Return to Video

ゲーム理論に挑戦 ━━ 君は人の行動を予想できるか? / ルーカス・ハステッド

  • 0:07 - 0:10
    何か月か前に私達は
    視聴者に問題を出しました
  • 0:10 - 0:15
    0から100までの整数を
    みんなに言ってもらうので
  • 0:15 - 0:22
    その平均の2/3に一番近い整数を
    当てよというものです
  • 0:22 - 0:27
    平均が60だとしたら
    正解は40になります
  • 0:27 - 0:32
    みんなの言った数の平均の2/3は
    何だと思いますか?
  • 0:33 - 0:36
    論理的に推測できるか
    ひとつやってみましょう
  • 0:36 - 0:42
    このゲームは ゲーム理論で
    「共有知識」と呼ばれる条件の下で行われます
  • 0:42 - 0:45
    すべての参加者が
    同じ情報を知っているだけでなく
  • 0:45 - 0:47
    他のみんなも知っていることを
    みんな知っており
  • 0:47 - 0:51
    他のみんなも知っていることを
    みんな知っていると みんな知っている―
  • 0:51 - 0:53
    というのが続いていく状況です
  • 0:53 - 0:59
    考えうる最大の平均値は
    全員が100と推測した場合で
  • 0:59 - 1:03
    平均値の2/3は
    66.66になります
  • 1:03 - 1:05
    みんな そのことは分かるので
  • 1:05 - 1:10
    67より大きな値を推測するのは
    理屈に合いません
  • 1:10 - 1:13
    みんながこの結論に達するなら
  • 1:13 - 1:16
    67より大きな数を言う人は
    いないでしょう
  • 1:16 - 1:20
    そうすると今度は67が
    考えうる最大の平均値になり
  • 1:20 - 1:26
    その2/3の44より大きな数を言うのは
    理屈に合いません
  • 1:26 - 1:29
    この推論はずっと
    続けていくことができ
  • 1:29 - 1:34
    論理的に考えうる答えの最大値は
    毎回小さくなっていきます
  • 1:34 - 1:38
    そのため一番小さな値を言うのが
    理に適っているということになります
  • 1:38 - 1:41
    そうやって全員が 0 を選ぶなら
  • 1:41 - 1:45
    ゲームは「ナッシュ均衡」として
    知られる状態になります
  • 1:45 - 1:48
    これは他の人の戦略に対し
  • 1:48 - 1:53
    各自が考えうる
    最適な戦略を取っていて
  • 1:53 - 1:57
    違う選択をすることが 誰にとっても
    利益にならないという状態です
  • 1:57 - 2:02
    しかし現実の世界では
    そうはなりません
  • 2:02 - 2:06
    人間は完全に合理的ではないか
  • 2:06 - 2:09
    他の人が完全に合理的だと
    期待しないか
  • 2:09 - 2:13
    あるいはその両方です
  • 2:13 - 2:15
    このゲームを実際にやってみると
  • 2:15 - 2:20
    平均値は20~35の
    どこかになるようです
  • 2:20 - 2:26
    デンマークのポリティケン紙が1万9千人以上の
    読者を対象に このゲームをしたところ
  • 2:26 - 2:32
    平均値は約22で
    正解は14になりました
  • 2:32 - 2:36
    私達の視聴者の平均値は
    31.3でした
  • 2:36 - 2:41
    だからあなたが平均値の2/3を
    21と予想していたなら大当たりです
  • 2:41 - 2:45
    経済的ゲーム理論では
    この合理性と実用性の絡む状況を
  • 2:45 - 2:50
    「レベルk思考」として
    モデル化しています
  • 2:50 - 2:55
    ここでkは推論のサイクルが
    繰り返される回数を表しています
  • 2:55 - 2:59
    レベル0でプレーする人は
    素朴な考え方をし
  • 2:59 - 3:03
    他のプレーヤーのことは考えずに
    ランダムに数字を予想します
  • 3:03 - 3:08
    レベル1のプレーヤーは
    他の人はみんなレベル0だと仮定し
  • 3:08 - 3:13
    平均は50なので
    33が答えだと予想します
  • 3:13 - 3:17
    レベル2のプレーヤーは
    他の人はレベル1でプレーしていると考え
  • 3:17 - 3:20
    答えは22だと予想します
  • 3:20 - 3:23
    レベル12まで行くと
    答えは 0 になります
  • 3:23 - 3:28
    観察によると 多くの人は
    レベル1か2に留まるようです
  • 3:28 - 3:30
    これは有用な知見で
  • 3:30 - 3:34
    レベルk思考は 損得が関わる状況で
    よく見られるものだからです
  • 3:34 - 3:40
    たとえば株取引する人は
    企業の決算報告だけでなく
  • 3:40 - 3:43
    その数字を他の人たちが
    どう見るかも勘定に入れます
  • 3:43 - 3:46
    サッカーのペナルティキックでは
  • 3:46 - 3:50
    キッカーもキーパーも
    相手がどう考えるかを考えて
  • 3:50 - 3:53
    左にするか右にするかを
    決めます
  • 3:53 - 3:57
    キーパーはキッカーのこれまでの
    パターンを覚えているものですが
  • 3:57 - 4:01
    キッカーもそのことを分かった上で
    どうするか決められます
  • 4:01 - 4:02
    どちらの場合も
  • 4:02 - 4:06
    他の人が状況をどれほどよく
    理解していると考えるかに応じて
  • 4:06 - 4:10
    自身の最適な行動は何か
    考える必要があります
  • 4:10 - 4:15
    レベル1か2だというのは
    決して確かなことではありませんが
  • 4:15 - 4:21
    そういう傾向に気づいていれば
    それに合わせて予想を調整できます
  • 4:21 - 4:25
    たとえば 最も論理的なやり方と
    最も一般的なやり方の違いを
  • 4:25 - 4:28
    みんなが理解した上で
    2/3のゲームをした場合
  • 4:28 - 4:30
    何が起きるのでしょう?
  • 4:30 - 4:34
    この新たな条件で
    平均の2/3を予想して
  • 4:34 - 4:36
    下のフォームから
    投稿してください
  • 4:36 - 4:38
    結果をお楽しみに
Title:
ゲーム理論に挑戦 ━━ 君は人の行動を予想できるか? / ルーカス・ハステッド
Speaker:
ルーカス・ハステッド
Description:

0から100までの整数をみんなに言ってもらったとき、その平均の2/3に一番近い整数が何か予想してください。たとえば平均が60だったなら答えは40です。このゲームはゲーム理論で共有知識と呼ばれる条件の下で行われ、みんなが同じ情報を知っていて、みんなが知っていることもみんな知っています。ルーカス・ハステッドが解説してくれます。

講師 ルーカス・ハステッド
監督 アントン・トロフィモフ

このビデオの教材 https://ed.ted.com/lessons/game-theory-challenge-can-you-predict-human-behavior-lucas-husted

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
04:40

Japanese subtitles

Revisions