Return to Video

進化の大いなる謎:言語 ― マイケル・コーバリス

  • 0:07 - 0:10
    1980年代 カンジという名のボノボ
    (ピグミーチンパンジー)は
  • 0:10 - 0:14
    人間とのコミュニケーションを
    未だかつてない範囲まで習得しました
  • 0:14 - 0:16
    音声やジェスチャーを
    通じてではなく
  • 0:16 - 0:21
    物や行動を表す抽象記号を記した
    キーボードを使用してです
  • 0:21 - 0:26
    いくつかの抽象記号を順番に示すことで
    順序立てて要求したり
  • 0:26 - 0:28
    研究者の口頭での質問に答えたり
  • 0:28 - 0:32
    その場に存在しない物を
    言及することもありました
  • 0:32 - 0:37
    カンジの偉業は ある疑問を巡り
    すぐに論争を巻き起こします
  • 0:37 - 0:40
    カンジは言語を
    習得したのでしょうか?
  • 0:40 - 0:44
    私ちがいう言語とはコミュニケーションより
    もっと具体的なものです
  • 0:44 - 0:47
    言語とは心の中にあるものを
    共有することです
  • 0:47 - 0:50
    物語 意見 疑問 過去や未来
  • 0:50 - 0:53
    想像した時や場所
    そしてアイデアなどです
  • 0:53 - 0:55
    根本的には制限がなく
  • 0:55 - 0:59
    無数の事を言い表すのに使えます
  • 0:59 - 1:03
    研究者の多くは 人間だけに
    言語があり 他の生物の種が ―
  • 1:03 - 1:08
    コミュニケーションのために使う発声や
    身ぶりは言語ではないと確信しています
  • 1:08 - 1:12
    これらの発声とジェスチャーは
    一般的に 限られた数の
  • 1:12 - 1:15
    特定のメッセージに対応しており
  • 1:15 - 1:18
    これらを組み合わせて
    より複雑な概念は作られていないのです
  • 1:18 - 1:21
    例えば サルの種によっては
  • 1:21 - 1:25
    ヘビのような特定の捕食者に対する
    特定の警戒声があるかもしれませんが
  • 1:25 - 1:29
    言語では「ヘビに気をつけろ」という
    言い方は無数にあります
  • 1:29 - 1:33
    今のところ人間の言語のような
    制限がないコミュニケーションは
  • 1:33 - 1:35
    動物にないようです
  • 1:35 - 1:38
    動物の頭の中で何が起こっているのかは
    確かではありませんし
  • 1:38 - 1:40
    言語の定義や測り方が
  • 1:40 - 1:43
    動物には当てはまらない
    可能性もあります
  • 1:43 - 1:47
    しかし私たちが知る限り
    言語があるのは人間だけです
  • 1:47 - 1:51
    そして 人間は約7000の
    異なる言語を話しますが
  • 1:51 - 1:53
    どの子供でもどんな言語でも
    学ぶことができ
  • 1:53 - 1:57
    これは言語の根底にある
    生物学的な仕組みが
  • 1:57 - 1:59
    私たちに共通していることを
    示しています
  • 1:59 - 2:02
    では 人類にとって言語は
    何を意味するのでしょうか?
  • 2:02 - 2:06
    言語のおかげで何ができるのか
    また言語をどう手に入れたのでしょう?
  • 2:06 - 2:10
    この能力を取得した正確な時期は
    未解決の問題です
  • 2:10 - 2:14
    チンパンジーとボノボは
    人間に最も近い動物ですが
  • 2:14 - 2:18
    人間につながる血統は
    他の大型類人猿から枝分かれしました
  • 2:18 - 2:21
    400万年以上も前のことです
  • 2:21 - 2:24
    その間には多くの種が存在していましたが
    そのすべてが絶滅してしまったので
  • 2:24 - 2:29
    彼らに言語もしくはそれらしきものが
    あったかを知るのは非常に困難です
  • 2:29 - 2:33
    大型類人猿は 言語の起源について
    手がかりを一つ与えます
  • 2:33 - 2:37
    言語が言葉ではなくジェスチャーから
    始まったのかもしれないということです
  • 2:37 - 2:41
    大型類人猿は野生では
    発声するよりも はるかに自由に ―
  • 2:41 - 2:43
    お互い同士 ジェスチャーを
    交わしています
  • 2:43 - 2:46
    言語の形成は更新世 ―
  • 2:46 - 2:50
    つまり200万年から300万年前に
    我々の種であるホモ・サピエンスへとつながる
  • 2:50 - 2:55
    ホモ属の出現とともに
    始まったのかもしれません
  • 2:55 - 2:59
    脳の大きさが3倍になり 二足歩行により
    会話に手が使えるようになりました
  • 2:59 - 3:04
    身ぶりによるコミュニケーションから
    身ぶりの言語へ移行した可能性があります
  • 3:04 - 3:07
    物体への指差しや
    パントマイムのような動きから
  • 3:07 - 3:10
    より効率的で抽象的な合図を用いることへの
    移行があったのかもしれません
  • 3:10 - 3:15
    身ぶりによる伝達を抽象化することで
    視覚化する必要がなくなり
  • 3:15 - 3:18
    話し言葉へ移行する土台が
    整ったのです
  • 3:18 - 3:21
    その移行は後になり
    やってきたのでしょうが
  • 3:21 - 3:26
    有節言語は
    特定の形状をもった声道に依存します
  • 3:26 - 3:30
    私たちの最も近い祖先である
    ネアンデルタール人やデニソワ人でさえ
  • 3:30 - 3:33
    声道は最適では
    ありませんでしたが
  • 3:33 - 3:35
    ある程度の発声能力と
  • 3:35 - 3:37
    もしかしたら言語があった
    可能性もあります
  • 3:37 - 3:40
    声道が最適化されているのは
    人間だけです
  • 3:40 - 3:46
    話し言葉により道具の使用や移動などの
    活動のために手が自由になりました
  • 3:46 - 3:48
    そのため言語そのものではなく
  • 3:48 - 3:52
    話し言葉の出現が 人類という種の
    優勢をもたらしたのかもしれません
  • 3:52 - 3:58
    言語は複雑な思考 知覚 運動機能と
    密接に結びついているため
  • 3:58 - 4:02
    その生物学的起源を
    紐解くのは難しいのです
  • 4:02 - 4:04
    最大の謎がいくつか残っています
  • 4:04 - 4:08
    言語の能力は 人類の形成に
    どの程度寄与したのでしょうか?
  • 4:08 - 4:11
    そして人類は 言語の形成に
    どの程度寄与したのでしょうか?
  • 4:11 - 4:16
    先に現れたのは 私たちが心に描ける
    膨大な数のシナリオなのか
  • 4:16 - 4:18
    それを共有する私たちの能力の
    どちらでしょうか?
Title:
進化の大いなる謎:言語 ― マイケル・コーバリス
Speaker:
マイケル・コーバリス
Description:

私ちがいう言語とは、コミュニケーションというよりもっと具体的なものです。物語、意見、疑問、過去や未来、想像した時や場所、アイデアなど、心の中にあるものを共有することが言語です。言語は根本的には制限がなく、無限に言いたいことが言えるようになっています。では、言語は人類にとって何を意味し、どのようにして私たちは言語を持つようになったのでしょうか。マイケル・コルバリスが調査します。

講師:マイケル・コーバリス
監督:ビリャーナ・ラボヴィッチ

*このビデオの教材:https://ed.ted.com/lessons/evolution-s-great-mystery-language-michael-corballis

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
04:21

Japanese subtitles

Revisions