
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    「悲嘆の女性」トロープが
    女性キャラを無力化させ、
  • 3:06 - 3:09
    彼女たちが自力で英雄になるチャンスを
    奪っていることがよくわかります。
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    悲嘆の女性 (Damsel in Distress) はフランス語の
    demoiselle en détresse の訳です。
  • 3:15 - 3:17
    Demoiselle とは「若い女性」という意味です。
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    détresse は無力や危険、見捨てられたと感じる
    不安または絶望を意味します。
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    トロープとしての「悲嘆の女性」は、
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    女性キャラが危険な状況に晒され、
    自力では脱出できなくなり、
  • 3:30 - 3:35
    男性キャラの助けが必要になる
    物語のからくり (プロットデバイス) です。
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    大半の場合、主人公の冒険の目的
    または動機になります。
  • 3:39 - 3:42
    ビデオゲームでは、一般的に
    誘拐の形をとります。
  • 3:42 - 3:46
    石化や悪魔の憑依などの形を
    とることもあります。
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    伝統的に、「悲嘆の女性」は
    主人公の家族か恋人です。
  • 3:51 - 3:57
    お姫様、妻、ガールフレンド、妹などが
    よく使われます。
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    もちろん、「悲嘆の女性」はビデオゲームが
    発明される何千年も前から存在します。
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    このトロープの原点は、古代ギリシャ神話の
    ペルセウスの物語にさかのぼります。
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    神話によると、
    アンドロメダは生贄に捧げられ、
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    裸で崖に縛りつけられ、
    海獣に食べられそうになっていました。
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    ペルセウスは海獣を倒して姫を救い出し、
    彼女を妻として獲得します。
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    中世では、「悲嘆の女性」はたくさんの歌や伝説、
    おとぎ話に登場します。
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    無防備な女性の救出は、当時の恋愛物語や
    詩のレゾンデートル——
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    「存在理由」として描かれ、物語には
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    武勇と美徳を証明するために冒険する
    放浪の騎士が登場します。
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    20世紀のはじめ、
    初期のアメリカ映画産業は
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    悲嘆の女性を衝撃的な
    プロットデバイスとして使い回しました。
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    初期の有名な例は、キーストーン・コップス作、
    1913年の短編 Barney Oldfield's Race for a Life です。
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    悪者の髭男が女性を線路に縛り付ける場面は
    とても有名です。
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    同じ頃、泣き叫ぶ女性を連れ去る巨大な猿のモチーフが
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    様々なメディアで人気を得ました。
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    特に、ターザンの恋愛対象ジェーンは
    1912年のエドガー・ライス・バローズの
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    パルプ小説「類猿人ターザン」で
    獰猛なゴリラに連れ去られます。
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    ウォルト・ディズニーは
    1930年にミッキー・マウスの
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    「ゴリラ・ミステリー」という
    アニメで同じモチーフを使いました。
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    また、このイメージは第一次世界大戦中、
    米軍の志願兵募集ポスターにも起用されました。
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    しかし、1933年に二つのことが起きます。
    これらの出来事が、「悲嘆の女性」が50年後、
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    ビデオゲーム・メディアの基盤になる
    きっかけを作ります。
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    まず、パラマウント・ピクチャーがアニメシリーズ
    「ポパイ」を映画観客に公開しました。
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    これらの短編の大半は、ポパイが
    誘拐されたオリーブ・オイルを救出する話です。
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    次に、同年の3月、RKO ピクチャーズが
    空前のヒット映画「キングコング」を公開しました。
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    巨大なゴリラが若い女性を誘拐し、
    彼女を所有しようとして殺される話です。
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    そして、1981年。
    日本の任天堂という会社が
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    宮本茂という若いデザイナーに
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    米市場向けのアーケードゲームの
    開発を託しました。
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    当初はゲームの主人公に
    ポパイを迎えるはずでしたが
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    任天堂は権利を得ることができず
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    宮本氏は映画「キングコング」の影響を受けた
    オリジナルキャラを作りました。
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    ゲームの主人公ジャンプマンは、
    巨大な猿に連れ去られた
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    レディという悲嘆の女性を
    救出しなければなりません。
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    続編ではポリーンと名付けられています。
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    ドンキーコングは初期のアーケードゲームで
    おそらく最も有名な「悲嘆の女性」の例ですが
  • 6:57 - 6:59
    宮本氏がこのトロープを用いたのは
    これが初めてではありません。
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    2年前の1979年、彼はシェリフという
    アーケードゲームの開発に関わっていました。
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    このゲームでは、「美女」と呼ばれる
    女性の形をしたキャラクターを
  • 7:08 - 7:12
    盗賊の手から救い出さなければなりません。
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    ヒーローは、ゲームの終わりに勇気を称えられ、
    「勝利のキス」を与えられます。
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    数年後、宮本氏はドンキーコングの
    キャラデザインを再利用しました。
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    ポリーンはキノコ姫という新しい
    女性キャラの雛形になり、
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    ジャンプ男はある有名な配管工になりました。
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    ピーチ姫はあらゆる意味で
    もっとも典型的な「悲嘆の女性」です。
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    不運の姫は、計14本のスーパーマリオブラザースの
    ゲームに登場し、
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    そのうち13本で彼女は誘拐されます。
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    ピーチ姫は誘拐されなかったのは、
    北米で1988年に発売された
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    スーパーマリオ2だけで、
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    また、彼女をプレイヤーキャラとして使える
    唯一のゲームです。
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    ただしこのゲーム、
    元はマリオゲームではなかったのです。
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    日本では違うタイトルで発売された
    ゲームでした。
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    そのタイトルは夢工場ドキドキパニック。
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    英語に訳すと
    Dream Factory: Heart Pounding Panic。
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    ニンテンドー・オブ・アメリカは
    日本語版スーパーマリオブラザーズ2の
    難易度が高すぎ、前作に似すぎていると判断し、
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    ドキドキパニックを作り直し、
    主人公にマリオとルイージを迎えました。
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    しかし、日本語版にはすで4人の
    プレイヤーキャラがいました。
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    ですから、残り2人のプレイヤーキャラに
    キノピオとピーチ姫が起用されました。
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    こうして既存のキャラモデルを上書きしたのです。
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    ですから、ピーチ姫がプレイヤーキャラに
    なったのは事故とも言えます。
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    でも、短距離を飛べる能力を
    持っていました。
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    氷のレベルでとても便利でした。
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    悲しいことに、ピーチ姫が
    プレイヤーキャラになることは
    2度とありませんでした。
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    4人のキャラを使える
    スーパマリオブラザーズ Wii や WiiU でも
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    ピーチ姫はゲームプレイから除外されています。
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    代わりにキノピオが追加され、
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    ピーチ姫は「悲嘆の女性」に戻されてしまいました。
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    ピーチ姫は数多くのスピンオフに登場します。
  • 9:42 - 9:45
    マリオパーティ、マリオスポーツ、
    マリオカートなどに登場するほか、
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    任天堂キャラが総登場する格闘ゲーム
    スマッシュブラザーズにも出演しています。
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    しかし、これらは中枢の
    スーパーマリオシリーズとは別の世界です。
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    ピーチ姫が主人公を務めた
    唯一のゲームの話はまた後で。
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    「悲嘆の女性」トロープは、
    主体と客体に分けて考えることができます。
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    簡単に言えば、主体は行動を起こし、
    客体は行動の受け皿となる。
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    主体は主人公です。
    物語の中心であり、
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    殆どの行動を起こす人物です。
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    ゲームでは、大体が
    主人公のプレイヤーキャラに該当し、
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    物語もこのキャラの視点で進みます。
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    このトロープでは
    男性が物語の題材であり、
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    女性は所有物に左遷されます。
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    これは擬物化の一種です。
    客体である悲嘆の女性は受身になり、
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    勝ち取られる景品や発見を待つ宝物、
    達成するべき目的にさせられます。
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    数多くのアーケードゲームの
    イントロムービーでは
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    盗まれる所有物としての
    女性が強調されています。
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    盗まれた物を取り戻すための戦いが、
    ゲームプレイの怠惰な根拠となるわけです。
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    「悲嘆の女性」トロープでは、
    女性は物語に無関係なのです。
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    彼女は男性が奪い合う物に過ぎないのです。
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    少なくともこれまでの伝統的な例では。
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    父権制のゲームでは、
    女性は対戦チームではなく、
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    ボールであると言われています。
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    例えば、スーパーマリオは
    マリオとバウザーの競技であり、
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    ピーチ姫の役割は、
    ボールに過ぎないと言えるでしょう。
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    二人の男性はシリーズを通して
    何度も彼女を投げ合い、
  • 11:45 - 11:49
    「悲嘆の女性」のボールを
    キャッチしようとします。
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    「悲嘆の女性」は任天堂が
    発明したものではありませんが、
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    「姫を救出するゲーム」の人気により、
    業界の基準となってしまいました。
  • 12:03 - 12:07
    手軽な動機として
    このトロープが使い回されました。
  • 12:07 - 12:12
    若い男性の幻想に取り入り、
  • 12:12 - 12:15
    たくさんのゲームを
    少年や男性に売るためです。
  • 12:15 - 12:17
    「助けて!」
  • 12:17 - 12:18
    「助けて!」
  • 12:18 - 12:19
    「助けて!」
  • 12:19 - 12:20
    「助けて!」
  • 12:20 - 12:21
    「私を救い出して!」
  • 12:21 - 12:23
    「助けて!」
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    「お願い、助けて。ブレード!」
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    80年代と90年代では
    このトロープが流行したため、
  • 12:28 - 12:30
    すべての例を挙げるのは無理です。
  • 12:30 - 12:33
    何百もの例がプラットフォームゲーム、
  • 12:33 - 12:35
    サイドスクロールの格闘ゲーム、
  • 12:35 - 12:37
    FPS、
  • 12:37 - 12:39
    そして RPG に現れます。
  • 12:46 - 12:49
    ここで、このトロープにありがちな
    誤解を解きましょう。
  • 12:49 - 12:54
    プロットデバイスとしての「悲嘆の女性」は、
    他のトロープと一括にされることがあります。
  • 12:54 - 12:58
    「指名の犠牲者」「英雄的な救出」
    「勝利のキス」など。
  • 12:58 - 13:02
    しかし、これらのトロープに
    「悲嘆の女性」との関連性はあれども、
  • 13:02 - 13:05
    必ずしも「悲嘆の女性」トロープの
    一部ではないと覚えていてください。
  • 13:05 - 13:10
    問題の女性は、ゲームを通して
    犠牲者であったり、なかったりします。
  • 13:10 - 13:14
    ヒーローも、救出に失敗したり
    成功したりします。
  • 13:16 - 13:20
    「悲嘆の女性」トロープの条件を満たすには、
  • 13:20 - 13:23
    ヒーローの物語の進行のために
    女性キャラが無力にされ、
  • 13:23 - 13:29
    彼に救出されなければならない
    ということのみです。
  • 13:29 - 13:32
    それではもう一人の有名な
    任天堂のお姫様について話しましょう。
  • 13:32 - 13:37
    1986年、宮本茂氏は再び
    「悲嘆の女性」を使い、
  • 13:37 - 13:40
    NES 版「ゼルダの伝説」を発表しました。
  • 13:40 - 13:45
    ゲーム史上もっとも愛されている
    アクションゲームシリーズの第一作でした。
  • 13:45 - 13:46
    「ゼルダ!」
  • 13:46 - 13:48
    「ゼルダの伝説は続く」
  • 13:48 - 13:49
    「ゼルダ!」
  • 13:49 - 13:53
    「クリスタルを見つけ、姫を救出せよ」
  • 13:53 - 13:54
    「ゼルダ!」「ゼルダ!」
  • 13:54 - 13:56
    「ゼルダII:リンクの冒険」
  • 13:56 - 13:59
    「任天堂!パワーで遊べ!」
  • 13:59 - 14:02
    25年間に渡り12本以上の
    ゼルダゲームが発売されましたが、
  • 14:02 - 14:08
    すべてでゼルダ姫は誘拐されるか、
    呪われるか、憑依されるか、石化されるか、
  • 14:08 - 14:10
    他の形で無力になります。
  • 14:32 - 14:37
    ゼルダ姫が主人公になったことも、
    真のプレイヤーキャラになったこともありません。
  • 14:37 - 14:40
    しかし、すべての「悲嘆の女性」が
    平等に作られているわけではありません。
  • 14:40 - 14:46
    ゼルダ姫はキノコ王国の姫より
    活発な役割を与えられることがあります。
  • 14:46 - 14:52
    また、ゼルダ姫はガノンドロフに
    誘拐されるだけではありません。
  • 14:52 - 14:56
    後のゲームでは、「悲嘆の女性」と
    「相棒」の間の存在になります。
  • 14:56 - 15:01
    プロットデバイスとしての「悲嘆の女性」は、
    女性キャラの身に何かが起きることであり、
  • 15:01 - 15:05
    最初から最後まで犠牲者の役割に
    縛られるわけではないのです。
  • 15:05 - 15:09
    時折、もっと活動的な役割を与えられる
    こともあります。
  • 15:09 - 15:13
    ヒーローのために扉を開けたり、
    ヒントやパワーアップなどのアイテムを与え、
  • 15:13 - 15:16
    冒険の手助けをします。
  • 15:16 - 15:19
    私はこのバリエーションを
    「お手伝いする悲嘆の女性」と読んでいます。
  • 15:19 - 15:25
    ゼルダ姫は「時のオカリナ」でシークの姿で活躍し、
    「風のタクト」でテトラという名前で活躍します。
  • 15:25 - 15:30
    「時のオカリナ」では、ゼルダ姫はゲームの
    後半まで誘拐を免れます。
  • 15:30 - 15:34
    シークに変装した彼女は
    活発で役に立つ冒険の仲間であり、
  • 15:34 - 15:36
    有能なキャラクターです。
  • 15:38 - 15:44
    しかし、いわば女性らしいゼルダ姫に戻るなり
  • 15:44 - 15:46
    たった3分の間に捕獲されてしまいます。
  • 15:46 - 15:49
    きっちり3分です。
    時計で計りました。
  • 15:52 - 15:56
    彼女の救出がリンクの冒険の
    目的になるわけです。
  • 15:56 - 16:01
    「風のタクト」でテトラは威勢のいい
    若い海賊キャプテンです。
  • 16:01 - 16:07
    しかし、彼女の正体がばれると、
    女性らしい姿に戻され、
  • 16:07 - 16:10
    リンクの冒険に同伴できなくなります。
  • 16:10 - 16:14
    急に危険すぎると言われるのです。
  • 16:14 - 16:15
    彼女は城で待つよう命令され、
  • 16:15 - 16:20
    誘拐されるまで従順に
    城に留まります。
  • 16:22 - 16:25
    注目すべきは、
    最後のボス戦のステージで、
  • 16:25 - 16:30
    ゼルダ姫がリンクに加勢し、
    ガノンドルフと戦います。新鮮な変化です。
  • 16:31 - 16:36
    しかし、テトラが2007年の
    「夢幻の砂時計」で再登場したとき
  • 16:36 - 16:38
    彼女はイントロで誘拐されてしまいます。
  • 16:38 - 16:42
    その後、石化されて再び誘拐されます。
  • 16:42 - 16:46
    英雄的なことをしても、ゼルダ姫が
    悲嘆の女性に戻されるのは残念です。
  • 16:46 - 16:49
    彼女は活劇から切り離され、左遷され、
  • 16:49 - 16:52
    どのゲームでも最低1回は無力になります。
  • 17:10 - 17:16
    このトロープにおける女性の描写が
    問題で有害な理由を話しましょう。
  • 17:16 - 17:19
    悲嘆の女性は「非力」の同義語だけではなく、
  • 17:19 - 17:25
    女性キャラから力を奪うことで
    機能するのです。
  • 17:25 - 17:29
    彼女たちが魔法能力や技術、
    力を持っていても
  • 17:29 - 17:35
    結局は捕われるか無力化され、
    救出を待つはめになるのです。
  • 17:35 - 17:40
    さらに簡潔に言えば、
    このプロットデバイスは
  • 17:40 - 17:42
    女性キャラの無力化と引きかえに
    男性キャラが力を得るのです。
  • 17:51 - 17:54
    悲嘆の女性を
    典型的な英雄神話と比べてみましょう。
  • 17:54 - 17:58
    大抵は男性の主人公が
    冒険中に怪我をしたり、
  • 17:58 - 18:02
    無力になったり、
    捕獲されたりすることがあります。
  • 18:05 - 18:12
    これらの状況で、英雄は自分の知恵や技術を使って
    脱出します。
  • 18:12 - 18:13
    「よし、いいぞ」
  • 18:17 - 18:21
    牢屋に穴を開けて脱出することもできます。
  • 18:21 - 18:24
    要は、彼らは自力で自由を取り戻すわけです。
  • 18:24 - 18:27
    また、困難に打ち勝つ経験は
  • 18:27 - 18:31
    主人公がより英雄らしくなるための
    大切なステップなのです。
  • 18:31 - 18:36
    逆に、悲嘆の女性は自力で
    窮地を切り抜けることができず
  • 18:36 - 18:39
    救助者を待つ羽目になります。
  • 18:39 - 18:42
    試練は悲嘆の女性のものではなく、
  • 18:42 - 18:46
    英雄が乗り越えなければならない
    至難として描かれてているのです。
  • 18:46 - 18:51
    結果、危険に晒された女性が
    自ら脱出を謀る機会を奪い、
  • 18:51 - 18:55
    彼女たちが英雄になることを
    阻むのです。
  • 18:56 - 19:01
    現在、昔ながらの悲嘆の女性ゲームが
    さまざまなゲーム機向けに蘇っています。
  • 19:01 - 19:05
    ゲーマーの懐古趣味に
    取り入って儲けるため、
  • 19:05 - 19:09
    馴染みのあるキャラクターを
    掘り返しているのです。
  • 19:09 - 19:14
    例えば、エイミー・ローズという悲嘆の女性が
    登場する1993年のプラットフォーマー
  • 19:14 - 19:19
    「ソニック・ザ・ヘッジホッグCD」は
    数多くのゲーム機にダウンロードできます。
  • 19:20 - 19:23
    1980年代にアップル II 家庭機向けに
    発売されたジョーダン・メシュナーの
  • 19:23 - 19:27
    「カラテカ」と「プリンス・オブ・ペルシャ」
    シリーズは
  • 19:27 - 19:29
    どちらも高画質でリメイクされています。
  • 19:37 - 19:40
    そして1983年のレーザーディスクゲーム
    「ドラゴンズ・レア」。
  • 19:40 - 19:45
    オバカなダフネ姫が登場するこのゲームは、
    ほぼ全てのゲームシステムにポートされています。
  • 19:45 - 19:47
    「助けて!」
  • 19:47 - 19:51
    「檻には鍵がかかっているわ」
  • 19:51 - 19:54
    「鍵はドラゴンが首にかけているの」
  • 19:54 - 19:58
    「ドラゴンを倒すには、魔法の剣を使うのよ」
  • 19:58 - 20:03
    ポーリーンを覚えていますか?
    ドンキーコングの悲嘆の女性。
  • 20:03 - 20:04
    彼女も蘇りました。
  • 20:04 - 20:08
    まずは1994年、ゲームボーイ向けの
    「ドンキーコング」で。
  • 20:08 - 20:12
    そして、ニンテンドーDS の
    「マリオ VS ドンキーコング」シリーズで。
  • 20:12 - 20:15
    どちらのゲームもオープニングで
    ポーリーンが巨大な猿に連れ去られるという
  • 20:15 - 20:19
    使い古されたプロットを
    蒸し返しています。
  • 20:19 - 20:23
    「マリオ、助けて!」
  • 20:24 - 20:29
    1987年の格闘アーケードゲーム
    「ダブルドラゴン」の
    有名なオープニングシーンでは
  • 20:29 - 20:33
    マリアンが腹にパンチを食らい、
    暴漢に担がれ、連れ去られます。
  • 20:33 - 20:38
    いくつかのバージョンでは、
    誘拐される彼女の下着がはっきり見えます。
  • 20:38 - 20:43
    このゲームは25年の間に
    何度もリメイクされ、
    数多くのゲームシステムにポートされ、
  • 20:43 - 20:48
    マリアンが暴行され、悲嘆の女性にされる姿を
    新しい世代が楽しめるように
    発売されてきました。
  • 20:48 - 20:55
    2012年の新作「ダブルドラゴン・ネオン」では、
    この逆進的なシーンを新世代に紹介しました。
  • 20:55 - 20:57
    今度は高画質で。
  • 21:01 - 21:06
    女性が根本的に弱く、無力であると
    繰り返し描写されるのは
  • 21:06 - 21:12
    ゲームのキャラやゲーム世界のほか、
    現実世界にも影響があります。
  • 21:12 - 21:15
    これらのゲームは現実から切り離された
    世界に存在しているわけではないのです。
  • 21:15 - 21:20
    ゲームはますます影響力を増しており、
    社会と文化のエコシステムの大切な一部です。
  • 21:20 - 21:24
    このトロープは、すでに逆進的で性差別的な
  • 21:24 - 21:27
    考えがはびこる世界で
    使われているのです。
  • 21:27 - 21:32
    悲しいことに、世界人口の大半が、
    女性は男性に守られるべき存在という
  • 21:32 - 21:37
    性差別的な考えにしがみついていることです。
  • 21:37 - 21:40
    女性が弱い性別であるという信念は
  • 21:40 - 21:45
    深くしみ込んだ、社会的につくられた神話です。
    もちろん完全に誤っています。
  • 21:45 - 21:50
    女性がか弱く、傷つきやすい生き物として
    描写され続ければ、
  • 21:50 - 21:54
    この考えは補強され、浸透し続けます。
  • 21:54 - 21:58
    念のため言っておきますが、悲嘆の女性を
    プロットデバイスとして使用したすべてのゲームが
  • 21:58 - 22:01
    自動的に性差別的で価値がないと
    言っているわけではありません。
  • 22:01 - 22:04
    しかし、ポップ文化は私たちの生活に
    多大な影響を与えるものであり、
  • 22:04 - 22:12
    悲嘆の女性トロープが利用され続けるのは、
    女性にとって有害な
    家父長主義を助長するにすぎません。
  • 22:13 - 22:19
    私は任天堂で育ちました。人生を通して
    マリオとゼルダシリーズのファンで、
  • 22:19 - 22:24
    私にとって特別なゲームであり続けるでしょう。
    たくさんのゲーマーにも同じことが言えると思います。
  • 22:24 - 22:28
    しかし、これらゲームの持つ問題面を認識し、
    批評することも大切です。
  • 22:28 - 22:32
    特に、これらのゲームシリーズの多くは
    今や多大な人気を誇り、
  • 22:32 - 22:35
    キャラが世界的な人気者なのですから
    尚更です。
  • 22:35 - 22:39
    しかし、ゲーム開発者が性別の表現に
    関する考え方を変え、
  • 22:39 - 22:42
    女性が英雄のゲームを作ることは
    すぐにでも可能なのです。
  • 22:42 - 22:47
    ゼルダ姫、シークやテトラが
    主人公のゲームができたら素晴らしいでしょう。
  • 22:47 - 22:52
    DS ゲームに限らず、据置機のゲームもです。
  • 22:52 - 22:58
    今回は、「悲嘆の女性」がビデオゲーム史上において
    最も使い古された決まり事であり、
  • 22:58 - 23:03
    ゲームの大衆化と開発の中核になったと
    確立しました。
  • 23:03 - 23:07
    では近年のゲームはどうでしょうか。
    過去10年に何か変化はあったのでしょうか?
  • 23:07 - 23:12
    パート2では近年の悲嘆の女性を
    見ていきます。お楽しみに。
  • 23:12 - 23:18
    このトロープが今日に至るまで
    どのように悪用されてきたか
    見ていきましょう。
  • 23:18 - 23:22
    次に、ゲーム開発者がどのように
    悲嘆の女性を逆手に取ろうとしたか
    見ていきます。
  • 23:24 - 23:27
    Kickstarter をサポートしてくれた
    後援者の皆さんの支援のお陰で
  • 23:27 - 23:32
    このビデオシリーズを実現できました。
    ありがとうございました。
Title:
Damsel in Distress: Part 1 - Tropes vs Women in Video Games
Description:

This video explores how the Damsel in Distress became one of the most widely used gendered clichés in the history of gaming and why the trope has been core to the popularization and development of the medium itself. 

As a trope the Damsel in Distress is a plot device in which a female character is placed in a perilous situation from which she cannot escape on her own and must then be rescued by a male character, usually providing a core incentive or motivation for the protagonist's quest.

ABOUT THE VIDEO SERIES
The Tropes vs Women in Video Games project aims to examine the plot devices and patterns most often associated with female characters in gaming from a systemic, big picture perspective. This series will include critical analysis of many beloved games and characters, but remember that it is both possible (and even necessary) to simultaneously enjoy media while also being critical of it's more problematic or pernicious aspects.

MORE INFO
For more examples of the Damsel in Distress see our Tumblr for this series:
http://tropesversuswomen.tumblr.com

Visit http://www.feministfrequency.com for more information, videos and a full transcript. English language captions coming soon!

This video series is created by Anita Sarkeesian and the project was funded by 6968 awesome backers on Kickstarter.com

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For more information on Cyber mobs and gendered online harassment, you can watch my TEDxWomen talk on the topic: https://www.youtube.com/watch?v=GZAxwsg9J9Q

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Video Language:
English
Team:
Feminist Frequency
Duration:
23:35

Japanese subtitles

Incomplete

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