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ストレスが脳に与える影響 ― マデュミタ・ムルジア

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    心がざわついて眠れませんか
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    不機嫌でイライラしていますか
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    物忘れが多いですか
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    圧倒された感じや孤独感がありますか
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    心配いりません
    誰もが経験することです
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    おそらくストレスが溜まっているのでしょう
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    ストレスは悪いものとは限りません
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    特にエネルギーや集中力が
    グッと必要な場面では便利なものです
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    たとえば競技スポーツの最中や
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    人前で話さなければならない場面です
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    ただしストレスが長引き
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    明けても暮れても
    ストレスにさらされていると
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    脳に変化が起きてきます
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    慢性ストレスは
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    たとえば過労や
    家族との口論の渦中にいる状態ですが
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    その影響は脳の大きさや
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    構造や
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    機能の仕方から
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    遺伝子レベルにまで及びます
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    ストレスは まず
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    視床下部・下垂体・副腎皮質(HPA)系で
    起きます
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    腎臓と脳の内分泌系で
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    一連のやり取りが行われ
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    これがストレスに対する身体の反応を
    コントロールします
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    脳がストレスの多い状況を感知すると
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    HPA系はすぐに活性化し
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    コルチゾールというホルモンが分泌され
    身体のとっさの動きに備えます
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    しかし長期間にわたって
    コルチゾール値の高い状態が続くと
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    脳内が大混乱します
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    たとえば慢性ストレスは
    扁桃体の活動レベルを高め
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    扁桃体での神経結合を増強します
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    扁桃体は脳内で
    恐れを担当する部署です
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    コルチゾール値が高まると
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    海馬という―
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    学習や記憶や
    ストレス制御に関わる脳の領域で
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    電気信号の働きが鈍くなります
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    海馬にはHPA系の働きを
    抑制する役目もありますから
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    海馬の働きが弱まると
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    ストレスを制御する力も
    弱まるというわけです
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    それだけでは ありません
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    コルチゾールは実際に脳を
    萎縮させる可能性があります
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    過剰なコルチゾールは
    ニューロン間のシナプス結合の減少や
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    前頭前野の萎縮を引き起こします
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    前頭前野とは脳の領域のうち
    集中や
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    決断や
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    判断や
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    社会的交流を司るところです
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    また過剰なコルチゾールは
    海馬で新しい脳細胞が作られるのを妨げます
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    つまり慢性ストレスによって
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    学習や記憶が困難になり
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    うつなどの
    より深刻な精神疾患の土台を作り
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    ついにはアルツハイマー病を
    招いてしまうかもしれません
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    ストレスの影響は脳のDNAにも
    及ぶ可能性があります
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    ある実験では
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    生まれたてのマウスに対し
    母親がどれだけ子育てするかによって
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    子が後々ストレスにどう反応するか
    決まってくることが証明されました
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    母親に育てられた子の方が
    ストレス耐性がありました
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    このタイプの子の脳では
    コルチゾールの受容体が多いためです
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    受容体はコルチゾールを捕まえて
    ストレス反応を弱めます
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    育児を放棄した母親の子は
    反対の結果になりました
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    つまり生涯にわたって
    ストレスを感じやすくなったのです
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    これは後成的な変化と考えられます
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    つまり こうした変化は
    遺伝コードそのものには影響せず
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    遺伝子の発現に
    影響を与えるということです
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    母親を入れ替えれば逆のことが起きます
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    驚くべき結果が出ています
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    ある1匹の母親マウスがもたらした
    後成的な変化は
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    その後 何代にもわたって
    子孫に受け継がれました
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    言い換えれば こうした作用の結果には
    遺伝性があるということです
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    悪い話ばかりではありません
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    コルチゾールでストレスのたまった脳の状態を
    好転させる方法はいろいろあります
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    最強の武器は運動と瞑想です
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    深く呼吸をしたり
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    周囲の物事に対する認識力や
    集中力を高めたりするからです
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    運動も瞑想もストレスを軽減し
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    海馬の容量を増やしますから
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    結果的に記憶力を向上させます
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    ですから日々のプレッシャーに
    負けないでください
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    ストレスに支配される前に
    ストレスを支配してしまいましょう
Title:
ストレスが脳に与える影響 ― マデュミタ・ムルジア
Speaker:
Madhumita Murgia
Description:

ストレスは悪いこととは限りません。たとえば競技スポーツの最中や人前で話すというような、エネルギーや集中力を一気に必要とする場面で、ストレスは便利だったりします。ただしストレスがいつまでも続くと、それによって脳が変わってきてしまいます。マデュミタ・ムルジアが慢性ストレスによる脳への影響を紹介します。その影響は脳の大きさや構造、機能から遺伝子レベルにまで及びます。
講師:マデュミタ・ムルジア
アニメーション:アンドリュー・ジンベルマン
*このビデオの教材:http://ed.ted.com/lessons/how-stress-affects-your-brain-madhumita-murgia

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
04:16

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