暗号専門家と量子コンピューター、情報戦争 | クレイグ・コステロ | TEDxSydney
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0:01 - 0:04私は秘密を守る仕事をしています
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0:04 - 0:06これには皆さんの秘密も含まれています
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0:07 - 0:09暗号作成者は ある戦争の
防衛の最前線にいます -
0:09 - 0:13数世紀にもわたり続く戦争ー
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0:13 - 0:15暗号作成者と
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0:15 - 0:17暗号解読者の間の戦争です
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0:17 - 0:19そしてこれは情報戦争です
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0:20 - 0:24現代の情報戦争は デジタルが戦場です
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0:24 - 0:26皆さんの電話
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0:26 - 0:27コンピューター
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0:27 - 0:28インターネット上の戦いです
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0:29 - 0:34私たちの仕事は暗号化システムを作ることで
皆さんのEメールやクレジットカード番号 -
0:34 - 0:37電話やテキストメッセージ
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0:37 - 0:39しゃれた自撮り画像もこの対象です
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0:39 - 0:40(笑)
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0:40 - 0:43これら全ての情報は
受信すべき人だけが -
0:43 - 0:45解読できるようにしています
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0:46 - 0:48ほんの最近まで私たち暗号作成者は
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0:48 - 0:51この戦争に永久に勝ち続けられる
と考えていました -
0:52 - 0:55今 皆さんのスマートフォンは
暗号化技術を使っています -
0:55 - 0:58このような暗号はこの先もずっと
解読不能なものだと考えていました -
1:00 - 1:02私たちは間違っていました
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1:02 - 1:04量子コンピューターが出現したからです
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1:04 - 1:07量子コンピューターはこの戦争を
完全に変えようとしています -
1:08 - 1:11歴史を通じて 暗号の作成と解読は
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1:11 - 1:13いつもいたちごっこの戦いをしていました
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1:14 - 1:1516世紀にさかのぼると
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1:15 - 1:18スコットランドのメアリー女王は
自分の兵士だけが解読できる ― -
1:19 - 1:20手紙を送ったつもりでいました
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1:21 - 1:23しかしイングランドのエリザベス女王には
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1:23 - 1:26全文解読できる
暗号解読者たちがいました -
1:26 - 1:28彼らがメアリー女王の手紙を解読すると
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1:28 - 1:31エリザベス女王の暗殺を
企てていることが分かり -
1:31 - 1:34その後メアリー女王は
首をはねられました -
1:36 - 1:38数世紀後の第二次世界大戦では
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1:39 - 1:42ナチスがエニグマを用いて
情報伝達を行っていました -
1:42 - 1:46より高度に複雑で解読不能だと
考えられていた暗号方式です -
1:46 - 1:48しかし素晴らしき
アラン・チューリング が― -
1:48 - 1:51今でいうコンピューターを
発明した人ですが -
1:51 - 1:54エニグマを解読する機械を作りました
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1:55 - 1:56彼はドイツ軍のメッセージを解読し
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1:56 - 1:59ヒトラーの打ち立てた第三帝国の
息の根を止めるのに役立ちました -
2:00 - 2:02このような話は
数世紀にわたって続きます -
2:03 - 2:05暗号作成者が暗号化技術を改良すると
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2:05 - 2:08暗号解読者はそれに応戦して
解読法を見つけます -
2:09 - 2:12この戦争は一進一退を繰り返し
互角の勝負を続けています -
2:14 - 2:16これは1970年代に
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2:16 - 2:19暗号作成者が画期的な方法を
見つけるまで続きました -
2:20 - 2:23彼らは 非常に強力な暗号化の方法
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2:23 - 2:25「公開鍵暗号」を発見したのです
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2:26 - 2:29過去に使われてきた
あらゆる方法と異なり -
2:29 - 2:34機密情報を送りあう2つの主体が
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2:34 - 2:36前もって暗号鍵を交換する必要がありません
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2:37 - 2:41公開鍵暗号によって私たちは安全に
通信することができるようになりました -
2:41 - 2:42世界中の誰とでもです
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2:43 - 2:46データのやりとりをその人と
したことがある無しに関わらず -
2:46 - 2:50皆さんや私が気づかないうちに通信してくれます
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2:51 - 2:54あなたが友人にビールを飲みに行こうと
メッセージを送ろうとも -
2:54 - 2:59銀行にいて多額のお金を
他の銀行に移そうとも -
2:59 - 3:02現代の暗号化技術によって
私たちはデータを安全に -
3:02 - 3:04数ミリ秒の内に送ることができます
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3:06 - 3:08この魔法を可能にした
素晴らしいアイディアは -
3:08 - 3:11高度な数学の問題に依存しています
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3:12 - 3:15暗号作成者は 計算機が解けない問題に
深い関心を持っています -
3:17 - 3:21例えば 計算機は どんな2つの
数字でも掛け合わせることができます -
3:21 - 3:22どんなに大きな数字でも可能です
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3:23 - 3:25しかし逆に
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3:25 - 3:27掛け算の答えから
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3:27 - 3:30「もとの2つの数字は?」
という問題になると -
3:30 - 3:32非常に難しい問題になります
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3:33 - 3:38「掛けて851になる
2桁の数字は何か」と質問したら -
3:39 - 3:40計算機を使おうと
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3:40 - 3:43この部屋のほとんどの人は
答えを見つけるために -
3:43 - 3:45講演の終わりまで
つらい時間を過ごすでしょう -
3:45 - 3:48さらに もう少し大きな数字にしたら
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3:48 - 3:52この計算ができる計算機は
地球上にありません -
3:52 - 3:55それどころか 世界最速の
スーパーコンピュータでさえも -
3:55 - 3:57掛け合わせてこの数字となる
2つの数字を見つけるために -
3:57 - 4:00宇宙の年齢より長い時間がかかるでしょう
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4:01 - 4:04この問題は「因数分解」と呼ばれています
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4:04 - 4:08皆さんのスマートフォンや
ラップトップが今まさに使っているもので -
4:08 - 4:10皆さんの情報を保護しています
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4:10 - 4:13これが現代の暗号の基礎です
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4:14 - 4:18地球上のコンピュータを
全て集結しても答えられないという事実が -
4:18 - 4:21私たち暗号作成者が暗号解読者よりも
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4:21 - 4:24永久に優位な立場にあると
考えていた理由なのです -
4:25 - 4:27少し自惚れていたかもしれません
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4:28 - 4:30なぜなら私たちが戦争に
勝利したと思ったまさにその時 -
4:30 - 4:33多くの20世紀の物理学者が現れ
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4:33 - 4:36それまで正しいと信じていた
この世の物理法則はー -
4:36 - 4:39現代的な暗号理論が
基礎に置いていた法則ですが -
4:39 - 4:41正しくないこと明らかにしました
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4:42 - 4:461つの物体が同時に2つの場所に
現れることはないと考えていましたが -
4:46 - 4:48そうではありませんでした
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4:48 - 4:52時計回りと反時計回りに
同時に回るものなど無いと -
4:52 - 4:53考えていました
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4:53 - 4:55しかしそれは間違っていました
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4:55 - 4:59反対方向に離れ離れになり
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4:59 - 5:01何光年も離れた2つの物体が
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5:01 - 5:05瞬間的に影響を与え合うことは
あり得ないと考えていました -
5:06 - 5:07これもまた間違いでした
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5:08 - 5:11これはいつも人生がたどる道
なのでしょうか? -
5:11 - 5:13すべて準備が整ったと思ったちょうどその時
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5:13 - 5:15大勢の物理学者が来て
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5:15 - 5:17この世の基本法則が
完全に間違っていることを -
5:17 - 5:18明らかにするんですよ?
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5:18 - 5:19(笑)
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5:19 - 5:21すべてを台無しにしました
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5:23 - 5:28小さな小さな亜原子である
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5:28 - 5:31陽子と電子の領域で
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5:31 - 5:32私たちが良く知り 愛している
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5:32 - 5:34古典的な物理学の法則が
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5:34 - 5:36去って行きました
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5:36 - 5:39そして量子力学が入り込んできました
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5:40 - 5:41量子力学では
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5:41 - 5:45電子が時計回りと反時計回りに
同時に回っていて -
5:45 - 5:48陽子が2つの場所に
同時に存在できるのです -
5:50 - 5:52まるでSFのようです
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5:52 - 5:56しかしそれは この世における
奇妙な量子の性質が -
5:56 - 5:58私たちから隠れていたからなのです
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5:59 - 6:02しかも20世紀になるまで
身を潜めていました -
6:03 - 6:07しかし今や量子の性質が発見され
世界は軍拡競争に入りました -
6:07 - 6:10量子コンピュータ つまり
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6:10 - 6:15風変わりで狂気じみた量子のふるまいを
利用したコンピュータを作る競争です -
6:16 - 6:19これらはとても革新的で
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6:19 - 6:21強力なものです
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6:21 - 6:23比較したら
現在最速のスーパーコンピュータが -
6:23 - 6:25役立たずに見えてしまうほどです
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6:26 - 6:29それどころか 強い関心が
もたれているある種の問題に対しては -
6:30 - 6:32量子コンピュータに比べ
最速のスーパーコンピュータが -
6:32 - 6:34そろばん程度にさえ見えてしまいます
-
6:34 - 6:38そう あの玉のついた
木製の道具のことです -
6:38 - 6:43量子コンピュータは
古典的なコンピュータでは成し得ない ― -
6:43 - 6:46化学や生物学的な過程の
シミュレーションを行えます -
6:47 - 6:52地球上のある種の重大な問題の解決に
助けになること請け合いです -
6:53 - 6:56世界的な飢えの問題の解決や
-
6:57 - 6:59気候変動への対処や
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6:59 - 7:03まだ処置法が不明な病気や
大流行中の伝染病の治療法の発見に役立ちます -
7:04 - 7:07超人的な人工知能を作ることや
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7:08 - 7:11おそらく これら全てのことより
重要なことかもしれませんが -
7:11 - 7:15この宇宙の本質を
理解する手助けとなります -
7:16 - 7:19しかし この驚異的な潜在能力は
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7:20 - 7:21多大なリスクを伴います
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7:23 - 7:25私が先ほど話した
大きな数字を覚えていますか? -
7:26 - 7:28851のことではありません
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7:28 - 7:30でも 因数を見つけるのに
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7:30 - 7:32気もそぞろな方のために
-
7:32 - 7:35手助けしましょう
答えは23 X 37です -
7:36 - 7:37(笑)
-
7:37 - 7:39私が話しているのは 後でお見せした
もっと大きな数字のことです -
7:40 - 7:44現時点で最も速いスーパーコンピュータでは
この世の終わりまでに -
7:44 - 7:46因数が見つけられないでしょうが
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7:46 - 7:49量子コンピュータなら
簡単に因数分解できるし -
7:49 - 7:51ずっと大きな数字でもできます
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7:52 - 7:55皆さんや私をハッカーから守るため
現在使われているすべての暗号を -
7:55 - 7:57量子コンピュータなら破るでしょう
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7:57 - 7:59簡単にやってのけます
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8:01 - 8:02言い換えてみましょう
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8:02 - 8:04量子コンピュータが槍だとすると
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8:05 - 8:06数十年間 私たちを守ってきた
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8:06 - 8:10破られることのない現代の暗号は
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8:10 - 8:12ティッシュペーパーで作られた
盾に過ぎないということです -
8:14 - 8:18量子コンピュータにアクセスできる人は
マスターキーを持つことになります -
8:18 - 8:20デジタル世界において
好きなものをなんでも開ける鍵です -
8:21 - 8:23彼らは銀行からお金を盗み
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8:23 - 8:25経済を支配できるでしょう
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8:25 - 8:28病院の電源を落としたり
原子爆弾を発射したりできるでしょう -
8:28 - 8:32また ウェブカメラが撮影する私たちの様子を
気付かれることもなく -
8:32 - 8:34全てを盗み見することもできるでしょう
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8:37 - 8:41さて 私たちが普段使っている
全てのコンピュータが扱うこのようなデータの -
8:41 - 8:43基本単位は
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8:43 - 8:44ビットと呼ばれています
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8:45 - 8:471ビットは次の2つの数字のうちの1つー
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8:47 - 8:490か1の何れかで表されます
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8:50 - 8:53私が遠くにいる母と
フェイスタイムで通信したら -
8:54 - 8:56母はこのスライドを見て
私を殺そうとするでしょう -
8:56 - 8:58(笑)
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8:58 - 9:01私たちはまさしく0と1から成る
長い数字の列を送りあっています -
9:01 - 9:05これはコンピュータ同士
衛星同士の間を行き来して -
9:05 - 9:07高速にデータを伝送しています
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9:07 - 9:09ビットは本当に役に立ちます
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9:09 - 9:12それどころか
現在のあらゆる技術が -
9:12 - 9:14ビットの有用性の恩恵を受けています
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9:15 - 9:16しかし ビットは
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9:16 - 9:21複雑な分子や粒子のシミュレーションが
とても苦手だと分かってきました -
9:21 - 9:23というのも ある意味で
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9:23 - 9:26亜原子の物理では
量子力学の -
9:27 - 9:28奇妙な法則に従い
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9:28 - 9:31同時に2つかそれ以上のことを
行っているのですから -
9:31 - 9:33前世紀末
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9:33 - 9:36とても聡明な物理学者たちが
独創的なアイデアを出しました -
9:36 - 9:38量子力学の法則に則った
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9:38 - 9:40コンピュータを作るというアイデアです
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9:43 - 9:46さて 量子コンピュータが扱う
データの基本単位は -
9:46 - 9:48「Qビット(量子ビット)」といいます
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9:48 - 9:49「quantum ビット」の意味です
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9:51 - 9:540か1かのような2つの状態に限られず
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9:54 - 9:57量子ビットは無数の状態を表します
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9:58 - 10:02そしてこれは
同時に0でもあり1でもある -
10:02 - 10:03複合的な状態に対応しています
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10:03 - 10:06これは「重ね合わせ」という現象です
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10:07 - 10:09重ね合わせの状態にある
2つの量子ビットがあると -
10:09 - 10:124つの状態の組み合わせを
扱っていることになります -
10:12 - 10:140-0、0-1
1-0、1-1のことです -
10:15 - 10:16量子ビットが3つあれば
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10:16 - 10:208つの状態の重ね合わせを
扱っていることになります -
10:20 - 10:21以下同じように続きます
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10:21 - 10:25量子ビットを1つ増やすごとに
同時に重ね合わせる -
10:25 - 10:29組み合わせの数が
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10:29 - 10:302倍になります
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10:31 - 10:34量子ビットの数を多くしていくと
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10:34 - 10:37同時に扱う組み合わせの数は
指数関数的に -
10:37 - 10:39増えていきます
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10:39 - 10:43ここからまさに 量子計算が秘める能力の
ヒントが得られたわけです -
10:45 - 10:46いま 現代の暗号化システムで
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10:47 - 10:51大きな数字を作る
2つの因数という秘密の鍵は -
10:51 - 10:540と1からなる
長い数字の列に過ぎません -
10:55 - 10:56因数を見つけるために
-
10:56 - 11:00古典的なコンピュータでは
全ての組み合わせを -
11:00 - 11:011つずつ試し
-
11:01 - 11:05暗号を破る唯一の組み合わせが
見つかるまで試行する必要があります -
11:06 - 11:08しかし量子コンピュータでは
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11:09 - 11:12重ね合わせ状態にある
充分な数の量子ビットがあれば -
11:13 - 11:17全ての組み合わせから同時に
情報を引き出すことができます -
11:19 - 11:20ほんの少しの手順で
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11:20 - 11:24量子コンピュータは
間違っている全ての組み合わせを無視して -
11:24 - 11:26ただ1つの正解だけを取り出し
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11:26 - 11:28私たちの大切な秘密の鍵を
開けられます -
11:32 - 11:35いま 奇妙な量子のレベルで
-
11:36 - 11:39驚異的なことが起こっています
-
11:41 - 11:44多くの一線級の
物理学者の通念によると ― -
11:44 - 11:47皆さんに この通念を私と一緒に
信じてもらう必要がありますが -
11:47 - 11:51各組み合わせは
量子コンピュータ内部の -
11:51 - 11:54パラレルワールドによって
テストされます -
11:55 - 11:59個々の組み合わせは
プールの水の波のように足し合わされます -
12:00 - 12:02間違っている組み合わせは
-
12:02 - 12:04互いに打ち消しあい
-
12:04 - 12:06正しい組み合わせは
-
12:06 - 12:08互いに強め合います
-
12:08 - 12:11そして量子計算プログラムの終わりで
-
12:11 - 12:14残っているものは
すべて正しい解答であり -
12:14 - 12:16実際に正解を
確認することができます -
12:18 - 12:21この説明がわからなくても
ストレスを感じないでください -
12:21 - 12:22(笑)
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12:22 - 12:23多くの仲間がいますよ
-
12:24 - 12:27ニールス・ボーアはこの分野の
パイオニアの一人ですが -
12:27 - 12:30こんな言葉を残しています
「ひどくショックを受けることなく -
12:30 - 12:33量子力学を思考できる人は
-
12:33 - 12:34理解していない」と
-
12:34 - 12:36(笑)
-
12:36 - 12:38しかし皆さんは
私たちが直面する問題や -
12:38 - 12:40問題の解決が
なぜ暗号作成者にかかっているか -
12:40 - 12:41理解されましたね
-
12:43 - 12:45私たちは早急に
解決しなければなりません -
12:45 - 12:47なぜならば量子コンピュータは
-
12:47 - 12:50すでに世界中の研究室に
存在しているからです -
12:51 - 12:53幸い現時点では
-
12:53 - 12:56比較的小規模なものしか
ありません -
12:56 - 12:59もっと大きな暗号鍵を破るには
小さすぎます -
13:00 - 13:02でもいつまでも
安全ではないでしょう -
13:03 - 13:05秘密の政府機関が
-
13:05 - 13:07すでに充分に大規模なものを
作っていて -
13:07 - 13:09秘密にしているだけだと
信じている人もいます -
13:10 - 13:12まだ10年以上先のことだと言う
専門家もいます -
13:12 - 13:1430年先だと言う人もいます
-
13:15 - 13:18量子コンピュータの実用化に
10年かかるのなら -
13:18 - 13:20暗号作成者が対策を見つけ
インターネットを安全確保する時間が -
13:21 - 13:22十分にあると思うかもしれません
-
13:23 - 13:25しかし残念ながら
そんなに簡単ではないのです -
13:26 - 13:28もし私たちが新しい暗号化技術の
-
13:28 - 13:31標準化や展開に要する長い年月を
別にしても -
13:31 - 13:34すでに手遅れになっているかもしれません
-
13:35 - 13:39優秀なデジタル犯罪者や政府機関は
-
13:39 - 13:43量子の将来を見越して
暗号化された最高機密データを -
13:43 - 13:45すでに盗んでいるかもしれません
-
13:47 - 13:49諸外国のリーダー
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13:50 - 13:51将軍
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13:53 - 13:55権力に疑問を呈する個人のメッセージは
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13:56 - 13:57今は暗号化されています
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13:58 - 14:00しかし量子コンピュータを
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14:00 - 14:03誰かが手にする日が来れば
-
14:03 - 14:06すぐさま過去にさかのぼって
いかなる暗号も解除できるでしょう -
14:07 - 14:09一部の政府や金融機関
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14:09 - 14:11軍事機関において
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14:11 - 14:14機密情報は
25年間 非公開にされています -
14:14 - 14:17もし量子コンピュータが
本当に10年以内に登場したら -
14:17 - 14:20量子技術に対して安全な暗号化が
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14:20 - 14:22すでに15年遅れていることになります
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14:23 - 14:25世界中の多くの科学者が
-
14:25 - 14:28量子コンピュータの
開発競争をしている間に -
14:28 - 14:31私たち暗号作成者は その日が来るずっと前に
人々を守れる暗号技術の -
14:31 - 14:33開発ができるよう急いでいます
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14:35 - 14:38私たちは解くことが困難な
新しい数学の問題を探しています -
14:38 - 14:41因数分解の問題のように
-
14:41 - 14:44現代のスマホやラップトップで
使用できる数学の問題を探しています -
14:46 - 14:50しかし因数分解とは異なり
私たちはその問題を -
14:50 - 14:53量子コンピュータでも解けないほど
難しい問題にしなくてはなりません -
14:54 - 14:58近年 私たちは
より広い数学の分野を掘り起こし -
14:58 - 15:00そのような問題を探しています
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15:00 - 15:02私たちが探しているのは
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15:02 - 15:04皆さんが計算機で
馴染みのあるようなものとは異なる -
15:04 - 15:05より風変わりで抽象的な
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15:05 - 15:07数や対象です
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15:08 - 15:10私たちは そんな巧妙な幾何学的問題を
-
15:10 - 15:12いくつか見つけたと信じています
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15:12 - 15:15今これらの問題は
私たちがペンと方眼用紙を使って -
15:15 - 15:19高校で解かなければならなかったような
2次元や3次元の幾何学問題と違って -
15:19 - 15:23ほとんどの問題が500次元を
優に超えています -
15:24 - 15:28つまり 方眼用紙に描き解くのに
少し難しいだけでなく -
15:28 - 15:32量子コンピュータでも解けない
問題だと信じています -
15:33 - 15:35まだ時期尚早ですが
-
15:35 - 15:40量子の支配する将来に向けて
このデジタル世界を守ろうとする -
15:40 - 15:42私たちの願いががここにあります
-
15:43 - 15:45他の科学者と同じように
-
15:45 - 15:47暗号作成者は
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15:47 - 15:51量子コンピュータを活用する世の中の
可能性に とてもワクワクしています -
15:53 - 15:55永遠に使われる
そんな力があるかもしれません -
15:58 - 16:02しかし 将来どんな
テクノロジーの世界になろうとも -
16:05 - 16:10秘密とは人間性に伴うものであり
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16:11 - 16:13守る価値のあるものなのです
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16:14 - 16:15ありがとう
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16:15 - 16:18(拍手)
- Title:
- 暗号専門家と量子コンピューター、情報戦争 | クレイグ・コステロ | TEDxSydney
- Speaker:
- クレイグ・コステロ
- Description:
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テクノロジーの未来を垣間見るこのトークで、暗号作成者のクレイグ・コステロ氏が、世界を変える可能性を秘めた量子コンピュータについて論じます。量子コンピュータは、現代の計算機の限界を突破しうるもので、暗号解読者にデジタル世界の暗号解読のマスターキーを与えてしまうかもしれません。コステロ氏と仲間の暗号作成者が、どのようにして暗号化技術を再開発しインターネットを守る研究に急いで取り掛かっているのか、ご覧ください。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDxTalks
- Duration:
- 16:31
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