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自分を知ること | 吉川プリアンカ | TEDxKyoto

  • 0:17 - 0:19
    「あなたのアイデンティティは
    何ですか?」
  • 0:20 - 0:24
    インタビューを受ける度に
    この質問をされるようになったのは
  • 0:24 - 0:28
    2016年 ミスワールドジャパン(MWJ)
    に選ばれてからです
  • 0:29 - 0:33
    何らかの反響があるだろうとは
    思っていましたが
  • 0:33 - 0:36
    この質問は予想外でした
  • 0:38 - 0:40
    でも これが始まりだったのではありません
  • 0:42 - 0:45
    この質問の答えに迫られた私は
  • 0:46 - 0:51
    それまでの自分探しの道のりに
    思いを巡らせました
  • 0:53 - 0:57
    MWJに応募したのは
    私が日本人だと証明するためではなく
  • 0:58 - 1:03
    自分への挑戦と
    単なるモデルではないと主張するため
  • 1:04 - 1:07
    そして より大きな舞台で
    活躍するチャンスだと思ったからです
  • 1:07 - 1:12
    自分のキャリアのためだけでなく
    世界に貢献できる機会だと
  • 1:12 - 1:16
    実際 想像を超える結果になりました
  • 1:16 - 1:20
    混血を代表とする顔となり
    声となったのです
  • 1:23 - 1:28
    誰でも 人生で一度は
    自分のルーツを知りたくなると思います
  • 1:28 - 1:32
    自分のアイデンティティや
    個としての自分もそうです
  • 1:33 - 1:35
    私たちはみんな
    それぞれ違います
  • 1:35 - 1:39
    自分で気づいても気づいてなくても
    みんな混血なのです
  • 1:40 - 1:44
    混血だからと言って
    純血より劣っているわけではありません
  • 1:45 - 1:47
    より多くの可能性を秘めているのです
  • 1:49 - 1:53
    私の名前は吉川プリアンカ
    「ハーフ」です
  • 1:54 - 1:58
    日本人の母とインド人の父の間に
    生まれました
  • 1:58 - 2:04
    ハーフですから 
    100%日本人でもインド人でもなく
  • 2:04 - 2:08
    その両方でもあり
    そして何よりも「私」なのです
  • 2:10 - 2:15
    国籍が日本人で
    日本生まれでも
  • 2:15 - 2:18
    日本では
    私が日本人だと言うと
  • 2:18 - 2:20
    誰も信じてくれません
  • 2:21 - 2:26
    海外に行くと こんな風に言われます
  • 2:27 - 2:30
    「日本語がお上手ですね」
  • 2:30 - 2:32
    (笑)
  • 2:32 - 2:35
    または
    「毎日カレーを食べるの?」
  • 2:35 - 2:36
    (笑)
  • 2:37 - 2:41
    海外でも
    私が日本人だと言うと
  • 2:41 - 2:44
    やっぱり誰も信じてくれません
  • 2:44 - 2:46
    みんな 不可解だという顔をして
  • 2:46 - 2:51
    日本人らしくない外見の
    説明を待つといった具合です
  • 2:53 - 2:57
    こんなやり取りは 冗談抜きで
    本当に疲れるんです
  • 2:57 - 3:00
    毎日何度も
    同じことを聞かれるのですから
  • 3:00 - 3:06
    混血の人のための国籍が
    別にあったらいいのにと時々思います
  • 3:07 - 3:12
    このように 生まれた国でも外国でも
    よそ者だったわけですが
  • 3:12 - 3:15
    私は気になりませんでした
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    米国、日本、インドの
    3ケ国で育てられ
  • 3:20 - 3:23
    両親もそれぞれ
    異なる国の出身だったことから
  • 3:23 - 3:27
    グローバルマインドを養うのに
    有利でした
  • 3:27 - 3:32
    刺身はもちろん
    カルカッタ名物のプチュカも嗜むなど
  • 3:32 - 3:35
    恵まれた環境にありました
  • 3:36 - 3:39
    富士山から ヒマラヤ東部まで訪れ
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    多様な文化やコミュニティにふれ
  • 3:42 - 3:46
    環境の変化に順応するのが
    上手になりました
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    人と違う自分を受け入れたのです
  • 3:49 - 3:52
    でも はじめから
    そうだった訳ではありません
  • 3:53 - 3:58
    日本の社会では混血でいると
    辛い経験をすることがあります
  • 3:59 - 4:06
    学校では 級友たちに
    ばい菌のように扱われました
  • 4:06 - 4:10
    廊下でたまたま
    私と接触するようなことがあれば
  • 4:10 - 4:13
    触れた箇所を壁でこすって
    拭いたりするのです
  • 4:15 - 4:19
    私はのけ者にされ
    会話にも 仲間にも
  • 4:19 - 4:21
    入れてもらえませんでした
  • 4:23 - 4:28
    努力しても なかなか打ち解けず
    自分に自信がなくなりました
  • 4:30 - 4:35
    日本の学校生活で
    楽しい思い出は一つもありません
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    自分が周りにどう思われているか
    いつも気になっていましたが
  • 4:39 - 4:43
    全てが順調であるかのように
    振舞っていました
  • 4:44 - 4:46
    時間が過ぎるのをただ待つだけで
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    自分のために立ち上がることも
    幸せのために闘うこともありませんでした
  • 4:52 - 4:55
    今でも悔やんでいます
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    幼かろうが 年をとっていようが
  • 5:00 - 5:05
    誰だって その時その時で 愛され
    幸せを感じる権利があるからです
  • 5:07 - 5:09
    心の中では
    自分にこう言い聞かせました
  • 5:09 - 5:15
    今 学校では嫌われていたとしても
    いつか日本一の人気者になるんだ と
  • 5:15 - 5:20
    まだ達成できていませんが
    でも もし13歳の頃の私に
  • 5:20 - 5:23
    将来 ミス・ワールド・ジャパンになって
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    世界大会にも出場するんだと言ったら
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    きっと誇りに思ったことでしょう
  • 5:29 - 5:31
    知り合いがひとりもいない
    高校へ進学した私は
  • 5:31 - 5:34
    一からのスタートで
    学校になじめると思いました
  • 5:35 - 5:39
    でも 自分ではない誰かになろうと
    頑張りすぎてしまいました
  • 5:39 - 5:43
    そして 自分を受け入れるべきだと
    気がついたのです
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    私だけが持つアイデンティティを
    誇りに思い
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    自分の性格を変えようとしたり
    いじめられているだけではいけないと
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    母は 私に
    バランスが大切だと言いました
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    自分の心の声を聞き
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    両方の世界を楽しむべきであると
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    両方の文化を愛し尊重し
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    人との繋がりと自立との
    バランスを大切にするべきだと
  • 6:10 - 6:14
    そして 思いやりを持ち
    周りの人に対してだけでなく
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    何よりも自分自身を
    思いやることを教えてくれました
  • 6:18 - 6:23
    中学の頃の私は ごく普通の生徒で
    成績はひどいものでした
  • 6:23 - 6:24
    これといって特技もなく
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    でも母はいつも私に
    賢くて才能があると言ってくれました
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    夢や好きなことを追いかけるべきだと
    励ましてくれました
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    そして 私が学んだのは
  • 6:36 - 6:41
    周りになじむために
    努力が必要な時もあるけれど
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    自分を失ってはいけないということ
  • 6:45 - 6:49
    自分が持つ多様な文化性と
    自分らしさを大事にしつつ
  • 6:49 - 6:52
    人にどう見られたいかを
    考えるのだということ
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    この教えを信じて
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    自分が何者であるかを模索した結果
  • 7:00 - 7:07
    世界への貢献という願望の実現に
    近づくための大きな舞台を
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    求めているのだと気づきました
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    MWJに選ばれる前に
  • 7:14 - 7:17
    親しい人に言われました
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    私は「ハーフ」だから
    MWJには選ばれないと
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    でも あきらめませんでした
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    自分を律して踏ん張り
    内面からの自信がつくように努力し
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    なりたい自分になる
    覚悟がありました
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    全力を注いで夢を現実にしようと
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    固く決意していました
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    この強い意志のおかげで
  • 7:42 - 7:45
    私は「ハーフ」として初めて
    MWJに選ばれました
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    強い意志があったからこそ
    素晴らしい結果となったのです
  • 7:51 - 7:55
    現在 この素晴らしい世界に
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    私のような「ハーフ」はたくさんいます
  • 8:00 - 8:06
    私たちは 自己の可能性を狭め
    本当の自分を見えにくくしてしまう—
  • 8:06 - 8:11
    固定観念や偏見に
    縛られていると思います
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    人々の物の見方に
    大きな影響力を持つ個人としての
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    私の役割は
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    固定観念や偏見に縛られている人々に
  • 8:24 - 8:29
    その人その人をひとりの人間として
    ありのままに捉えようと訴えかけることだと
  • 8:30 - 8:32
    そう思っています
  • 8:34 - 8:37
    もし誰かが あなたを否定したら
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    恐れて自分を隠してはいけません
  • 8:40 - 8:43
    自分らしさを決めるのは自分です
    他人ではありません
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    何が自分にとって幸せで 自分が何者なのか
    誰にも決める資格はありません
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    アイデンティティは
    出身地がどこだとか
  • 8:55 - 8:57
    どこで生まれたかで
    決まるとは限りません
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    私はインド系日本人ですが
    それはアイデンティティではないのです
  • 9:03 - 9:06
    アイデンティティとは
    国とか血とかではなく
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    あなた自身のことなのです
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    人生では
    障害がたくさん出現しますが
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    自分で障害を乗り越えようとする人だけが
  • 9:18 - 9:20
    前に進むことができるのです
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    あなたの旅は
    あなたの望むものではないかもしれません
  • 9:23 - 9:25
    でも その過程で成長し
  • 9:25 - 9:28
    想像したこともないようなものを
    いくつも得るはずです
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    自分の居場所を見つけるのに
    ミス・ワールドになる必要はありません
  • 9:34 - 9:38
    どんな人になりたいか
    選ぶ自由を持って生まれてきたのです
  • 9:38 - 9:40
    その可能性に限界はありません
  • 9:42 - 9:43
    ありがとうございました
  • 9:43 - 9:44
    (拍手)
Title:
自分を知ること | 吉川プリアンカ | TEDxKyoto
Description:

2016年ミス・ワールド・ジャパンの吉川プリアンカは、単一民族の国日本に「ハーフ」として生まれ育ちました。数々の偏見を乗り越えて自分なりのバランスを見つけ、今ではいち個人として、日本とインドという自らの多様性に誇りを持っています。その自分探しの道のりと自身のアイデンティティについて話します。

このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
10:00

Japanese subtitles

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