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テクノロジーに関する壮大なストーリー | ケビン・ケリー | TEDxAmsterdam

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    ここに登壇できて嬉しいです
  • 0:12 - 0:15
    このスピーチは昨晩の
    午前4時につくりました
  • 0:15 - 0:16
    (笑)
  • 0:17 - 0:19
    それは秘密の謎解きのようでした
  • 0:20 - 0:22
    テクノロジーについて
    お話ししたいと思います
  • 0:22 - 0:25
    テクノロジーは私たちの周囲に
    どこにでもあります
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    それは生活を満たし
  • 0:27 - 0:30
    私たちはみな さらなる
    テクノロジーを生み出しています
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    まずTEDの最初の文字"T"は
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    テクノロジーの"T"です
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    でも私たちは未だにその正体を
    知らないと思います
  • 0:39 - 0:42
    今日は日々の生活で
    テクノロジーがどのような
  • 0:42 - 0:46
    意味を持つかの研究について
    お話ししたいと思います
  • 0:46 - 0:49
    身近な生活ではなく
    宇宙規模の意味で
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    世界の長い歴史
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    この世界において
    我々の居場所について
  • 0:55 - 0:57
    テクノロジーとはいったい
    なんでしょうか?
  • 0:57 - 0:59
    その重要性は何でしょう?
  • 0:59 - 1:01
    そこで私が気づいたことを
  • 1:01 - 1:03
    お話したいと思います
  • 1:03 - 1:06
    一番最初に研究したのは
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    「テクノロジー」という名前の由来でした
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    アメリカでは1790年以降
    代々の大統領によって
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    一般教書演説が行われています
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    それは今まで220回も行われ
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    各々がまさにその時々の
  • 1:23 - 1:25
    アメリカの最重要課題を
  • 1:25 - 1:27
    集約したものです
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    「テクノロジー」という言葉を検索すると
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    1952年まで「テクノロジー」は
  • 1:34 - 1:37
    人々の思考の中にいわば存在しなかったのです
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    1952年は偶然にも私の誕生した年です
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    当然テクノロジーは
  • 1:41 - 1:44
    それ以前から存在しましたが
    人は特に気にせず
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    「テクノロジー」という言葉は
    まるでその眠った力の
  • 1:46 - 1:49
    覚醒となったのです
  • 1:50 - 1:55
    調べてみると「テクノロジー」
    という単語が最初に使われたのは
  • 1:55 - 1:57
    1829年でした
  • 1:57 - 2:01
    それは美術や工芸や産業などを
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    総合して教えるカリキュラムを
    始めた人が
  • 2:04 - 2:06
    発明したそうです
  • 2:06 - 2:08
    彼は「テクノロジー」と呼びました
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    これがまさに世界初でした
  • 2:11 - 2:15
    その内容自体は 明らかに
    そのずっと前から続いてきたことです
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    では私たちが消耗させられ
  • 2:17 - 2:20
    悩ませるているこれは
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    一体何なのでしょうか?
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    アラン・ケイは「テクノロジーとは
    あなたが生まれた後に
  • 2:24 - 2:27
    発明されたもの全て」
    と呼んでいます
  • 2:27 - 2:28
    (笑)
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    多くの人がテクノロジーを
    通常こう考えています
  • 2:32 - 2:34
    新しいもの すべてです
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    道路やペニシリンや
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    工場やタイヤではなく
    新しいものを指します
  • 2:40 - 2:43
    友人のダニー・ヒリスは
    似たようなことを言っています
  • 2:43 - 2:46
    「テクノロジーとは
    まだ使えないものすべてだ」と(笑)
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    これも最先端の感覚です
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    しかし 最先端だけではありません
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    私の提案は大昔の話に
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    さかのぼります
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    テクノロジーの意義を考える別の見方として
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    テクノロジーがない世界を
    想像することもできます
  • 3:00 - 3:04
    もし私たちに現代の
    世界中のテクノロジーの
  • 3:04 - 3:05
    あらゆるもの ―
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    たとえば刃物や掘削機や
    布などが なかったら
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    人類はそう長く生存
    できないでしょう
  • 3:12 - 3:15
    何十億人もの単位で
    あっという間に死ぬでしょう
  • 3:17 - 3:20
    狼に襲われても 人は無防備です
  • 3:20 - 3:23
    十分な食物を育てたり
    見つける事が出来なくなります
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    狩猟採集民族でさえなんらかの
    基本的な道具を使っていました
  • 3:27 - 3:29
    最小限のテクノロジーですが
  • 3:29 - 3:31
    何らかのテクノロジーを持っていました
  • 3:31 - 3:34
    そこで他の狩猟採集部族や
  • 3:34 - 3:38
    初期の人類に近いネアンデルタール人を
    研究すると
  • 3:38 - 3:42
    テクノロジーのない世界について
    興味深い発見がありました
  • 3:42 - 3:44
    彼らの平均年齢の推移です
  • 3:44 - 3:48
    ネアンデルタール人の化石は
    40歳以上のものが
  • 3:49 - 3:50
    発見されていません
  • 3:50 - 3:52
    狩猟採集部族の平均年齢は
  • 3:52 - 3:55
    20代から30代です
  • 3:55 - 3:58
    これは死亡率が高いためで
  • 3:58 - 4:01
    幼児と老人はほとんどいません
  • 4:01 - 4:05
    この人口分布は
    サンフランシスコ近郊に似ています
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    若者は非常に多いのです
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    そこに行けば「皆 健康だ」と
    いえるでしょう
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    それは全員が若いからです
  • 4:11 - 4:14
    同様に狩猟採集部族と
    初期の人類も
  • 4:14 - 4:16
    30歳以上生きられなかったのです
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    それは祖父母のいない世界でした
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    祖父母はとても重要です
    なぜなら彼らは
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    文化の進歩と情報を
    伝達する者だからです
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    全員が20-30代だけの世界を
    想像してみて下さい
  • 4:26 - 4:28
    どれほどの学習ができるでしょう?
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    一生 大した学習は出来ません
  • 4:31 - 4:32
    短すぎます
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    学んだ事を伝えていく人がいません
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    これが一つの側面です
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    非常に短い一生でした
    その反面
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    わずかばかりでもテクノロジーを持った
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    狩猟採集部族の多くは
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    実は必要となる食料を採集するのに
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    長い時間をかけていないことが
    人類学者の研究で分かりました
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    一日3~6時間です
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    ある人類学者はこれを
    「始原の豊かな社会」と呼びました
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    銀行員並みの仕事時間だったからです
  • 4:59 - 5:03
    つまり十分な食物を入手できたのです
  • 5:04 - 5:05
    しかし食糧不足が始まり
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    貧富の差や干ばつがくると
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    人類は飢餓に陥りました
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    それが長生きできなかった理由です
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    このようにテクノロジーがもたらすのは
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    こんな石器のように とても
    シンプルな道具による
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    ごくわずかなものでも重大で
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    北米に到着した最初の種族は
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    これによって250種の大型動物を
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    絶滅させました
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    1万年前の話です
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    そして数世代にわたり
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    数千年のうちに
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    このささやかなテクノロジーが
    これらの動物を絶滅させました
  • 5:43 - 5:46
    つまり我々は大昔からずっと
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    地球規模での影響を及ぼしてきたのです
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    つまり産業の時代以前から
  • 5:54 - 5:56
    人はわずかなテクノロジーで
  • 5:56 - 5:58
    地球規模の影響を与えていたのです
  • 5:58 - 6:01
    もうひとつ 初期の人類は
    火を発明しました
  • 6:02 - 6:04
    火は空地を作るために使われ
    ここでもまた
  • 6:05 - 6:08
    植物の生態系や大陸全体に
    影響を与えました
  • 6:08 - 6:10
    また調理にも使われました
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    あらゆる物が食べられるようになり
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    マクルーハン風に言うなら
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    体外の胃袋のようなものでした
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    つまり本来は食べられない物を
    食べられるようにしたのです
  • 6:21 - 6:24
    もし火がなかったら 人類は
    生存できなかったでしょう
  • 6:24 - 6:27
    人体はこの新しい食事法に適応しました
  • 6:28 - 6:30
    過去1万年の間に人体は変化しました
  • 6:30 - 6:33
    こんな わずかなテクノロジーで
  • 6:33 - 6:36
    人間は1万人から
  • 6:36 - 6:38
    ― ネアンデルタール人と同じレベルから
  • 6:38 - 6:39
    急激に増加しました
  • 6:40 - 6:42
    言語が発明されたのは
  • 6:42 - 6:44
    5万年前のことです
  • 6:44 - 6:47
    人類の数は急増し あっという間に
    地球を支配する種族となりました
  • 6:47 - 6:50
    彼らは1年で2キロの速度で
    地球全体に移住を続け
  • 6:50 - 6:53
    何万年もの間に
  • 6:54 - 6:56
    地球上すべての流域を占領し
  • 6:56 - 6:58
    非常にわずかのテクノロジーを使って
  • 6:58 - 6:59
    もっとも支配的な種族となりました
  • 7:00 - 7:02
    またすでに農業が発明された頃の
  • 7:02 - 7:04
    8千年前から1万年前には
  • 7:04 - 7:06
    気候の変動が始まりました
  • 7:06 - 7:08
    つまり気候変動は新しくないのです
  • 7:08 - 7:10
    その程度にこそ違いがあれ
  • 7:10 - 7:13
    農耕時代でさえ気候変動はありました
  • 7:14 - 7:16
    このころ既にわずかなテクノロジーが
  • 7:16 - 7:17
    世界を変えたのです
  • 7:18 - 7:20
    つまり
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    テクノロジーは世界最強の
    力となったのです
  • 7:24 - 7:25
    今日の日常で
  • 7:26 - 7:28
    私たちの生活を変えていく物はすべて
  • 7:28 - 7:30
    新しいテクノロジーの導入に
    遡る事ができます
  • 7:30 - 7:33
    これは最強の力として
  • 7:34 - 7:36
    地球全体に解放され
  • 7:37 - 7:41
    それはまさに
  • 7:41 - 7:45
    私たち自身となったのです
  • 7:46 - 7:50
    実際 私たちの人間性や
    自分について考える全てのことは
  • 7:50 - 7:51
    自分自身が発明したものです
  • 7:51 - 7:53
    そう 自分自身を発明したのです
  • 7:53 - 7:55
    私たちが飼い慣らした
  • 7:55 - 7:57
    最も重要な動物は
  • 7:57 - 7:58
    私たち自身なのです
    いいですか?
  • 7:58 - 8:01
    人間性こそが最も優れた発明なのです
  • 8:02 - 8:03
    しかし当然 まだ終わりではありません
  • 8:04 - 8:07
    今でもテクノロジーによって
    発明は続いています
  • 8:07 - 8:09
    繰り返し自分自身を
    再発明しているのです
  • 8:10 - 8:12
    とてつもなく強い力なのです
  • 8:12 - 8:15
    これを全体像として
    人間とテクノロジーを同様に捉え
  • 8:15 - 8:19
    私たちの生活で生み出した
    物や全てをまとめて
  • 8:19 - 8:20
    テクニウムと呼んでいます
  • 8:20 - 8:22
    この世界そのものです
  • 8:23 - 8:25
    私は テクノロジーとは
    「人が創造した使える物すべて」
  • 8:25 - 8:28
    と定義しています
  • 8:29 - 8:34
    ハンマーやパソコンといった
    機器だけでなく
  • 8:34 - 8:35
    法律もそうです
  • 8:36 - 8:38
    法体系というものも
    一種のテクノロジーなのです
  • 8:38 - 8:43
    もちろん都市も人にとって
    便利なものですが
  • 8:44 - 8:48
    ―ここが私のトークのポイントですが―
  • 8:48 - 8:51
    私たちの心が作り出した
    ものであるかぎり
  • 8:51 - 8:53
    それは深く宇宙に
  • 8:53 - 8:55
    根ざしています
  • 8:55 - 8:57
    過去を振り返ると
  • 8:57 - 8:59
    テクノロジーの源泉とルーツは
    ビッグバンに遡ります
  • 8:59 - 9:03
    この自己組織化された一連の流れで
  • 9:03 - 9:05
    ビッグバンから始まり
  • 9:05 - 9:08
    銀河系と星々を駆け抜け
  • 9:08 - 9:10
    生命 そして私たちに
    辿り着くのです
  • 9:10 - 9:12
    初期の宇宙の3段階は
  • 9:12 - 9:15
    それを支配するのは
    エネルギーそのもので
  • 9:15 - 9:17
    それが冷却すると
    支配的な力は物質となりました
  • 9:18 - 9:21
    そして40億年前に生命が生まれ
  • 9:21 - 9:24
    地球での支配的な力は
    情報となりました
  • 9:24 - 9:26
    それが生命の持つ意味です
    それは再構成し
  • 9:26 - 9:28
    新しい秩序を創り出す情報プロセスです
  • 9:28 - 9:32
    アインシュタインは
    エネルギーと物質が同等だと発見しました
  • 9:32 - 9:35
    量子計算という新しい科学によると
  • 9:35 - 9:39
    エントロピー 情報 物質
    そしてエネルギーは
  • 9:39 - 9:42
    すべて関連し 連続体なのです
  • 9:43 - 9:46
    エネルギーを正しい系の中に置くと
  • 9:46 - 9:49
    消費された熱 エントロピー
    そしてエクストロピーが
  • 9:49 - 9:52
    排出されます
    これが秩序なのです
  • 9:52 - 9:54
    そして秩序は増加します
  • 9:54 - 9:57
    では根源はどこでしょうか?
    太古に遡ります
  • 9:57 - 9:58
    実際にはわかりませんが
  • 9:58 - 10:01
    昔から宇宙全体が自律的に
  • 10:01 - 10:03
    組織化する傾向が続いている
    ということが分かっています
  • 10:03 - 10:05
    その始まりは銀河系のようでした
  • 10:05 - 10:08
    それは何十億年間も
    保たれてきました
  • 10:08 - 10:12
    星は基本的に核融合装置として
  • 10:12 - 10:16
    何十億年間も 自律的に組織化し
    自己維持してきました
  • 10:16 - 10:18
    この秩序は世界のエントロピーに
    逆らうものです
  • 10:18 - 10:23
    花や植物も同様に
    拡張されます
  • 10:23 - 10:27
    テクノロジーとは基本的に
    生命の拡張なのです
  • 10:29 - 10:32
    これらにはある傾向がみられます
  • 10:32 - 10:35
    物質を通過するエネルギーを
    毎グラム 毎秒で見ると
  • 10:35 - 10:38
    まさにこれは増加しているのです
  • 10:38 - 10:42
    今述べた順で
    エネルギーの量は増加します
  • 10:42 - 10:46
    生命を通りぬける
    毎グラム毎秒のエネルギー量は
  • 10:46 - 10:48
    星のエネルギーよりも大きいものです
  • 10:48 - 10:51
    なぜなら星の寿命は長いからです
  • 10:51 - 10:54
    生命のもつエネルギー密度は
    星よりも大きいのです
  • 10:55 - 10:58
    このエネルギー密度が
  • 10:58 - 11:00
    宇宙で最大なのは
    実はPCチップです
  • 11:00 - 11:03
    そこには毎グラム毎秒で
    通過するエネルギーが
  • 11:03 - 11:06
    どこよりも多いのです
  • 11:06 - 11:09
    もしテクノロジーの方向性を
    知りたいなら
  • 11:09 - 11:14
    この軌道を追うといいでしょう
  • 11:14 - 11:17
    その軌跡を追った先には
  • 11:17 - 11:18
    エネルギー密度は高いでしょう
  • 11:18 - 11:21
    そこで同様に考えたのが
  • 11:21 - 11:23
    進化する生命を 別の視点で捉えたら
  • 11:23 - 11:25
    どうなるかです
  • 11:25 - 11:27
    「生命の進化の法則はなにか」
  • 11:27 - 11:29
    これらは さらに複雑で
  • 11:29 - 11:32
    より多様で より特殊で
  • 11:32 - 11:35
    知覚的で 偏在的な方向に進みます
  • 11:35 - 11:39
    そして最も重要なのは
    進化の可能性です
  • 11:39 - 11:43
    これらと同様なことが
    テクノロジーにも見られます
  • 11:43 - 11:45
    テクノロジーはそこに向かっているのです
  • 11:45 - 11:49
    これらの物はより複雑に向かって
    より多様に より特殊に
  • 11:49 - 11:51
    より知覚的に
  • 11:51 - 11:53
    さらに進化の可能性を獲得します
  • 11:53 - 11:57
    実はテクノロジーは生命の
    あらゆる側面を加速します
  • 11:58 - 12:01
    それは明らかで 生命に
    多様性があるのと同様なのです
  • 12:01 - 12:03
    私たちの創造物も 多様になります
  • 12:03 - 12:05
    生物は一般的な細胞から始まり
  • 12:05 - 12:08
    特殊なものに変化します
    人には組織細胞や
  • 12:08 - 12:09
    筋肉や脳細胞があります
  • 12:09 - 12:13
    同様に例えばハンマーも
    最初は単純な形でしたが
  • 12:13 - 12:14
    より特異な形状に進化しました
  • 12:14 - 12:18
    生物には6つの界がありますが
  • 12:18 - 12:20
    テクノロジーは根本的に
  • 12:20 - 12:22
    生物 7つ目の界といえるでしょう
  • 12:22 - 12:24
    人間の姿から枝分かれものです
  • 12:24 - 12:26
    しかしテクノロジーは
    生命そのものと同様に
  • 12:26 - 12:28
    自分の行動計画があります
  • 12:29 - 12:33
    例えば現在 私達が使っている
    エネルギーの3/4は
  • 12:33 - 12:35
    テクニウム自身の発展に
    利用されています
  • 12:35 - 12:38
    交通手段は 人を動かすためではなく
  • 12:38 - 12:40
    人が作ったり買ったりした
    ものを動かします
  • 12:41 - 12:44
    一方でテクノロジーは自己中心的で
  • 12:44 - 12:47
    一方では私たちにあらゆる
    恩恵をもたらします
  • 12:47 - 12:50
    これを「欲」といいます
    テクノロジーは「欲する」のです
  • 12:50 - 12:53
    ロボットはパワーを求めて
    電源を求めるのです
  • 12:53 - 12:56
    猫は餌を欲しがりますね
  • 12:56 - 12:59
    細菌は意識などなくても
  • 12:59 - 13:01
    光に向かう傾向があります
  • 13:01 - 13:03
    つまり衝動です
    テクノロジーは衝動に駆られるのです
  • 13:03 - 13:05
    同時に 私たちに何かを
    与えたがります
  • 13:05 - 13:08
    つまり基本的な進歩をもたらすのです
  • 13:08 - 13:11
    どんな形で進歩しても
    それを後押しします
  • 13:11 - 13:13
    費用の話を無視すれば
  • 13:13 - 13:16
    進歩に異論はないでしょう
  • 13:16 - 13:18
    でも本当の進歩には
  • 13:18 - 13:20
    その費用が問題となります
  • 13:20 - 13:24
    環境面での費用の程度が問題です
  • 13:24 - 13:28
    しかしそれが確かに存在することは
    疑いの余地がありません
  • 13:28 - 13:32
    私の家にある人工物の
    数を調べて見たら
  • 13:32 - 13:33
    6千個もありました
  • 13:33 - 13:35
    1万個くらいの人もいます
  • 13:36 - 13:38
    英国王ヘンリーが死んだとき
  • 13:38 - 13:42
    家には1万8千個の品物がありました
  • 13:42 - 13:45
    それは英国の全資産でした
  • 13:47 - 13:50
    英国全土の資産を持ってしても
  • 13:50 - 13:53
    ヘンリー王は抗生物質を買えませんでした
  • 13:53 - 13:55
    冷蔵庫も買えず
  • 13:55 - 13:57
    1千マイルの旅も買えませんでした
  • 13:57 - 14:00
    しかし このインドの車夫は
  • 14:00 - 14:02
    金をためて抗生物質を買えますし
  • 14:02 - 14:04
    冷蔵庫も買えます
  • 14:04 - 14:07
    ヘンリー王の財産でも買えないほど
    買う事が出来るのです
  • 14:07 - 14:09
    それが進歩なのです
  • 14:09 - 14:12
    テクノロジーはわがままであり
    寛大です
  • 14:12 - 14:15
    この対立と緊張は永遠に人と共にあるでしょう
  • 14:15 - 14:18
    時に自分の欲する事を行い
  • 14:18 - 14:20
    時には人のために働きます
  • 14:20 - 14:22
    このような感覚はどこへ向けたらいいか
  • 14:25 - 14:28
    新しいテクノロジーをどう考えればよいのか
    私たちは混乱しています
  • 14:28 - 14:30
    今新しいテクノロジーが現れた時の
  • 14:30 - 14:32
    デフォルトの考え方は
  • 14:32 - 14:34
    「予防原則」です
  • 14:34 - 14:37
    これは欧州では とても一般的です
  • 14:37 - 14:39
    基本的に新しいテクノロジーを見たら
  • 14:39 - 14:41
    「何もするな」と言っているわけです
  • 14:41 - 14:43
    危険が無いということがはっきりするまで
  • 14:43 - 14:46
    これでは何もできないと思います
  • 14:46 - 14:48
    しかしもっと良い方法は
    「推進原則」だと思います
  • 14:48 - 14:51
    つまり テクノロジーに関与して
  • 14:51 - 14:52
    試してみてください
  • 14:52 - 14:57
    予防原則から考えられることも行います
  • 14:57 - 14:59
    予測を試み
    ただ予測した後は
  • 14:59 - 15:01
    一度ならず
  • 15:01 - 15:03
    いつまでも検証を続けます
  • 15:03 - 15:06
    期待するものから外れてきたら
  • 15:07 - 15:10
    リスクを優先順位づけ
    新しい物だけではなく
  • 15:10 - 15:11
    古い物も再評価します
  • 15:11 - 15:14
    課題に対処し
    また転用することも重要です
  • 15:15 - 15:17
    どういう意味かというと
  • 15:17 - 15:19
    それに新しい役目を見つけることです
  • 15:21 - 15:24
    テクノロジーは
    子供みたいなものです
  • 15:25 - 15:29
    核分裂エネルギーを爆弾に
    利用するのは全く悪いアイデアです
  • 15:29 - 15:32
    しかし それをより良く
  • 15:32 - 15:36
    持続可能な核エネルギーとして
  • 15:36 - 15:39
    発電に使えば 石炭に置き換わる
    とても良いアイデアです
  • 15:39 - 15:43
    悪いアイデアがあった時
    このアイデアに対する反応は
  • 15:43 - 15:46
    無アイデアではなく
    考え続けることです
  • 15:47 - 15:50
    悪いアイデアはうまく転換すれば
  • 15:50 - 15:52
    例えばタングステン電球のように
  • 15:52 - 15:54
    良いアイデアになります
  • 15:55 - 15:59
    人の嫌うテクノロジーに対抗する
  • 15:59 - 16:00
    良いアイデアが
  • 16:00 - 16:03
    基本的に良いテクノロジーとなるのです
  • 16:03 - 16:04
    実際に考え方によっては
  • 16:04 - 16:08
    テクノロジーは良いアイデアを
    生む手段になります
  • 16:08 - 16:10
    こんな風に考えれば
  • 16:10 - 16:13
    穀物にDDTを撒く事は
    非常に悪い考えかもしれません
  • 16:13 - 16:16
    しかし マラリアを絶滅させるためには
  • 16:18 - 16:21
    家でDDTを染み込ませた蚊帳を使うのが
  • 16:21 - 16:24
    一番良い方法です
  • 16:24 - 16:28
    非常に良いアイデアであり
    テクノロジーのお手柄です
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    私達 人としての仕事は
  • 16:30 - 16:32
    「思考の子供」を育て
  • 16:33 - 16:35
    彼らに良い友達を見つけ
  • 16:35 - 16:36
    良い役目を見つけることです
  • 16:36 - 16:39
    すべてのテクノロジーは
    創造的な力の一種であり
  • 16:39 - 16:41
    見合った役目を探しています
  • 16:41 - 16:43
    写真は 私の息子です
  • 16:43 - 16:44
    (笑)
  • 16:44 - 16:47
    悪いテクノロジーはありません
  • 16:47 - 16:49
    悪い子供がいないのと同じです
  • 16:49 - 16:52
    子供が中立的だとか
    肯定的だとは言いません
  • 16:52 - 16:54
    正しい場所を見つけてあげる
    必要があるだけです
  • 16:54 - 16:57
    テクノロジーが私たちにもたらすのは
  • 16:57 - 17:00
    長い時間の 進化の延長線上をこえ
  • 17:00 - 17:01
    時間の始まりから
  • 17:01 - 17:05
    植物と動物の出現を通して
  • 17:05 - 17:08
    そして生命の進化
    脳の進化を通して
  • 17:08 - 17:10
    絶えず私たちに
  • 17:10 - 17:14
    利点と欠点を比較したあとに
  • 17:14 - 17:19
    今朝私が指摘したように
    ますます多くの違いを与えてきました
  • 17:20 - 17:22
    多様性を増やし
    オプションを増やし
  • 17:22 - 17:24
    選択肢と機会を増やし
  • 17:24 - 17:26
    可能性と自由を増やします
  • 17:26 - 17:29
    ずっとテクノロジーから
    受け取っていました
  • 17:30 - 17:31
    人が村から出て
  • 17:32 - 17:34
    都市に行くのも
    常に増加する選択肢と
  • 17:34 - 17:37
    可能性を求めての結果です
  • 17:38 - 17:40
    その代償にも気付いています
  • 17:40 - 17:43
    代償を払いますが
    そのことにも気付いています
  • 17:43 - 17:45
    人は増加した自由
  • 17:45 - 17:47
    選択そして機会に
    対価を払うものです
  • 17:47 - 17:50
    さらにテクノロジーは
    きれいな水が必要です
  • 17:51 - 17:53
    テクノロジーは自然と
  • 17:55 - 17:58
    正反対なのでしょうか?
  • 17:59 - 18:02
    まだスライドが数枚あります
    あと2枚
  • 18:02 - 18:06
    高度なテクノロジーは
    きれいな水が必要だと言いましたが
  • 18:06 - 18:08
    私たちと同様か
    それ以上に必要です
  • 18:09 - 18:11
    なぜならテクノロジーは
    生命の拡張なのです
  • 18:11 - 18:14
    生命が必要とする物と平行して
  • 18:14 - 18:16
    同じ物を必要とします
  • 18:16 - 18:18
    テクノロジーは生物学と
    相性がよいでしょう
  • 18:18 - 18:20
    それを許せば ですが
  • 18:20 - 18:25
    複雑さや多様性は長く連なったものです
  • 18:25 - 18:30
    何十億年も前から始まった
    生命の進化は
  • 18:30 - 18:32
    私たちを通じて
    今も動き続けています
  • 18:32 - 18:34
    いわば私たちの選択です
  • 18:34 - 18:37
    テクノロジーにおいて
    人は 自分達よりずっと大きな
  • 18:37 - 18:39
    この力との協調を選ぶべきです
  • 18:39 - 18:42
    テクノロジーはポケットの中味や
  • 18:42 - 18:43
    道具以上のものです
  • 18:43 - 18:45
    人が発明した以上のものです
  • 18:45 - 18:48
    これは何十億年も前に始まった
    長い生命の物語
  • 18:48 - 18:51
    偉大な物語の一部なのです
  • 18:51 - 18:53
    自己組織化する人間を貫く物語であり
  • 18:53 - 18:55
    我々はそれを拡張し
    加速させているのです
  • 18:55 - 18:57
    その物語から人が創り出すテクノロジーと
  • 18:57 - 18:59
    共調することでその物語の
    一部となれるのです
  • 19:00 - 19:03
    ご清聴ありがとうございました
  • 19:03 - 19:06
    (拍手)
Title:
テクノロジーに関する壮大なストーリー | ケビン・ケリー | TEDxAmsterdam
Description:

この壮大で刺激的なトークでは、長年テクノロジーの進化を最前線で見続けてきたケビン・ケリーが、生命におけるテクノロジーの意義について語ります。個人レベルの影響から宇宙における位置づけについて、テクニウムという新しい概念を提唱しながらテクノロジーの方向性を語ります。

このビデオはTEDカンファレンスとは独立して運営されるTEDxイベントにおいて収録されたものです。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
19:12

Japanese subtitles

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