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ティーンエイジャーの睡眠不足は公衆衛生上の社会的な病い|ウェンディ・トロクセル|TEDxManhattanBeach

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    朝6時
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    家の外は暗闇
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    14歳の息子はベッドで
    熟睡しています
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    ティーンエイジャーらしく
    大胆にもぐっすりと眠っています
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    私は さっと照明のスイッチをつけて
    かわいそうな我が子を揺すり起こします
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    バンドエイドをはがすのと同様
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    早く終わらせた方が良いからです
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    (笑)
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    眠るティーンエイジの子を起こすために
    「火事よ」と叫ぶ友人がいます
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    別の友人は たまりかねて
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    息子の頭に冷水をかけて
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    ベッドから追い出すしか
    なかったそうです
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    ひどい仕打に聞こえますが
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    聞き覚えがあるのでは?
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    毎朝 私は自問します
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    「何で私は
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    知識も備えていて
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    自分の仕事にまでしていながら
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    自分の息子にこんなが事できるのか?」
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    実は
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    私は睡眠の研究者です
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    (笑)
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    睡眠と 睡眠不足の悪影響について
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    私は知りすぎるほど知っています
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    成長期にある10代として
    息子に絶対的に必要な眠りを
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    私が 奪っていることを認めます
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    分かっているんです —
    自然な体内時計が
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    起きる時間を告げる
    何時間も前に 息子を起こすことで
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    私は 文字通り
    彼の夢も奪っているのです —
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    それは 学習、記憶固定、感情処置に
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    最も関わりのある種類の眠りです
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    睡眠不足に悩むのは
    私の子供だけではありません
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    アメリカのティーンエイジャーの間には
    睡眠不足がまん延しています
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    睡眠学者や小児科医が推奨する
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    8〜10時間の睡眠をとれるのは
    10人に1人に過ぎません
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    ここで「よかった
    うちの子は8時間眠ている」と
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    胸を撫でているようであれば
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    覚えておいてください
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    8時間は
    推奨時間の最低ですので
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    ギリギリで満たしているだけなのです
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    睡眠8時間は かろうじて合格
    というところです
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    睡眠不足のまん延には
    沢山の要素が影響していますが
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    10代の子供が 必要な睡眠時間を
    確保できない一番の要因は
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    実は社会政策なのです
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    思春期のホルモンや 社会生活や
    スナップチャットではありません
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    アメリカでは
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    多くの学校が
    午前7:30頃かそれ以前の始業です
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    主要な医療機関が
    中学・高校教育の始業時刻として
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    午前8:30以降を
    推奨しているにも関わらずです
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    学校の始業時刻を早める政策が
    アメリカのティーンエイジャーの睡眠量
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    — というより睡眠の欠除に —
    直接影響をあたえています
  • 2:52 - 2:56
    また そのため 子供とその親は
    自分たちの身体を相手に
  • 2:56 - 3:00
    根本的に勝ち目のない戦いを
    しているのです
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    思春期前後のティーンエイジャーの場合
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    最も目が覚める時間帯や
    最も眠くなる時間帯を決める
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    体内時計に遅れが生じます
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    メラトニンというホルモンが
    分泌される時間が遅れることが その一因です
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    10代の子の身体では 午後11時頃まで
    メラトニンが分泌されません
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    これは成人やもっと幼い子供よりも
    2時間遅いです
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    体内時計で換算すると
    ティーンエイジャーを午前6時に起こす事は
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    成人を午前4時に起こすのと
    同じなのです
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    午前4時に起きなくてならない
    不運な日には
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    私もゾンビ同然です
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    まともに機能できません
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    きちんと考えられず
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    いらだちを感じ
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    多分車は運転すべきでない状態です
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    でもこの状態を アメリカの10代が
    登校日に毎日感じているのです
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    実は 私たちが ティーンエイジャーの
    せいにしている
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    不快な特徴の多く —
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    むら気、イライラ、やる気のなさや
    落ち込み などが
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    慢性的な睡眠時間の不足の
    結果だという可能性もあります
  • 4:10 - 4:13
    慢性的な睡眠不足と戦う
    10代の子の多くにとって
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    それを補う頼りになる対策法は
    大量のカフェイン摂取 —
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    ヴェンティサイズのフラぺチーノや
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    エナジードリンクやドリンク剤です
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    だから当然の結果として
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    ほぼ全部の若者が 疲れているのに
    ピリピリとした状態なのです
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    眠りを優先した始業時間の
    支持者が理解しているように
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    思春期は脳が劇的に発達する
    時期ですが
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    その中でも特に
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    論理的思考、問題解決力
    正しい判断力を含む
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    高次の思考プロセスを司る部分が
    急成長します
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    言い換えると
    思春期の特徴であり
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    10代の子を持つ親にとって
    恐怖を感じるような
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    衝動的で しばしば危険な
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    子供達の行動を制御する
    脳の活動に深く関わる部分なのです
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    他のみんなと同じように
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    ティーンエイジャーも
    必要な睡眠が取れなければ
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    脳や身体や行動が
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    短期的にも長期的にも
    悪影響を受けるのです
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    集中できず
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    注意力が急降下し
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    ADHD(注意欠如・多動性障害)に似た
    行動的な兆候が現れます
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    10代の睡眠不足の影響は
    学校での生活にとどまらず
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    悪いことに 思春期に急増する
    精神衛生上の問題を引き起こし
  • 5:34 - 5:36
    悪いことに 思春期に急増する
    精神衛生上の問題を引き起こし
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    その中には 薬物使用や
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    うつ病 自殺が含まれます
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    ロサンゼルス統一学区の10代を対象に
    私たちが行った調査では
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    睡眠障害を持つティーンエイジャーは
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    過去1ヶ月間にアルコールを摂取した割合が
    55%高いことがわかりました
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    3万人以上の高校生を対象に行った
    別の調査では
  • 5:56 - 6:00
    睡眠時間が1時間減るごとに
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    悲壮感や絶望感が38%増え
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    自殺未遂が58%増えることが
    わかりました
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    これだけにとどまらず
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    睡眠をけずるティーンは
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    我が国を悩ます
    肥満、心臓病、糖尿病などの
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    身体的な健康問題に
    犯されるリスクが高まります
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    さらに 睡眠不足のティーンが
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    運転免許を取得して間もなく
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    ハンドルを握るリスクもあります
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    研究が示すように
    睡眠時間が5時間以下の場合
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    血中アルコール濃度が法定基準を超えた状態で
    運転するのと同じくらい危険です
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    眠りを優先した始業時間の支持者や
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    この分野の研究家は
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    始業時間を遅らせれば
    大きな利益が生まれる
  • 6:54 - 6:58
    という素晴らしい
    科学的見解を示しました
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    研究結果は明白であり
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    睡眠の研究者として
  • 7:02 - 7:05
    私はこれほど確信を持って
    言えるものはありません
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    始業時間が遅い地域のティーンは
    睡眠を多くとっています
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    否定論者は 始業時間が遅くなれば
    夜ふかしが増えるだけだと
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    言うかもしれませんが
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    事実は逆で
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    就寝時間はそのままで
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    起床時間が遅くなるので
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    結果的に睡眠時間が長くなります
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    登校率が高くなり
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    ある学区では欠席率が25%減りました
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    中退する可能性も減ります
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    当然のことながら
    成績も上がります
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    これは 本当の意味での
    学力格差の縮小が期待できます
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    共通テストにおける
    数学と読解力の成績が
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    2〜3%上昇します
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    これは
    クラスの生徒数を1/3減らしたり
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    現場から まずまずの教師を
    真に優秀な教師に交代させるのと
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    同じくらい効果的です
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    心と身体の健康は向上し
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    家族も幸せになります
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    ティーンエイジャーが感じ良くなって
    気難しくなくなれば
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    誰が文句言えますか?
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    車の事故率が減ることにより
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    社会環境も安全になります
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    ある学区では
    事故率が70%減りました
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    このような多大な利点があれば
  • 8:23 - 8:25
    議論する必要はないと
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    思うかも知れませんよね?
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    では何故 私たち社会はこの呼びかけに
    耳を貸さないのでしょうか?
  • 8:33 - 8:37
    遅い始業時間への反対意見は
    多くの場合こんな感じです —
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    「何故 彼らのために
    始業時間を遅らせるのか?
  • 8:40 - 8:43
    カツを入れて
    現実社会に出る準備をさせるべきだ」
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    でもこれは2歳の幼児の親に
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    「ジョニーに昼寝はさせないで
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    幼稚園入学の準備にならないから」
    と言うのと同じです
  • 8:50 - 8:52
    (笑)
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    登校時間を遅らせると
    送迎時の課題も多く出てきます
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    これは生徒とその家族だけではなく
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    社会全体の問題であり
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    バス路線の見直し
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    交通費の増加
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    スポーツ活動への影響や
  • 9:07 - 9:10
    始業前や放課後の対応への
    対策が必要になります
  • 9:10 - 9:14
    始業時間が議論されるたびに
    国中のあらゆる学区で
  • 9:14 - 9:16
    必ず繰り返し このような課題が
  • 9:16 - 9:18
    話題になります
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    理にかなった懸念ですが
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    取り組まなければならない問題です
  • 9:26 - 9:28
    これらの課題を
  • 9:28 - 9:31
    子供達のためになること
    すなわち —
  • 9:31 - 9:36
    中高の始業時間を午前8:30以前に
    しないことの 口実にはできません
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    始業時間を8:30以降にした
  • 9:39 - 9:42
    全国の 大小様々な学区において
  • 9:42 - 9:45
    当初の心配は見当たらず
  • 9:46 - 9:50
    生徒の健康や成績や
    社会全体の安全性にとっての
  • 9:50 - 9:52
    利益の方が
  • 9:52 - 9:54
    途方もなく上回ったのです
  • 9:56 - 9:57
    明日の朝
  • 9:57 - 10:02
    冬時間で 時計が1時間遅くなって
  • 10:03 - 10:07
    心地よく眠れる時間が
    1時間増えて
  • 10:09 - 10:11
    1日が少し 長く感じられて
  • 10:11 - 10:13
    希望が少し多く感じられた時に
  • 10:14 - 10:18
    眠りの持つ素晴らしいパワーについて
    考えてください
  • 10:19 - 10:21
    子供達が 自分の体内時計と調和して
  • 10:22 - 10:26
    自然に目覚めることが
    できることの恩恵について
  • 10:26 - 10:28
    考えてみてください
  • 10:29 - 10:30
    皆さんもどうぞ良い夢を
  • 10:30 - 10:32
    ありがとうございました
  • 10:32 - 10:35
    (拍手)
Title:
ティーンエイジャーの睡眠不足は公衆衛生上の社会的な病い|ウェンディ・トロクセル|TEDxManhattanBeach
Description:

大半の親、教師、学校行政の責任者は、睡眠不足を成長期のティーンエイジャーなら誰にでもあることと片付けます。一方、ランドコーポレーションの睡眠研究者ウェンディ・トロクセルは、ティーンエイジャーの睡眠不足は、公衆衛生の面から見れば病気に当たると考えています。ティーンエイジャーの睡眠不足は過剰な社交生活やソーシャルメディアへの参加の問題ではなく、学校の始業時間が原因であり、公共政策の問題だと、ウェンディは考えているのです。
ウェンディ・トロクセル博士の研究は、睡眠と社会環境や健康との相互作用及び、公共政策への影響に重点を置いています。
このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
10:37

Japanese subtitles

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