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← 注意散漫を防ぐより良い技術

ハイテクによって、本来やろうとしていることが中断されてしまうことは非常に多いです。仕事中でも娯楽中でも、メールやメッセージの受信音によって、私たちが気を散らされるのは驚くほど多くの時間であり、ハイテクは私たちに有意義な時間を過ごすサポートにはならず、私たちはハイテクに時間を盗み取られているような気になることがしばしばあります。デザイン考案者のトリスタン・ハリスは、もっと有意義な交流を生み出すテクノロジーのための、示唆に富んだ新しいアイデアを提案します。ハリスは、「もっとも深みのある人間的な価値を目指して設計を続けると、どのような未来が見えてくるでしょうか?」と問いかけます。

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Showing Revision 30 created 08/06/2016 by Natsuhiko Mizutani.

  1. 「上手に時間を使う」とは
    どういうことか?
  2. 私はたくさんの時間を使って
  3. 時間の使い方を考えました
  4. ある意味 取り憑かれたかと思うほどです
  5. 友達はそう思っています
  6. でも私はそうしなきゃみたいに思うのは
  7. 最近 時間が 自分から
    すり抜けてるような気がして
  8. そんな時は 人生の一部が
    抜け落ちてると感じるからです
  9. 特に

  10. 思うに 私の時間がすり抜けて行く先は
  11. テクノロジーのようなこと
  12. 物事を確認することです
  13. 例を挙げましょう
  14. このメールが届くと—
  15. みなさん こんなメールを
    受けた経験があるでしょう
  16. 私がある写真に
    タグ付けされたとあります
  17. このメールが届くと
  18. すぐに写真をチェックせざるを
    得なくなります
  19. だって 変な写真だったら困るでしょう?
  20. すぐにチェックせねばなりません
  21. でも「写真を見る」を
    クリックするだけで
  22. 20分ほど時間を取られます
  23. (笑)

  24. さらに厄介なことに
    20分取られると分かってて

  25. 分かっているのに
  26. また同じことをしてしまいます
  27. 私はこんな状況に陥り
  28. メールをチェックし
    プルダウンメニューを出して更新し
  29. でも実際 60秒後に
  30. またプルダウンメニューを出して
    更新するんです
  31. 何故こんなことをしてるのか?
  32. 何の意味もないのにです
  33. でも何故こんなことが起きるか
    ヒントを出しましょう

  34. 合衆国で 映画やゲームパークや
    野球をあわせても それら以上に
  35. お金になることは何だと思いますか?
  36. スロットマシーンです
  37. なぜ スロットマシーンは
    多額の収益が出るのか?
  38. こんなに少額で遊ぶのにです
  39. 使うのはコインなのにです
  40. なぜ 多額になるか?
  41. まあ 言ってみれば
  42. 私の電話がスロットマシーン
    のようなものなのです
  43. 電話をチェックする度に
  44. 私はスロットマシーンで見るのは
  45. 何が出るかな?
  46. 何が出るかな?
  47. メールをチェックする度に
  48. 私はスロットを回して
  49. 「何が出るかな?」と唱えます
  50. ニュース配信をスクロールする度に
  51. 私はスロットを回して
  52. 何が出るかチェックします
  53. つまり
  54. デザイナーの私は
    この仕組みを 熟知していて
  55. この心理がどう作用するか
    私はまさに熟知し
  56. 何が起こっているか熟知してるのに—
  57. だからと言って やめる術がなく
  58. ハマっているだけなのです
  59. 私たちは何をしているのか?

  60. テクノロジーとの関係は
    全部か皆無か の一方しか
  61. 選べないからなのです
  62. スイッチを入れ
  63. ネットに繋がって始終 気が散るか
  64. スイッチを切ってしまったら
  65. 重要な情報を逃すのではと
  66. 不安に思うしかありません
  67. 言い換えれば 気が散るか
  68. 情報を逃すかも と不安になるか
  69. でしょう?
  70. 私たちは 選択肢を
    取り戻さなければなりません

  71. テクノロジーとの関係を構築して
  72. テクノロジーで時間の使い方の
    選択肢を取り戻したい
  73. そのために デザイナーの助けが
    必要になるのは
  74. 知っているだけでは
    何の役にも立たないからです
  75. デザインの助けが必要になります
  76. どんな風になるのでしょうか?
  77. 誰もが直面する場面の
    一例を挙げましょう

  78. チャットのテキストメッセージです
  79. 登場人物は2人です
  80. ナンシーは向かって左で
    ドキュメントを作成中で
  81. ジョンは右です
  82. ジョンはふと思い出し
  83. 「忘れないうちに ナンシーに
    あの文書の送付を頼まなきゃ」
  84. ジョンがメッセージを送ると
  85. ナンシーの注意がそれます
  86. 互いの注意を土足で乱す
    ような行為は日常茶飯事です

  87. 右へ左へとね
  88. これには大きな負担がかかります
  89. お互い作業に割って入る度
  90. 注意力の回復に
  91. 平均23分かかるからです
  92. もとの作業に戻るまでに
  93. 全然違う作業を2回行うのです
  94. これは グロリア・マーク教授が
    マイクロソフトリサーチとの共同研究で
  95. 示した結果です
  96. そして これが悪しき習慣を産むことも
    明らかになりました
  97. 私たちは外部から中断を受ければ受けるほど
  98. 自分で集中を切らすように
    条件づけられ 訓練されます
  99. 実際 私たちは 3分半ごとに
    ひとりでに中断します
  100. これは由々しいことです

  101. 悪しき習慣を直すには?
  102. ナンシーとジョンは
    オンかオフしかない関係です
  103. ナンシーは接続を断ちたいのに
  104. 不安でできないのです
  105. 大事な情報を逃したらどうしよう?
  106. デザインはこの問題を修正できます

  107. では再び ナンシーが左で
  108. ジョンが右です
  109. 「あの文書を送らなきゃ」
    とジョンは思い出します
  110. でも今度は
  111. ナンシーは「集中」と表示できます
  112. ナンシーは スライダーをドラッグし
  113. 「30分間 集中」と表示
  114. ピシャリと集中モードに入ります
  115. ここでジョンが メッセージを送りたければ
  116. すぐに処理して忘れられます
    [ナンシーは集中モード]
  117. 送らなきゃと思ったら
    [ナンシーは集中モード]
  118. 忘れてしまう前に
    メッセージを送ります
  119. でも今度はメッセージが保留され
  120. ナンシーは邪魔されず
    [ナンシーの手が空いたら配信します]
  121. ジョンも忘れて良いんです
  122. でも この仕組みが機能するには
    最後の条件があります

  123. それは 本当に重要な要件なら
    ジョンが中断しても良いと
  124. ナンシーは承知すべきであること
    [割り込み]
  125. でも こうすれば 偶発的で無配慮な
    中断は恒常的ではなく
  126. 意識的な中断だけになります
  127. 私たちは2つのことをします

  128. まず ナンシーとジョンのために
    新たな選択肢を設けています
  129. また第二のちょっとしたことが
    行われています
  130. 答えを求める質問が
    変更されているのです
  131. チャットの目的は
  132. 「メッセージが簡単に送れるように
    デザインしましょう」
  133. というものでした
  134. 「メッセージの送信を容易にする」
  135. この目標をもっと意味深く
    人間的なものに変えます
  136. 「2人の人物の関係における
    意思疎通の質を
  137. できる限り高めましょう」
  138. そこで 目標をアップグレードします
  139. ところで デザイナーは本当に
    こんなことを気にするか?

  140. 意味深くて人間的な目標について
    話し合いをしたいか?
  141. ここで1つの物語を紹介します
  142. 1年と少し前に
  143. あるミーティングを主催することになりました
  144. トップクラスの技術設計者と
    ベトナムの高僧 ティク・ナット・ハンです
  145. ティク・ナット・ハン師は 禅による
    「マインドフルネス瞑想」の国際的な伝道者です
  146. これは最高のミーティングでした
  147. ある部屋を思い描いて下さい—
  148. その部屋の一方に
    テクノロジー集団が
  149. 部屋のもう一方には
  150. 長い褐色のローブをまとい
    剃髪した 仏僧の一団がいるのです
  151. さて問答の問いは
    深遠なる人間の価値であり
  152. テクノロジーの未来はどうなるか?
  153. 深淵な質問と 意味深い人間の
    価値のために
  154. どんな未来を設計するか?
  155. そして 私たちの対話の中心は
    このような価値の意味するところに
  156. 注意深く耳を傾けることです
  157. 彼は こんな冗談を言いました
  158. スペルチェック機能のかわりに
  159. 思いやりチェック機能はどうか?
  160. つまり あなたが強調した一言を
    たまたま —
  161. 他の誰かが不快と思うかもしれない
  162. では この種の会話は
    今述べたデザイン・ミーティングではなく

  163. 現実世界で起こるか?
  164. 答えは イエスです
  165. 私のお気に入りの1つは
    『カウチサーフィン』です
  166. カウチサーフィンはウェブサイトで
  167. 一晩泊まれる無料のソファーを探す人と
  168. そんな場所を提供したいと思う人とを
    マッチさせます
  169. 素晴らしいサービスですが—

  170. カウチサーフィンの設計目標とは?
  171. カウチサーフィンの設計目標は何か?
  172. 宿泊客と家主さんのマッチング
    だと思うでしょう?
  173. でしょ?
  174. 結構良い目標ですよね
  175. でもそれだと さっきの
    メッセージの例みたいに
  176. メッセージを配信するだけです
  177. ではもっと意味深く 人間的なことは何か?

  178. カウチサーフィンの設定する目標は
  179. 初対面の人同士の経験と関係を
  180. 継続的で ポジティブなものにすることです
  181. この目標の最も素晴らしい点は
    2007年に
  182. カウチサーフィンが
    その測定方法を導入したことです
  183. そこが 秀逸なのです
  184. その仕組みを紹介します
  185. どんなデザイン目標にも
  186. それを測定する方法が必要です
  187. 目標の成功度合いを知るには
  188. 成功を測定する方法が必要です
  189. カウチサーフィンの方法は
  190. 出会った2人の人を
    例に挙げます
  191. 2人が一緒に過ごした
    何日かを取り上げて
  192. 時間を推定します
  193. 2人が一緒に過ごした時間を
    推定するのです
  194. 2人が数日間過ごしたあと
  195. 2人にアンケートします
  196. どれくらい有意義な体験でしたか?
  197. 出会った人物との時間は
    良い経験でしたか?
  198. 良かったという時間数から
  199. カウチサーフィンのサイトに費やした時間数を
    引き算します
  200. ネットの利用時間は経費だから
  201. 成功と評価できません
  202. この計算が示すのは
  203. ここで創出された 楽しい時間
    すなわち —
  204. 「GoodTimes」の正味の時間です
  205. カウチサーフィンがなければ
    ありえなかった時間の正味の値です
  206. これがどれだけやる気を起こさせるか
    想像できますか?

  207. 毎日職場へ行くと
    成功の度合いとして
  208. 利用者が過ごした有意義な時間に対しての
    貢献を示す新しい数値が得られ
  209. その数値は あなたの毎日の働きがないと
  210. 存在すらしない数値だというんですから
  211. 世界全体がこんな風に
    回っている様を想像できますか?
  212. 想像できますか?
    ソーシャル・ネットワークが—

  213. 例えば 料理に関心がある場合
  214. 成功の指標として
    主催した夜の料理会の時間数と
  215. 料理記事を読んで楽しんだ時間から
  216. 面白くない記事を読んだ時間と
    画面をスクロールして過ぎた時間を
  217. 差し引いたものを使います
  218. プロフェッショナルの
    SNSを想像して下さい
  219. 成功の指標は生まれたつながりや
  220. メッセージの交換数ではなく
  221. その代わりに成功の指標は
    参加者が得た仕事のオファーのうち
  222. 参加者が喜んで受けた数です
  223. その値から参加者がウェブで
    過ごした時間を差し引きます
  224. あるいは 出会いサイトを想像してください
  225. Tinderなどのアプリです
  226. 参加者が左右にスワイプした回数を
    カウントするのが
  227. 現在の成功の評価指標ですが
  228. そうする代わりに 親密で ロマンチックで
    充実した関係を結んだ数値を観測します
  229. もちろん 利用者の主観を元にです
  230. 人が有意義な時間を過ごすのを
    サポートする形で

  231. 全世界が回るのを想像できますか?
  232. 実現には 新システムが必要です
  233. なぜなら 多分みなさんが考える通り
  234. 今日のネット経済は—
  235. 今日の一般的な経済は—
  236. 過ごした時間で計測するからです
  237. 利用者が増えれば増えるほど
  238. 使用量が増加し
  239. 利用者が過ごす時間が増える—
  240. そんな風に成功は計測されます
  241. でも この問題はすでに解決済みです

  242. 私たちはオーガニックで
    この問題を解決したとき
  243. 商品価値の測定には
    既存と違う方法が必要だと説いたのです
  244. オーガニックは
    これまでと違う食べ物だと説いたのです
  245. オーガニックは
    別カテゴリーの食品だから
  246. 値段で比べることはできない とね
  247. 私たちはこの問題を
    Leed 認証 で解決しました
  248. これまでにない価値基準である
    持続可能な環境への配慮に基づく
  249. これまでにはないビルだと説明しました
  250. 同様のことを テクノロジーの分野に
    持ち込んだらどうか?

  251. 全体的な目的や目標が人類の生活にとって
    正味の値で 有意義な貢献を
  252. 新たに作り出すための
    サポートをすることだったらどうか?
  253. また その価値を
    これまでにない方法で数値化して
  254. 実際に役立てたらどうか?
  255. これを アプリストアの
    プレミア商品スペースに置いたらどうか?
  256. ウェブブラウザが
    この種のデザイン商品への
  257. リンクをサポートする場面を
    想像してみて下さい
  258. そのような世界を創って住めたら
    どんなにワクワクするか想像できますか?
  259. このような世界は
    今日にでも実現できるのです

  260. 企業リーダーのみなさんは
  261. 人類の生活への貢献の正味の数値を
    測る基準として
  262. 最優先で使いさえすれば良いのです
  263. それについて 忌憚なく話し合って下さい
  264. 最初は上手にできないかも知れませんが
  265. 話し合うことを始めましょう
  266. デザイナーの方々は 成功を再定義し
    デザインを再定義して下さい

  267. デザイナーは
    私たちの暮らしの選択肢を考えだす上で
  268. 組織の他の大勢よりも
    大きな力を持っています
  269. それは多分 医学において
  270. ヒポクラテスの誓いで
  271. 患者を治療するという
    責任と高い志を
  272. 自覚するのにも似ています
  273. この種の新しいデザインに関して
  274. デザイナーにも同様の誓いが
    あればいいのに
  275. そして私たちユーザーは

  276. 今日 このようなテクノロジーが
    必要だと意思表示してください
  277. 難しいと思うかも知れませんが
  278. マクドナルドのメニューにサラダが載ったのは
    消費者の要望が届いてからです
  279. ウォルマートが 有機栽培の食品を置いたのは
    消費者の要望が届いてからです
  280. 私たちは この新しいテクノロジーが欲しいと
    意思表示しなければなりません
  281. 私たちは意思表示できます
  282. そして意思表示をすることで
  283. もっぱら費やした時間に基づいて
  284. 方向付けられ運用される世界から
  285. 上手く過ごした時間数が方向付ける
    世界へとシフトすることになります
  286. 私はこのような世界での生活がしたい

  287. このような対話を実現させたいです
  288. 今こそ 話し合いを始めましょう
  289. ありがとうございます

  290. (拍手)