マイケル・アーチャー 「絶滅種 カモノハシガエル、タスマニアン・タイガーの再生計画」
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0:01 - 0:04皆さんの関心が高い
この命題をぜひ検証したいと思います -
0:04 - 0:07「絶滅は永遠でなければならないのか?」
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0:07 - 0:10私が関わっている
2つのプロジェクトについてお話しします -
0:10 - 0:111つは フクロオオカミ・プロジェクト
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0:11 - 0:13もう1つはラザロ・プロジェクトで
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0:13 - 0:15胃の中で子どもを育てる
カモノハシガエルが対象です -
0:15 - 0:18当然 こう思われるでしょう
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0:18 - 0:20「なぜ この二つの動物なのか?」
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0:20 - 0:23第一に どちらも
-
0:23 - 0:26それぞれが属する科の
最後の種だったからです -
0:26 - 0:27科に属する種全てを失ったのです
-
0:27 - 0:30つまり 全世界のゲノムの
大部分をなくしました -
0:30 - 0:31私はそれを取り戻したいのです
-
0:31 - 0:36二つ目の理由は
私たちがこれらを殺したからです -
0:36 - 0:39フクロオオカミは
残念ながら -
0:39 - 0:42人間が 一匹残らず撃ち殺しました
大虐殺したのです -
0:42 - 0:45カモノハシガエルの場合は
-
0:45 - 0:48私たちは 「細菌兵器」で殺したと言えます
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0:48 - 0:50ある恐ろしいカビが
世界に広まっていて -
0:50 - 0:52ツボカビと呼ばれているものですが
-
0:52 - 0:54世界中のカエルを苦しめています
カモノハシガエルも― -
0:54 - 0:56ツボカビにやられたと考えています
-
0:56 - 0:59このツボカビを広めているのは
人間なのです -
0:59 - 1:02ここから とても重要な
倫理的な問題が導かれます -
1:02 - 1:04皆さんは この話題になる度に
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1:04 - 1:06何度も聞かれたことがあるでしょう
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1:06 - 1:08私が重要だと思うのは
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1:08 - 1:11私たちが これらの種を絶滅させたのが
明らかである以上 -
1:11 - 1:14道徳的な義務から
何ができるか考えようとする― -
1:14 - 1:16だけでなく
-
1:16 - 1:20やれる限りは何かすべきというのは
道徳的責任だと思います -
1:20 - 1:24では ラザロ・プロジェクトについて
お話しましょう -
1:24 - 1:26カエル
たかがカエルと思うでしょう -
1:26 - 1:30でも ただのカエルではなかったんです
-
1:30 - 1:33普通のカエルは
水中に卵を産み付けて -
1:33 - 1:35そこから立ち去り
運を天に任せます -
1:35 - 1:39でも このカエルは
受精卵を飲み込みました -
1:39 - 1:43食べ物のための胃に
卵を送り込みますが -
1:43 - 1:44卵は消化せず
-
1:44 - 1:47胃を子宮に変えます
-
1:47 - 1:50胃の中で
卵はオタマジャクシに -
1:50 - 1:54さらに 胃の中で
オタマジャクシはカエルになり -
1:54 - 1:57胃の中で
卵はオタマジャクシになります -
1:57 - 2:00かわいそうな親カエルの
お腹がはち切れそうになる頃 -
2:00 - 2:02親カエルが
小さな咳としゃっくりをした拍子に -
2:02 - 2:04小さなカエルたちが跳び出します
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2:04 - 2:07生物学者がこれを見たときは
もう大騒ぎ -
2:07 - 2:09これは素晴らしいと思ったんです
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2:09 - 2:13動物 ましてやカエルが
こんなこと― -
2:13 - 2:15ある器官を別の器官に変えられるなんて
-
2:15 - 2:19医学界も大騒ぎになったのは
想像に難くないでしょう -
2:19 - 2:22もし このカエルがどうやって
-
2:22 - 2:24お腹の働きを
コントロールしているか分かれば -
2:24 - 2:27それを使って人間自身の
体の仕組みを理解したり -
2:27 - 2:29医学的に応用できるのでは
ないでしょうか? -
2:29 - 2:32子どもを胃の中で育てたいと
言っているわけではなく -
2:32 - 2:34胃液分泌をコントロールすることも
-
2:34 - 2:37可能になると言っているのです
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2:37 - 2:40こうして皆が沸き返った そのとき
バーン! -
2:40 - 2:42絶滅しました
-
2:42 - 2:45私は友人に電話しました
マイク・タイラー -
2:45 - 2:46アデレード大学教授です
-
2:46 - 2:48このカエルを飼っていたのは
彼が最後で -
2:48 - 2:50研究室に 一群れいました
-
2:50 - 2:52私は言いました
「マイク もしかして―」 -
2:52 - 2:53これは3、40年前のことです
-
2:53 - 2:57「もしかして このカエルの組織を
凍結保存していなかったか?」 -
2:57 - 3:00彼は考えをめぐらせ
冷凍庫に向かいました -
3:00 - 3:02摂氏マイナス20度の冷凍庫です
-
3:02 - 3:04彼は中のもの全てをひっくり返し
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3:04 - 3:06一番底に瓶を見つけ
-
3:06 - 3:09それには このカエルの組織が
入っていました -
3:09 - 3:12ワクワクしました
でも― -
3:12 - 3:13これがうまく行く保証はありません
-
3:13 - 3:17この組織には
抗凍結剤が入っておらず -
3:17 - 3:21凍結時に
凍らないようにされていなかったのです -
3:21 - 3:24通常 水が凍ると
ご存知の通り 膨張します -
3:24 - 3:25細胞内でも同じことが起こります
-
3:25 - 3:28組織を凍結させると 水が膨張し
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3:28 - 3:30細胞壁が傷ついたり 破裂したりします
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3:30 - 3:32しかし 顕微鏡で組織を観察してみると
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3:32 - 3:35悪い状態ではなく
細胞壁には傷がありませんでした -
3:35 - 3:37だから思ったんです
やってみようと -
3:37 - 3:39私たちが行ったのは いわゆる―
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3:39 - 3:42体細胞核移植
-
3:42 - 3:45遠い親戚にあたるカエルの卵を取り出し
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3:45 - 3:48卵の細胞核を不活性化します
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3:48 - 3:51紫外線放射を使いました
-
3:51 - 3:54そして 絶滅したカエルの死んだ組織から
死んだ細胞核を取り出し -
3:54 - 3:58その細胞核を 卵に移植したのです
-
3:58 - 4:02当然 これは一種のクローン・プロジェクトで
-
4:02 - 4:04羊のドリーのようなものですが
実際は全く違います -
4:04 - 4:08ドリーの場合は
生きた羊に生きた細胞を移植しています -
4:08 - 4:10それは 奇跡でしたが
不可能ではなかった -
4:10 - 4:14私たちがやっているのは
絶滅種の死んだ細胞核を取り出し -
4:14 - 4:17それを全く違う種に移植して
甦らせようというもの -
4:17 - 4:19成功を期待できる理由なんて
ありませんでした -
4:19 - 4:23でも 何百回もこれをしました
-
4:23 - 4:26そして この2月
直近の実験のとき -
4:26 - 4:28まさに奇跡が始まったのを見ました
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4:28 - 4:32ほとんどの卵はダメだったのですが
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4:32 - 4:35突然 一つの卵が分裂を始めたのです
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4:35 - 4:39胸が躍りました
そして 卵はまた分裂 -
4:39 - 4:41こうして分裂を繰り返し
すぐに -
4:41 - 4:46何百の細胞からなる
初期の胚になりました -
4:46 - 4:48この細胞のDNAを調べた結果
-
4:48 - 4:52絶滅したカエルのDNAを確認しました
-
4:52 - 4:54本当に興奮しました
まだオタマジャクシにも -
4:54 - 4:59カエルにもなっていませんが
絶滅した種を -
4:59 - 5:01再生し 取り戻すまでは
長い道のりですから -
5:01 - 5:04ちなみに初公開です
これまでは未公表でした -
5:04 - 5:07ワクワクしています
第一関門は突破しました -
5:07 - 5:10次は 細胞の塊が
原腸を形成し -
5:10 - 5:13そこから 他の組織を
作ってほしいと思っています -
5:13 - 5:17そして そのままオタマジャクシ
カエルになるのです -
5:17 - 5:19よく見ていてください
私は このカエルが -
5:19 - 5:22この世界に喜び 飛び戻ってくると
考えています -
5:22 - 5:28ありがとうございます (拍手)
-
5:28 - 5:31まだそこまで至っていませんが
拍手の準備をお願いします -
5:31 - 5:35二つ目のフクロオオカミ・プロジェクトについて
お話しします -
5:35 - 5:39フクロオオカミは ほとんどの人の目には
犬のように映るでしょう -
5:39 - 5:41縞模様があるから
トラかもしれない -
5:41 - 5:43でも そのどちらとも関係はありません
-
5:43 - 5:46フクロオオカミは有袋動物で
袋の中で育てられます -
5:46 - 5:48コアラやカンガルーのようにです
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5:48 - 5:53それには 長い歴史
長くて素晴らしい歴史があり -
5:53 - 5:562,500万年にもなります
-
5:56 - 5:58でも それはまた
悲劇の歴史でもあります -
5:58 - 6:02フクロオオカミが出現したのは
約2,500万年前の -
6:02 - 6:05オーストラリアの古代熱帯雨林と
されています -
6:05 - 6:08ナショナル・ジオグラフィック協会の支援で
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6:08 - 6:11ここ リバーズレーの
化石堆積層を調査しました -
6:11 - 6:14化石の中には
すごい動物がいました -
6:14 - 6:16フクロライオンや
-
6:16 - 6:19肉食カンガルーもです
-
6:19 - 6:21カンガルーと言っても
想像とは違い -
6:21 - 6:23動物を殺し その肉を食べます
-
6:23 - 6:25世界最大の鳥も見つけました
-
6:25 - 6:27マダガスカルにいるものより
さらに大きく -
6:27 - 6:31これもまた肉食でした
巨大で変なアヒルです -
6:31 - 6:34ワニも 当時は今と違います
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6:34 - 6:36ワニと言えば
恐ろしいことをする動物で -
6:36 - 6:38水の中に佇んでいると思いますが
-
6:38 - 6:40このワニは 地上で生活し
-
6:40 - 6:44さらに 木に登って
地上にいる獲物に -
6:44 - 6:45飛びかかりました
-
6:45 - 6:50オーストラリアにはキノボリワニがいました
実際にいるんです -
6:50 - 6:53何を上から襲っていたかと言えば
-
6:53 - 6:55他の不思議な動物だけでなく
フクロオオカミもなのです -
6:55 - 6:59この古代熱帯雨林には
5種類のフクロオオカミがいて -
6:59 - 7:03大きさは 非常に大きなものから中型
-
7:03 - 7:07そして チワワくらいの
小さなものまで いました -
7:07 - 7:09パリス・ヒルトンでも
-
7:09 - 7:11小さなハンドバックで
一匹 運べるくらいです -
7:11 - 7:13あのワニに 上から襲われるまではね
-
7:13 - 7:15とにかく そこは魅力的な場所でした
-
7:15 - 7:18ただ 残念なことに
オーストラリアは変化の時を迎えます -
7:18 - 7:22気候変動が
長期間 世界に影響を与え -
7:22 - 7:25徐々に 熱帯雨林も消えて行きました
-
7:25 - 7:26土地も干上がり始め
-
7:26 - 7:29フクロオオカミの種類も減り
-
7:29 - 7:32500万年前には
1種類だけになりました -
7:32 - 7:341万年前には
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7:34 - 7:37ニューギニアから姿を消し
-
7:37 - 7:41不幸にも
4千年前には 誰かが -
7:41 - 7:44誰かは分からないけれども
ディンゴという -
7:44 - 7:47とても古代的な犬を
オーストラリアに持ち込みました -
7:47 - 7:49ご覧の通り
ディンゴは その体つきが -
7:49 - 7:51フクロオオカミとよく似ていますから
-
7:51 - 7:54おそらく 競争関係にありました
-
7:54 - 7:56同じような物を食べていました
-
7:56 - 7:58アボリジニーが
ディンゴをペットとして -
7:58 - 8:01飼っていた可能性もありますから
-
8:01 - 8:04生存競争の上では
ディンゴが有利だったかもしれません -
8:04 - 8:07分かっているのは
ディンゴが持ち込まれた直後に -
8:07 - 8:09フクロオオカミが
オーストラリア本土から姿を消し -
8:09 - 8:14その後は タスマニアで唯一
生き延びていたことです -
8:14 - 8:17そして 不幸にも
次の悲運が待ち構えていました -
8:17 - 8:201788年にヨーロッパ人が上陸し
-
8:20 - 8:24羊を始めとする 彼らにとって
価値があるものを持ち込みました -
8:24 - 8:27タスマニアのフクロオオカミを一目見て
-
8:27 - 8:30彼らは思いました
「待て これは困った -
8:30 - 8:33こいつは 私たちの羊を皆食べてしまう」
-
8:33 - 8:35実際はそんなことは
起こりませんでした -
8:35 - 8:39羊を食べたのは野生犬で
フクロオオカミは冤罪です -
8:39 - 8:41でもすぐ 政府は見切りをつけ
お達しを出します -
8:41 - 8:44「フクロオオカミを退治すべし」と
政府は 奨励金を出して -
8:44 - 8:46フクロオオカミを根こそぎ殺させました
-
8:46 - 8:511930年代初頭には
3千から4千頭のフクロオオカミが -
8:51 - 8:54殺されました
大惨事です -
8:54 - 8:57まさにピンチです
-
8:57 - 9:00この映像をご覧ください
-
9:00 - 9:03本当に悲しくなります
こんな素晴らしい動物がいて -
9:03 - 9:08こうして映像に残す技術もあったのに
-
9:08 - 9:12フクロオオカミが絶滅へと
追いやられる前に -
9:12 - 9:15残念ながら
私たちは この種の繁栄につき -
9:15 - 9:19一時たりとも
思いを寄せることはなかったのです -
9:19 - 9:23これは 最後まで生き残った
フクロオオカミのベンジャミンで -
9:23 - 9:26ホバートのビューマリス動物園で
飼育されていました -
9:26 - 9:29この種をほぼ一掃された上
さらに追い打ちをかけるように -
9:29 - 9:33飼育が不十分だったため
ベンジャミンは死にました -
9:33 - 9:35飼育員が小屋に入れ忘れ
-
9:35 - 9:40ホバートの凍てつく夜に
寒さにさらされ死んだのです -
9:40 - 9:42翌朝に 飼育員が気づきましたが
-
9:42 - 9:45それでも まだ
ぞんざいに扱われ -
9:45 - 9:48死骸は ゴミ捨て場に投げ捨てられました
-
9:48 - 9:51このままでいいんでしょうか?
-
9:51 - 9:541990年 私はオーストラリア博物館にいました
-
9:54 - 9:58フクロオオカミに魅了され
以来ずっと こうした動物に心奪われています -
9:58 - 10:00私は 頭蓋骨を調べて
-
10:00 - 10:02他の動物との関係を見出そうとしました
-
10:02 - 10:06この瓶を見ると その中に入っていたのは
-
10:06 - 10:10フクロオオカミの小さなメスの赤ちゃんで
生後6ヶ月くらいでした -
10:10 - 10:13これを見つけて
母親オオカミを殺した人間は -
10:13 - 10:16子どもを アルコール漬けにして
保存していたのです -
10:16 - 10:20私は古生物学者ですが
アルコールでDNA保存ができると知っていました -
10:20 - 10:24でも 当時は1990年
私は遺伝学者の友人に聞きました -
10:24 - 10:27「このオオカミの子どもを調べて
-
10:27 - 10:30DNAがあれば DNAを取り出して
-
10:30 - 10:32将来 このDNAを使って
-
10:32 - 10:34フクロオオカミを甦らせられないだろうか?」
-
10:34 - 10:39遺伝学者は一笑に付しました
でも これはドリーが生まれる6年前 -
10:39 - 10:41クローニングはSFだけで
現実ではなかったころです -
10:41 - 10:44それから突然 クローンが成功しました
-
10:44 - 10:46オーストラリア博物館の館長になった時クローニングはSFだけで
現実ではなかったころです -
10:46 - 10:49私は思いました
やってみるぞ -
10:49 - 10:50私はチームを立上げて
-
10:50 - 10:53その子どもを調べて
何か残っていないか見ました -
10:53 - 10:56フクロオオカミのDNAはありました
発見の瞬間です -
10:56 - 10:57本当に興奮しました
-
10:57 - 11:01ただ 残念だったのは
たくさんの人間のDNAも含まれていたこと -
11:01 - 11:04あの博物館で働いていた学芸員は皆
-
11:04 - 11:06この素晴らしい標本を見つけては
-
11:06 - 11:08中に手を突っ込んで
取り出して -
11:08 - 11:11「わー すごい」と言って
中に戻していたのです -
11:11 - 11:13標本は汚染されてしまいました
-
11:13 - 11:16心配でした
DNAを取り出して それを使って -
11:16 - 11:20フクロオオカミを甦らせることが目的だったので
-
11:20 - 11:23避けたかったのは
その情報を -
11:23 - 11:25機械にかけて動かして
-
11:25 - 11:27作業が完了したときに
機械から しわくちゃの― -
11:27 - 11:30おぞましい学芸員の姿が
出てくることでした(笑) -
11:30 - 11:32学芸員はハッピーかもしれないけど
-
11:32 - 11:34私たちは喜べない
-
11:34 - 11:37だから 私たちは標本に立ち返り
さらに詳しく調査しました -
11:37 - 11:40特に頭蓋骨の歯をよく調べました
-
11:40 - 11:43硬い部分で 人間が指を入れられないところで
-
11:43 - 11:46そこに もっと良質のDNAがありました
-
11:46 - 11:49ミトコンドリア遺伝子が
そこにあったんです -
11:49 - 11:50やりました
-
11:50 - 11:52それで これで何ができるでしょう?
-
11:52 - 11:54ジョージ・チャーチは
著書『復活』で -
11:54 - 11:57断片的なDNAを分析する
多くの技術が急速に進歩していると -
11:57 - 11:59言っています
-
11:59 - 12:02私たちは DNAを生き返らせて
-
12:02 - 12:06ラザロ・プロジェクトでやったように
-
12:06 - 12:10他の種の卵に埋め込めるように
なることを希望しています -
12:10 - 12:11卵は違う種であるべきです
-
12:11 - 12:14では何がいいか?
タスマニアン・デビルはどうか? -
12:14 - 12:16フクロオオカミの遠い親戚です
-
12:16 - 12:19タスマニアン・デビルが
-
12:19 - 12:21フクロオオカミを産む
-
12:21 - 12:24このプロジェクトを批判する人は言います
-
12:24 - 12:28フクロオオカミとタスマニアン・デビル?
なんと痛ましいと -
12:28 - 12:31いや そこんなことはありません
いずれも有袋類で -
12:31 - 12:34赤ちゃんは ゼリー・ビーンくらいの大きさです
-
12:34 - 12:37タスマニアン・デビルは
出産したことさえ気づかず -
12:37 - 12:40やがて 世界で一番醜い
タスマニアン・デビルの― -
12:40 - 12:42子どもを授かったと思うでしょう
-
12:42 - 12:46育てさせるのに
多少の支援は必要かもしれません -
12:46 - 12:49アンドリュー・パスクとその同僚は
-
12:49 - 12:51これは時間の無駄ではないと示しました
-
12:51 - 12:53これは先の話で
まだ そこまでは至っていません -
12:53 - 12:54でも 私たちが考えたいことです
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12:54 - 12:58パスクたちは
同じフクロオオカミのDNAを使い -
12:58 - 13:02ネズミの遺伝子に接合させました
-
13:02 - 13:04そのとき 目印となるマーカーを挿入し
-
13:04 - 13:07ネズミの子どもが生まれたとき
-
13:07 - 13:10オオカミのDNAが作り出した組織は
青緑色になるようにしました -
13:10 - 13:13言い換えれば フクロオオカミの組織は
-
13:13 - 13:16フクロオオカミのDNAから組成されるので
認識できると言うわけです -
13:16 - 13:20子どもが生まれたとき
青緑色の組織でいっぱいでした -
13:20 - 13:23つまり 遺伝子を一通りそろえて
-
13:23 - 13:27生きた細胞に移植すれば
フクロオオカミを生み出せるのです -
13:27 - 13:29これは危険ですか?
-
13:29 - 13:31ある動物をちょっとずつ使って
-
13:31 - 13:34混ぜて 違う動物の細胞に入れる
-
13:34 - 13:36フランケンシュタインでも作ると?
-
13:36 - 13:38それとも ハイブリッド・キメラ?
-
13:38 - 13:40答えは ノーです
-
13:40 - 13:43ハイブリッド細胞に入れられる
唯一のDNA核が -
13:43 - 13:46フクロオオカミのものであれば
デビルからは -
13:46 - 13:48フクロオオカミしか生まれません
-
13:48 - 13:52そう もしこれができたら
戻せるのでしょうか? -
13:52 - 13:54これは 誰にとっても重要な問いです
-
13:54 - 13:55研究室にずっといないといけないのか
-
13:55 - 13:57それとも 野生に返せるのか?
-
13:57 - 14:00フクロオオカミを
もともと生息していたタスマニアの -
14:00 - 14:02百獣の王の支配下に戻し
生態系を取り戻せるのか? -
14:02 - 14:05タスマニアはすでに変わりすぎて
-
14:05 - 14:07もはや無理なのか?
-
14:07 - 14:10私はタスマニアにも
フクロオオカミが良く生息していた― -
14:10 - 14:11多くの場所にも行きました
-
14:11 - 14:15地元の人々とも話しました
ピーター・カーターもその一人 -
14:15 - 14:17私と話した時は もう90歳でした
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14:17 - 14:211926年 彼は
父親 兄と フクロオオカミを -
14:21 - 14:24捕えたと言うのです
罠にかけたのです -
14:24 - 14:25彼と話していたとき
-
14:25 - 14:28彼の目を覗き込みながら
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14:28 - 14:30この目の奥にある脳には
-
14:30 - 14:34たくさんの記憶があるんだなと
思っていました -
14:34 - 14:37触った感じ 臭いや鳴き声など
-
14:37 - 14:38彼は ロープで自由に操りました
-
14:38 - 14:40彼が経験したことは
-
14:40 - 14:44私が左足を差し出してでも
ほしいものです -
14:44 - 14:46皆 そんなことができたらいいのに
と思っています -
14:46 - 14:49私はピーターにお願いをしました
もしできれば― -
14:49 - 14:51フクロオオカミを捕まえた場所に
連れて行ってほしいと -
14:51 - 14:53私は 環境が変わったか
知りたかったのです -
14:53 - 14:56彼は一生懸命思い出してくれました
その小屋にいたのは -
14:56 - 14:58もう80年も前でした
-
14:58 - 15:00ともかく 彼は道なき道を行き
-
15:00 - 15:03ちょうど彼の記憶通りに
小屋がありました -
15:03 - 15:06彼の目には涙があふれてきました
-
15:06 - 15:07彼は小屋を見つめていました
-
15:07 - 15:09小屋に入ると
両側に木の板がありました -
15:09 - 15:12そこで 彼は 父と兄と寝ていたのです
-
15:12 - 15:15彼は話してくれました
記憶が次から次に蘇ってきました -
15:15 - 15:18「フクロオオカミは
この小屋の周りをうろうろして -
15:18 - 15:20中に何がいるのか探っていた」
というのです -
15:20 - 15:23そして「イップ!イップ!イップ!」と鳴いたそうです
-
15:23 - 15:26これらは全て
彼の人生や記憶の一部となっていることです -
15:26 - 15:29そして ピーターに聞きたかった
質問をしました -
15:29 - 15:31「環境変化は?」
彼はノーと答えました -
15:31 - 15:33彼の小屋を取り囲む
南部のブナ林は -
15:33 - 15:36彼がそこにいた1926年当時のままでした
-
15:36 - 15:38草原が広がっていて
-
15:38 - 15:40典型的な フクロオオカミの生息地でした
-
15:40 - 15:42そこに生息していた動物も
-
15:42 - 15:43フクロオオカミがいた頃と同じでした
-
15:43 - 15:47だから 戻せるか?
イエスです -
15:47 - 15:50私たちがするのは そこまでか?
これは興味深い質問です -
15:50 - 15:53時には 元に戻せるでしょう
-
15:53 - 15:54でも それが再び絶滅させない―
-
15:54 - 15:57最も安全な方法なんでしょうか?
私はそうは思いません -
15:57 - 16:00世界中の種を見ていくうち
私は次第に思い始めました -
16:00 - 16:03野生動物は 野生では
より安全でなくなっているというのは -
16:03 - 16:05もはや決まり文句なのか
-
16:05 - 16:07そう思いたいですが
事実は違います -
16:07 - 16:09私たちは 他の戦略も
平行して進める必要があります -
16:09 - 16:11これも面白いものです
-
16:11 - 16:13動物園や保護区に入れられた
フクロオオカミは -
16:13 - 16:15博物館にいるものさえもそうですが
-
16:15 - 16:17首に 首輪の跡が残っています
-
16:17 - 16:19ペットとして飼われていたのです
-
16:19 - 16:22お蔭で そうした飼い主たちの
-
16:22 - 16:24記憶から色々分かりました
-
16:24 - 16:26素晴らしく フレンドリーだったそうです
-
16:26 - 16:29このフクロオオカミは
森から出てきて -
16:29 - 16:32この男の子を舐めて
暖炉の前で -
16:32 - 16:34丸くなって眠りにつきました
野生動物ですよ -
16:34 - 16:37私は問いたい
私たち皆が― -
16:37 - 16:39考えるべき問題として
-
16:39 - 16:43もしフクロオオカミをペットとして飼うのが
違法ではなかったら -
16:43 - 16:46フクロオオカミは絶滅していただろうか?
-
16:46 - 16:48絶対に そんなことはないんです
-
16:48 - 16:51今 これを考えないといけない
-
16:51 - 16:54動物を我々のそばに置き
-
16:54 - 16:57大切にしたら
絶滅も防げるのではないか? -
16:57 - 16:59これは私たちにとって重要な問題です
-
16:59 - 17:02私たちがそうしなければ
-
17:02 - 17:05もっと多くの動物が絶滅の道を歩むのを
見ることになるのだから -
17:05 - 17:07私について言えば
-
17:07 - 17:10これが こうした再生プロジェクトをする理由です
-
17:10 - 17:14私たちが壊してしまった
自然のバランスを -
17:14 - 17:16取り戻すのです
-
17:16 - 17:17ありがとうございました
-
17:17 - 17:20(拍手)
- Title:
- マイケル・アーチャー 「絶滅種 カモノハシガエル、タスマニアン・タイガーの再生計画」
- Speaker:
- Michael Archer
- Description:
-
カモノハシガエルは、他のカエルと同じように卵を産みますが、その後、卵をまるごと飲み込んで育てます。正確には、絶滅する30年前まではそうだったということです。古生物学者のマイケル・アーチャーは、絶滅したカモノハシガエルと、タスマニアン・タイガーとして知られるフクロオオカミの再生について語ります。(TEDxDeExtinctionで撮影)
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 17:36
Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for How we'll resurrect the gastric brooding frog, the Tasmanian tiger | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for How we'll resurrect the gastric brooding frog, the Tasmanian tiger | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for How we'll resurrect the gastric brooding frog, the Tasmanian tiger | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for How we'll resurrect the gastric brooding frog, the Tasmanian tiger | ||
Tomoyuki Suzuki edited Japanese subtitles for How we'll resurrect the gastric brooding frog, the Tasmanian tiger | ||
Tomoyuki Suzuki accepted Japanese subtitles for How we'll resurrect the gastric brooding frog, the Tasmanian tiger | ||
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