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色の起源 | アンドリュー・パーカー | TEDxSydney

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    そもそも 外の世界に
    色は存在しません
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    色は目のある生物の
    心の中にだけ存在するものです
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    そして外界の映像が
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    どう作り上げられるのか
    まだ十分には分かっていませんが
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    自然からすれば問題ではありません
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    自然は物事の仕組みを
    理解する必要がありません
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    ただ試行錯誤やランダムな変異によって
    物事を発明し続けているのです
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    どうやってこれらの2つの事実に気づき
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    バイオミメティクス(生体模倣)を
    研究するようになったかお話しします
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    自然から学び 着想を得て
    産業に応用する分野の研究です
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    自然から学び 着想を得て
    産業に応用する分野の研究です
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    20年前にきっかけとなったのは
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    ウミホタル あるいは貝虫と呼ばれる生物を
    研究していたときのことです
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    トマトの種ほどの大きさの目立たない
    生き物で あまり知られていませんが
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    オーストラリアの海岸では
    とてもありふれています
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    また 生物発光によっても知られています
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    反射できる光が無い闇の中で
    光を発するのです
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    シドニー近辺の海岸でも夜には見つかります
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    この写真のような感じです
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    ここまでは良く知られていました
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    私の研究は緑の閃光とともに始まったという
    話をよくしています
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    緑ないし青色の光です
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    保存してあったウミホタルを顕微鏡で
    観察していたときに
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    私が試料をつつきまわすと
    青や緑の光が見えたのです
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    ウミホタルでは未知のことだったので
    何が起きているんだろうと思いました
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    それから生きたウミホタルの求愛を
    ビデオ撮影していると
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    この虹色の発光を利用して
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    相手を惹きつけていました
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    そこで どうなっているのか調べるために
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    ウミホタルを電子顕微鏡で
    観察してみました
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    この写真が触角の表面に見られる
    回折格子です
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    この写真が触角の表面に見られる
    回折格子です
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    白色の光から
    それを構成する色を分離することができます
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    回折格子は物理の分野や
    産業界でよく目にするものです
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    工学的にさまざまに用いられます
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    しかしウミホタルや動物一般では
    知られていませんでした
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    ここで面白いことは
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    これが求愛のための
    ディスプレイに用いられるという点です
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    ある機能を有しているので
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    進化の結果
    極めて効率的になりました
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    自然が何百万年もこの進化に携わり
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    最適に働くよう
    微調整を加えてきました
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    私は自分が何を探しているのか
    分かりました
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    自然界で他のどこに
    回折格子はあるのだろうと考え
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    あらゆる種類の動物を調べたところ
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    様々な種類で見つかりました
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    ここに示すような蠕虫(ぜんちゅう)や
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    節足動物 ―コシオリエビ科の
    ロブスターのはさみも
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    見る方向ごとに違った色を呈します
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    鮮やかで金属光沢のある色で
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    ハチドリや甲虫類も同じ色を示します
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    これは骨のような構造をしています
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    そこで化石の中にも
    見つかるのではないかと考えました
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    そして確かにありました
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    化石を調べてみると
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    4500万年前の
    石から出てきた甲虫は
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    あたかも生きているかのような
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    金属的な光沢を示しました
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    ここに示した8500万年前の
    アンモナイトもそうです
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    ご覧のように層状の反射体から
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    光が反射するのです
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    それぞれの層は髪の毛の
    100分の1ほどの厚みで
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    極めて微細なナノ構造にすぎません
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    もっとも古いものはバージェス頁岩の化石で
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    5億8百万年前のカンブリア紀の化石です
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    そこでこんなことを考えました
    色の歴史をここまで辿れたが
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    どれほど昔まで遡ることができるのだろう
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    地球上で色が登場したのはいつなのか
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    こうして 最初に誕生した眼を
    探すことにしました
  • 3:51 - 3:55
    そして ある種の三葉虫が
    まさに初期の眼を持っていたことがわかりました
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    ここに示すような種類です
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    この尾根状の形態の一つが
    眼の上を通っています
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    実際かなり良い眼で
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    今の我々と同じように像を結ぶことができます
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    ただこの生物は5億2100万年前に
    生きていたものです
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    それ以前には視覚は存在せず
    色は意味がありませんでした
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    色などというものはなく
    光の波長だけがありました
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    その時代に生きていた生物を見てみると
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    三葉虫は固い殻で武装しており
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    非常に進んだスタイルの生き物でした
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    素早く移動し
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    生物を切り裂く固い武器を
    備えていました
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    捕食者だったのです
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    周りの生物を見ることができました
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    これより少し前までは
    すべての生物の体はやわらかく
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    三葉虫の祖先もやわらかい生き物でした
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    全ての生物は海底をゆっくりと動き回り
    周囲にはぶつかるだけでした
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    反応しあうことは
    たいして起こりません
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    光センサーはありましたが
  • 4:44 - 4:47
    その当時のもっとも進んだ光センサーで
    捉えた映像も
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    こんな様子だったでしょう
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    当時のセンサーで環境を眺めたら
    良くてこの程度です
  • 4:53 - 4:54
    当時のセンサーで環境を眺めたら
    良くてこの程度です
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    光がどちらの方向からやってくるか
    わかるので
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    水中でどちらが上でどちらが下かぐらいは
    わかります
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    しかし身の回りの敵も味方もわかりません
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    他の生物を特定することはできず
    何がいるかも分かりません
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    そして 生命の歴史上
    最も劇的な出来事が起きたのでしょう
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    光センサーが進化してレンズを獲得したのです
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    像が眼底に投影されるようになりました
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    地球で初めての像です
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    こんな世界が見えたのでしょう
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    周りの生物が全て見えます
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    餌になりそうな生物を見分けられます
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    すると 選択圧つまり淘汰圧が
    その動物にはたらいて
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    行きたいところへ泳げるような運動器官や
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    餌を食いちぎるための固い器官を獲得し
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    体の柔らかい動物を全て
    餌とするようになります
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    要するに食べられるのを待っている
    タンパク質の塊というわけです
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    このことがカンブリア紀の生物大爆発という
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    進化のビッグバンを促し
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    ここであらゆる生物が
    蠕虫やクラゲのような軟体から進化して
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    ここであらゆる生物が
    蠕虫やクラゲのような軟体から進化して
  • 5:50 - 5:54
    今 目にするような
    様々な体を持ち
  • 5:54 - 5:55
    様々な行動をするようになりました
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    生命は突然複雑になりました
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    世界に視覚が与えられ
    それは今も残っています
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    今では 95%の動物が目を持っています
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    視覚は地上で最も強力な刺激です
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    どこに行っても
    そのイメージを網膜に写し取ります
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    そうなると
    動物は適応しなければなりません
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    いつ何時でも捕食者に捕らえられる
    可能性が出てきたのです
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    進化によるデザインプロセスは
  • 6:21 - 6:25
    何兆ものDNAの鎖の変異の中から
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    無限の組み合わせを試して
    新しい色を作り出してきました
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    何百万年もかけた取り組みです
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    何億年もかけて最適な色を作り出してきました
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    産業的な設計だったら
    新しい色を開発するのに
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    1年もあれば恵まれています
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    それなら 自然界を探して
    何かコピーできるものがあるかどうか
  • 6:44 - 6:46
    見てみようじゃないですか
  • 6:46 - 6:49
    その色が生じる仕組みが分からなくても
  • 6:49 - 6:51
    それは問題ではありません
  • 6:51 - 6:54
    自然の中にあるナノ構造を
    ただ模倣すれば良いのです
  • 6:54 - 6:57
    そうすれば同じ色が手に入るでしょう
  • 6:57 - 7:01
    結局 どちらも目指すゴールは同じです
  • 7:01 - 7:03
    視覚に及ぼす効果です
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    まず 産業の面から考えてみましょう
  • 7:06 - 7:08
    どんな種類の色がお望みでしょうか
  • 7:08 - 7:11
    暗いところでも鮮やかに目立つ色で
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    陽の光が無くても光を生じるタイプは
    いかがですか
  • 7:15 - 7:17
    例えばケミカルライトとして
  • 7:17 - 7:20
    あるいは農業分野での応用もあります
  • 7:20 - 7:24
    作物がウイルスに感染すると
    夜になって光を放ち
  • 7:24 - 7:27
    どこが感染しているかを
    農家に伝えることができます
  • 7:27 - 7:30
    私たちが生体発光の材料で
    取り組んでいることです
  • 7:30 - 7:35
    生体発光では2種類の化学物質が
    有酸素の条件で相互作用して
  • 7:35 - 7:37
    その際の副産物として光を生じます
  • 7:37 - 7:38
    これは大変効率的な光です
  • 7:38 - 7:41
    ほとんどすべてのエネルギーが光に変換され
  • 7:41 - 7:44
    たとえば白熱電球と違って
    熱はほとんど生じません
  • 7:45 - 7:50
    生物発光はホタルなど発光性の生物が
    光を出す仕組みです
  • 7:50 - 7:52
    深海ではありふれた現象で
  • 7:52 - 7:55
    深海生物の90パーセント以上は
    生物発光をします
  • 7:55 - 7:58
    産業界は色素を求めているでしょうか?
  • 7:58 - 8:02
    これは自然界ではありふれたもので
    たとえばこのミルクスネークにも色素があります
  • 8:02 - 8:07
    この場合にはオレンジ色の色素です
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    ここで何が起きているかというと
    あらゆる波長の光を含む白色光が
  • 8:12 - 8:14
    色素分子にあたります
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    大半の波長は吸収されて熱に変換されますが
  • 8:18 - 8:21
    吸収されなかった残りのエネルギーが
  • 8:21 - 8:24
    逆向きの反射や散乱によって
    周りに放出されます
  • 8:24 - 8:25
    その色が見えるわけです
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    また自然が産業界に色素を提供する
    別の方法もあります
  • 8:29 - 8:32
    それは色素胞あるいは色素細胞と
    呼ばれるものです
  • 8:32 - 8:34
    これは拡大したり縮小したりできる細胞で
  • 8:34 - 8:36
    色素をたくさん含んでいます
  • 8:36 - 8:37
    これが広がると
  • 8:37 - 8:40
    画素として見えるほど大きくなり
  • 8:40 - 8:43
    これが縮むと
    見えなくなります
  • 8:43 - 8:48
    カメレオンやコウイカなどイカの仲間が
    色を変える仕組みです
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    赤や青や緑の色素胞を並べて
  • 8:51 - 8:56
    これを拡張させたり縮小させたりすれば
    どんな所望の色でも作れるでしょう
  • 8:56 - 8:58
    今 ジョージア工科大と共同で
  • 8:58 - 9:01
    色変化をする表面と材料を研究しています
  • 9:01 - 9:03
    例えば迷彩色として役立つでしょう
  • 9:04 - 9:07
    また多く見つかる蛍光色素も
  • 9:07 - 9:08
    産業界に提供できるでしょう
  • 9:08 - 9:12
    例えばオーストラリアのインコの
    蛍光色素を見てみましょう
  • 9:13 - 9:16
    こちらはキバタンの冠羽で蛍光を発します
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    こちらはキバタンの冠羽で蛍光を発します
  • 9:18 - 9:22
    黄色の色素を示した写真と
    蛍光だけを示した写真です
  • 9:22 - 9:25
    黄色の色素を示した写真と
    蛍光だけを示した写真です
  • 9:25 - 9:27
    どういうことかというと
    蛍光もまた黄色で
  • 9:27 - 9:31
    黄色の色素の効果を増強しているのです
  • 9:31 - 9:36
    蛍光を示す羽根と示さない羽根とが
    あることがわかりました
  • 9:36 - 9:37
    蛍光を示す羽根と示さない羽根とが
    あることがわかりました
  • 9:37 - 9:39
    求愛行動で使われる羽根
  • 9:39 - 9:42
    つまり羽根飾りの部分で
    メスにアピールするのですが
  • 9:42 - 9:44
    この羽根には蛍光色素があります
  • 9:44 - 9:47
    つまり偶然によって
    黄色の蛍光を発するのではありません
  • 9:47 - 9:49
    ここには進化がはたらいていて
  • 9:49 - 9:52
    極めて効率良く黄色の光を
    発するようになっているのです
  • 9:53 - 9:57
    蛍光は原子レベルの機構によるもので
  • 9:58 - 10:01
    紫外線を含んだ白色光が来たときに生じます
  • 10:02 - 10:04
    紫外線は目に見えませんが
  • 10:04 - 10:09
    色素分子に吸収されて
    長い波長の光が返ってくるのです
  • 10:09 - 10:13
    紫外線の持っている
    大きなエネルギーの一部を使って
  • 10:13 - 10:17
    電子は
    より外側の軌道に移ります
  • 10:17 - 10:18
    すぐに電子は元の軌道に落ちてきますが
  • 10:18 - 10:21
    そのときにエネルギーを光として放射します
  • 10:21 - 10:24
    一部は熱として失われるので
    エネルギーは小さくなり
  • 10:24 - 10:27
    波長の長い光
    例えば黄色の光が出てきます
  • 10:27 - 10:29
    目に見えない紫外線から
  • 10:29 - 10:31
    目に見える黄色の光になるのです
  • 10:31 - 10:35
    さて 次は私の好きなテーマの
    構造色です
  • 10:35 - 10:38
    自然のナノテクノロジーと
    言ってもよいでしょう
  • 10:39 - 10:44
    これは完全に透明な物質で作られた
    物理的な構造です
  • 10:44 - 10:47
    ナノスケールの構造が重要で
  • 10:47 - 10:50
    これでどんな色が反射されるか
  • 10:50 - 10:53
    あるいはどんな光の効果が生じるかが
    決まります
  • 10:53 - 10:56
    これはシドニーの海辺で見つかる
  • 10:56 - 11:00
    コガネウロコムシのトゲです
  • 11:00 - 11:04
    奇妙な恰好の動物で
    小さな虹色のマウスにも見えます
  • 11:04 - 11:06
    しかしこれは海の生き物で
  • 11:06 - 11:08
    虹色のトゲに覆われています
  • 11:08 - 11:09
    このトゲの断面を見ると
  • 11:09 - 11:12
    これらのナノチューブが
  • 11:12 - 11:15
    フォトニック結晶の線維と
    なっていることが分かります
  • 11:15 - 11:19
    物理の分野でフォトニック結晶が
    発見されたのは1980年代ですが
  • 11:19 - 11:23
    それ以来
    さまざまな技術に応用されてきました
  • 11:23 - 11:25
    未来のコンピューターは
    電子素子の代わりに
  • 11:25 - 11:28
    光素子を使って
    革命をもたらすことでしょう
  • 11:28 - 11:30
    このタイプのフォトニック結晶は
    すでに通信産業で使われています
  • 11:30 - 11:33
    このタイプのフォトニック結晶は
    すでに通信産業で使われています
  • 11:35 - 11:37
    しかし自然が行ったデザインには
    物理学で未知のものがあり
  • 11:37 - 11:40
    どういう仕組みか
    その物理が完全にはわかっていません
  • 11:40 - 11:44
    とりあえず
    自然が作った物を真似すれば良いのです
  • 11:44 - 11:46
    これは私が見つけたのではありません
  • 11:46 - 11:48
    自然界で見つかった最初のフォトニック結晶は
  • 11:48 - 11:51
    私が2000年に見つけました
  • 11:51 - 11:53
    もしもっと早くから自然界を
    調べ始めていたら
  • 11:53 - 11:55
    ずいぶんと時間を節約できたかもしれません
  • 11:57 - 12:01
    蝶もフォトニック結晶の良い例です
  • 12:01 - 12:04
    蝶の羽根には10万枚もの鱗粉が
  • 12:04 - 12:06
    屋根の瓦のように並んでいます
  • 12:06 - 12:09
    それぞれの鱗粉はナノ構造でできていて
  • 12:09 - 12:12
    光の波とさまざまな相互作用を示します
  • 12:13 - 12:15
    スライドでは
  • 12:15 - 12:20
    この鱗粉の詳細を捉えた
    電子顕微鏡の画像をお見せします
  • 12:20 - 12:23
    これもまた 髪の毛の100分の1サイズです
  • 12:23 - 12:25
    これらの構造の多様性は
  • 12:25 - 12:28
    建物の形のように多種多様です
  • 12:28 - 12:32
    光の波長程度のサイズの
    ナノスケールの構造によって
  • 12:33 - 12:35
    光学的な効果が変わります
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    さまざまな構造体によって
    別の色を生じたり
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    その色の変化の仕方が違ったりします
  • 12:44 - 12:46
    この鱗粉を違った角度から見ると
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    色が変化する構造も
    一定の色が見える構造もあります
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    彩度の高い鱗粉も
    濁った色の鱗粉もあります
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    フォトニック結晶の良い例はオパールです
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    左上の写真は宝石のオパールです
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    オパールにはナノサイズの球体が
    詰まっています
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    ぎっしりと詰まっています
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    入ってきた光線は
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    この構造の中であちこちで反射し
    互いに作用して
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    虹色の光を生み出します
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    2005年には 面白いことに
    ゾウムシでオパール構造を見つけました
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    生物がオパールを作るのです
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    オパールも多くの応用技術で使われます
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    例えばコンピューターの素子です
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    工業的にはエネルギーを
    たくさん費やして製造します
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    高温と高圧が必要なのです
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    しかし自然界の動物は
    室温と常圧でこれを作っています
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    魔法のように化学材料を混ぜ合わせると
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    とてもわずかなエネルギー消費で
    この完璧なオパール構造ができるのです
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    今私たちもこれを目指しています
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    生きたゾウムシの鱗粉を観察して
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    この素子がどうやって作られるのか
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    そしてその仕組みをまねて
    工業的に使えないか 研究しています
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    また自然の光学素子の中には
    まったく色を生じないものもあります
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    それどころか あらゆる反射を防ぎ
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    それどころか あらゆる反射を防ぎ
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    全ての光が表面を透過するようにします
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    この琥珀の中から見つかった
    4500万年前のハエの眼の構造がそうです
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    この琥珀の中から見つかった
    4500万年前のハエの眼の構造がそうです
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    電子顕微鏡で捉えた微細構造は
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    写真で見えるか見えないかの
    非常に細い縞模様です
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    この構造を右下の写真のように
    アクリル樹脂の表面に作りました
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    中央部には
    この構造が作られているのです
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    反射が低減していることがわかります
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    光が反射されないで
    すべて透過するのです
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    これでガラス窓を処理すれば
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    自分の姿が写り込んだりしません
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    また太陽電池パネルを処理すれば
    エネルギー効率が10パーセント向上します
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    さて数年前に
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    生体模倣分野の狙いを
    光学や色だけでなく
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    他の分野に広げ始めました
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    甲虫やシャコ類の持つ強い材料
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    水中でも機能する接着剤とか
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    自然の動物や植物に基づいた建物
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    アリ塚に見られるような
    ほとんどエネルギーの要らない空調システムは
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    アリ塚に見られるような
    ほとんどエネルギーの要らない空調システムは
  • 15:09 - 15:10
    ビルで使えます
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    水の問題も私を捕らえました
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    手短に話します
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    例えばナミブ砂漠の
    甲虫(サカダチゴミムシダマシ)は
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    砂漠の霧から水を集める実に効率的な構造を
    持っていることを見つけました
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    この構造は空調機に用いられ
  • 15:23 - 15:26
    水分を取り出してリサイクルするために
    使われています
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    自然が教えてくれたことは
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    空中の水という水源があり
  • 15:32 - 15:34
    砂漠の動物や植物は
    それを利用しているということです
  • 15:34 - 15:38
    この技術については
    MIT と共同研究しており
  • 15:38 - 15:42
    もうじき最初の装置をアフリカに届けて
  • 15:42 - 15:47
    飲料水や医療用の水を
    集められるようになるでしょう
  • 15:48 - 15:52
    残念ながら今後の計画について
    詳細をお話しすることはできませんが
  • 15:52 - 15:55
    来年には 大変おもしろいものが
    登場するはずです
  • 15:55 - 15:58
    この研究分野についてご紹介してきました
  • 15:58 - 16:00
    全ての始まりは と言えば
  • 16:00 - 16:03
    5億2千万年前のできごとだったのです
  • 16:03 - 16:04
    ありがとうございました
  • 16:04 - 16:07
    (拍手)
Title:
色の起源 | アンドリュー・パーカー | TEDxSydney
Description:

アンドリュー・パーカーは、オーストラリア博物館とマッコーリー大学で海洋生物学と物理学を研究し、後にオックスフォード大学に移りました。眼の進化がきっかけになって進化のビッグバンが起きたという「光スイッチ説」を確立したのちに、設計原理を自然界に求める生体模倣技術の研究を進めています。例えば、ハチドリと同じ発色の塗料や、昆虫の眼に倣った太陽電池用の無反射表面構造、ナミブ砂漠のサカダチゴミムシダマシを手本にした水回収デバイスでアフリカにきれいな飲料水を提供することなどを試みています。

アンドリュー・パーカーはロンドンの Royal Institution によって「新世紀の科学者」に選ばれており、一般向けの科学解説書として『眼の誕生』と ”Seven Deadly Colours” の著者でもあります。現在は、ロンドン自然史博物館とオックスフォード大学のグリーン・テンプルトン・カレッジで研究リーダーを勤めています。

このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
16:57

Japanese subtitles

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