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世界で一番大きい生き物 ― アレックス・ローゼンタール

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    これはオキアミのゴリアテ君です
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    あまり愛着を持ちすぎないように
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    今日は この1センチメートルの甲殻類が
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    4000万の親友たちと
    同じ運命を共有するでしょう
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    世界最大のシロナガスクジラのお腹で
    終身刑となるのです
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    彼女をリバイアサと呼ぶことにしましょう
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    リバイアサの重さは15万トンもあり
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    世界で一番大きい動物です
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    しかし それでも最大の重さの
    生き物には遠く及びません
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    それはリバイアサ40頭分に
    相当すると推定されています
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    では その巨大生物はどこにいるのでしょうか
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    ここ ユタ州です
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    すみません 近過ぎましたね
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    ここです
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    これはパンドといって
    名前には「私は広がる」という意味があります
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    パンド 別名アメリカヤマナラシは
    同じ遺伝子を持つ樹幹が約4万7000本あり
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    ただ一つの巨大な根系から発育しています
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    これが 科学者たちがパンドを
    単一の生き物だと考える理由です
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    パンドは重量で世界最大の生き物として
    明らかな勝者であり
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    なんと6000トンにもなるのです
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    では パンドはどうやって
    それほど巨大になったのでしょうか?
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    パンドは遺伝学的な見地からは
    特別なヤマナラシではありません
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    むしろ パンドの大きさは
    主に3つの要因に行き着きます
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    樹齢と場所と
    進化によって適応した ―
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    驚くべき自己複製力です
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    まず初めに パンドがただならぬ広がりを
    もっているのは 非常に古いからです
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    実際はどれくらい古いのでしょうか
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    それは誰にもわかりません
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    年輪年代学によると
    8万年から100万年と推定されています
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    問題はパンドの年齢を正確に測定する
    簡単な方法がないということです
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    パンドは常に成長と死と再生の
    サイクルの中にあるため
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    一つの樹幹の年輪を数え上げても
    200年ほどまでしかなりません
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    個々の樹は
    平均して130年ほど生きた後に
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    倒れて新しいものに置き換わります
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    次に場所です
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    1万2000年前に終わった
    最後の氷河期には
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    ヤマナラシに適した気候にある
    北アメリカのほとんどを
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    氷河が覆っていました
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    ですから 単一の遺伝子を有し
    同じ規模をもったコロニーが
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    他にもあったとしても
    絶滅していたことでしょう
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    一方で ユタ州の一角にあるパンドは
    氷河を逃れたままでした
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    そこの土壌は栄養に富んでいたので
    パンドは継続的に増え続けました
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    パンドは葉を落とし 樹幹が倒れ
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    それが新しい世代の複製を生む
    栄養になるのです
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    これはパンドの大きさを説明する
    第3の要因 複製能力にも繋がります
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    ヤマナラシは 有性生殖によって
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    新しい個体を生み出すことも
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    無性生殖で自分の複製を作ることもできます
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    環境が好ましくなく
    他の場所に移動することが
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    最適な戦略であるときは
    有性生殖で繁殖する傾向があります
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    樹は移動できませんが
    その種は移動できます
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    他の生物と同じように
    パンドは何万年 何十万年も前に
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    有性生殖によってこの世界に誕生しました
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    風や花粉媒介物によって 片方の親の花粉が
    もう一方の親の元へ運ばれ
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    そこで精細胞が卵細胞を受精させました
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    花が果実を実らせ それが割れ
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    たくさんの小さな軽い種を放出しました
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    風によってその種の一つが湿潤な土地
    現在のユタ州に運ばれ
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    そこでパンドの最初の茎が
    根を張り芽吹きました
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    その何年か後に パンドは
    無性生殖ができるまでに成長しました
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    無性生殖 つまり自己複製は
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    その環境が成長に好ましいときに
    起きる傾向があります
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    ヤマナラシは土壌を掘り進み
    長い根を形成しています
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    これらが芽吹き 新しい樹幹に成長します
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    パンドが成長して広がっている間に
    私たちの祖先も広がっていきました
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    洞窟壁画を描いていた狩猟採集民は
    氷河期を生き抜き
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    北アメリカへの道を発見したり
    エジプトやメソポタミアで文明を打ち立てたり
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    戦争を起こし 動物を家畜化し
    はたまた戦争を行い 国を形成し
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    機械を作り
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    インターネットや戦争を行う
    新しい方法を開発している間に
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    パンドは変動する気候や迫りくる氷河から
    何千年も生き抜いてきました
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    しかし人間からは生き抜けないかもしれません
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    倒れた樹幹を置き換えるのに
    必要な速さに対し
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    新しい樹幹が成長する速度の方が
    非常に遅いのです
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    科学者は主な原因を2つ特定しています
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    1つ目はパンドから火を奪ったことです
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    火によって森の一角が消失すると
    ヤマナラシの根は生き残り
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    地面から一斉に大量の芽が吹き出すのです
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    2つ目は畜牛やミュールジカなどの
    草食動物の天敵を
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    その地域で絶滅するまで
    私たちが狩ってしまったので
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    草食動物が新たに育ったパンドを
    食べているのです
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    もし世界最大の生物を失ってしまったら
    科学的な宝の山を失うことでしょう
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    パンドの樹幹は遺伝的に同一なので
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    樹のマイクロバイオーム(微生物叢)から
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    気候が樹の成長速度に与える影響に至るまで
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    あらゆる研究において
    管理された条件をもたらしてくれます
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    良いニュースは その地域で
    草を食べる家畜を減らし
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    その上 脆弱な若木を保護することで
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    パンドを救うチャンスがあるということです
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    今日が行動に移すときです
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    この自然界のたくさんの驚異と同様に
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    一度失われると元に戻るには
    長い長い時間が必要になるでしょう
Title:
世界で一番大きい生き物 ― アレックス・ローゼンタール
Speaker:
アレックス・ローゼンタール
Description:

世界で一番大きな動物はシロナガスクジラで、その重さは150トンにもなります。それでも、最大の重さの生き物には遠く及びません。その称号はシロナガスクジラ40頭分に相当する重さをもつと推定されるある生物に与えられます。では、その巨大な生物とは一体何でしょうか?そして、それはどこにいるのか?アレックス・ローゼンタールは古来から生きる巨大なパンドについて語ってくれます。

講師: アレックス・ローゼンタール
監督: リサ・ラブラシオ

*このビデオの教材: https://ed.ted.com/lessons/the-world-s-largest-organism-alex-rosenthal

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
06:05
TED日本語LC approved Japanese subtitles for The world's largest organism
Tomoyuki Suzuki accepted Japanese subtitles for The world's largest organism
Dai Shinozuka edited Japanese subtitles for The world's largest organism
Tomoyuki Suzuki declined Japanese subtitles for The world's largest organism
Tomoyuki Suzuki edited Japanese subtitles for The world's largest organism
Tomoyuki Suzuki edited Japanese subtitles for The world's largest organism
Tomoyuki Suzuki edited Japanese subtitles for The world's largest organism
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