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モンゴルの皇妃の1日 ― アン・F・ブロードブリッジ

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    1万の天幕からなる
    移動式の街に 夜が明ける頃
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    皇妃ボラクチンは
    突然起こされてしまいました
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    1匹のはぐれ羊が
    従僕や護衛をすり抜けて
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    彼女の天幕に走り込み
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    ベッドに飛び乗り
    耳元でメーと鳴いたのです
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    ジョチ・ウルスと呼ばれた
    モンゴル帝国内にある巨大な王国の
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    並外れたハトゥン(皇妃)で
    ありながら
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    ボラクチンは
    現場を重視した統治を行っています
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    ボラクチンは 15歳の時
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    あのチンギス・ハーンの
    恐るべき孫
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    バトゥ・ハーンと
    結婚しました
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    夫が略奪に出て不在の間
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    家にいる彼女が 家畜の群れと家族
    そして帝国の管理を両立させます
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    つまり 彼女は 数千人もの人が住む
    街の 管理人 兼 引っ越し屋なのです
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    年に2度 ボラクチンの指揮のもと
    街は季節ごとに2つの野営地を行き来します
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    こうすることで 夏には
    水と青々とした草が常に確保でき
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    冬には 厳しい風から
    身を守ることができるのです
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    この引っ越し作業には
    何週間もの綿密な計画
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    彼女の版図にある 他の陣営との連絡や
    職務の戦略的な付与
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    そして のろのろ歩く家畜と同じ速度で
    移動することへの忍耐を要します
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    今日は引っ越しの日です
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    彼女は 侍女たちや指導者
    奴隷 家畜からなる大群を率い
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    夏を過ごす ヴォルガ川の川上へ
    向かわねばなりません
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    ボラクチンが外に出ると
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    あたりは大騒ぎになっていました
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    先ほどの招かれざる客が 今度は
    従僕たちの周りを駆け回っているのです
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    従僕は 彼女の持ち物を 荷台に
    きっちり仕舞おうとしているところです
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    ボラクチンは 混乱を収めるよう
    命令しますが
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    結局 はぐれ羊を捕まえられたのは
    すばしっこい彼女でした
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    続いて 彼女の天幕を解体し
    特製の荷台に載せている
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    侍女たちを監督します
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    この荷台を引くのに
    雄牛20頭を必要とし
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    ボラクチンは他の者に
    手綱を任せようとはしません
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    続いて ボラクチンは 羊を従えて
    護衛たちに会い
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    夫の 特別な応接用天幕と
    持ち運び式の玉座を
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    移動中 注意を払うよう
    命令します
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    彼らには
    先導者としての役割もあり
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    ボラクチンは 路程の安全を確保し
    彼女を取り囲んで護衛し
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    家畜が逃げ出さぬよう見守ることを
    彼らに命じます
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    ところが 例の羊が 何とか逃れ
    牧草地に駆けていくと
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    護衛たちは追いつけません
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    羊は 天幕を片付ける人たちの間を
    すり抜けて 逃げていくのです
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    いらだったボラクチンは
    馬を駆って自ら牧草地に向かいます
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    牧草地に着くと
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    手の焼ける羊が 群れに紛れ込もうと
    している様子が目に入りました
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    羊の跡を追うと
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    その母親である雌羊の
    そばに横たわっていました
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    雌羊は妊娠していて
    痛みを感じているようです
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    この雌羊の 差し迫った出産が
    引っ越し日の混乱に紛れ
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    忘れられていたことに
    ボラクチンは不意に気がつきました
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    羊飼いを探す時間はありません
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    その代わり ボラクチンは袖を捲り上げ
    腕に油を塗り込み
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    雌羊を出産を助け 帝国には
    新たに2頭の羊が加わりました
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    子羊らと母羊を残し
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    ボラクチンは大急ぎで
    野営地に戻ります
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    野営地では 荷造りの
    仕上げがなされ
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    荷車が列をなし始めています
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    この行列は 先頭の皇妃に続いて
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    皇妃の宝物を詰めた
    200の台車が続きます
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    その次に 若い妃とその仲間
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    そして 妻妾が ―
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    これは全て
    ボラクチンだけの陣営です
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    その後ろには
    彼女とはまた別の正妻が率いる
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    王室の2つ目の陣営があり
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    さらにもう2つ また別の妻たちの
    率いる陣営があります
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    ボラクチンは 円滑な出立と
    整然とした行列を確保しようと
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    何週間も
    彼らと連絡を取ってきました
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    行列のここまでが
    王室関係ですが
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    その後には 一般市民の街が
    丸ごと うねって連なっています
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    この部分には 移動可能な
    礼拝堂やモスクを運ぶ聖職者
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    家族 商人 羊飼いなどがいます
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    ついに ボラクチンは
    荷台で落ち着きます
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    目的地に到着するまで
    何週間もかかりますが
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    その旅路の間
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    彼女は 自身の立派な子供たちや
    慇懃な従僕に始まり
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    行列の最後尾にいる
    寄り道しがちな羊に至るまで
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    巧妙に管理していくのです
Title:
モンゴルの皇妃の1日 ― アン・F・ブロードブリッジ
Speaker:
アン・F・ブロードブリッジ
Description:

1万の天幕(ユルト)からなる移動式の街に夜が明ける頃、皇妃ボラクチンは王国の夏季の野営地への引っ越しに向けて準備を進めています。チンギス・ハーンの孫にあたる夫が略奪に出て不在の間、彼女は家畜の群れ、家族、そして数千もの人の住む街の管理を一挙に任されるのです。そんなモンゴルの皇妃の1日を、アン・F・ブロードブリッジが説明します。

講師:アン・F・ブロードブリッジ、監督:エルス・デカルウェ
このビデオの教材:https://ed.ted.com/lessons/a-day-in-the-life-of-a-mongolian-queen-anne-f-broadbridge

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
04:08

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