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ロリー・サザーランド: 物事をどのように見るかがすべて

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    ここにあるのは
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    電子タバコです
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    これは1年か2年前に発明されたものですが
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    それで私は言いようもなく幸せになりました
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    (笑)
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    ニコチンによるところもありますが
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    それよりずっと大きなことがあります
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    英国では公共の場所で
    タバコを吸うことが禁止されていますが
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    私はそれ以来二度と飲み会を楽しめませんでした
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    (笑)
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    その理由が先日分かりました
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    それは飲み会に行って
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    赤ワインのグラスを片手に
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    延々と立ち話をするのですが
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    実際にはずっと会話を続けて
    いたいわけではないのです
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    そんなのは本当に疲れることです
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    考えごとをしながら静かに
    立ち尽くしていたい時もあるでしょう
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    角のほうに立ち尽くして窓の外を
    見つめていたい時もあるでしょう
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    そこで問題となのですが タバコを吸わずに
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    一人で窓の外を見つめて立ち尽くしていたら
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    社会性がなく友達もいない馬鹿者扱いされます
  • 0:59 - 1:00
    (笑)
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    タバコを吸いながら一人で
    窓の外を見つめて立ち尽くしていたら
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    哲学者扱いとなります
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    (笑)
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    (拍手)
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    なので 物事を見る枠組みを変えることの力は
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    はかりしれません
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    同じ物事や同じ活動をしても
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    とても優れた気分になる人もいれば
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    ほんの僅かな気の持ち方の違いだけで
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    惨めな気分になる人もいるのです
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    思うのですが
    古典派経済学の問題の1つは
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    現実に起こることに
    完全にとらわれてしまっていることです
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    現実に起こることは、
    人間の幸福をそれほど的確に示すものではありません
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    例えば
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    なぜ年金受給者は若年の失業者と比べて
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    はるかに幸福感が高いのか?
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    どちらも 結局は人生において
    全く同じ段階にいるのです
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    どちらも ありあまる時間がある一方
    お金はそれほどありません
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    しかし 年金受給者はとても幸福である一方
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    失業者は凄まじく不幸で憂鬱であると報告されています
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    私が思うに 年金受給者はそうなることを自ら選んだ一方
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    若年の失業者は
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    それを押し付けられたと感じているからでしょう
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    英国のアッパーミドルクラスでは
    この問題が完全に解決されました
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    失業を再定義したのです
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    アッパーミドルの英国人ならば
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    失業を"1年間のオフ"といえばいいのです
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    (笑)
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    マンチェスターで失業している息子がいると
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    それはとても恥ずかしいことですが
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    タイで失業している息子がいると
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    何かを成し遂げたかのように見られるのです
  • 2:39 - 2:40
    (笑)
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    しかし 物事を再定義すること
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    つまり 経験やコストや物事を
    改めて理解することとなりますが
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    それらが実際にどのようなことであるかというより
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    それらをどう見るかということになってきます
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    このことは本当に
    強調しきれないくらい重要なことです
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    ダニエル・ピンクが触れている実験ですが
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    2匹の犬をそれぞれ箱に入れて
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    箱には電気床を仕掛けておきます
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    時々床に電気ショックを流して
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    犬に苦痛を与えます
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    唯一の違いは 片方の犬には
    箱の真ん中に小さなボタンがあることです
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    そのボタンを鼻で押すと電気ショックがとまります
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    もう片方の犬にはそのようなボタンはありません
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    この犬は初めの犬と全く同じレベルの
    苦痛にさらされるのですが
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    状況をコントロールできません
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    大体において 初めの犬は落ち着いていられます。
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    2匹目の犬は完全な抑うつ状態に陥ります
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    人生における境遇そのものは
    人生に対する統制感と比べると
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    幸福に与える影響は小さいものです
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    これはとても興味深い疑問です
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    疑問というのは
    西洋社会におけるすべての議論は
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    課税レベルに関することです
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    しかし もう一つ議論すべきことがあると思っていて
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    それは徴収されたお金に対する
    コントロールのレベルに関することです
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    10ポンド支払うことは
    ある場面では忌々しいものですが
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    別の場面で10ポンド支払うことは
    歓迎すべきことかもしれません
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    2万ポンドの税金を健康のために使うとしたら
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    単にカモにされていると感じるかもしれません
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    2万ポンドを病棟のために寄付するとしたら
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    慈善家と呼ばれるでしょう
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    税金を支払う意欲について話すという意味では
    私は多分間違った国にいるのでしょう
  • 4:28 - 4:30
    (笑)
  • 4:30 - 4:35
    なので 代わりに言いたいことは
    物事をどのように見るかの枠組みが重要ということです
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    ギリシャを救済するというのか
  • 4:37 - 4:41
    それともギリシャにお金を貸した
    おバカな銀行を救済するというのか
  • 4:41 - 4:44
    どちらも同じことですから
  • 4:44 - 4:46
    どのように呼ぶかによって
  • 4:46 - 4:50
    心情的にも道徳的にも どう反応するかが違ってきます
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    とても率直に言って
    心理的な価値というのは非常に大きいと思います
  • 4:53 - 4:56
    私の良き友人でNick Chaterという教授がいて
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    彼はロンドンで意思決定科学の教授をやっていますが
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    人間の隠れた深みを見つめることばかりに
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    時間を費やすのではなく
  • 5:03 - 5:06
    隠れた浅みを探求することに
    もっと時間を費やすべきと言っています
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    私も本当にそのとおりと思います
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    どのような印象を持つかによって
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    考え方や行動のあり方がとてつもなく違ってきます
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    しかし 我々には人間心理についての
    優れたモデルがありません
  • 5:17 - 5:19
    少なくともカーネマン以前の頃は
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    人間心理についての優れたモデルはなく
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    エンジニアリングや新古典派経済学のモデルと
    並べられることもありませんでした
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    従って心理的な解決策を信じている人たちには
    モデルがありませんでした
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    枠組みがなかったのです
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    これはWarren Buffettのビジネスパートナーである
    Charlie Mungerがいうところの
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    "アイデアをつるしておく格子"にあたるものです
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    技術者 経済学者 特に古典派の経済学者には
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    とても強固な格子が既に存在していて
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    実質的にありとあらゆるアイデアをつるしておけたのです
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    全体的なモデルがなければ 個別の洞察を
  • 5:51 - 5:54
    ランダムに寄せ集めるに過ぎなくなります
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    そうすると 何か解決策を探そうとしたときに
  • 5:58 - 6:00
    エンジニアリング的な解決策や
    ニュートン的な解決策ばかりが
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    過度に重要視され
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    心理的な解決策はあまり重要視されなくなります
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    ユーロスターの例を挙げましょう
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    パリ・ロンドン間の走行時間を40分縮めるために
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    600万ポンドが使われました
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    その0.01%もあれば
    電車内でWiFiが使えるようになって
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    走行時間を縮めることはないにしても
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    乗っていることの楽しさや利便性がぐっと高まるでしょう
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    そして おそらくその10%もあれば
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    世界でトップクラスの男女スーパーモデルを全員集めて
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    すべての乗客にChateau Petrusを
    タダで配って歩いてもらうこともできるでしょう
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    それでもまだ500万ポンド残っているし
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    乗客だって電車を遅らせてくれと言うでしょう
  • 6:44 - 6:46
    (笑)
  • 6:46 - 6:49
    なぜ問題を心理的に
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    解決する機会がないのでしょう
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    それは 創造的で感情から引き起こされる
    心理的なアイデアを扱う方法と
  • 6:54 - 6:59
    理性的かつ定量的に表に基づいて
    アイデアを扱う方法との間で
  • 6:59 - 7:04
    バランスが取れていなくて
    非対称になっているからでしょう
  • 7:04 - 7:07
    もし創造的な人がいて
    それも正しい意味で創造的だとすると
  • 7:07 - 7:09
    自分よりもはるかに合理的な考え方をする人たちから
  • 7:09 - 7:11
    承認を取りつけるべく
    アイデアを説明しなければなりません
  • 7:11 - 7:15
    そこで 費用対効果分析 実現性検証 ROI分析などを
  • 7:15 - 7:18
    繰り返さなければなりません
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    それはそれで正しいのでしょう
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    しかし こればかり使い回すものでもありません
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    既存の経済学やエンジニアリングの
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    枠組みを持つ人たちからすると
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    ロジックそれ自体が答えと感じているところがあります
  • 7:31 - 7:34
    彼らはこんなことは言いません
    "数字をすべて積み上げたけど
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    このアイデアを発表する前に
    クレージーな人たち何人かにあたってみて
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    もっと良くなる方法がないか聞いてみよう"
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    そして 私の言うところの機械的なアイデアを
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    心理的なアイデアに対して
    不自然にも優先させてしまうのです
  • 7:47 - 7:49
    心理的なアイデアで素晴らしい例があります
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    ロンドン地下鉄で1ポンドあたりの
    乗客満足度をただ1つ向上させたのは
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    電車の本数を追加することでも
    運行頻度を変えることでもなく
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    ドットマトリクス掲示板をホームに置くことでした
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    なぜならば 待つことの性質というのは
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    数字上の属性 つまり長さによって決まるだけではなく
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    待っている間に経験する不確実性の
    度合いにもよっても決まってくるからです
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    時計を見てカウントダウンしながら7分間待つ方が
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    指をかんで
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    "一体いつになったら電車は来るんだ"と言いながら
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    4分間待つよりも
    気をくじかれたり苛立ったりしないものです
  • 8:22 - 8:26
    ここで韓国での素晴らしい
    心理的な解決策を紹介します
  • 8:26 - 8:29
    赤信号でカウントダウンを行っているのです
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    それによって事故率が削減されることが
    実証されています
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    なぜでしょうか? 待ち時間を見ていると
  • 8:35 - 8:40
    ロード・レージや焦燥感や苛立ちが激減するからです
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    中国では このことの裏側にある
    法則を理解していないがために
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    同じ法則を青信号に適用しました
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    (笑)
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    これはあまり良いアイデアではありませんね
  • 8:52 - 8:56
    信号まで200メートルで 残り5秒と分かったら
    一気にアクセルをかけるでしょう
  • 8:56 - 8:58
    (笑)
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    韓国では両方ともきちんと検証しました
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    そうして 赤信号に適用すると事故率が下がり
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    青信号に適用すると上がることが分かりました
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    これは人間の意思決定に必要なことのすべてで
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    これら3つのことを考慮しなければなりません
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    どれか1つが他に対して完全に優位になるべきと
    言っているのではありません
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    問題を解決しようとするときには
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    これら3つのことを均等に見た上で
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    真ん中のスイートスポットにあたる解決策を
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    探すべきということです
  • 9:25 - 9:27
    優れた企業を見てみると
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    常にこれら3つがうまく機能しています
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    とても成功した企業であるGoogleは
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    技術的に素晴らしい成功を収めていますが
  • 9:36 - 9:39
    それはとても優れた心理的な洞察に基づいています
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    一般的に1つのことに取り組む者の方が
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    他のことも同時に取り組む者より
    優れていると見られます
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    これは目的の希薄化といってごく自然なことです
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    Ayelet Fishbachがこのことについて論文を書いています
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    Googleの時代には誰もが
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    ポータルになろうとしていました
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    そう 検索機能がありますが
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    他にも天気、スポーツ、ニュースもあります
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    Googleには分かっていました
    検索エンジンだけをやるならば
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    きわめて優れた検索エンジンであることを
    期待されることを
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    皆さん このことはお分かりでしょう
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    テレビを買いに行くときの経験から
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    薄型テレビの列の奥のほうには
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    DVD内蔵テレビという評判の良くないものがあります
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    その品質については何の知識もなくても
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    DVD内蔵テレビを見てこう思うのです
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    "ああ ゴミみたいなテレビに
    ガラクタのようなDVDがついたようなものだろうな"
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    そうして テレビとDVDを別々に買って店を出るのです
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    Googleは技術的に成功したのと同様に
    心理的にも成功しています
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    問題とは一切思っていなかったことを
    解決する場合にも
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    心理学を使うことができます
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    これは抗生物質をきちんと全部服用させるための提案です
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    24錠の白い錠剤を飲ませるのではありません
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    18錠の白い錠剤と6錠の青い錠剤を処方して
  • 10:52 - 10:56
    まずは白い錠剤を飲み
    その後で青い錠剤を飲むように言います
  • 10:56 - 10:58
    これはチャンキングというやり方です
  • 10:58 - 11:01
    最後まで飲みきる可能性は
  • 11:01 - 11:03
    途中に節目がある方がはるかに高くなります
  • 11:03 - 11:06
    経済学の大きな過ちの一つは
  • 11:06 - 11:09
    それが退職であれ失業であれ費用であれ
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    量的な意味で捉えるばかりで
  • 11:13 - 11:17
    質的な意味では捉えていないということです
  • 11:17 - 11:20
    これは英国の高速料金所です
  • 11:20 - 11:24
    とても頻繁に行列が発生します
  • 11:24 - 11:26
    とてもひどい行列になることもあります
  • 11:26 - 11:28
    例えば空港のセキュリティレーンでも
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    同じことが当てはまります
  • 11:30 - 11:33
    ここで2倍の料金を払って高速レーンを
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    通ることができるようにしたらどうなるでしょう?
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    おかしなことではありません 経済的にも優れています
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    時間はある人にとっては別の人よりも重要なものですから
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    就職の面接に行こうとしているならば
  • 11:44 - 11:48
    高速レーンを通るために数ポンドを我慢して支払うでしょう
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    義理の母に会いに行こうとしているならば
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    多分左側にとどまることを選ぶでしょう
  • 11:55 - 12:00
    ただ1つの問題は
    このような経済的に優れた解決策をとろうとすると
  • 12:00 - 12:01
    嫌がられるということです
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    意図的に遅れを作りだすことで
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    売上を最大化していると思われてしまい
  • 12:06 - 12:10
    "一体何でお前のバカさ加減に
    お金を払わなければならないんだ?"となるのです
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    その一方で この見方をほんの少し変えて
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    慈善事業の寄付金を管理するようにして
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    余計にもらった分のお金は高速料金所の
    会社に回すのではなく慈善事業に回すようにすれば
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    支払おうとする意思も全く違ったものとなるでしょう
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    経済的にそこそこ優れた解決策があり
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    それに対して周りのみんなから承認を受けて
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    さらには若干の好意までも受けて
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    嫌なやつにならずに済むのです
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    経済学者が本質的な間違いを犯すのは
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    お金はお金だと考えてしまうことです
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    5ポンド支払うことの痛みは
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    単に金額に比例するだけでなく
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    そのお金がどう使われるかによっても違ってきます
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    これを理解することで
    租税政策に革命をもたらす可能性があると思っています
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    公共サービスにも革命をもたらす可能性もあります
  • 12:54 - 12:57
    物事を劇的に変えうるのです
  • 12:57 - 12:59
    ここで紹介したい人がいます
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    彼はオーストリア学派の経済学者です
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    20世紀前半のウィーンで活躍していました
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    オーストリア学派の面白いところは
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    フロイトとともに成長してきたことです
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    彼らは心理学に多大な関心を持っていました
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    彼らには行動科学と呼ばれる学科があり
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    それが経済学に先立つと考えていました
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    行動科学は選択や行動や意思決定に関する学問です
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    私も彼らは正しいと思います
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    現代社会で危険なことは
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    経済学を学ぶことが
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    人間の心理を学ぶことより先になってしまっていることです
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    Charlie Mungerが言うように
    "経済学が人間の行動に関するものでないとしたら
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    一体何だというのでしょう"
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    興味深いことに Von Misesは
    経済学は心理学の一部であるとしています
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    彼は経済学を
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    "希少性という条件下での人間の行動科学"としていました
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    Von Misesはとりわけ
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    見事な説得力でもってアナロジーを使って
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    マーケティングによる価値や感覚的な価値に触れ
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    それらを他の種類の価値と同等にに扱うべきと
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    説明していました
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    私たちはみんな
    マーケティングの世界で働く人たちでさえも
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    価値を2つの方法で考えてしまいます
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    1つは現実的な価値で
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    工場で何かを作ってサービスを提供するようなことです
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    もう1つはいかがわしい価値で
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    物事の見方を変えることで創り上げるものです
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    Von Misesはこの区別を完全に否定しています
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    そして彼は次のようなアナロジーを使いました
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    彼はフランスの重農主義者と呼ばれる
    おかしな経済学者の話をしました
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    その経済学者は真の価値は土地からのみ
    生まれると考えていました
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    なので 羊飼いや石切工や農民であれば
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    真の価値を創り上げていることになります
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    しかし 羊飼いから羊毛を買いとって
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    帽子に加工して付加価値をつけるというのは
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    真の価値を創り上げているのではなく
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    羊を利用しているだけということになります
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    ここでVon Misesは 現代の経済学者は
    広告やマーケティングで
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    全く同じ間違いを犯していると指摘しました
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    レストランを経営しているならば
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    調理をすることによる価値と
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    床を掃除することによる価値との間で
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    健全な線引きなどできないでしょう
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    片方はお金を払う直接の対象である
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    主要な商品を作っています
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    もう片方はその商品を楽しみ
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    評価するための雰囲気を作っています
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    そこで 片方をもう片方に対して優先すべきという考え方は
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    根本的に間違っています
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    簡単な思考実験をやってみましょう
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    あるレストランで
    ミシュランの星付きの料理を提供しているが
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    下水の臭いが充満していて
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    人間の排泄物が落ちているとしましょう
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    そこで価値を高めるためにまずやるべきことは
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    料理の質をさらに高めることではなく
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    臭いを取り除き床を掃除することでしょう
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    このことを理解することは決定的に重要です
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    それが奇妙でピンとこないようであれば
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    英国ではファーストクラスの郵便が98%の割合で
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    翌日に届くことを考えてみましょう
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    英国の郵便局はそれでは不十分と思っていて
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    99%に高めようとしています
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    そうしようとすることで組織が壊れかかりました
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    それならば通りがかりの人にでも聞いてみましょう
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    "ファーストクラスの郵便の何%が
    翌日に届くと思いますか?"
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    平均的な回答や最も多い回答は
    50-60%でしょう
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    現実よりもずっと悪く認識されているというのなら
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    その現実を変えるために一体何をするというのでしょう?
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    それこそ 悪臭漂うレストランで
    料理を改善するようなものです
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    やらなければならないのは
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    何よりもファーストクラスの郵便の
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    98%は翌日に届くということを言って回ることです
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    これはとても意味のあることです
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    英国にはとても良い枠組みがあって
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    ドイツよりも英国のほうが
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    ファーストクラスの郵便が翌日に到着することが多いと
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    言って回ることです
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    英国では何かでハッピーになりたかったら
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    ドイツよりも優れていると言えばいいのですから
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    (笑)
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    (拍手)
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    物事を見る枠組みを選べば
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    感知される価値 即ち実際の価値も完全に変わります
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    ドイツについて言うならば
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    ドイツとフランスは欧州統合の取り組みで
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    素晴らしい仕事をしています
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    ドイツとフランスが予期していないことが1つあって
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    それはフランスとドイツとの間で
    緩やに憎みあいつつ統合を進めていることです
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    そうはいっても私は英国人ですし
    そんなやり方を好ましく思っています
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    他にも知っておくべきなのは
    私たちの感覚は完璧ではないということです
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    料理とそれを堪能する雰囲気の質的な違いを
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    はっきりと言い当てることはできません
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    このことは車を洗車してもらったことがあれば
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    分かる現象でしょう
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    いつもよりうまく運転しているように感じられます
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    その理由というのも
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    洗車のときに自分の知らないところで
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    オイル交換をされているのでない限り
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    私たちの感覚が完璧ではないからです
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    ブランド力のある鎮痛剤は
    ブランド力のない鎮痛剤と比べると
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    ずっとよく効きます
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    それは痛みが軽くなったと報告されたというのではなく
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    実際に痛みを計測して軽くなっているのです
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    このように感覚というのは
    どのような場面においても完璧ではありません
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    なので ある側面で悪いと思われるようなことをすると
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    他の人を害することになるのです
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    ありがとうございました
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    (拍手)
Title:
ロリー・サザーランド: 物事をどのように見るかがすべて
Speaker:
Rory Sutherland
Description:

私たちの人生は、直面していることそのものよりも、それをどのように見るかによって大きな影響を受ける、とロリー・サザーランドは言います。TEDxAthensで、彼は物事を見る枠組みを変えることがどのように幸福の鍵となっているのかを見事に例証します。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
18:24
Dimitra Papageorgiou approved Japanese subtitles for Perspective is everything
Ryuichi Takano accepted Japanese subtitles for Perspective is everything
Shinji Nakagawa edited Japanese subtitles for Perspective is everything
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