ハチを救え!待てよ、あれってハチ? | ジョゼフ・ウィルソン | TEDxUSU
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0:03 - 0:05(拍手)
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0:05 - 0:09ハチの研究者だと言うと
反応は2つのうちの1つ -
0:09 - 0:12前にハチに刺されて
すごく痛かった とか -
0:12 - 0:15あるいは 遠い親戚がハチを飼っていて
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0:15 - 0:17そのハチミツが大好きだ とか
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0:17 - 0:21つまり 一般的にハチについての知識は
表面的なものなのです -
0:21 - 0:23ハチは刺す そしてハチミツを作る
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0:23 - 0:25しかし最近 頼もしい
変化が見られます -
0:25 - 0:27ハチが話題になったときに
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0:27 - 0:29刺すとかハチミツ以外にも
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0:29 - 0:31ハチに何が起きているのか
聞かれます -
0:31 - 0:34あるいはハチが消滅したり
数が減少しているといった記事を -
0:34 - 0:36読んだと教えてくれます
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0:36 - 0:39保護の観点からすると
うれしい変化です -
0:39 - 0:42ハチへの関心が高まってきたからです
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0:42 - 0:45刺すとかハチミツとかだけでなく
私達の生活にとって重要な存在だと -
0:45 - 0:48理解が深まってきたのです
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0:48 - 0:51しかし 今のままでは
ハチは救えません -
0:51 - 0:53運動は盛り上がっていますが
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0:53 - 0:57ハチとは何で 何が必要かを
知らないと救えません -
0:57 - 0:58ハチについて何を知っていますか?
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0:58 - 1:01米国内には数種類しか
いないと誤解されています -
1:01 - 1:03ミツバチにマルハナバチ・・・
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1:03 - 1:06実際 ハチや個体数減少に関する
研究の多くは -
1:06 - 1:08これらのハチを対象としています
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1:09 - 1:11しかし実際には
もっと多くの種類がいます -
1:11 - 1:14米国内には 実に4,000種のハチが
いるのです -
1:14 - 1:17つまり ハチの多様性は
ひどく低く見積もられています -
1:17 - 1:21しかし 多様なハチがいると知らなければ
保護は難しいでしょう -
1:21 - 1:24科学者でさえ
これらのハチの生態をよく知りません -
1:24 - 1:27研究テーマの多くは
ミツバチとマルハナバチで -
1:27 - 1:30他のハチは
見過ごされています -
1:30 - 1:31それだけではありません
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1:31 - 1:34多様性が過小評価されているだけでなく
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1:34 - 1:38多くの人は 庭にいる虫の
どれがハチなのか分かっていません -
1:38 - 1:41例えば この写真です
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1:41 - 1:43「どれがハチでしょう?」と
たずねると -
1:44 - 1:46みなさんも考えていますよね
「どれがハチかな?」と -
1:46 - 1:48たいていの人は
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1:48 - 1:51ハエやバッタ、チョウは
ハチではないと知っています -
1:51 - 1:52いいですね
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1:52 - 1:57ミツバチ、マルハナバチ
コハナバチはハチだと分かります -
1:57 - 2:00問題は この真ん中にいる
3匹のハチです -
2:00 - 2:03全部ハチですが
ハチだと思われていません -
2:03 - 2:05どこの庭にでもいるハチですが
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2:05 - 2:07他の虫と勘違いされています
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2:07 - 2:12ハチの種類の多さも
どの虫がハチなのかも誤解しているために -
2:12 - 2:15的外れの保護活動が行われています
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2:15 - 2:17例えば ネットで見た
このポスター -
2:17 - 2:19「ミツバチを救え 人類を救え」
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2:19 - 2:21すばらしい発想ですが
あれはミツバチじゃない -
2:21 - 2:23(笑)
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2:23 - 2:25スズメバチです
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2:25 - 2:26(笑)
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2:26 - 2:29保護を訴えるTシャツは
たった25ドルで買えます -
2:29 - 2:32でも これもハチじゃないんです
-
2:32 - 2:33セミです
-
2:33 - 2:34(笑)
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2:34 - 2:38もう1例 Facebookのミーム
「私が死ねば君も死ぬ」 -
2:38 - 2:41つまりハチが人の食料の
ほとんどを授粉しているので -
2:41 - 2:44授粉者が消えれば
人間は死ぬという発想です -
2:44 - 2:47でもこれはハチじゃなくてハエです
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2:47 - 2:51ハエは人の食料の授粉には
ほぼ無関係です -
2:51 - 2:54この例のように
他の虫と勘違いするだけが -
2:54 - 2:55問題ではありません
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2:55 - 2:58ハチを救うための努力の多くは
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2:58 - 3:02一番身近なハチ
つまりミツバチに向けられているのです -
3:02 - 3:04たくさんのニュースや記事が
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3:04 - 3:07どうすればハチを救えるかを
取り上げていますが -
3:07 - 3:10対象は ほぼすべてミツバチです
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3:10 - 3:13その結果 多くの人が
ミツバチを救おうと -
3:13 - 3:15庭で飼い始めました
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3:15 - 3:17全国の都市で規制が変わり
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3:17 - 3:20庭でハチを飼えるようになりました
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3:20 - 3:23例えば モーガン・フリーマンは
最近 巣箱を40個購入して -
3:23 - 3:25ミシシッピの農場に設置し
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3:25 - 3:28ハチのためにラベンダーと
クローバーも植えたそうです -
3:28 - 3:29これは立派な取り組みです
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3:29 - 3:31他の人もいます
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3:31 - 3:34レッド・ホット・チリ・ペッパーズの
ベース奏者のフリー -
3:34 - 3:36今年 『ローリング・ストーン』誌で
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3:36 - 3:39自身の保護活動について語っています
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3:39 - 3:43この2人や他の多くの養蜂家たちも
理解していないのは -
3:43 - 3:46ミツバチは何千もある種の
1つに過ぎず -
3:46 - 3:48他のハチとは生物学的に
大きく異なっていることです -
3:49 - 3:52例えば ミツバチは
大きい巣に棲み -
3:52 - 3:56無数の働きバチと1匹の女王バチがいて
ハチミツを作ります -
3:56 - 3:58一度刺したら死ぬことも
ご存知ですよね -
3:58 - 4:01ミツバチについては
どれも事実ですが -
4:01 - 4:05北米の在来種には
あてはまりません -
4:05 - 4:09ミツバチは北米の在来種ではなく
欧州産です -
4:09 - 4:10では在来種のハチ―
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4:10 - 4:13その他の何千ものハチの生態は?
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4:13 - 4:18ほとんどの在来種のハチは
単独性のジバチです -
4:18 - 4:18つまり
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4:18 - 4:22群れを作らず 単独行動し
地面に巣を作るのです -
4:22 - 4:241匹のメスが地面に穴を掘り
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4:24 - 4:26穴の底に小部屋をいくつか作り
-
4:26 - 4:28花粉と花の蜜を運びこみ
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4:28 - 4:31各小部屋に卵を1個ずつ産み
フタをして飛び去ります -
4:31 - 4:36女王バチも働きバチも大きい巣も
ハチミツもありません -
4:36 - 4:39つまりミツバチを救うことだけに
注力していても -
4:39 - 4:42ジバチを救うことはできません
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4:43 - 4:46地面に巣を作らないハチもいて
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4:46 - 4:47他の場所に巣を作るハチもいます
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4:47 - 4:49例えば これはハキリバチで
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4:49 - 4:52木片の穴の中に巣を作ります
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4:52 - 4:55これは穴の内側に
壁紙のように貼り付ける葉片を -
4:55 - 4:57運んでいるところです
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4:57 - 5:01これは群れを作らないハチですから
女王も大きな巣もハチミツもありません -
5:01 - 5:04在来種の話をすると
こんな反応が返ってきます -
5:04 - 5:07「興味深いけど 在来種は
授粉しないでしょう?」 -
5:07 - 5:09実際には 授粉します
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5:09 - 5:11在来種は野草の主な授粉者であり
-
5:11 - 5:14多くの研究によって
-
5:14 - 5:17農作物の授粉者としても重要だと
分かっています -
5:17 - 5:19では ハチを救おうと言うときに
-
5:19 - 5:23なぜこうした在来種は
抜け落ちるのでしょう? -
5:23 - 5:26ミツバチと見かけが
違うせいかもしれません -
5:26 - 5:29在来種にはマンガで見るような
黒と黄の縞模様がありません -
5:29 - 5:33これらはすべて
北米在来種のマメコバチです -
5:33 - 5:37マメコバチはメタリックな光沢の
青や緑 金色や紫です -
5:37 - 5:42果物の多くに不可欠な
授粉者です -
5:42 - 5:45授粉に100匹のミツバチを
要する果樹園であっても -
5:45 - 5:49マメコバチなら2匹ですみます
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5:49 - 5:51彼らは授粉するだけではなく
-
5:51 - 5:53効率良く授粉することもあるのです
-
5:53 - 5:56この効率の良さには
多くの要因があります -
5:56 - 5:59ひとつは食べ物の
好き嫌いです -
5:59 - 6:02在来種の多くは食べ物の
選り好みをします -
6:02 - 6:06これはスカッシュハチで
ウリ科の花にしか寄り付きません -
6:06 - 6:09ウリ科の花が好きなので
-
6:09 - 6:12カボチャやズッキーニ
キュウリなどの -
6:12 - 6:14ウリ科の授粉には最適です
-
6:14 - 6:17なのでミツバチだけを
相手にして -
6:17 - 6:20ラベンダーやクローバーばかり
植えるとしたら -
6:20 - 6:23好みの違う在来種に
恩恵はありません -
6:23 - 6:25ラベンダーやクローバーは
嫌いなのですから -
6:25 - 6:28在来種が受粉者として重要なのは
他の能力もあるからです -
6:28 - 6:31例えば トマトとその仲間や
ブルーベリーは -
6:31 - 6:34振動授粉によって
収穫量が増えるんです -
6:34 - 6:37振動受粉というのは
花にとまったハチが -
6:37 - 6:40一定の振動数で花を振動させ
より多く花粉を飛ばす方法です -
6:40 - 6:43ミツバチは この方法を
知らないのでできません -
6:43 - 6:45在来種ならではの能力です
-
6:45 - 6:48ミツバチを責めているわけでは
ありません -
6:48 - 6:51多くの農業生産システムにとって
大事な存在です -
6:51 - 6:55しかし その個体数を
人工的に増やし過ぎると -
6:55 - 6:57ミツバチと在来種が競合して
-
6:57 - 7:00在来種の数が減少してしまいます
-
7:00 - 7:02ハチの保護活動に拍手を送ります
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7:02 - 7:05応援すべき良い運動です
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7:05 - 7:08しかし ミツバチは
何千とある種の1つに過ぎず -
7:08 - 7:13その他のハチも環境や人の生活にとって
重要だと気付く必要があります -
7:13 - 7:17では どこで在来種のことを
学べるでしょうか -
7:17 - 7:20最近は新しい情報が
次々に出てきています -
7:20 - 7:24『ハチに優しい園芸』や
拙著の『庭にいる様々なハチ』もあります -
7:24 - 7:29Xerces Society のサイトや
BugGuide.net もあります -
7:29 - 7:32全国で授粉者ワークショップも
開催されています -
7:32 - 7:34これらから分かるのは
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7:34 - 7:36ハチは2つのことを
必要としているということです -
7:36 - 7:40食料 つまり花々と
巣を作る場所です -
7:40 - 7:44庭に花を植えることで
ハチを助けることができます -
7:44 - 7:48いろいろな色や形や
大きさの花を植えれば -
7:48 - 7:53好みの違う
様々なハチがやってきます -
7:53 - 7:54さらに花畑の地面を
-
7:54 - 7:57シートや厚いマルチで覆わず
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7:57 - 8:01むき出しにしておけば
ジバチが巣を作れます -
8:01 - 8:03木片に穴を
開けておいてやるだけで -
8:03 - 8:05そこをすみかとするハチもいます
-
8:05 - 8:07ハキリバチの仲間は
穴を見つけると -
8:07 - 8:08そこに巣を作ります
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8:09 - 8:13社会全体で
ハチを守りたければ -
8:13 - 8:15まず学ぶところからです
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8:15 - 8:18在来種も含めて
すべてのハチについて学ぶのです -
8:18 - 8:21在来種は重要な役割を
果たしており -
8:21 - 8:23彼らも私たちの関心を
必要としています -
8:23 - 8:24こんなセリフは卒業です
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8:24 - 8:27「ハチを救え!
待てよ あれってハチ?」 -
8:28 - 8:29ありがとうございました
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8:29 - 8:31(拍手)
- Title:
- ハチを救え!待てよ、あれってハチ? | ジョゼフ・ウィルソン | TEDxUSU
- Description:
-
世界的に「ハチを救おう」という運動が盛んになっています。しかし残念なことに、ハチがどんな生き物で、ハチが何を必要としているかに誤解があるために、見当はずれの努力がなされています。運動の多くはミツバチやマルハナバチを対象としており、残りの95%の種のハチは無視されているのです。実際にはその多くが自然界や農業において重要な授粉者の役割を担ってくれているのですが。ハチを本当の意味で救うためには、私達はまずハチのことを理解する必要があるのです。
ジョゼフ・ウィルソンはユタ州で育ち、生まれつき生物に興味を持っていました。2歳のとき、大きくなったらライオンになりたいと両親に言ったそうです。その目標は達成できませんでしたが、ユタ州立大学で研究して、その次の目標、つまり生物学の教授になりました。彼の主な研究テーマはハチの進化や生態です。これらの昆虫の生活は、ゴールデンアワーのテレビ番組と同じくらいにドラマチックで謎めいていてユーモラスなのだと彼は言います。ただ、コマーシャルは入りませんが。
彼は最近『あなたの庭のハチ:北米のハチのガイド』という本を同僚と共著で出版しました。また、全米公共放送局(NPR)、カナダ公共放送局、国内のトークイベントなどに招かれて啓蒙活動を行っています。
研究のおかげで、身近にいる美しいハチやスズメバチを採集したり写真に収めたりしながら、妻と3人の子供たちと一緒に国中を旅行できることを彼はとても喜んでいます。
このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDxTalks
- Duration:
- 08:41
Moe Shoji approved Japanese subtitles for Save the bees! Wait, was that a bee? | Joseph Wilson | TEDxUSU | ||
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