Return to Video

ティーンエイジャーの登校時間を遅らせるべき理由とは

  • 0:00 - 0:03
    朝6時
  • 0:03 - 0:04
    家の外は暗闇
  • 0:05 - 0:08
    14歳の息子はベッドで
    熟睡しています
  • 0:08 - 0:11
    ティーンエイジャーらしく
    大胆にもぐっすりと眠っています
  • 0:12 - 0:16
    私は さっと照明のスイッチをつけて
    かわいそうな我が子を揺すり起こします
  • 0:16 - 0:19
    バンドエイドをはがすのと同様
  • 0:19 - 0:21
    早く終わらせた方が良いからです
  • 0:21 - 0:22
    (笑)
  • 0:22 - 0:27
    眠るティーンエイジの子を起こすために
    「火事よ」と叫ぶ友人がいます
  • 0:27 - 0:29
    別の友人は たまりかねて
  • 0:29 - 0:32
    息子の頭に冷水をかけて
  • 0:32 - 0:34
    ベッドから追い出すしか
    なかったそうです
  • 0:35 - 0:36
    ひどい仕打に聞こえますが
  • 0:36 - 0:38
    聞き覚えがあるのでは?
  • 0:40 - 0:42
    毎朝 私は自問します
  • 0:42 - 0:44
    「何で私は
  • 0:44 - 0:46
    知識も備えていて
  • 0:46 - 0:48
    自分の仕事にまでしていながら
  • 0:48 - 0:50
    自分の息子にこんなが事できるのか?」
  • 0:51 - 0:52
    実は
  • 0:52 - 0:54
    私は睡眠の研究者です
  • 0:54 - 0:56
    (笑)
  • 0:56 - 0:58
    睡眠と 睡眠不足の悪影響について
  • 0:58 - 1:01
    私は知りすぎるほど知っています
  • 1:01 - 1:05
    成長期にある10代として
    息子に絶対的に必要な眠りを
  • 1:05 - 1:07
    私が 奪っていることを認めます
  • 1:07 - 1:10
    分かっているんです —
    自然な体内時計が
  • 1:10 - 1:14
    起きる時間を告げる
    何時間も前に 息子を起こすことで
  • 1:14 - 1:17
    私は 文字通り
    彼の夢も奪っているのです —
  • 1:17 - 1:23
    それは 学習、記憶固定、感情処置に
  • 1:23 - 1:25
    最も関わりのある種類の眠りです
  • 1:26 - 1:29
    睡眠不足に悩むのは
    私の子供だけではありません
  • 1:30 - 1:34
    アメリカのティーンエイジャーの間には
    睡眠不足がまん延しています
  • 1:34 - 1:37
    睡眠学者や小児科医が推奨する
  • 1:37 - 1:42
    8〜10時間の睡眠をとれるのは
    10人に1人に過ぎません
  • 1:43 - 1:46
    ここで「よかった
    うちの子は8時間眠ている」と
  • 1:46 - 1:48
    胸を撫でているようであれば
  • 1:48 - 1:50
    覚えておいてください
  • 1:50 - 1:53
    8時間は
    推奨時間の最低ですので
  • 1:53 - 1:55
    ギリギリで満たしているだけなのです
  • 1:55 - 1:58
    睡眠8時間は かろうじて合格
    というところです
  • 1:59 - 2:02
    睡眠不足のまん延には
    沢山の要素が影響していますが
  • 2:03 - 2:07
    10代の子供が 必要な睡眠時間を
    確保できない一番の要因は
  • 2:07 - 2:09
    実は社会政策なのです
  • 2:10 - 2:14
    思春期のホルモンや 社会生活や
    スナップチャットではありません
  • 2:16 - 2:17
    アメリカでは
  • 2:17 - 2:22
    多くの学校が
    午前7:30頃かそれ以前の始業です
  • 2:22 - 2:26
    主要な医療機関が
    中学・高校教育の始業時刻として
  • 2:26 - 2:30
    午前8:30以降を
    推奨しているにも関わらずです
  • 2:31 - 2:35
    学校の始業時刻を早める政策が
    アメリカのティーンエイジャーの睡眠量
  • 2:35 - 2:39
    — というより睡眠の欠除に —
    直接影響をあたえています
  • 2:41 - 2:44
    また そのため 子供とその親は
    自分たちの身体を相手に
  • 2:44 - 2:49
    根本的に勝ち目のない戦いを
    しているのです
  • 2:49 - 2:51
    思春期前後のティーンエイジャーの場合
  • 2:51 - 2:55
    最も目が覚める時間帯や
    最も眠くなる時間帯を決める
  • 2:55 - 2:59
    体内時計に遅れが生じます
  • 3:00 - 3:03
    メラトニンというホルモンが
    分泌される時間が遅れることが その一因です
  • 3:04 - 3:10
    10代の子の身体では 午後11時頃まで
    メラトニンが分泌されません
  • 3:10 - 3:14
    これは成人やもっと幼い子供よりも
    2時間遅いです
  • 3:16 - 3:20
    体内時計で換算すると
    ティーンエイジャーを午前6時に起こす事は
  • 3:20 - 3:25
    成人を午前4時に起こすのと
    同じなのです
  • 3:26 - 3:30
    午前4時に起きなくてならない
    不運な日には
  • 3:30 - 3:31
    私もゾンビ同然です
  • 3:31 - 3:33
    まともに機能できません
  • 3:33 - 3:34
    きちんと考えられず
  • 3:35 - 3:36
    いらだちを感じ
  • 3:36 - 3:38
    多分車は運転すべきでない状態です
  • 3:40 - 3:44
    でもこの状態を アメリカの10代が
    登校日に毎日感じているのです
  • 3:44 - 3:47
    実は 私たちが ティーンエイジャーの
    せいにしている
  • 3:47 - 3:50
    不快な特徴の多く —
  • 3:50 - 3:55
    むら気、イライラ、やる気のなさや
    落ち込み などが
  • 3:55 - 3:58
    慢性的な睡眠時間の不足の
    結果だという可能性もあります
  • 3:59 - 4:02
    慢性的な睡眠不足と戦う
    10代の子の多くにとって
  • 4:02 - 4:07
    それを補う頼りになる対策法は
    大量のカフェイン摂取 —
  • 4:07 - 4:10
    ヴェンティサイズのフラぺチーノや
  • 4:10 - 4:11
    エナジードリンクやドリンク剤です
  • 4:12 - 4:13
    だから当然の結果として
  • 4:13 - 4:19
    ほぼ全部の若者が 疲れているのに
    ピリピリとした状態なのです
  • 4:22 - 4:25
    眠りを優先した始業時間の
    支持者が理解しているように
  • 4:25 - 4:29
    思春期は脳が劇的に発達する
    時期ですが
  • 4:29 - 4:31
    その中でも特に
  • 4:31 - 4:34
    論理的思考、問題解決力
    正しい判断力を含む
  • 4:34 - 4:39
    高次の思考プロセスを司る部分が
    急成長します
  • 4:39 - 4:42
    言い換えると
    思春期の特徴であり
  • 4:42 - 4:47
    10代の子を持つ親にとって
    恐怖を感じるような
  • 4:47 - 4:50
    衝動的で しばしば危険な
  • 4:50 - 4:54
    子供達の行動を制御する
    脳の活動に深く関わる部分なのです
  • 4:55 - 4:56
    他のみんなと同じように
  • 4:57 - 4:59
    ティーンエイジャーも
    必要な睡眠が取れなければ
  • 4:59 - 5:02
    脳や身体や行動が
  • 5:02 - 5:05
    短期的にも長期的にも
    悪影響を受けるのです
  • 5:05 - 5:07
    集中できず
  • 5:07 - 5:09
    注意力が急降下し
  • 5:09 - 5:13
    ADHD(注意欠如・多動性障害)に似た
    行動的な兆候が現れます
  • 5:14 - 5:19
    10代の睡眠不足の影響は
    学校での生活にとどまらず
  • 5:19 - 5:25
    悪いことに 思春期に急増する
    精神衛生上の問題を引き起こし
  • 5:25 - 5:27
    その中には 薬物使用や
  • 5:27 - 5:29
    うつ病 自殺が含まれます
  • 5:30 - 5:34
    ロサンゼルス統一学区の10代を対象に
    私たちが行った調査では
  • 5:34 - 5:36
    睡眠障害を持つティーンエイジャーは
  • 5:36 - 5:40
    過去1ヶ月間にアルコールを摂取した割合が
    55%高いことがわかりました
  • 5:41 - 5:45
    3万人以上の高校生を対象に行った
    別の調査では
  • 5:45 - 5:49
    睡眠時間が1時間減るごとに
  • 5:49 - 5:52
    悲壮感や絶望感が38%増え
  • 5:53 - 5:57
    自殺未遂が58%増えることが
    わかりました
  • 5:59 - 6:01
    これだけにとどまらず
  • 6:01 - 6:03
    睡眠をけずるティーンは
  • 6:03 - 6:07
    我が国を悩ます
    肥満、心臓病、糖尿病などの
  • 6:08 - 6:12
    身体的な健康問題に
    犯されるリスクが高まります
  • 6:13 - 6:16
    さらに 睡眠不足のティーンが
  • 6:16 - 6:18
    運転免許を取得して間もなく
  • 6:18 - 6:20
    ハンドルを握るリスクもあります
  • 6:20 - 6:25
    研究が示すように
    睡眠時間が5時間以下の場合
  • 6:25 - 6:30
    血中アルコール濃度が法定基準を超えた状態で
    運転するのと同じくらい危険です
  • 6:36 - 6:39
    眠りを優先した始業時間の支持者や
  • 6:39 - 6:41
    この分野の研究家は
  • 6:41 - 6:43
    始業時間を遅らせれば
    大きな利益が生まれる
  • 6:43 - 6:47
    という素晴らしい
    科学的見解を示しました
  • 6:47 - 6:49
    研究結果は明白であり
  • 6:49 - 6:52
    睡眠の研究者として
  • 6:52 - 6:54
    私はこれほど確信を持って
    言えるものはありません
  • 6:55 - 6:59
    始業時間が遅い地域のティーンは
    睡眠を多くとっています
  • 6:59 - 7:02
    否定論者は 始業時間が遅くなれば
    夜ふかしが増えるだけだと
  • 7:03 - 7:04
    言うかもしれませんが
  • 7:05 - 7:06
    事実は逆で
  • 7:06 - 7:08
    就寝時間はそのままで
  • 7:08 - 7:10
    起床時間が遅くなるので
  • 7:10 - 7:13
    結果的に睡眠時間が長くなります
  • 7:13 - 7:16
    登校率が高くなり
  • 7:16 - 7:20
    ある学区では欠席率が25%減りました
  • 7:20 - 7:22
    中退する可能性も減ります
  • 7:22 - 7:26
    当然のことながら
    成績も上がります
  • 7:26 - 7:31
    これは 本当の意味での
    学力格差の縮小が期待できます
  • 7:31 - 7:33
    共通テストにおける
    数学と読解力の成績が
  • 7:33 - 7:36
    2〜3%上昇します
  • 7:36 - 7:42
    これは
    クラスの生徒数を1/3減らしたり
  • 7:42 - 7:45
    現場から まずまずの教師を
    真に優秀な教師に交代させるのと
  • 7:45 - 7:48
    同じくらい効果的です
  • 7:48 - 7:51
    心と身体の健康は向上し
  • 7:51 - 7:53
    家族も幸せになります
  • 7:53 - 7:58
    ティーンエイジャーが感じ良くなって
    気難しくなくなれば
  • 7:58 - 8:00
    誰が文句言えますか?
  • 8:01 - 8:03
    車の事故率が減ることにより
  • 8:03 - 8:05
    社会環境も安全になります
  • 8:05 - 8:08
    ある学区では
    事故率が70%減りました
  • 8:09 - 8:12
    このような多大な利点があれば
  • 8:12 - 8:13
    議論する必要はないと
  • 8:13 - 8:16
    思うかも知れませんよね?
  • 8:16 - 8:20
    では何故 私たち社会はこの呼びかけに
    耳を貸さないのでしょうか?
  • 8:22 - 8:25
    遅い始業時間への反対意見は
    多くの場合こんな感じです —
  • 8:26 - 8:28
    「何故 彼らのために
    始業時間を遅らせるのか?
  • 8:28 - 8:32
    カツを入れて
    現実社会に出る準備をさせるべきだ」
  • 8:32 - 8:35
    でもこれは2歳の幼児の親に
  • 8:35 - 8:37
    「ジョニーに昼寝はさせないで
  • 8:37 - 8:39
    幼稚園入学の準備にならないから」
    と言うのと同じです
  • 8:39 - 8:40
    (笑)
  • 8:42 - 8:46
    登校時間を遅らせると
    送迎時の課題も多く出てきます
  • 8:46 - 8:48
    これは生徒とその家族だけではなく
  • 8:48 - 8:51
    社会全体の問題であり
  • 8:51 - 8:52
    バス路線の見直し
  • 8:52 - 8:54
    交通費の増加
  • 8:54 - 8:56
    スポーツ活動への影響や
  • 8:56 - 8:58
    始業前や放課後の対応への
    対策が必要になります
  • 8:58 - 9:03
    始業時間が議論されるたびに
    国中のあらゆる学区で
  • 9:03 - 9:05
    必ず繰り返し このような課題が
  • 9:05 - 9:07
    話題になります
  • 9:08 - 9:10
    理にかなった懸念ですが
  • 9:11 - 9:14
    取り組まなければならない問題です
  • 9:14 - 9:16
    これらの課題を
  • 9:16 - 9:19
    子供達のためになること
    すなわち —
  • 9:20 - 9:25
    中高の始業時間を午前8:30以前に
    しないことの 口実にはできません
  • 9:26 - 9:28
    始業時間を8:30以降にした
  • 9:28 - 9:30
    全国の 大小様々な学区において
  • 9:30 - 9:34
    当初の心配は見当たらず
  • 9:34 - 9:39
    生徒の健康や成績や
    社会全体の安全性にとっての
  • 9:39 - 9:40
    利益の方が
  • 9:40 - 9:44
    途方もなく上回ったのです
  • 9:44 - 9:46
    明日の朝
  • 9:46 - 9:51
    冬時間で 時計が1時間遅くなって
  • 9:52 - 9:56
    心地よく眠れる時間が
    1時間増えて
  • 9:57 - 9:59
    1日が少し 長く感じられて
  • 10:00 - 10:02
    希望が少し多く感じられた時に
  • 10:03 - 10:07
    眠りの持つ素晴らしいパワーについて
    考えてください
  • 10:08 - 10:10
    子供達が 自分の体内時計と調和して
  • 10:10 - 10:14
    自然に目覚めることが
    できることの恩恵について
  • 10:14 - 10:16
    考えてみてください
  • 10:17 - 10:19
    皆さんもどうぞ良い夢を
  • 10:19 - 10:20
    ありがとうございました
Title:
ティーンエイジャーの登校時間を遅らせるべき理由とは
Speaker:
ウェンディ・トロクセル
Description:

ティーンエイジの若者は睡眠が足りませんが、原因はスナップチャットや社会生活やホルモンではなく、社会政策が間違っているからだと、ウェンディ・トロクセルは言います。眠りの研究者で、睡眠医学の臨床医であり、ティーンエイジャーの母親でもある自分の経験を基に、トロクセルは、学校の早すぎる始業時間のせいで、生涯で一番眠りが必要な時期に、いかに若者が睡眠時間を奪われてしまっているかについて、議論しています。

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
10:33

Japanese subtitles

Revisions