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ニューロハッキング:脳の神経を繋ぎ直す|ドン・ヴォーン|TEDxUCLA

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    私達一人一人の頭の中には
    美しい交響曲が流れています
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    1000億もの神経細胞(ニューロン)が
    そろって「発火」し
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    私達が生きているこの鮮明な現実を
    作り上げています
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    その神経活動の一つ一つに
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    あなた自身を作る
    小さなかけらが生きているのです
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    あなたが今日を経験した後は
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    その活動は移り 今日と同じあなたでは
    なくなります
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    あなたは自身の脳と緊密に結びついています
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    私は16歳で初めてこれらの原則を知り
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    脳に恋しました
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    それ以来 神経科学の研究を続けています
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    さて ある日私たちは新しいMRIの実験を
    行っていました
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    実験は成功したのですが 驚いたことに
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    私達の多くにとって衝撃だったのは
    私の脳に「穴」があった事です
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    かなりの大きな物でした
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    小脳の30パーセントが欠損していました
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    (笑)
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    ご想像の通り 私はかなりショックでした
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    とういのも私は 私自身 あるいは人生が
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    または経験が変わったとか 欠落したように
    感じていなかったからです
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    小脳は脳の最も基本的な部分の一つです
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    小脳には神経細胞全体の
    80パーセントが集まっています
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    私は興味を持ちました
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    実は脳内には衝突があります
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    脳が処理すると想定された事と
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    実際に処理した事の間に
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    そして何とか折衷案を見つけます
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    私は動的で柔軟な器官としての脳に
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    とても興味を持ちました
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    ここで 私はキャメロン・モットの話を
    取り上げたいと思います
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    3歳の誕生日直後からキャメロンは
    激しいけいれん発作に襲われ始めました
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    症状は徐々に悪化し
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    やがて彼女は話す事が出来なくなりました
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    医師はラスムッセン脳炎と診断しました
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    この病気の唯一の治療法は
    大脳半球の切除です
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    つまり脳の半分を切り取る方法です
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    忘れてはならないのは
    人の脳の半分が
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    体の反対側の運動と感覚を担い
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    コントロールしている事です
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    手術をするとキャメロンは半身麻痺になります
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    にもかかわらず
    術後わずか4週間で退院しました
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    半身麻痺と周辺視野の欠損が
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    少し残っていますが
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    それ以外には
    友達と走り回ったりできるし
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    とても頭の回転が速いのです
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    驚きます
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    例えば
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    このような状況を考えてみてください
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    車の半分 あるいは電話の半分を
    あなたに渡したとしても
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    ロスアンジェルスのどこにも行けません
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    また今ツイッターで
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    TEDxUCLAがどれほど意識を
    広げるのに役立つかをツイートできません
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    (笑)
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    ほとんどの機械では50パーセントというのは
    壊れているという意味だからです
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    しかしキャメロンの場合
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    50パーセントは ほぼ100パーセントと
    等しいのです
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    なぜそれが可能なのでしょうか?
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    キャメロンの脳の残った部分が
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    神経組織が大量に失われた事を感じて
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    物理的に神経を繋ぎ直し 再編成し
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    以前もう半分が行っていた事全てを
    引き継いだのです
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    それは「神経可塑性」と言われるものです
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    これは脳がそれ自身変化し
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    神経を繋ぎ直す能力です
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    だから「あなたの脳は
    コンピューターのようだ」と
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    例えるのは適切だとは思いません
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    むしろ正しくありません あなたの脳は
    静的なハードウェアではないからです
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    神経科学の通説では長い間
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    大人の脳は固定された処理装置だと
    思われてきましたが
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    毎日私達は 事実は全く異なるという
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    新しい研究結果を見つけています
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    脳には決まった構造がありますが
    動的で 柔軟な生物学的機能を持ちます
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    言い換えると
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    あなたやあなたの脳は静的ですが
    動的でもあります
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    あなたはあなた自身を変えられます
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    広める価値のあるアイデアは
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    怪我や機能障害を
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    全く新しい方法で治療する
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    すなわち 脳が自らの神経を繋ぎ直す能力を
    乗っ取る(ハックする)ことです
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    わかりやすく説明しますと
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    うつ病治療の歴史を見てみましょう
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    1952年以来
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    科学者や医師達はうつ病の治療について
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    固定されたハードウェアの問題として
    取り組んできました
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    「ハッピーな気持ち」にする神経伝達物質
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    セロトニン、ドーパミン、 ノルエピネフリン
    などの不足でうつになるという説です
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    こう理解すると
    それら神経伝達物質の
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    濃度を増やす薬を発見し 開発することは
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    全く理にかなっています
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    モノアミン酸化酵素阻害薬、三環系抗うつ薬
    選択的セロトニン再取り込み阻害剤など
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    多数ありますが どれも効果は
    似通っています
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    これらは現代医学の驚異です
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    つまり 抑うつ剤については
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    3分の2の人々の症状が軽くなります
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    しかし まだ米国だけで150万人が
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    人生を充分に楽しむことができず
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    友達や家族から
    断絶された人達がいます
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    それは恐ろしく 心を弱らせる疾患です
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    もしその問題に神経可塑性の観点から
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    アプローチできるとしたらどうでしょう?
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    私達が取り組んでいるのは
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    正常人とうつ病患者の脳で
    異なる活動をする部位を探す事です
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    例えば あるうつ病患者の
    背外側前頭前野の活動が
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    正常人の脳ほど活発でないとき
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    私達は頭皮に置いた機械から
    電磁刺激を発生させ
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    脳の該当する領域の神経回路の
    再構築を誘導します
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    ですから通常より活発でない脳の領域に
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    電磁パルスを与え 刺激し
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    数度にわたり つまり可能な限りします
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    神経の再接続を高められるでしょうか?
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    脳の活動を本質的に正常な状態に
    戻すことはできるのでしょうか?
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    一度に一つの領域づつ?
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    これは新しい技術ではありますが
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    トロント大学ジョナサン・ダウナー博士による
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    いくつかの先駆的な研究によると
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    治療抵抗性うつ病に33%の寛解率が
    見られています
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    治療抵抗性うつ病とは 治療が無効で
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    抗うつ剤を使用しても症状の軽減が見られず
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    選択肢が他にない症例です
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    神経可塑性の別の素晴らしい点は
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    薬ではその標的が分子レベルで
    はっきり限定されているものの
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    薬は全身に投与されるので
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    しばしば 意図しない
    体のいろいろな部位に影響し
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    多くの副作用を引き起こします
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    皆さんは 薬のCMの最後に
    速いスピードで流される
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    副作用リストにおなじみでしょう
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    しかし神経可塑性を利用した治療は
    別のアプローチをとります
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    脳の広い区画を標的にしますが
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    残りの体全体には影響を与えません
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    私達は今 個別化医療革命の
    真っただ中にいます
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    自分のゲノム解読、SNPの分析も
    100ドルから200ドルでできます
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    神経可塑性を活かした治療は
    個別化医療の流れに適合します
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    治療を個々人にぴったり
    合わせる事ができるからです
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    ジョンだけに適切な刺激パルスを送り
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    ジェニーだけに合った標的区画を
    定める事ができます
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    私達の内部が外見よりもずっと
    異なっているという事実に
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    対処できる
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    かなりの柔軟性が必要で
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    どの最適治療メカニズムもその要求に
    答えなくてはなりません
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    ですから 私にとってこれはSFが
    現実になったように思われます
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    私達は最先端にいます
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    非侵襲的に脳の神経を繋ぎ直し
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    ある種の精神疾患の症状を緩和します
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    文献上では 確かに
    いくつか論議もあります
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    適切なシャム(偽)手術は?
    適切な比較対照は?
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    どこを標的とするのか?
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    問題になりません
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    あと一息です 驚くほどの可能性です
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    その段階に達した時 次の課題は
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    機器を使って脳の神経を
    繋ぎ直す事が出来るなら
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    脳自身が神経を繋ぎ直すことを
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    自身が念じる事で可能にならないか? です
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    馬鹿げてると思われるかもしれませんが
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    これこそ リアルタイム・
    ニューロフィードバックと言われるものです
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    基本的に 私達が行っているのは
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    例えば 中毒の例をあげると
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    コカイン中毒の場合
    被験者にコカインの魅力的な映像を見せ
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    渇望ネットワークを引き出します
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    何といっても コカイン中毒患者なのです
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    次に彼らにリアルタイムフィードバック
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    つまり今 脳で起きていることを
    見てもらいます
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    脳の中の渇望ネットワークは実際に
    何をしているのか?
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    被験者達に心に浮かんだ景色を
    次々とサーフしてもらい
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    渇望を抑える為に必要な事なら
    何でもしてもらいます
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    つまり意識的
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    多分 ほとんどの場合は
    無意識的でしょう
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    脳の神経回路を知的に
    繋ぎ直すのに必要な制御を
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    適切なタイミングで
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    少しのバイオフィードバックを
    用いて行います
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    これには法制度が関わってくると
    思われます
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    なぜなら 私達は神経化学のように
    脳の機能を良く説明できるところまで
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    来ているのですから
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    今では 違う種類の薬を使って
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    気分を変えることができます
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    ある事例では 行政として
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    薬物で犯罪者の
    犯罪傾向を弱めようとしています
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    オーウェルの『1984年』のようですが
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    私達は既に行っています
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    カリフォルニアやその他の州で
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    化学的去勢と言われる薬物療法を
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    性犯罪の再犯者に命じています
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    彼らは強制的に
    酢酸メドロキシプロゲステロンを投与され
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    性的衝動を抑制されます
    これは効果があります
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    ここでは この件の道徳性について
    コメントする気はありません
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    ただ 犯罪者の新しい更生方法を模索する上で
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    彼らを勾留する代わりに
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    神経の可塑性を使う事は
    素晴らしい選択肢です
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    以前は このように言っていました
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    この薬を飲まないと 釈放しないと
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    その代わりに この人物の神経を繋ぎ直す
    可能性があるのか考えるようになりました
  • 10:20 - 10:25
    その代わりに この人物の神経を繋ぎ直す
    可能性があるか考えるようになりました
  • 10:26 - 10:31
    さて精神症状の治療からさらに進んで
  • 10:31 - 10:35
    この方法を意思決定の改善 つまり
    衝動コントロールに利用してはどうでしょう
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    さて私が今どちらを食べたいか
    ということです(笑)
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    私達は自分の知的な脳の可塑性を使い
  • 10:40 - 10:43
    私達は自分の知的な脳の可塑性を使い
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    長期的な意思決定 注意力 衝動の抑制を
  • 10:48 - 10:52
    調整したり高めたりします
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    もし私達がバイオフィードバック・
    メンタル・ジムに
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    本当のジムと同じ頻度で通い
    自分自身の行動問題を
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    20キロの重りを持ち上げるのと同じ気力で
    メンタルトレーニング出来たら
  • 11:05 - 11:07
    素晴らしいアイデアだと思います
  • 11:07 - 11:11
    神経可塑性の応用がもう一つあります
  • 11:11 - 11:12
    それについてお話ししたいのですが
  • 11:12 - 11:15
    その前に短い実験をやってみたいと思います
  • 11:15 - 11:17
    皆さん 座席の下をご覧ください
  • 11:17 - 11:22
    何人かの方は このような耳栓を
    見つけられたと思います
  • 11:22 - 11:25
    また休憩前に
    取っちゃった人もいるでしょう
  • 11:25 - 11:26
    (笑)
  • 11:26 - 11:27
    誰かわかっていますよ
  • 11:27 - 11:28
    出してください
  • 11:28 - 11:29
    いいですね
  • 11:29 - 11:31
    実験を始めます
  • 11:31 - 11:34
    耳栓を持っている人は
    話し手に
  • 11:34 - 11:37
    持っていない人は
    聞き手になります
  • 11:37 - 11:39
    袋を開けて
    準備して下さい
  • 11:39 - 11:42
    ここで 私の友人ミミをご紹介します
  • 11:43 - 11:47
    ミミは7か月で 話す事が好きです
  • 11:48 - 11:54
    私がプレイボタンを押したら
    話し手役の方は ミミの言うことを真似て下さい
  • 11:54 - 11:58
    聞き手の方は 話し手が
    上手に出来てるか確認して下さい
  • 11:59 - 12:00
    では 耳栓を付けてください
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    自宅におられる方は
  • 12:04 - 12:06
    昔風のやり方で耳栓を付け(指で塞いで)
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    試して下さい
  • 12:13 - 12:17
    (可愛い赤ちゃんの声)
  • 12:22 - 12:24
    [耳栓を外してください]
  • 12:25 - 12:28
    聞き手の皆さん、どうでした?
  • 12:28 - 12:29
    (笑)
  • 12:29 - 12:32
    ひどいものでしたね
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    実は皆さんが失敗するよう仕組みました
  • 12:35 - 12:39
    唇の動きを読むのは とても難しい事です
  • 12:39 - 12:44
    そして皆さんが失敗された様に
    赤ちゃんは
  • 12:44 - 12:47
    唇を全く動かさずに声を出したり
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    さらに オモチャを口に入れたまま
    しゃべるので
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    唇を読むのは本当に困難です
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    神経科学よりも難しいです
  • 12:55 - 12:56
    (笑)
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    想像してみて下さい
    ミミがあなたの子供で
  • 13:01 - 13:03
    これが日常だと
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    それが難聴の両親の現実です
  • 13:06 - 13:10
    彼らの子供の90パーセント以上が
    聴覚に問題がありません
  • 13:11 - 13:14
    これが家族の分断に繋がる事があります
  • 13:14 - 13:18
    なぜなら両親は昔ながらの赤ちゃん言葉の
    やりとりに加われないからです
  • 13:19 - 13:21
    赤ちゃん言葉でのやりとりは
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    単に両親による 可愛いらしい
    甘ったるい話しぶりではなく
  • 13:27 - 13:32
    本来 自然がデザインした意思疎通法で
  • 13:32 - 13:35
    言葉を教えたり 絆を養うものです
  • 13:37 - 13:41
    もし赤ちゃん言葉でのやり取りが無くなったら
    難しい問題になります
  • 13:42 - 13:48
    UCLAのアリアナ・アンダーソン博士と
    私自身が持った疑問は
  • 13:48 - 13:51
    幼児の話し言葉を耳を通して
    聞く事が出来ない場合は
  • 13:51 - 13:53
    他に選択肢があるのでしょうか
  • 13:54 - 13:58
    人々の脳をスキャンすると
  • 13:58 - 14:01
    大脳皮質の特定部分が
  • 14:01 - 14:05
    特定の感覚モダリティの処理に
    充てられているのがわかります
  • 14:05 - 14:10
    例えば今朝UCLAスタグリンセンターへの
    TEDxツアーで
  • 14:10 - 14:13
    ステファニーの脳に
    視覚情報だけに反応する
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    特別な部分があるのを見ました
  • 14:17 - 14:18
    それとはまったく別のところに
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    触感だけに反応する
    脳の部分もありました
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    ここに興味深い事実があります
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    目の不自由な人が点字に触れている時
    脳をスキャンすると
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    活性化するのは脳の触感に関する
    部分だけでなく
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    視覚の領域も活性化してるのがわかります
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    同様に 聴覚が不自由な人々の脳を
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    手話で意思疎通している時にスキャンすると
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    ジェスチャーを見て反応する
    視覚の領域だけでなく
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    聴覚皮質も活性化しているのがわかります
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    私達の脳の可塑性は
    手当たり次第処理しているのではなく
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    何とかして
    「知的」に可塑性を使うのです
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    脳自身で神経回路を再配線し
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    外界からの情報を最大化し
    できるだけ多く処理しようとします
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    脳はなんとかして 点字を「見 」
    手話を「聞く」ことを学ぶのです
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    これは 「感覚の代用」と言われるものです
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    ポール・バック・イ・リタとディヴィッド・
    イーグルマンが活用したこの考えは
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    失った感覚から得た情報を
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    別種の感覚に置き換えて
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    失った感覚から得たように感じる事です
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    驚くことに 脳はその可塑性で
    問題を解決できます
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    私達はこのアイデアを使い
    UCLAから少額の助成金もいただいて
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    「チャター・ベイビー」という
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    アプリを開発しました
  • 15:47 - 15:48
    「チャター・ベイビー」は
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    聴覚情報を視覚情報に変換します-
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    感覚の代用の一種です
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    これでミミのおしゃべりが
    生き生きと目に見えます
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    もう見落とす(聞き落とす)
    ことはありません
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    ミミの唇が動いていなくても
    何を言っているかわかります
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    聴覚障害の両親がこのアプリを使い
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    赤ちゃん言葉を学び
    自分の子供とできる限り深く繋がり
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    究極的には
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    このアプリを使いこなすようになると
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    視覚を通して自分たちの子供の言葉を
    聞く事ができると信じています
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    私にとって
    これは神経可塑性の重要な応用です
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    このアプリは単に楽しい道具として
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    聴覚情報を視覚情報に変換するだけでなく
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    知覚処理の可塑性を持ち
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    聴覚障害の両親と
    子供をつなぐ力があります
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    それが可塑性の力です
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    しかし それは戦いの半ばでしかありません
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    聴覚障害の親子が抱える分断の別の側面は
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    聴覚障害の両親が
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    子供と同じ場合部屋にいないと
    機嫌がわからない事です
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    市販される最上のベイビーモニターでも
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    教えてくれるのは 音が聞こえるか
    聞こえないかだけです
  • 17:10 - 17:13
    それでは 心配している事に
    答えてくれていません
  • 17:13 - 17:16
    自分の子供が幸せで満足してるかを
    教えてくれません
  • 17:16 - 17:18
    あるいは お腹がすいているのか
  • 17:18 - 17:19
    それとも泣いているのか
  • 17:19 - 17:22
    子供のそばに行って
    対処する必要があるのか
  • 17:22 - 17:26
    音が聞こえる?聞こえない?と
    常に気にかけることになります
  • 17:27 - 17:29
    チャターベイビーでは
  • 17:29 - 17:34
    幼児の声に関する
    世界最大のデータベースを集めています
  • 17:34 - 17:36
    それを複雑な計算で処理し
  • 17:36 - 17:40
    その音から幼児の気分を予想します
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    彼はとてもお腹が空いています
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    (拍手)
  • 17:52 - 17:56
    聴覚障害の両親が
    自分たちの子供と意思疎通をするときに
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    神経可塑性が大きな違いを作るということが
    このアプリ開発の狙いです
  • 18:01 - 18:08
    私はこれまで うつ病や依存症
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    感覚の機能障害への神経可塑性を利用した
    治療について話してきましたが
  • 18:12 - 18:14
    それらは始まりにすぎません
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    例えばアルツハイマー、パーキンソン
    そして脳卒中など
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    このような方法では治療できないと
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    思われていた病気の領域にも
    取り組み出しました
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    これは私がニューロハッキングと呼んできた
    物の始まりにすぎません
  • 18:24 - 18:29
    徹底的に研究されていないから
    ハッキングだはと言ってはいません
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    これらのアイデアは よく考えられていて
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    なぜ機能するかについての論文も
    数多く出ています
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    ニューロハッキングと言っているのは
    私達が直接
  • 18:36 - 18:39
    これらの問題の細部を
    解決しようとしている訳ではなく
  • 18:39 - 18:42
    本質的にはそれが問題の根源であるところの
  • 18:42 - 18:44
    脳で起こるすべての生化学反応を
  • 18:44 - 18:46
    変えようとしている訳でもありません
  • 18:46 - 18:50
    頭の中には100兆にも及ぶ
    神経の繋がりがあり
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    それぞれが都市のような存在で
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    そこで無数の化学反応が起こっています
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    それほど難しい問題なのです
  • 18:57 - 19:01
    神経科学の最大の進歩そして
  • 19:01 - 19:05
    私達が活用しようとしていることは
  • 19:05 - 19:09
    あなただけの脳が持つ
    素晴らしい特質を用い
  • 19:09 - 19:13
    必要に応じて
    再配線 再配分することです
  • 19:13 - 19:17
    神経科学に関してはさて置き
  • 19:17 - 19:19
    私から皆さんに質問があります
  • 19:19 - 19:22
    普段 何か問題が起きた時に
  • 19:22 - 19:24
    その問題の細部やニュアンスを
    理解しようとするあまり
  • 19:24 - 19:28
    問題解決に至らないということがありますか
  • 19:29 - 19:34
    あなたが人口600万人のロスアンジェルスの
    社会を変えようとするとき
  • 19:34 - 19:37
    あなたの話を聞こうとしない人たちが
    数百万人はいるでしょう
  • 19:37 - 19:39
    彼らはあなたの助けにはなりません
  • 19:39 - 19:43
    壊れてしまったもの 機能しないものに
    注力する代わりに
  • 19:43 - 19:47
    ニューロハッキングの経験から学び
  • 19:47 - 19:50
    まだ機能するものを活かし
    期待した結果を得るというのはどうでしょう?
  • 19:50 - 19:51
    ご清聴ありがとうございます
  • 19:51 - 19:53
    (拍手)
Title:
ニューロハッキング:脳の神経を繋ぎ直す|ドン・ヴォーン|TEDxUCLA
Description:

「ライフハック(生活を効率よく安楽に過ごすためにアイデアを駆使した手法や技術)」については皆さん耳にしたことがあると思いますが、「ブレインハック(脳のハッキング)」について聞いた事がありますか?ドン・ヴォーン氏が人の脳の素晴らしい力についての情報を提供します。ドン・ヴォーン氏は、UCLAの博士研究員でDJもしています。 このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくはhttp://ted.com/tedxをご覧ください。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
20:02

Japanese subtitles

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