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アフリカ人革命家の人生 遺産 そして 暗殺 ― リサ・ジャネイ・ベーコン

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    1972年 トーマス・サンカラは
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    異国の地で 「革命の波」に
    飲みこまれたのでした
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    彼は 西アフリカのボルタ川の上流にある
    当時はオートボルタと呼ばれた
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    ブルキナファソという国の出身でした
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    彼はマダガスカルの軍事学校へ留学し
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    22歳で兵士になりましたが
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    マダガスカルに到着したとき
    紛争を目の当たりにしたのです
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    地元の革命家たちは 延々と続く
    フランスの植民地支配から
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    マダガスカルの支配権を
    奪還したかったのです
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    サンカラは革命家たちに感銘を受け
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    カール・マルクスのような
    社会主義リーダーの書物を読み
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    軍事戦略の知恵を求めました
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    1973年 オートボルタに戻ったとき
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    サンカラは 植民地支配による負の遺産から
    国を開放することを決意したのです
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    1949年
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    サンカラは 比較的恵まれた家の
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    10人中3番目の子として
    生まれました
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    両親は 彼に神父になることを
    望んでいましたが
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    サンカラは 多くの仲間同様
    オートボルタの腐敗を終わらせるには
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    軍隊こそ最も望ましい組織と
    判断したのです
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    マダガスカルから戻って以降
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    彼はカリスマ性と透明性のある演説調で
    世に知られることとなったのですが
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    当時の政権には疎まれていました
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    ジャン=バプティスト・ウエドラオゴ大統領の
    率いる政権は
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    オートボルタの近代史において
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    3度目のクーデターの後
    政権の座に就いたのです
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    この政権の政策は
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    サンカラが提案した全面的な改革とは
    かけ離れていました
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    ところが 1981年までには
    サンカラの人気が上昇し
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    ウエドラオゴ政権で役職を得ました
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    そして「アフリカのチェ・ゲバラ」と呼ばれた
    サンカラは瞬く間に政権を上り詰め
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    2年も経たずに首相に任命されたのです
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    新しい役職につくと
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    貧しい 「コミュニティー」「 女性」や
    「若者」に向けて 集会演説を行いました
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    さらには他国政府に
    同じ植民地支配の負の遺産を背負う者として
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    同盟国になるよう説得しました
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    ところが ウエドラオゴ大統領とその顧問は
    サンカラの仕事ぶりに危機感を持ったのです
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    「サンカラの共産主義思想が資本主義国家との
    同盟関係に悪影響を及ぼすのではないか」 と
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    サンカラは 首相に任命されてから
    数カ月もしないうちに
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    ウエドラオゴ政権に役職を追われ
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    軟禁状態に置かれたのです
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    大統領は このことがきっかけとなり
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    オートボルタで17年間で4度目のクーデターが
    起きることを 知る由もありませんでした
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    首都は 民間人による
    抗議集会で埋め尽くされ
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    政治機能がマヒする中
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    サンカラは 平和裏に政権交代するよう
    交渉を試みたのです
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    この間 サンカラの友人で
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    同志でもあった元軍人の
    ブレーズ・コンパオレは
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    サンカラの命をも狙った
    再度起きたクーデターを阻止しました
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    やがて ウエドラオゴは
    抵抗することなく辞任し
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    1983年8月4日 トーマス・サンカラは
    オートボルタの新大統領となったのです
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    ようやく権力を握ったサンカラは
    野心的な政策を掲げ
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    社会と経済改革を起こしたのです
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    彼の1つめの課題策として
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    「オートボルタ」という
    フランスの植民地時代から続く国名を
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    「高潔な者たちの国」と言う意味の
    「ブルキナファソ」に変更しました
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    次の4年間で 彼は
    全国的に識字運動を広め
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    1千万本の植樹を指示し
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    新しい国家を作詞しました―
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    それも 高騰した政府役人の給料を
    削減しながら です
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    しかし おそらくサンカラの革命の中で
    最も独特な要素は
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    男女平等への貢献です
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    女性解放運動を広め
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    強制結婚 一夫多妻制
    そして性器切除を禁止しました
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    彼は 女性を政府の要職に就任させた
    初のアフリカ人リーダーであり
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    彼女らを積極的に軍隊に採用しました
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    しかし サンカラの社会主義政策は
    多くの抵抗に遭いました
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    多くの学生やエリートは 彼の経済政策が
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    ブルキナファソから資本家を
    遠ざけるのではと危惧したのです
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    そして 公資金の乱用に対する取り締まりは
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    政府要人をも敵にまわしたのです
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    4年の歳月の後
    人々を勇気づけるはずの革命は
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    影響力を持つ多くのブルキナファソ人を
    孤立させたのです
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    しかし サンカラは権力を譲るつもりはなく
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    より独裁主義的な政策を実行し
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    労働組合や報道の自由を禁じました
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    やがて彼の独裁主義傾向は
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    近しい友人らをも敵に回したのです
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    1987年10月15日
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    サンカラが会議を行っている最中に
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    襲撃者らは本部を襲撃し
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    サンカラは暗殺されたのです
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    多くの人々は ブレイズ・コンパオレが
    指令を出したのだと信じています
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    サンカラが残したものは複雑ですが
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    政策の多くは 時代を先駆けたものだった
    ということが自ずと証明されています
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    この10年の間
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    ブルキナファソの若者は
    サンカラの政治的哲学を称賛し
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    ガーナのような隣国は
    サンカラの経済モデルを導入したのです
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    2019年3月2日 サンカラの銅像は
    ブルキナファソの首都に建てられ
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    自国そして世界の革命者として
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    偶像視されるような立場を確立したのです
Title:
アフリカ人革命家の人生 遺産 そして 暗殺 ― リサ・ジャネイ・ベーコン
Speaker:
リサ・ジャネイ・ベーコン
Description:

1972年、トーマス・サンカラはマダガスカルで、フランスによる延々と続く植民地支配からの解放を求める「革命の波」に飲み込まれたのでした。このデモにより感銘を受けた西アフリカ生まれの彼は、社会主義者リーダーらの書物を読み、軍事戦略の知恵を求めました。そして、1973年にはマダガスカルを発ち、自国の植民地支配という長い歴史からの解放を決意したのです。リサ・ベーコンが、偶像化された革命家の生涯を詳細に語ります。

講師:リサ・ジャネイ・ベーコン
監督:トマ・ピカルド・エスパイヤット
*この教材はこちら:https://ed.ted.com/lessons/the-life-legacy-assassination-of-an-african-revolutionary-lisa-janae-bacon

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
05:07

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