世界で一番大きい生き物 ― アレックス・ローゼンタール
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0:07 - 0:09これはオキアミのゴリアテ君です
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0:09 - 0:11あまり愛着を持ちすぎないように
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0:11 - 0:13今日は この1センチメートルの甲殻類が
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0:13 - 0:184000万の親友たちと
同じ運命を共有するでしょう -
0:18 - 0:23世界最大のシロナガスクジラのお腹で
終身刑となるのです -
0:23 - 0:26彼女をリバイアサと呼ぶことにしましょう
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0:26 - 0:30リバイアサの重さは15万トンもあり
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0:30 - 0:33世界で一番大きい動物です
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0:33 - 0:38しかし それでも最大の重さの
生き物には遠く及びません -
0:38 - 0:42それはリバイアサ40頭分に
相当すると推定されています -
0:42 - 0:45では その巨大生物はどこにいるのでしょうか
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0:45 - 0:47ここ ユタ州です
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0:47 - 0:49すみません 近過ぎましたね
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0:49 - 0:49ここです
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0:49 - 0:54これはパンドといって
名前には「私は広がる」という意味があります -
0:54 - 1:02パンド 別名アメリカヤマナラシは
同じ遺伝子を持つ樹幹が約4万7000本あり -
1:02 - 1:05ただ一つの巨大な根系から発育しています
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1:05 - 1:09これが 科学者たちがパンドを
単一の生き物だと考える理由です -
1:09 - 1:14パンドは重量で世界最大の生き物として
明らかな勝者であり -
1:14 - 1:19なんと6000トンにもなるのです
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1:19 - 1:22では パンドはどうやって
それほど巨大になったのでしょうか? -
1:22 - 1:26パンドは遺伝学的な見地からは
特別なヤマナラシではありません -
1:26 - 1:31むしろ パンドの大きさは
主に3つの要因に行き着きます -
1:31 - 1:37樹齢と場所と
進化によって適応した ― -
1:37 - 1:39驚くべき自己複製力です
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1:39 - 1:44まず初めに パンドがただならぬ広がりを
もっているのは 非常に古いからです -
1:44 - 1:46実際はどれくらい古いのでしょうか
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1:46 - 1:48それは誰にもわかりません
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1:48 - 1:54年輪年代学によると
8万年から100万年と推定されています -
1:54 - 1:58問題はパンドの年齢を正確に測定する
簡単な方法がないということです -
1:58 - 2:03パンドは常に成長と死と再生の
サイクルの中にあるため -
2:03 - 2:09一つの樹幹の年輪を数え上げても
200年ほどまでしかなりません -
2:09 - 2:13個々の樹は
平均して130年ほど生きた後に -
2:13 - 2:17倒れて新しいものに置き換わります
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2:17 - 2:19次に場所です
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2:19 - 2:241万2000年前に終わった
最後の氷河期には -
2:24 - 2:27ヤマナラシに適した気候にある
北アメリカのほとんどを -
2:27 - 2:28氷河が覆っていました
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2:28 - 2:32ですから 単一の遺伝子を有し
同じ規模をもったコロニーが -
2:32 - 2:35他にもあったとしても
絶滅していたことでしょう -
2:35 - 2:39一方で ユタ州の一角にあるパンドは
氷河を逃れたままでした -
2:39 - 2:44そこの土壌は栄養に富んでいたので
パンドは継続的に増え続けました -
2:44 - 2:46パンドは葉を落とし 樹幹が倒れ
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2:46 - 2:51それが新しい世代の複製を生む
栄養になるのです -
2:51 - 2:56これはパンドの大きさを説明する
第3の要因 複製能力にも繋がります -
2:56 - 2:59ヤマナラシは 有性生殖によって
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2:59 - 3:02新しい個体を生み出すことも
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3:02 - 3:06無性生殖で自分の複製を作ることもできます
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3:06 - 3:10環境が好ましくなく
他の場所に移動することが -
3:10 - 3:15最適な戦略であるときは
有性生殖で繁殖する傾向があります -
3:15 - 3:19樹は移動できませんが
その種は移動できます -
3:19 - 3:23他の生物と同じように
パンドは何万年 何十万年も前に -
3:23 - 3:28有性生殖によってこの世界に誕生しました
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3:28 - 3:33風や花粉媒介物によって 片方の親の花粉が
もう一方の親の元へ運ばれ -
3:33 - 3:37そこで精細胞が卵細胞を受精させました
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3:37 - 3:39花が果実を実らせ それが割れ
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3:39 - 3:43たくさんの小さな軽い種を放出しました
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3:43 - 3:47風によってその種の一つが湿潤な土地
現在のユタ州に運ばれ -
3:47 - 3:52そこでパンドの最初の茎が
根を張り芽吹きました -
3:52 - 3:57その何年か後に パンドは
無性生殖ができるまでに成長しました -
3:57 - 4:00無性生殖 つまり自己複製は
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4:00 - 4:04その環境が成長に好ましいときに
起きる傾向があります -
4:04 - 4:08ヤマナラシは土壌を掘り進み
長い根を形成しています -
4:08 - 4:12これらが芽吹き 新しい樹幹に成長します
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4:12 - 4:17パンドが成長して広がっている間に
私たちの祖先も広がっていきました -
4:17 - 4:21洞窟壁画を描いていた狩猟採集民は
氷河期を生き抜き -
4:21 - 4:26北アメリカへの道を発見したり
エジプトやメソポタミアで文明を打ち立てたり -
4:26 - 4:31戦争を起こし 動物を家畜化し
はたまた戦争を行い 国を形成し -
4:31 - 4:32機械を作り
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4:32 - 4:37インターネットや戦争を行う
新しい方法を開発している間に -
4:37 - 4:43パンドは変動する気候や迫りくる氷河から
何千年も生き抜いてきました -
4:43 - 4:46しかし人間からは生き抜けないかもしれません
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4:46 - 4:50倒れた樹幹を置き換えるのに
必要な速さに対し -
4:50 - 4:53新しい樹幹が成長する速度の方が
非常に遅いのです -
4:53 - 4:57科学者は主な原因を2つ特定しています
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4:57 - 5:011つ目はパンドから火を奪ったことです
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5:01 - 5:05火によって森の一角が消失すると
ヤマナラシの根は生き残り -
5:05 - 5:10地面から一斉に大量の芽が吹き出すのです
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5:10 - 5:142つ目は畜牛やミュールジカなどの
草食動物の天敵を -
5:14 - 5:18その地域で絶滅するまで
私たちが狩ってしまったので -
5:18 - 5:21草食動物が新たに育ったパンドを
食べているのです -
5:21 - 5:28もし世界最大の生物を失ってしまったら
科学的な宝の山を失うことでしょう -
5:28 - 5:31パンドの樹幹は遺伝的に同一なので
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5:31 - 5:33樹のマイクロバイオーム(微生物叢)から
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5:33 - 5:36気候が樹の成長速度に与える影響に至るまで
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5:36 - 5:40あらゆる研究において
管理された条件をもたらしてくれます -
5:40 - 5:44良いニュースは その地域で
草を食べる家畜を減らし -
5:44 - 5:47その上 脆弱な若木を保護することで
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5:47 - 5:50パンドを救うチャンスがあるということです
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5:50 - 5:53今日が行動に移すときです
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5:53 - 5:58この自然界のたくさんの驚異と同様に
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5:58 - 6:04一度失われると元に戻るには
長い長い時間が必要になるでしょう
- Title:
- 世界で一番大きい生き物 ― アレックス・ローゼンタール
- Speaker:
- アレックス・ローゼンタール
- Description:
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世界で一番大きな動物はシロナガスクジラで、その重さは150トンにもなります。それでも、最大の重さの生き物には遠く及びません。その称号はシロナガスクジラ40頭分に相当する重さをもつと推定されるある生物に与えられます。では、その巨大な生物とは一体何でしょうか?そして、それはどこにいるのか?アレックス・ローゼンタールは古来から生きる巨大なパンドについて語ってくれます。
講師: アレックス・ローゼンタール
監督: リサ・ラブラシオ*このビデオの教材: https://ed.ted.com/lessons/the-world-s-largest-organism-alex-rosenthal
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 06:05
TED日本語LC approved Japanese subtitles for The world's largest organism | ||
Tomoyuki Suzuki accepted Japanese subtitles for The world's largest organism | ||
Dai Shinozuka edited Japanese subtitles for The world's largest organism | ||
Tomoyuki Suzuki declined Japanese subtitles for The world's largest organism | ||
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