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集団の創造性をマネジメントする

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    実は―
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    私は経営学の教授で
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    学生たちがリーダーとなるべく
    学ぶ手助けに燃えています
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    でも最近
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    優れたリーダーシップと
    多くの人々が考えるものが
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    イノベーションの現場においては
    有効でないと気づいたのです
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    私は民族誌学者です
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    人類学が用いる手法で
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    興味のある質問を分析します
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    共謀者である3人の仲間達と
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    ほぼ10年に渡りイノベーションにおける
    優れたリーダーシップについて
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    リーダー達に密着して研究をしてきました
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    世界中の7カ国―
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    12の産業で働く16人の男女が対象でした
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    12の産業で働く16人の男女が対象でした
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    総じて数百時間を 現場で過ごし
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    これらのリーダー達が日々働く様子を
    観察しました
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    しまいには
    分厚いフィールドノートに
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    彼らに共通する行動パターンを見出そうと
    分析した記録ができあがりました
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    それを一言で言うと―
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    何度も何度もイノベーションを実現する
    組織を作りあげるには
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    従来のリーダーシップ観を
    捨て去る必要があります
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    イノベーションを導くという事は
    ビジョンを創造したり
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    周りの人間に遂行のモチベーションを
    与えることでもありません
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    まず イノベーションとは何でしょう?
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    イノベーションとは
    新しくて同時に有用なあらゆるものを指します
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    製品でも サービスでも
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    プロセスでも組織編成の方法でも
    構いません
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    徐々に増えていったり
    急な突破口だったり
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    定義はかなり包括的です
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    この男性が誰だか分かりますか?
  • 1:20 - 1:23
    挙手をお願いします
  • 1:23 - 1:26
    ではこの人が誰だか
    分かった方は手をそのままで
  • 1:30 - 1:33
    ではこのお馴染みの顔ぶれは?
  • 1:33 - 1:35
    (笑)
  • 1:35 - 1:36
    どうやら
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    皆さんの多くはピクサー映画を
    観たことはあっても
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    エド・キャットマルを
    知っている人は 殆どいないようですね
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    彼はピクサーの創立者でありCEOで
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    私はこの会社を光栄にも
    研究する機会がありました
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    2005年に初めてピクサーを訪れた時
    制作されていたのは
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    『レミーのおいしいレストラン』でした
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    ネズミがシェフを志すという
    大胆なテーマの映画です
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    今日 CG映画は主流となっていますが
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    エドと仲間達は最初の
    長編CG映画の制作に
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    およそ20年を費やしました
  • 2:05 - 2:08
    それから20年の間に
    彼らは14本の映画を制作しました
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    最近もピクサーを訪ねたんですが
    こう確信しています
  • 2:11 - 2:14
    15本目は大ヒットになるはずだと
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    私達はイノベーションというと
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    アインシュタインが閃く瞬間を
    想像したりしがちですが
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    それは神話にすぎないと分かっています
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    イノベーションとは一人の天才だけでなく
  • 2:25 - 2:28
    集合天才によるものなのです
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    ピクサーが映画を作る時に
    必要な事は何か 少し考えてみましょう
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    一人の天才 突然の閃き
    それでは あんな映画は出来ません
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    反対です
    250人が4〜5年をかけてやっと
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    映画は完成するのです
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    このプロセスを説明する為に
  • 2:46 - 2:50
    スタジオの一人がこのような図を
    描いてくれました
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    仕方なくですけどね
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    こう描いてしまうと このプロセスが
    明確に分かれたユニットにより
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    整然と進むかのように見えてしまいますが
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    彼はこの矢印の数々を持ってしても
    このプロセスが
  • 3:02 - 3:07
    いかに 繰り返し 相互に絡み合う乱雑なものかを
    表現しきれないと思ったようです
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    ピクサーではこうした映画制作を通して
    物語が発展していきます
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    考えてみてください
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    いくつかのショットは直ぐに出来上がります
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    必ずしも順番通りに作られる訳では無く
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    そのシーンがどれだけ大変な労力を要するかは
  • 3:22 - 3:27
    それぞれのシーンによって違います
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    『カールじいさんの空飛ぶ家』のワンシーンでは
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    男の子が鳥にチョコレートを
    ひとかけ渡しますが
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    その10秒のシーンは 一人のアニメーターが
    ほぼ6ヶ月をかけて完成させたのです
  • 3:38 - 3:40
    ピクサーの映画についてもう一点
  • 3:40 - 3:42
    それは映画全体が完成するまではどのパートも
  • 3:42 - 3:44
    完成したとは見なされないということです
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    ある作品の制作中 あるアニメーターが
    登場人物の眉を弓型に描いて
  • 3:49 - 3:53
    いたずら好きの一面を表現していました
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    監督はそれを見て とても良いと思いました
    素晴らしい出来だ
  • 3:56 - 3:57
    でも彼はこう言ったのです
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    「描き直そう キャラクターに
    合っていないからね」
  • 4:00 - 4:02
    2週間後 監督はまたやって来て
    言いました
  • 4:02 - 4:05
    「あの数秒のシーンを 差し込もう」
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    アニメーターは 私達が言うところの
    彼の「天才の片鱗」を
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    自由に共有することを許されていたので
  • 4:11 - 4:14
    監督がその登場人物に微妙な
    しかし重要な変更を加え
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    物語が更に良くなる手助けが出来ました
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    イノベーションの中心には
    パラドックスがあります
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    多くの人々の才能や情熱を解き放ち
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    そしてそれらを有用な形で
    仕事に生かす為に取り込む―
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    イノベーションは旅に似ています
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    これは一種の協同問題解決で
  • 4:37 - 4:40
    様々な専門性や視点を持つ人々が
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    共に取り組むのです
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    イノベーションが初めから
    完成形で生み出されることは稀です
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    皆さんも御存知のように
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    大抵それらは試行錯誤の結果です
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    数多くの 立ち上げ時の問題
    つまずきや失敗
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    イノベーションの仕事は気分が高揚します
  • 4:56 - 5:02
    しかし同時に とてつもなく怖くもあります
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    ですからピクサーが現在の成功を
    可能にした理由を考えるとき
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    そこで何が起きているのかを
    考えてみる必要があります
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    もちろん 歴史には―そして当然ハリウッドでは
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    素晴らしいチームが数多く
    失敗に終わってきました
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    その理由の多くは
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    チームにスターが多すぎた為です
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    では何故ピクサーは
    あんなに多くの人員を抱えているのに
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    何度も成功を繰り出しているのでしょう?
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    以前 ドバイのイスラム銀行や
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    韓国の高級ブランド
    或いはアフリカのソーシャル企業を研究して
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    イノベーティブな組織は
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    3つの能力を備えたコミュニティだと
    分かりました
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    創造的摩擦力、創造的機動力、
    創造的決断力です
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    創造的摩擦力とは 思想の自由市場を
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    議論や対話から生み出すことです
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    革新的な組織は 個人個人の違いを
    目立たなくするのではなく
  • 6:01 - 6:02
    増幅させます
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    創造的摩擦力とは
    その場での判断を保留してしまうような
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    ブレインストーミングとは違うんです
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    彼らはあらゆる選択肢を比較する為
  • 6:11 - 6:15
    非常に白熱した しかし建設的な
    議論を戦わせる術を知っているのです
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    イノベーティブな組織にいる個人は
  • 6:17 - 6:21
    問いを投げかけ 積極的に聴く事を学びますが
    それだけではありません
  • 6:21 - 6:24
    自分の考えを提示し主張することも学ぶのです
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    彼らには イノベーションとは
    多様性と摩擦の両方がそろわない所では
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    滅多に生まれるものではない
    ということが分かっています
  • 6:32 - 6:37
    創造的機動力とは
    一連のアイデアのリストを
  • 6:37 - 6:40
    機敏な遂行 そして反省と調整により
    テストし絞り込むことです
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    この発見主導型の学びでは
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    計画どまりではなく 行動することで
    未来が開けていきます
  • 6:45 - 6:49
    これは科学的な手法と
    芸術的なプロセスが合わさった
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    デザイン思考です
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    これは一連の実験をすることであって
    予備実験とは異なります
  • 6:57 - 6:59
    実験とは往々にして学習なんです
  • 6:59 - 7:00
    残念な結果になっても
  • 7:00 - 7:03
    あなたは何か知るべき事を学んでいるのです
  • 7:03 - 7:06
    予備実験とは往々にして
    正解を得るためのものです
  • 7:06 - 7:10
    うまくいかなければ
    誰か あるいは何かが責められます
  • 7:10 - 7:13
    最後の能力は 創造的決断力です
  • 7:13 - 7:15
    相対するアイデアでさえ実際に結びつけ
  • 7:15 - 7:19
    新たな組み合わせに作り変え
  • 7:19 - 7:21
    新しく有用な策を生み出すような
  • 7:21 - 7:24
    意思決定をするということです
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    イノベーティブな組織を見ていると
    彼らは仲良くやるが為に同調したりはしません
  • 7:28 - 7:30
    妥協なんてしないんです
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    彼らは特定のグループや個人を
    支配的にさせません
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    上司であろうとも 専門家であろうともです
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    代わりに 彼らは
  • 7:40 - 7:43
    むしろ寛容で より開かれた
    意思決定プロセスを用いて
  • 7:43 - 7:47
    単純に「どちらかだけ」ではなく
    「両立」を認めるような
  • 7:47 - 7:50
    ソリューションを導き出すのです
  • 7:50 - 7:54
    これら3つの要素が
  • 7:54 - 7:58
    ピクサーが革新を打ち出し続けられる理由だと
    私達は考えています
  • 7:58 - 8:00
    もう一つの例を出してみましょう
  • 8:00 - 8:03
    それはグーグル社の
    技術インフラストラクチャ・グループで
  • 8:03 - 8:06
    グーグルのウェブサイトを
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    24時間保守しています
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    グーグルがGmailとユーチューブを
    発表しようとした頃
  • 8:13 - 8:17
    同社はその為のデータ保管システムが
    不十分だと知っていました
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    その時点でのエンジニアリングと
    技術インフラストラクチャ・グループの
  • 8:21 - 8:23
    統括者はビル・コフランでした
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    ビルと彼がブレーントラストと呼ぶ
    リーダーシップチームは
  • 8:27 - 8:31
    この状況への打開策を迫られていました
  • 8:31 - 8:33
    しばらく考えた後
  • 8:33 - 8:36
    このタスクに取り組むグループを
    一つだけ作るのではなく
  • 8:36 - 8:41
    様々な選択肢を軸に複数のグループが
    自然にできてくるように
  • 8:41 - 8:42
    グループが様々な選択肢を中心に
    自発的に出来るようにしたのです
  • 8:42 - 8:45
    すると 二つのグループが出来上がってきました
  • 8:45 - 8:48
    一つは「ビッグ・テーブル」と呼ばれ
  • 8:48 - 8:52
    もう一つは「ゼロから作り上げるチーム」
    と呼ばれました
  • 8:52 - 8:55
    「ビッグ・テーブル」は
    現行のシステムを基にするべきだと言い
  • 8:55 - 8:59
    「ゼロから」チームは
    全く新規のシステムを導入すべきだと言いました
  • 8:59 - 9:03
    これら二つのチームはフルタイムで別々に
  • 9:03 - 9:05
    各自のアプローチを試すことが許されました
  • 9:05 - 9:08
    エンジニアリング評で
    ビルは彼の役割を
  • 9:08 - 9:13
    「議論を活発にすることでそのプロセスに
    率直さを吹き込む」ものだと表現しました
  • 9:13 - 9:17
    まず各チームは試作品を作るよう
    促されました
  • 9:17 - 9:20
    「それを現実に照らし合わせて
    各自のアプローチの
  • 9:20 - 9:23
    強み弱みを発見せよ」ということです
  • 9:23 - 9:26
    「ゼロから」チームは
  • 9:26 - 9:29
    ウェブサイトに何か起きれば
    夜中でも警報が鳴るという
  • 9:29 - 9:31
    試作品を出しましたが
  • 9:31 - 9:36
    その実にうるさい鳴り響きようは
    デザインの限界を知らしめました
  • 9:36 - 9:39
    ソリューションの必要が差し迫って
  • 9:39 - 9:42
    証拠となるデータが手に入るようになると
  • 9:42 - 9:46
    「ビッグ・テーブル」の解決策が
  • 9:46 - 9:48
    さしあたり適切だということが
    はっきりしてきました
  • 9:48 - 9:50
    それで彼らの案が選ばれました
  • 9:50 - 9:53
    同時に「ゼロから」チームが学んだ事を
  • 9:53 - 9:55
    決して無駄にしないように
  • 9:55 - 9:58
    ビルはそのチームから2人を
  • 9:58 - 10:01
    次世代システムの為に出来上がりつつある
    チームに加えました
  • 10:01 - 10:05
    ここまでおよそ2年を要しましたが
  • 10:05 - 10:09
    彼らは全員猛スピードで
    取り組んでいたのだそうです
  • 10:09 - 10:13
    初期の段階で
    エンジニアの一人がビルに言いました
  • 10:13 - 10:16
    「2つの実験を同時進行するなんていう
  • 10:16 - 10:18
    こんな非効率な事に
    付き合う時間はありませんよ」
  • 10:18 - 10:21
    しかしプロセスが進むにつれ
    彼は 才能ある人々に
  • 10:21 - 10:25
    自分のやりたいことを
    自由にやらせてみる知恵に気づき
  • 10:25 - 10:29
    そしてこう認めました
    「もし全員が1つのチームにさせられていたら
  • 10:29 - 10:32
    私たちはむきになって
    誰が正しいとか誰が勝つとかを示そうとし
  • 10:32 - 10:38
    学びや グーグルにとって最善の答えの発見に
    目が行かなかったかもしれません」
  • 10:38 - 10:42
    何故ピクサーやグーグルは
    繰り返し革新し続けられるのでしょうか?
  • 10:42 - 10:45
    何故なら両者はそれに必要な能力を
    マスターしているからです
  • 10:45 - 10:48
    彼らは協同問題解決の手法も
  • 10:48 - 10:50
    発見主導型学習の手法も
  • 10:50 - 10:52
    そして統合型意思決定の手法も知っています
  • 10:52 - 10:56
    今こう思っている方もいるかもしれませんね
  • 10:56 - 10:59
    「私の組織ではこういうことを知る者はいない
  • 10:59 - 11:01
    何故ピクサーの人達は知ってるんだろう?
  • 11:01 - 11:05
    何故グーグルの人達は知ってるんだろう?」
  • 11:05 - 11:07
    ビルのもとで働いた人々が語ったのは
  • 11:07 - 11:13
    ビルはシリコンバレーで
    随一のリーダーだということでした
  • 11:13 - 11:18
    私達は全く同じ思いでした
    彼は天才でした
  • 11:18 - 11:21
    リーダーシップは秘密のソースです
  • 11:21 - 11:23
    でもそのスタイルは
  • 11:23 - 11:28
    優れたリーダーシップを考える時に
    思い浮かべがちなものとは違います
  • 11:28 - 11:31
    私が以前出会ったリーダーの一人は
    こう言いました
  • 11:31 - 11:34
    「リンダ 僕はリーダーシップ論の本は読まないよ
  • 11:34 - 11:37
    自信が無くなるからね」
    (笑)
  • 11:37 - 11:40
    「第1章で ビジョンを打ち出せと言われる
  • 11:40 - 11:44
    でも僕がやろうとしているのは
    全く新しいことで 答えなんてないんだ
  • 11:44 - 11:46
    どの方向に進んでいるのかも分からないし
  • 11:46 - 11:50
    ゴールへの辿り着き方も
    見つけられる自信が無いんだ」
  • 11:50 - 11:52
    明確なビジョンを持つ「ビジョナリー」の
    リーダーシップが
  • 11:52 - 11:54
    求められる時は 確かにあります
  • 11:54 - 11:58
    でも革新し続けられる組織を
    立ちあげたい時には
  • 11:58 - 12:02
    リーダーシップが何たるかについての
    理解を改める必要があります
  • 12:02 - 12:06
    イノベーションを導くというのは
  • 12:06 - 12:09
    革新的な問題解決という
    難題に人々が進んで取り組める
  • 12:09 - 12:11
    場を創りだすことです
  • 12:11 - 12:15
    ここでこう思われている方もいるでしょう
  • 12:15 - 12:18
    「そのリーダーシップは
    具体的にどんなものか?」
  • 12:18 - 12:22
    ピクサーでは イノベーションには
    多くの人員が必要だと理解されています
  • 12:22 - 12:26
    リーダー達はコミュニティ感と
  • 12:26 - 12:28
    先に述べた3つの能力を
    育むことに注力します
  • 12:28 - 12:30
    彼らはリーダーシップを
    どう考えているでしょう?
  • 12:30 - 12:33
    リーダーシップとは
    人々が所属したいと思える世界を
  • 12:33 - 12:35
    創ることだと彼らは言います
  • 12:35 - 12:37
    ではピクサーの人々が所属したいのは
    どんな世界でしょう?
  • 12:37 - 12:39
    フロンティア(前線)に生きる世界です
  • 12:39 - 12:42
    そしてどんな事に時間を費やすでしょう?
  • 12:42 - 12:43
    ビジョンを練ることではありません
  • 12:43 - 12:45
    代わりにこんなことを考えることにです
  • 12:45 - 12:50
    「人々が交流出来る
    公共の広場のようなスタジオを
  • 12:50 - 12:52
    どうやったらデザインできるだろう?
  • 12:52 - 12:56
    そうだ 誰でも職位に関わらず
    映画について
  • 12:56 - 12:58
    何でも感じることを監督に伝えられる
  • 12:58 - 13:01
    そんなポリシーを導入してみよう
  • 13:01 - 13:03
    どうすれば組織において
  • 13:03 - 13:06
    常識破りの人達や少数派の意見を
    残らず引き出し
  • 13:06 - 13:08
    全てに耳を傾ける事が出来るだろう?
  • 13:08 - 13:12
    それから 貢献は太っ腹に認めよう」
  • 13:12 - 13:15
    ピクサー映画のクレジット画面を
    見たことがあるでしょうか
  • 13:15 - 13:18
    製作途中に生まれた赤ちゃんですら
    そこに名前が挙がっています
  • 13:18 - 13:20
    (笑)
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    ビルは自分の役割について
    どう考えていたのでしょう?
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    「私は自発的な組織をまとめているんだ
  • 13:26 - 13:30
    才能ある人々は私について来ようとは思わず
  • 13:30 - 13:34
    私と一緒に未来を創りだしたいと思っている
  • 13:34 - 13:36
    私の仕事はボトムアップの仕組みを育て
  • 13:36 - 13:40
    それが崩壊してカオス化しないよう
    見守ることなんだ」
  • 13:40 - 13:41
    彼の見解はこうでした
  • 13:41 - 13:44
    「私の役割はロールモデルであり
    人間接着剤であり
  • 13:44 - 13:46
    人と人をつなぎ
    あらゆる視点をまとめる役であって
  • 13:46 - 13:49
    決して独裁者ではない」
  • 13:49 - 13:51
    その役割を演じる上でのアドバイスは?
  • 13:51 - 13:53
    「あなたと議論できる人々を雇いなさい
  • 13:53 - 13:55
    それから―
  • 13:55 - 13:58
    わざと曖昧で漠然としていることも
    時には効果的なんだ」
  • 13:59 - 14:01
    こう思っていらっしゃるでしょうか
  • 14:01 - 14:03
    この人達は 一体何を考えているんだろう?
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    彼らが考えているのは―
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    「私はビジョナリーではなく
    ソーシャル・アーキテクトで
  • 14:07 - 14:10
    人々が才能や情熱を進んで持ち寄り
  • 14:10 - 14:14
    それを組み合わせられる場所を
    創っているんだ」
  • 14:14 - 14:17
    今ここに
    自分はピクサーやグーグルで働いていないことを
  • 14:17 - 14:19
    気に病んでいる人がいるなら
  • 14:19 - 14:21
    まだ希望はあります
  • 14:21 - 14:23
    様々なイノベーションを実現させたと
  • 14:23 - 14:25
    皆さんには思えないような組織を
  • 14:25 - 14:28
    私達は数多く分析してきました
  • 14:28 - 14:31
    私達はある製薬会社の
    法務責任者を研究しました
  • 14:31 - 14:34
    その人は社外の弁護士たちや19の競合他社と
  • 14:34 - 14:37
    協力し革新する術を考えなければ
    なりませんでした
  • 14:37 - 14:41
    ドイツの自動車メーカーで
    マーケティング部長を研究した時は
  • 14:41 - 14:44
    イノベーションは基本的に
    デザイン・エンジニアのやる事で
  • 14:44 - 14:47
    マーケティング担当者のものではないと
    考えられていました
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    インドのアウトソーシング会社である
    HCLテクノロジーズの
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    ヴィニート・ナイア氏の研究もしました
  • 14:53 - 14:55
    彼に出会った時
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    彼の言い方では その会社は
    「無意味になって」いく所でした
  • 14:58 - 15:04
    見る見るうちに 彼は会社をITイノベーションの
    世界的な原動力に転換していきました
  • 15:05 - 15:08
    HCLテクノロジーズでは
    多くの企業同様
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    リーダーは方向を定め
    誰も逸脱しないようにすることが
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    自分たちの役割だと
    学んできていました
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    彼はリーダー達に自分の役割について
    見直してみることを
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    考える時が来たと伝えました
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    その理由は 誰もが皆
    上からの支持を仰ぎ
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    ピクサーとグーグルで見たような
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    ボトムアップのイノベーションが
    なかったからです
  • 15:31 - 15:33
    そこで彼らは取り組みを始めました
  • 15:33 - 15:37
    彼らは答えやソリューションを
    ただ与えることを止め
  • 15:37 - 15:40
    代わりに ピラミッドの最下層に位置し
  • 15:40 - 15:44
    顧客に最も近い若い社員の才気を
  • 15:44 - 15:46
    イノベーションの源泉と
  • 15:46 - 15:49
    見るようになったのです
  • 15:49 - 15:52
    彼らは組織の成長の中心を
    最下層レベルに
  • 15:52 - 15:53
    移行し始めたのです
  • 15:55 - 15:59
    ヴィニートの言葉では
    これは「ピラミッドを反転させ
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    少数による締め付けを緩め
  • 16:02 - 16:05
    多勢の社員の能力を解き放ち
  • 16:05 - 16:08
    日々起こるイノベーションの
    質とスピードを向上させる」
  • 16:08 - 16:11
    ということでした
  • 16:12 - 16:15
    確かにヴィニートや
    私達が研究した他のリーダー達は皆
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    ビジョナリーでした
  • 16:19 - 16:23
    そして それが自分の役割ではないことも
    彼らは確かに理解していました
  • 16:23 - 16:28
    だから私は皆さんがエドを知らなかった事を
    偶然だとは思わないのです
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    ヴィニートのようにエドは私達の
    リーダーとしての役割は場を創りだすことで
  • 16:33 - 16:37
    そこで自ら目立つということではない
    と考えていたからです
  • 16:37 - 16:40
    より良い未来を創造したいなら―
  • 16:40 - 16:43
    私達の多くがここにいる理由もそうでしょうが―
  • 16:43 - 16:47
    私達の課題を再考する必要があります
  • 16:47 - 16:50
    それは 皆の「天才の片鱗」が
  • 16:50 - 16:52
    解き放たれ生かされ
  • 16:52 - 16:57
    集合天才の作品となるような
  • 16:57 - 17:00
    そんな場を創りだすことです
  • 17:00 - 17:02
    有難うございました
  • 17:02 - 17:05
    (拍手)
Title:
集団の創造性をマネジメントする
Speaker:
リンダ・ヒル
Description:

あなたの日々の業務に潜む創造性を解き放ち、あらゆるアイデアを活かすチャンスを生み出す秘訣は?
『Collective Genius(集合天才)』の共著者であるハーバード教授リンダ・ヒルは世界の最も創造的な企業の数々を分析し、特定の「創造性担当者」だけでなくあらゆる社員から素晴らしいアイデアを引き出し続ける為の一連の戦略やツールを見出しました。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
17:17

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