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自動運転車の倫理的ジレンマ / パトリック・リン

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    思考実験をしてみましょう
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    そう遠くない将来
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    自動運転車に乗って
    幹線道路を高速で走っていると
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    周囲を囲まれた
    状態になりました
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    突然 前を走るトラックの荷台から
    重い大きな荷物が崩れ落ちてきました
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    ブレーキを踏んでも
    衝突を避けられません
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    とっさに判断する
    必要があります
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    まっすぐ進んで
    荷物に突っ込むか
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    左によけて
    SUVにぶつかるか
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    右によけて
    バイクにぶつかるかです
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    自分の安全を最優先して
    バイクにぶつけるべきか
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    たとえそれが 大きな物への衝突で
    自分の命を犠牲にすることになろうと
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    人様の安全を優先して
    よけずに直進すべきか
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    中間を取って
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    乗員の安全性が高い
    SUVにぶつけるべきか
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    自動運転車はどれを
    選択すべきでしょう?
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    このような状況下で
    人が車を手動で運転していたなら
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    いずれの反応をしたとしても
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    熟慮の上の決定ではなく
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    単なる反射的行動として
    受け取られるでしょう
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    パニック状態での本能的行動であって
    計画性や悪意はなかったと
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    しかし その同じ行動が
    もしプログラマーによって
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    将来起こりうる状況への反応として
    あらかじめ車に組み込まれていたとしたら
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    それはむしろ計画的殺人のように
    見えてきます
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    公平を期して言うと
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    自動運転車は運転から
    人的なミスを取り除くことで
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    交通事故や死者の数を
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    劇的に減らすと
    予想されており
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    その他にも様々な
    利点があります
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    道路の混雑を緩和し
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    有害ガス排出量を減らし
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    非生産的でストレスのある運転を
    人間がする時間を最小限にできます
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    しかしそれでも
    事故は起こり得
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    事故が起こった時
    その帰結は
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    何ヶ月も あるいは何年も前から
    プログラマーや政策立案者によって
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    定められていたものだった
    かもしれないのです
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    そして中には
    難しい決断もあるはずです
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    基本的には
    「被害の最小化」のような
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    一般原則に基づいて
    決められるかもしれませんが
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    それでも倫理的に不透明な決断を
    迫られる状況は出てくるでしょう
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    たとえば
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    前と同様の状況にあったとして
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    ただし今回は左には
    ヘルメット着用のバイク
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    右にはヘルメットを被っていない
    バイクがいたとします
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    自動運転車はどちらに
    ハンドルを切るべきでしょう?
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    ヘルメット着用の方が生存率が高いからと
    そちらにぶつけるとしたら
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    ルールを守っている人を罰することに
    ならないでしょうか?
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    一方 ルールを守っていない
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    ヘルメット未着用の
    バイクにぶつけるとしたら
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    被害の最小化という設計原則から
    はずれることになります
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    そして路上において何が公正かの判断が
    ロボットカーに任せられることになるのです
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    倫理的な考慮は
    さらに複雑なものになり得ます
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    いずれのシナリオでも
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    設計方針は目標選択アルゴリズムとして
    機能しています
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    言い換えると
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    衝突する対象物の種類として
    何を選好するか
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    システム的に選んでいる
    ということです
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    そして標的にされた乗り物に
    乗っている人は
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    自らには過誤がない
    にもかかわらず
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    アルゴリズムの選択による負の結果を
    引き受けることになります
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    この新技術は その他にも新たな種類の
    倫理的ジレンマをたくさん生み出します
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    たとえば 事故において
    可能な限り多くの命を救おうとする車と
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    乗っている人の安全を
    何よりも優先する車の
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    どちらかを選ばなければ
    ならないとしたら
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    どちらを買いますか?
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    もし車が 乗っている人が誰で
    どのような事情があるか
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    分析し考慮に入れるようになったとしたら
    どうなるでしょう?
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    被害を最小化すべく
    前もって設計された判断より
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    その場におけるとっさの判断の方が
    良いという場合はあるのでしょうか?
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    そういった判断はそもそも誰が
    下すべきなのでしょう?
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    プログラマーなのか
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    自動車会社なのか
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    政府なのか?
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    現実がこれらの思考実験通りに
    展開するとは限りませんが
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    それは要点ではありません
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    これら思考実験の役割は
    物理的世界における科学実験と同様で
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    我々の倫理的直感を取り出して
    ストレステストにかけるということです
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    これら倫理のヘアピンカーブを
    今 見極めておくことで
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    技術倫理の未知なる道を
    巧みに抜けて
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    素晴らしき未来へと
    自信をもって良心的に
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    進んでいくことが
    できるようになるのです
Title:
自動運転車の倫理的ジレンマ / パトリック・リン
Speaker:
パトリック・リン
Description:

今や自動運転車が公道を走るようになっています。自動運転車は、究極的には人間の運転する車より安全で公害が少ないとしても、事故をまったくなくせるわけではありません。避け得ない事故に遭遇したとき、自動運転車はどう振る舞うようプログラムされるべきでしょうか? 倫理的に不透明な自動運転車の世界をパトリック・リンが案内します。
講師: パトリック・リン
アニメーション: ユカイ・ドゥ
※このビデオの教材 http://ed.ted.com/lessons/the-ethical-dilemma-of-self-driving-cars-patrick-lin

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
04:16

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