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新世代の建築 | 手塚 貴晴 | TEDxKyoto

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    これは私たちが2007年に
    設計した幼稚園です
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    この幼稚園は円形にしました
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    屋上は行き止まりのない
    円にしてみました
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    子供がいる方なら分かるでしょう
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    彼らはぐるぐると
    回っているのが大好きです
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    子供はいつでもぐるぐるしています
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    これがその屋上です
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    なんで こんな設計にしたのか?
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    園長先生が私に言いました
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    「手すりは付けたくないんだがね」
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    「それは無理ですよ」と答えました
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    それでも食い下がります
    「それでは 子供が落ちないように
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    ネットを張るのは どうかな?」
  • 1:00 - 1:02
    (笑)
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    「それもダメです」
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    市役所の方にも言われました
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    「無論 手すりは
    設けてくださいよ」
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    それでも木の周りだけ
    園長先生のアイデアを活かせました
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    園内には屋上に飛び出す
    木が三本あります
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    この木を囲うロープを
    手すりとして認めてもらいました
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    勿論 園児の前では
    ロープなど無意味
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    彼らはネットに飛び込んでいきます
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    次々と
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    一人またそして一人と
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    もっともっと
  • 1:40 - 1:41
    (笑)
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    時には一本の木に
    40人もが集まります
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    木に登ってる彼
    彼はこの木が大好き
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    ほら 木を食べちゃってるでしょ
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    (笑)
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    行事がある時には
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    園児たちは端っこに座ります
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    下からの眺めも素敵です
    まるで
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    動物園の猿です
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    (笑)
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    こちらは餌の時間
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    (笑)
    (拍手)
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    さてさて
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    この屋根ですが
    できるだけ低くししました
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    屋根の下だけでなく
    屋根の上にいるときでも
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    子供たちが見えるようにです
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    屋根が高すぎれば
    天井しか見えなくなってしまいますね
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    こちらは足洗い場です
    色々な蛇口がありますよ
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    ホースもぐにゃぐにゃ動かせて
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    友達に水をかけたくなっちゃいます
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    この手前の男の子
    至って普通ですけど
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    よーく見てみてくださいね
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    長靴を洗っている?
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    いや 長靴に水を入れていますね
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    (笑)
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    さて
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    この幼稚園 一年のほとんどの間
    窓は開けっ放しです
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    また外と内を隔てる
    壁がないのも特徴です
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    要するに この建物は
    単なる屋根なんです
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    また部屋と部屋の間の
    境界もなくしました
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    だから音はそのまま
    伝わっていきます
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    それで この幼稚園は
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    自閉症の子供がほとんど
    いないことで有名なんです
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    実際 ささいな問題はあります
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    でも 自閉症の症状は
    見られていません
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    子供は静かな部屋の中に
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    押し込められてしまうと
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    中にはすごく不安になる
    子供が出てきます
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    しかし この幼稚園では
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    不安になる理由はありません
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    閉込められる感覚が
    ありませんから
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    園長先生はこう言っています
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    「部屋の隅っこにいたくない
    子がいれば
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    好きなとこに行かせよう
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    彼は戻ってくるよ
    この幼稚園は丸いんだから」
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    (笑)
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    さて ここで大切なことは
    通常であれば
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    その子は隠れようとする
    ということです
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    しかし ここでは
    どこかへ行って 戻ってくる
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    こんな自然の流れができています
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    そして二つ目に私たちは
    雑音をとても重要だと考えています
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    そして 皆さん
    お気づきでしょうか?
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    子供たちは雑音の中の方が
    ぐっすり寝付くものなんです
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    静かな場所では寝られないんですね
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    この幼稚園では
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    子供たちは驚異的な
    集中力を発揮してくれます
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    私たち人類は雑音に囲まれた
    ジャングルから出発してきましたよね
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    子供たちも雑音が必要なんです
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    それと ガヤガヤしたバーでも
    友達と話ができます
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    静かなとこに居るべきではないんです
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    また 最近では
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    なんでもかんでも
    管理しようとする風潮があります
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    でも この幼稚園は
    ご覧の通り完全に自由です
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    考えてみてください 私たちは
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    冬には-20度のところで
    わざわざスキーをしたり
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    暑い夏には わざわざ
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    50度の砂のビーチまで
    泳ぎに行きます
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    私たちは防水仕様なんです
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    雨に打たれて 溶けたりはしません
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    そういう訳で子供たちは
    外にいるべきであって
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    私たちが子供たちを
    外に出してあげるべきです
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    こちらは教室の配置変えを
    しているところです
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    みんなが先生を
    手伝ってくれるはずです
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    全然手伝ってませんね
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    (笑)
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    私が入れたんじゃありませんよ
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    こちらは教室ですね
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    そして洗面台
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    どうやら井戸端会議を
    しているようです
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    木はどの教室からも
    見えるようになっています
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    猿が上から別の
    猿を釣ろうとしていますね
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    (笑)
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    その猿たちです
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    (笑)
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    またどの教室にも
    一つは天窓があります
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    クリスマスにはここから
    サンタクロースが入ってくる仕組みです
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    こちらは別館で
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    先程の楕円形の本館の
    すぐ隣にあります
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    建物自体は高さが5m なのに
    床板は7枚あります
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    もちろん天井が凄く低くなります
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    ですから 安全性が大切になります
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    さて 私はまず私の
    娘と息子を連れてきました
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    彼らはいろいろと登っていました
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    そして 息子は頭を打ちました
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    でも大丈夫
    彼の頭蓋骨はとても頑丈です
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    回復力もあります
    私の息子なんですから
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    (笑)
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    こちらは飛び降りても
    大丈夫か確認しているところです
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    安全が確認され 今では
    みんなが遊んでいます
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    東京の交通渋滞は最悪ですね
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    (笑)
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    ただ 先頭のドライバーも運転を
    学んだ方が良さそうです
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    最近の子供には
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    もう少し危険があった方が
    いいと思いません?
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    こういった環境にいると
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    子供たちは助け合うことを学びます
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    こういった社会生活や機会が
    近年は失われてきています
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    この図はある少年の
    一日の動きを表しています
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    対象の時間は朝の
    9:10 から9:30
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    本館を一周するには183m あります
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    小さいとは言えない大きさですよね
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    そして この少年は午前中だけで
    なんと6千m も動き回りました
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    しかし 驚くのはまだ早いです
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    ここの幼稚園児は平均しても
    4千m を動き回ります
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    そして 彼らの運動能力は
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    地域内の他の
    幼稚園の園児と比べて
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    トップクラスです
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    園長先生が言っていました
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    「訓練はしてませんよ
    屋根の上でのびのびさせているだけ
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    そう 羊のようにね」
  • 9:18 - 9:19
    (笑)
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    彼らは走りまくります
  • 9:21 - 9:23
    (笑)
  • 9:24 - 9:28
    ポイントは彼らを
    コントロールしないこと
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    そして 過度に保護しないことです
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    たまには転んだ方がいいんです
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    ちょっとした怪我もしないとダメです
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    そうして子供たちは
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    生き方を学んでいくものです
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    私は建築には人の社会を変える
    力があると考えています
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    人々の人生をも変えます
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    幼稚園は子供たちの生き方を
    変える試みの一つです
  • 10:05 - 10:06
    ありがとうございました
  • 10:06 - 10:08
    (拍手)
Title:
新世代の建築 | 手塚 貴晴 | TEDxKyoto
Description:

手塚建築事務所の代表でもあり教授でもある手塚 貴晴は、非常に個性的で無限の可能性を秘めたエレメントを融合した建造物を思い描き、そして創りあげてきた。
手塚建築研究所を創設して以来、手塚と彼のチームは単なる壁や窓を、生活のための空間から住み心地の良さを伴った芸術へと昇華させた、また社会を、人を変えるような建造物を建築している。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
10:17

Japanese subtitles

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