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私がレオナルド・ディカプリオをカブトムシに変身させた方法 | イヴァ・ ニュンジッチ | TEDxGhent

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    今年5月1日の朝
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    世界はある発見で目覚めました
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    オスカー受賞のハリウッドスター
    レオナルド・ディカプリオが
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    カブトムシに変身していたのです
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    私がそれを実現させた方法を
    お話しします
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    でもまずは簡単な質問から
    始めさせてください
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    この地球上に一体どれだけの
    生物がいると思いますか?
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    いかがですか?
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    大抵の人は数万種くらいといいます
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    でも違います
    答えはおそらく800万種くらいです
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    なぜならこれらの哺乳類や鳥類は
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    生物多様性の中の
    ごく一部に過ぎないからです
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    真の多様性は何百万もの
    小さな生物たちの中にあります
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    例えば昆虫やカタツムリ
    クモたちです
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    だから生物学において3世紀もの間
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    私たちは わずか150万種を発見し
    名前を付けているだけなのです
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    だからそれは 本来の数の
    ほんの小さな一部分に過ぎません
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    皆さんご存知の通り 月のクレーターは
    ほぼ全て 記録されています
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    しかし現在でも
    21世期なのに地球において
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    80%の生物種は
    私たちに知られていないのです
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    これはおかしいと思いませんか?
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    でも何故なのでしょう?
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    これらの小さな生物たちは本当に
    アピール下手で見過ごされがちです
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    だから大多数の人は 生物学者でさえも
    ほとんどが大きな生物に注目しています
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    そして世界中の何百人もの科学者が
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    トラという たった1種の
    調査をしている一方で
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    昆虫学者は一人あたり
    1500種もの昆虫を調べるのです
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    さらにこの未知で 未研究の大多数の種が
    ますます重要になっているのは
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    現在 人類の活動が
    絶滅を加速させているからです
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    そのため私たちは
    毎日種を失っています
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    私たちがそれらの種を発見して
    その存在を認識する前にです
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    これは分類学者の仕事が今なお
    多くあることを意味しています
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    分類学者とは生物学者で 私のように
    新種を発見する仕事をしています
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    この仕事は世界で最も素晴らしいと
    私は心から思っています
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    楽しいことが沢山ありますし
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    それに私たちは 森の中で
    新種を探している時間が
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    一番好きなのです
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    また世間もそれを期待しています
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    数年前に
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    オランダ政府は「全国調査事項」
    というものを立ち上げました
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    それは科学者が答えるべきと
    思われる事柄について
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    一般の人々が科学者に質問できる
    機会を設けるもので
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    税金によって運営されます
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    生物学者に求められた
    主な事柄のひとつは
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    新種の生物を発見する事と
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    地球に存在する種が幾つあるのかを
    探り出す事でした
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    しかし残念ながら 政府が優先したいと
    考える最新鋭の科学に比べると
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    分類学はより伝統的なものであるため
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    公的予算は削減のまっただ中です
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    そこで私たちは自分たちの研究に資金が
    出るように 別の方法を考え始めました
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    私たちは思ったのです
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    「生物学者ではない人々を
    巻き込んだらどうか?
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    私たちのように
    新種の生物発見が大好きな人々に
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    分類学者ツアーなんてどうかしら?」と
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    そして私たちは
    「タクソン探検隊」を立ち上げました
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    そこで私たちは
    自然や科学に興味のある
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    一般の方々向けの
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    自然科学探検ツアーを
    企画・運営しています
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    全ての探検旅行の目標は
    新種の生物を見つけることです
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    参加者は参加費を払い
    その資金から
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    私たちは全てを賄っています
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    遠征費用や研究費
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    地域の学生たちや
    研究者たちへの支援金
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    さらに自然科学系の本も出版しています
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    そして何がとても重要かというと
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    その成果は全ての人が
    利用可能ということです
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    私たちがその探検旅行で集めた
    全ての標本は
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    地域の博物館に置かれ
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    地元の研究者たちや自然保護の人たちが
    学べるようになります
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    さらに新種についての書物を
    オープンアクセスジャーナルに登録し
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    誰もが無料で読めるようにしています
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    どのように新種の生物を
    見つけるのでしょう?
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    誰でも出来るのでしょうか?
    どれほど大変なのでしょう?
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    実は驚くほど簡単なんですよ
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    ジャングルの葉の中で
    虫取り網を動かすだけです
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    あるいは熱帯雨林の落ち葉を
    一握り手に取るとか
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    それで新種の生物を見つけることが
    ほぼ保証されています
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    実際にあなた自身の家の裏庭で新種を
    発見することさえ可能です
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    でも厄介なのは どれが新種なのか
    見極める事とその理由です
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    だから専門家が必要なのです
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    例えばマニラ大学の専門家の
    ヘンドリック・フライターグは
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    水生甲虫についてなら
    なんでも知っています
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    あるいはライデン大学の
    メンノ・スキルスアイゼンは
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    熱帯のカタツムリと
    ナメクジの専門家です
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    そして私自身は
    洞窟カブトムシの専門家です
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    遺伝学者のチームが
    一緒にいることも助けになります
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    彼らは携帯用DNA解析キットで
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    新種の生物のDNAを解読してくれます
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    こういった人々に加えて
    たくさんの熱心な一般の人々が
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    ジャングルの野外施設に
    一緒に10日間いることが
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    成功の秘訣になります
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    そしてこれらはボルネオでの
    探検ツアーの写真です
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    そしてこちらは
    オランダからの小説家アグライアです
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    そしてこちらは
    オーストラリアからの写真家のブルック
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    テキサスから
    大学管理者のウィリアムス
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    彼は本当にこの
    キャノピー・クライミングが大好きでした
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    人類学者のトニー
    同じくオーストラリアからです
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    この人たちの誰一人 生物学者ではないけど
    みんな共通点を持っています
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    それは彼ら全員が生物多様性に対する情熱と
    自然保護への気持ちを持っている事です
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    そして彼らはこの探検を通じて
    大変ユニークな経験ができます
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    彼らは10日間を
    辺境の地で過ごし
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    科学者から学びます
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    彼らは新種の生物を発見し
    正式な学名をつけるのです
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    でも もっと大事な彼らの貢献は
    生物多様性の発見の加速と
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    世界的に危機にある生物多様性を
    文書化していることです
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    ではこの探検で何をするのか?
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    私たちの探検は2部に分かれています
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    まず1つは
    フィールドワークです
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    そこで私たちは参加者たちに
    全ての専門知識と技術を教えます
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    それは野外生物学者が
    新種の発見・収集に使用しているものです
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    そして次は野外実験室で行います
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    私たちは人々に標本の分類方法や
    研究方法をお教えします
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    また私たちは生殖器を
    バラバラにします
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    「カブトムシの」ですよ
    「参加者の」ではないです
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    この部分は異なる種と識別するために
    非常に重要なものだからです
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    さらに採取したサンプルのDNAを
    抽出して分析します
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    そして探検の最後に
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    私たちみんなで一緒に
    新種の名前を投票して選びます
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    そしてチーム全員で協力して
    出版物の作成に取り組み
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    それを科学雑誌に投稿しています
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    私たちはこれまでに 4回の探検ツアーで
    18種類の新種を発見しました
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    それら全ての生物は
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    とても小さなカブトムシや
    極小の水ダニのような小さい生物です
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    実際 私たちが発見した一番大きい種は
    体長がたった2センチのナメクジでした
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    しかし体のサイズは小さくても
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    彼らは生態系の中で
    重要な構成要素であり
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    たくさんの重要な役割を
    果たしています
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    だから私たちは彼らを発見できて
    とても誇らしいです
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    でも大抵の人は
    私たちが彼らのことを話しても
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    ただ肩をすくめるだけで
    興味がなさそうです
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    みなさん大型動物や新種や
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    華やかな蝶の発見について
    聞く方が好きだからです
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    そこで私たちは奥の手を使います
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    有名人です
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    新種の生物たちは時々 その外見の特徴から
    有名人にちなんで名付けられます
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    ド派手なヘアーカラーの
    デビッド・ボウイ蜘蛛
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    大きな金色の羽を持ったハエは
    その姿にちなんで
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    ビヨンセと名付けられました
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    そしてなんと言っても
    私の一番のお気に入りは
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    ドナルド・トランプにちなんで
    名付けられた この蛾です
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    お気づきですよね
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    この蛾は美しい
    ブロンドの髪をしていますが
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    それだけでなく
    アソコがとても小さいんです
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    (笑)
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    (拍手)
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    一方で ある有名人たちは生物の名前になり
    永遠の存在となっています
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    彼らの外見ではなく
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    環境への貢献によって
    名付けられた人々です
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    ボルネオで行った
    私たちの最初の探検ツアーで
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    私たちは この非常に小さくて地味な
    水カブトムシを見つけました
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    新種の発見でした
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    私たちは この生物の名前を有名な俳優の
    レオナルド・ディカプリオから付けました
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    ご存知かもしれませんが
    彼は自然保護にとても熱心な人です
  • 9:11 - 9:15
    ときどき
    有名人の名前をつけることが
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    そういう名前を持たなければ
    全く目立たない小さな生物にとって
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    注目を集めるための
    唯一の方法だと分かります
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    だから私達はこのカブトムシがメディアに
    多少は注目されると思っていました
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    しかし次に起こったことは
    全く予期していなかったのです
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    レオナルド・ディカプリオがFacebookの
    プロフィール写真を変えたのですー
  • 9:36 - 9:37
    (笑)
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    私たちのカブトムシの写真に
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    これは最高ですよね?
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    これこそが私達が望み得る
    最高の支援です
  • 9:45 - 9:49
    そしてもちろん
    マスコミも大騒ぎでした
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    私は突然「ガーディアン」「フォーブス」
    「ライフサイエンス」から取材を受けました
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    これらの動画はYouTubeにも
    投稿されています
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    テレビやBBCワイルドにさえ
    取り上げられました
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    この黒く小さなレオナルド・ディカプリオは
    その外見によるオスカー受賞はないでしょう
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    でも最小の生物であっても
    生物保全の点で認知されます
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    時々 私たちは有名人が必要です
    その人をカブトムシに変身させて
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    この完全に隠された世界を
    人々に知ってもらうために
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    この星で私たちと共存している
    未知なる不気味な虫たちの世界です
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    なぜなら彼らは
    その注目に値すべき存在だからです
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    それはまだ未発見の生物が沢山いる
    というだけではありません
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    私たちが知っている地球上の生命が
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    彼らなしでは存在しないからです
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    土に空気を含ませたり
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    有機物を分解したり
    植物の受粉をしたりする事で
  • 10:43 - 10:46
    彼らの行動は小さいけど
    世界を動かしています
  • 10:46 - 10:50
    そして私たちの分類学者ツアーで
    彼らの秘密を明らかにしていきます
  • 10:50 - 10:51
    ありがとうございます
  • 10:51 - 10:53
    (拍手)
  • 10:53 - 10:55
    ありがとうございました
  • 10:54 - 10:56
    (拍手)
Title:
私がレオナルド・ディカプリオをカブトムシに変身させた方法 | イヴァ・ ニュンジッチ | TEDxGhent
Description:

これまでの250年間に、自然愛好家たちは200万種の動物や植物を発見・記述し、名前をつけてきました。しかし、おそらくこの数字は、実際に存在する種のたった20%に過ぎないのです。新種を見つけることは、どれほど困難なのでしょうか?誰にでもできるのでしょうか?そしてなぜ、それが重要なのでしょうか?国際的なメディアに取り上げられた「小さなカブト虫」について、イヴァ・ニュンジッチが語っています。聞いてみましょう!

このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自で運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは https://www.ted.com/tedx をご覧ください。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
10:58

Japanese subtitles

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