謎に包まれた土星の衛星タイタンを調べて生命の起源に関して何がわかるか
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0:03 - 0:06想像してください
その世界は多様な地形で覆われています -
0:06 - 0:07大気の密度は高く
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0:08 - 0:11風が地表に吹きつけ
雨も降ります -
0:11 - 0:15山と平原
川と湖と海と -
0:15 - 0:18砂丘と衝突クレーターもあります
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0:18 - 0:20地球みたいですよね
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0:20 - 0:22これはタイタンです
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0:22 - 0:231981年の8月に
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0:23 - 0:28ボイジャー2号は 土星の
一番大きな衛星の写真を撮りました -
0:28 - 0:31ボイジャーの探査活動は
前人未踏の領域に達し -
0:31 - 0:33我々は太陽系とその外側にまで
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0:33 - 0:35到達しました
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0:35 - 0:38しかし この写真の
ぼんやりとした衛星の姿は -
0:38 - 0:41どれほどの謎が残っているかを
痛感させるものでした -
0:42 - 0:46ボイジャーが近くを通過することで
圧倒的に多くのことを知りましたが -
0:46 - 0:50それでもこの厚い大気に覆われた下に
何があるのかは見当もつきませんでした -
0:52 - 0:55木星や土星の他の衛星と同じように
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0:55 - 0:58氷で覆われた地形があるのでしょうか
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0:58 - 1:02それとも液体メタンの
巨大な海があるだけの世界なのでしょうか -
1:03 - 1:05タイタンの表面は霞に包まれていて
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1:05 - 1:08地表の様子は未解決の大問題でした
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1:08 - 1:12カッシーニ/ホイヘンスの探査機と突入機は
この謎を解くために設計されて -
1:12 - 1:141997年に打ち上げられました
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1:14 - 1:172004年に到達すると
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1:17 - 1:20カッシーニからタイタン表面の映像が
送られるようになり -
1:20 - 1:22この星の魅力はますます高まりました
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1:23 - 1:27表面に何が見えているのか理解するまでには
何か月もかかりました -
1:27 - 1:29例えば
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1:29 - 1:30この黒い縞模様は
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1:30 - 1:35当初はまったく気づきにくいものだったので
ネコの爪痕と呼んだりしましたが -
1:36 - 1:38有機物の砂で作られた砂丘だと
判明しました -
1:39 - 1:4513年間かけてカッシーニは
土星と土星の環と衛星を調べ -
1:45 - 1:46私たちは嬉しいことに
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1:46 - 1:49タイタンの表面について
何も知らない状態から -
1:49 - 1:51タイタンの地形と
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1:52 - 1:55表面の形状を形成する上で
大気の果たした役割を明らかにし -
1:55 - 1:58その表面のはるか下に横たわるものについても
示唆が得られました -
1:59 - 2:03確かに タイタンは
海を持つ星の一つであり -
2:03 - 2:08火星と小惑星帯よりも
冷たい外部太陽系にある衛星として -
2:08 - 2:12地表の下に莫大な量の液体の水を蓄えて
海が形成されています -
2:12 - 2:16タイタン内部の海が保持する水の量は
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2:16 - 2:21地球の川と湖と海洋の全部の水の総量の
10倍以上あるかもしれません -
2:21 - 2:24タイタンの表面には
液体メタンと液体エタンからなる -
2:24 - 2:28独特の湖と海もあります
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2:28 - 2:32海のある星は
太陽系の中でもきわめて魅力的ですし -
2:32 - 2:35私たちの探査は始まったばかりです
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2:37 - 2:38これはドラゴンフライです
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2:39 - 2:42ジョンズ・ホプキンス大の応用物理研究室では
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2:42 - 2:45NASA の ニュー・フロンティア計画の
探査機を開発しています -
2:46 - 2:502026年に打ち上げて
2034年にタイタンに到着する予定です -
2:50 - 2:53ドラゴンフライは
回転翼タイプの突入機です -
2:53 - 2:56火星探査機のローバーと同じく
小型車ぐらいの大きさです -
2:57 - 3:01大気が濃く 重力が小さいので
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3:01 - 3:03タイタンは飛行機に向いた環境であり
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3:03 - 3:05ドラゴンフライは
まさに飛び回るための設計になっています -
3:06 - 3:098ローターの機体のドラゴンフライは
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3:09 - 3:15あちこち動ける移動式の実験室として
科学計測器を完備しています -
3:16 - 3:20ドラゴンフライは
実にユニークな方法でタイタンを探査します -
3:20 - 3:22気象と地形を詳細に調べ
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3:22 - 3:24地表からの試料を採取して
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3:24 - 3:27成分を分析したりします
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3:27 - 3:31全部合わせると ドラゴンフライは
タイタンでおよそ3年の探査活動を行い -
3:31 - 3:33詳細な化学分析を行い
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3:33 - 3:36大気の様子や
大気と地表の間に何が生じるかを観測し -
3:36 - 3:38地震にも注意を払います
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3:38 - 3:41正確に言えばタイタン表面の
「タイタン震」でしょうか -
3:43 - 3:44ドラゴンフライのチームでは
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3:44 - 3:47北米および世界中からの何百人もの人が
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3:48 - 3:50突入機の開発に
熱心に取り組んでいます -
3:50 - 3:54回転翼機と自律飛行システムと
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3:54 - 3:56様々な計測機器一式を開発し
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3:56 - 3:57全てを組み合わせて働かせることで
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3:57 - 4:00タイタン表面の科学的計測を行うのです
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4:01 - 4:04ドラゴンフライは
この魅力的な大自然の実験室を -
4:04 - 4:06探査する私たちの次の一手です
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4:06 - 4:10ボイジャーはフライ・バイによって
可能性を示唆しました -
4:10 - 4:1210年にわたって土星を周回して
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4:12 - 4:16タイタンの大気に突入降下した
カッシーニ/ホイヘンスは -
4:16 - 4:18タイタンを覆うベールをさらに剥ぎました
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4:19 - 4:24ドラゴンフライが活動する
タイタンの環境の近くからの写真としては -
4:24 - 4:30これまでは ホイヘンス突入機が
2005年に撮影したこの写真しかありませんでした -
4:31 - 4:36多くの点で 既知の環境の中ではタイタンが
初期の地球と一番良く似ています -
4:36 - 4:39生命が生まれる前の地球です
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4:39 - 4:40カッシーニ/ホイゲンスの計測によって
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4:40 - 4:42我々が知る生命に限っても
その材料が -
4:42 - 4:46タイタンに存在したことがわかっています
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4:46 - 4:51ドラゴンフライはこの未知の環境に身を委ねて
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4:51 - 4:53地球上で生命の誕生を支えた可能性のある
化合物を探します -
4:53 - 4:57地球上で生命の誕生を支えた可能性のある
化合物を探します -
4:57 - 5:00また 他の世界の居住可能性についても
学べることでしょう -
5:02 - 5:04居住可能性とは 魅力的な考え方です
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5:05 - 5:09生命の発生に適した環境となるために
必要なものは何でしょうか -
5:09 - 5:11たとえその生命が 地上で私たちが
知っているようなものではなく -
5:11 - 5:16非常に異質な条件下で発達した
異質な生命だとしても -
5:17 - 5:19他の場所に生命が存在する可能性は
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5:19 - 5:24人類の想像を刺激し
歴史を通じて探査が試みられてきました -
5:24 - 5:25外部太陽系の海の世界が
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5:25 - 5:30大規模な研究の
重要なターゲットとなっている理由です -
5:30 - 5:34こんな「もし」が
人類を宇宙探査に駆り立てるのです -
5:35 - 5:39地球上でどういう段階を経て
化学から生物へ進展したのかはわかりませんが -
5:40 - 5:44タイタンでも良く似た化学反応の過程が
生じたかもしれません -
5:44 - 5:50タイタンでは有機分子が地表で
液体の水と混ざる機会があったのです -
5:50 - 5:53この条件下で有機合成が進行したでしょうか
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5:53 - 5:56そうだとしたら どこまで進んだのか
私たちにはわかりません -
5:57 - 5:58今のところは
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5:59 - 6:03ドラゴンフライが明らかにしようとしている
この人類の本源的と言える探求は -
6:03 - 6:05じれったいほどの遅さで進行しますが
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6:05 - 6:08最終的に地球に生命をもたらすに至った―
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6:08 - 6:13構成要素や基盤、化学反応を探っていきます
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6:13 - 6:17タイタンに到達して何が見つかるのか
確実なことは言えません -
6:17 - 6:19それがタイタンに向かう理由そのものです
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6:20 - 6:221994年にカール・セーガンは記しました
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6:22 - 6:25タイタンではこの40億年にわたって
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6:25 - 6:29マナのように 天から降り続けている分子が
そのままそこにあるはずだ -
6:29 - 6:30ほとんど反応することもなく
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6:30 - 6:34しっかりと凍結された状態で
地球からの化学の専門家の訪問を待っている -
6:36 - 6:38私たちこそがその化学の専門家です
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6:38 - 6:41ドラゴンフライは
より広範な理解を追求し -
6:41 - 6:45タイタンと我々の太陽系の謎ばかりでなく
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6:45 - 6:46我々自身の起源に関わる問いを追求します
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6:47 - 6:48ありがとうございます
- Title:
- 謎に包まれた土星の衛星タイタンを調べて生命の起源に関して何がわかるか
- Speaker:
- エリザベス・ジビ・タートル
- Description:
-
NASA のドラゴンフライは、回転翼で飛行する自律式突入機で、地球外天体の地表の上空を飛び回れるように設計されています。2026年に打ち上げて太陽系の彼方にある土星の最大の衛星であるタイタンを目指します。惑星科学の専門家でありエリザベス・ジビ・タートルは、初期の地球と似ていると考えられているこの衛星の謎を解くことで、そのほかの惑星の居住可能性の理解を深め、生命の起源にも迫れると考えています。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 07:06
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