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警察と地域住民が共により安全な地域をつくるには

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    この写真を見るたびに
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    以前 どこかで見たことが
    あるんじゃないかと
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    自分自身に問い掛けずにはいられません
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    正義を求めて
    人々が通りを行進しています
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    ですが 警察官として服務の宣誓をするのは
    1989年のことですから
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    それ以前に 実際に見ていたとしても
    今とは違って見えていたはずです
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    私は 25年以上にわたり
    警察の仕事をしています
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    アフリカ系アメリカ人女性の目で見ても
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    状況は改善してきたと思います
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    ですが 公共の安全について
    学ぶと同時に
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    私が路上で行う取り締まりが
    実は 地域の人々を
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    傷つけ 危害を及ぼしているのではと
    思ったのです
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    そして 制服を着た女性警官である私を
    人々がどう見ているか
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    よく思いを巡らせました
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    ですが 一つ理解していました
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    これまでとは違う方法か より良い方法が
    おそらくあるということです
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    尊厳を守り 正義を約束する方法です
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    ですが 警察の力だけでは
    できないことも分かっていました
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    その方法とは 公共の安全のために
    人々と「協働」することです
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    歴史上様々なことがありました
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    失ったものもありました
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    アフリカ系アメリカ人の地域社会と
    警察との関係は
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    悲惨なものです
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    たびたび不信で満たされていました
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    それは社会科学者によって
    研究されていますし
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    政府によっても研究されています
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    どちらも 希望あふれる新たな手段と
    長期的な解決策を約束しています
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    しかし 私たちが求めているのは
    安全であり
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    私たちの安全は 絡み合って
    成り立っています
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    素晴らしい関係や
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    信頼に基づく関係を築くためには
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    コミュニケーションを
    図る必要があります
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    メッセージを送るための
    新しいツールであるソーシャルメディアで
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    コミュニケーションを
    図ろうとしても
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    非常に困難なことです
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    今の警察のやり方についても
    検証しなくてはいけませんし
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    もはや役に立たないことは
    やめるべきです
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    例えば ニューヨークでは
    路上での身体検査です
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    これは関係を改善するどころか
    多くの人に停止命令を与えているんです
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    これでは警官は
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    働いている地域社会のことを
    知る機会が得られません
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    ですがご存知のとおり
    もっと良い方法があります
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    「協働」と呼ばれるものです
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    1970年代に エリノア・オストロムが
    この理論を提唱しました
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    まさに「協働」と呼ばれるものです
    仕組みはこうです
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    異なる専門分野の人を集め
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    新しい考えや生きた経験も取り込み
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    そして 新たな理解を生み出します
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    新たな理解を得て
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    この理論を公共の安全に
    当てはめるとき
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    新たなタイプの公共の安全が
    生まれます
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    ニューヨークの場合は
    こんな感じです
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    それは 文字通り
    区画ごとに関係を築くもので
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    その名も
    「Build the Block」です
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    仕組みはこうです
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    buildtheblock.nycの
    サイトに行き 自分の住所を入力します
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    すると 地域の集会の場所と日時が
    表示されます
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    大事な点は その集会に
    行かなければならないことです
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    その集会に行けば 必ず
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    もちろんそこには
    NYPD(ニューヨーク市警)がいます
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    警官の他に地域の人々もいます
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    新しい理解を得るために
    生きた経験を持った人たちが
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    ここに集まったからには
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    それを達成する新たな方法を
    見出すことが大切です
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    達成するための新たな方法として
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    NCO(地域調整警官)が間に入ります
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    そのため この集会にも NCOは来ますし
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    911対応車と呼ばれるものや
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    地域担当車や刑事も来て
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    犯罪を減らすために
    この新たな方法で協力しながら
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    一緒になって取り組むのです
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    興味深いことに
    これが上手くいっているんです
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    ワシントンハイツの例を
    取り上げましょう
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    地域の集会では
    あるバーの近所の人たちが
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    大声やら騒音やらについて
    苦情を言い立てていました
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    そこで その地区のNCOとの
    対話を行い
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    防音壁の設置だとか
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    様々な対処法について
    議論しました
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    「他の道路へ迂回させては?」
    といった具合です
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    そして もちろん
    夜間のバーはいくらか静かになりました
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    地域でいつも挙がる別の問題の一つが
    スピード違反です
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    この中に切符を切られたことがある人は
    どの位いますか?
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    挙手をお願いします
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    もっと高く 遠慮せずに
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    ニューヨークですから
    もっと多いはずです
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    そう NCOに持ち込まれた別の問題が
    スピード違反です
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    スピード違反に対し NCOが行ったのは
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    運輸局との協力です
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    スピードバンプ(減速帯)や警告表示等
    あらゆる対策を検討しました
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    そして これまでと異なる警察活動を
    皆で考え出したことで
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    これまでと異なる印象を受けます
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    公共の安全において協働するには
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    制服の持つ歴史と権力を
    警官自らが理解することも必要です
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    警官は 古くから引き継がれてきた
    役に立たない見方を
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    やめる時がやってきました
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    無意識の偏見について
    学ぶ必要があるということです
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    無意識の偏見とは
    脳が意識することなく
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    短絡的に判断することです
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    無意識の偏見は 私たちの判断に
    たびたび影響を与える固定観念です
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    想像に難くないことですが
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    瞬時に判断しなければならない
    警官にとって
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    極めて有害な判断をさせる要素に
    なりうるのです
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    そのため NYPDは
    全米の他の警察とともに
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    無意識の偏見について
    組織内の全警官を訓練しています
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    NYPDの全警官は
    自らが抱く無意識の偏見について学び
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    十分に訓練を受け
    方策を持ち 抑制し
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    自らの判断への影響を知ることが
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    全ての人をより安全にするのだと
    理解しなければなりません
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    また 警官の組織内での扱いが
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    地域社会一般に対する振る舞いにも
    影響を与えています
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    これは極めて重要な点です
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    新しい方法を推進する場合には
    特に重要です
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    そして 私たちは 最前線にいる警官に
    目を向けなければなりません
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    また 警官自身も 自分の心に潜む
    トラウマを理解すべきです
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    そのために 私たちは指導者として
    彼らの気持ちを盛り上げ
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    強い男とか女であるべきという
    見方を捨てて
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    助けを求めても大丈夫だと
    伝えねばなりません
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    そのために同僚同士の支援や
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    従業員支援
    心の健康サービスを行っています
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    確実に これらの全てが
    提供されるようにします
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    不足があると
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    それは 公共の安全における
    協働にとって致命的だからです
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    同じように大事なことは
    法の執行を行う その足元において
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    社会的な問題を抱えていることが
    多いということです
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    例えば 心の健康や教育です
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    昔から私たちが
    引っ張り込まれてきた領域には
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    警察が公共の安全を
    必ずしも確保しないのに
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    法制上では人種差別がずいぶん前から
    廃止されてきた部分もありました
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    私たち警官は 長く犯してきた過ちを
    認めなければなりません
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    しかし それと同時に
    協働をどう進めていくか議論する時には
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    そうした警官にも
    参加してもらわなければなりません
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    しかし この問題を理解するには
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    人々の意見が違った方法で
    私たちの元に届く必要があることも
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    理解せねばなりません
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    また 地域社会の人々が
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    対話の席に着くことを
    望んでいない―
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    または 心の準備ができていない
    可能性も理解する必要があります
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    それで良いのです
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    それを認めることが
    できなければなりません
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    それを認めることで 私たちは
    地域社会の健全性や
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    回復力にも関心を持てます
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    それがもう一つの重要な要素です
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    さらには
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    私たちを傷つけたいと思う人たちが
    この地域の中にいることも
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    理解しなければなりません
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    地域社会の中には
    昔から見ていた夢を
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    実現できなかった人たちがいることも
    知っておくべきです
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    さらに 認めねばならないのは
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    解決策をくれると期待して
    時には破綻をきたした社会のシステムに
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    信頼を置いてきたということです
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    ですが 私たちは
    逃げることはできません
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    より良い方法があるからです
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    なぜかと言えば
    NYPDの地域警察活動の哲学が
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    公共の安全における協働に
    根差しているからです
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    ともに歩みを進めるために
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    家族や友人とともに
    そして健康のために
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    このやり方を 確実に
    進めていかなければなりません
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    そのためには
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    私たち皆が同意しなければならない
    3つの基本的な考えがあります
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    よろしいですか
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    すみません もう一度
    よろしいですか
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    (観衆)はい!
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    今の方が良いですね
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    1つ目は
    「何故」にはもう拘らないことです
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    何故かは分かっています
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    私たちは ともに前進すべきです
    もうお互いにいがみあってはいけません
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    2つ目です
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    生きた経験を活かし
    歴史を受け入れるべきです
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    そして 前に進めない場所には
    決して戻ってはなりません
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    そして 3つ目です
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    真実と 事実を語ることは
    苦痛を伴うことだと
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    理解しなければなりません
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    苦痛を伴うからと言って
    行動しないことは もはや認められません
  • 9:25 - 9:26
    同意いただけますか
  • 9:27 - 9:28
    (観衆)はい
  • 9:28 - 9:29
    よく聞こえません
    同意いただけますか
  • 9:29 - 9:30
    (観衆)はい!
  • 9:30 - 9:33
    私たちには より良い方法があり
  • 9:33 - 9:37
    より良い方法とは
    公共の安全における協働です
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    ありがとうございました
  • 9:38 - 9:43
    (拍手)
Title:
警察と地域住民が共により安全な地域をつくるには
Speaker:
トレイシー・キージー
Description:

「私たちは皆、安全であることを望んでいる。そして、私たちの安全は絡み合って成り立っている」とCenter for Policing Equity(公正警察活動センター)の共同創設者であるトレイシー・キージーは言います。警官としての25年間のキャリアから学んだ教訓を共有しながら、キージーは、とりわけアフリカ系アメリカ人の地域社会において、警官と地域住民の双方が直面している公共の安全に関する課題と、誰もが有している、尊厳を保ち公正を約束するための機会について思案します。
「私たちは、共に前進しなければなりません。もうお互いにいがみあってはならないのです」と、キージーは語ります。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
09:57

Japanese subtitles

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