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誰もが抱える心の壁―勇気を出して壁を打ち破ろう

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    今晩 お話しするのは
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    カミングアウトについてです
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    いわゆる「カミングアウト」
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    ゲイだと打ち明けること
    ではありません
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    誰しも 心に
    壁を作っています
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    その後ろに
    隠れているのは
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    誰かに初めて
    愛の告白をすることや
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    妊娠したこと
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    ガンであることを
    伝えることかもしれません
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    他にも 私たちが
    人生で経験する―
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    さまざまな重い話が
    隠れています
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    心の壁の向こうにあるのは
    重い話です
  • 0:26 - 0:29
    抱える問題は
    本当に さまざまでしょう
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    でも 心に
    押し込めていたものを
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    扉を開けて解き放つ経験は
    誰しも同じです
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    怖いですし 嫌ですが
    しないといけないことです
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    数年前
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    私は サウス・サイド・
    ウォールナット・カフェという
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    地元の食堂で
    働いていました
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    その食堂で 私は
    さまざまな段階を経て
  • 0:50 - 0:54
    過激派レズビアンに
    なりました
  • 0:54 - 0:55
    脇の処理をせず
  • 0:55 - 0:59
    アーニー・ディフランコの
    言葉を崇めました
  • 0:59 - 1:01
    だぶだぶの
    カーゴパンツで
  • 1:01 - 1:04
    頭を剃って
    すぐのときには
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    こんな質問を
    よくされました
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    たいていは
    小さな子どもからで
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    「あのー あなたは男の子?
    それとも女の子?」
  • 1:13 - 1:15
    その場は
    ぎこちない沈黙に包まれ
  • 1:15 - 1:18
    私は いつもより少しだけ固く
    歯をかみしめ
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    コーヒーポットを
    ここぞとばかりに 強く握りしめました
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    父親は あたふたと
    新聞をめくり
  • 1:24 - 1:26
    母親は その子を
    ダメよという目で見ます
  • 1:26 - 1:28
    それでも
    私は何も言いませんでした
  • 1:28 - 1:30
    ただ 心の中で
    激しい感情が渦巻いていました
  • 1:30 - 1:32
    そのうち
    3~10歳の子どもがいる―
  • 1:32 - 1:36
    テーブルへは 戦闘態勢で
    臨むようになりました
  • 1:36 - 1:37
    (笑)
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    最悪の気分です
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    ですから 次こそは
    何か言うぞと心に決めたのです
  • 1:43 - 1:45
    あの重い会話を
    すると決めたのです
  • 1:45 - 1:48
    何週間も経たないうちに
    そのときが やってきました
  • 1:48 - 1:51
    「あなたは男の子?
    それとも女の子?」
  • 1:51 - 1:54
    あの沈黙が訪れます
    でも 心の準備はできていました
  • 1:54 - 1:58
    私は まさに
    女性学入門の講義を
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    始めんばかりの
    勢いでした(笑)
  • 2:00 - 2:03
    ベティ・フリーダンの言葉も
  • 2:03 - 2:05
    グロリア・スタイネムの言葉も
  • 2:05 - 2:08
    さらには『ヴァギナ・モノローグス』からの
    引用も用意していました
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    深呼吸をして
    声の方を見ると
  • 2:11 - 2:16
    私を見上げていたのは
    ピンクのドレスを着た4歳の少女でした
  • 2:16 - 2:18
    フェミニストの決闘相手に
    ふさわしくない
  • 2:18 - 2:20
    ただの子どもが
    知りたがっているだけ
  • 2:20 - 2:23
    「あなたは男の子?
    それとも女の子?」
  • 2:23 - 2:24
    もう一度
    深呼吸をして
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    そばに しゃがんで
    言いました
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    「ねぇ 困るわよね
    分かるわ
  • 2:28 - 2:30
    髪も短くて
    男の子みたいだし
  • 2:30 - 2:32
    服装も男の子っぽいわね
    でも 女の子よ
  • 2:32 - 2:34
    あなたも ピンクの服を
    着たい時もあれば
  • 2:34 - 2:36
    ゆったりしたパジャマを
    着たい時だってあるでしょ
  • 2:36 - 2:40
    私はね
    パジャマ好きな女の子なのよ」
  • 2:40 - 2:42
    その子は 私の目を
    まっすぐ見て
  • 2:42 - 2:44
    ひるむ様子もなく
    言ったのです
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    「私はお魚さんがついた
    紫のパジャマが好きよ
  • 2:46 - 2:48
    パンケーキを
    もらえますか?」
  • 2:48 - 2:50
    (笑)
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    それだけでした
    「そう 女の子なんだ
  • 2:54 - 2:56
    あのパンケーキを
    お願いね」って
  • 2:56 - 2:58
    あれほど軽く
    重い話をしたのは
  • 2:58 - 3:01
    初めてでした
  • 3:01 - 3:04
    なぜでしょう?
    パンケーキの子と私は
  • 3:04 - 3:07
    お互いに
    本心でぶつかり合ったからです
  • 3:07 - 3:09
    皆さんも
    そうだと思いますが
  • 3:09 - 3:11
    私も いろんな思いを
    壁の奥に押し込めてきました
  • 3:11 - 3:14
    たいてい 私の壁は
    虹色をしていましたが
  • 3:14 - 3:16
    一歩中に入れば
    暗闇で
  • 3:16 - 3:18
    壁の色も分かりません
  • 3:18 - 3:21
    暗闇で 息をひそめて生きることが
    どんなものか分かるでしょう
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    結局 壁の後ろにある世界は
    同じなのです―あなたのも
  • 3:25 - 3:28
    あなたのも
    一緒です
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    もちろん 私の方が
    あなたよりも
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    つらい理由なんて
    いくらでも あげられます
  • 3:32 - 3:34
    でも つらさは
    相対的なものではありません
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    つらいものは
    つらいんです
  • 3:36 - 3:40
    自己破産をしたことを
    告白する方が
  • 3:40 - 3:42
    浮気を告白するより
    つらいなんて言えますか?
  • 3:42 - 3:45
    あの人が
    打ち明けることの方が
  • 3:45 - 3:48
    5歳の子どもに離婚を話すより
    つらいと言えるでしょうか?
  • 3:48 - 3:51
    どちらが つらいかではなく
    ただ つらいんです
  • 3:51 - 3:55
    つらさを他人と比べるのは
    やめないといけません
  • 3:55 - 3:57
    他人と比較して
    安心したり落胆したりするのでなく
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    ただ皆 つらいんだと
    気持ちを寄せるのです
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    長い人生 誰しも
    心に壁を作ることがあります
  • 4:05 - 4:07
    その中にいれば
    安全と感じるでしょう
  • 4:07 - 4:09
    少なくとも
    扉の向こうよりマシでしょう
  • 4:09 - 4:11
    でも 皆さんに
    お伝えしたいのは
  • 4:11 - 4:13
    その壁が
    何でできていようとも
  • 4:13 - 4:18
    そこは 人が
    生きる場所ではありません
  • 4:18 - 4:20
    ありがとう(拍手)
  • 4:20 - 4:24
    20年前の自分を
    思い浮かべてみてください
  • 4:24 - 4:29
    当時 私はポニーテールで
    ストラップレスドレスを着て
  • 4:29 - 4:31
    ハイヒールを
    身に付けていました
  • 4:31 - 4:33
    当時は 過激派
    レズビアンではなく
  • 4:33 - 4:37
    カフェにいた4歳児に
    立ち向かう用意もありませんでした
  • 4:37 - 4:41
    私は恐怖で凍りつき
    壁に囲まれた真っ暗闇の中
  • 4:41 - 4:43
    隅っこで
    丸まっていました
  • 4:43 - 4:45
    ゲイという手りゅう弾を
    手に握りしめ
  • 4:45 - 4:49
    筋肉をちょっと
    動かすのでさえ
  • 4:49 - 4:51
    今までにないくらい
    恐ろしく感じていました
  • 4:51 - 4:53
    私の家族 友人
    見ず知らずの他人―
  • 4:53 - 4:55
    私は こうした人たちの
  • 4:55 - 4:56
    期待に応えるべく
    生きてきました
  • 4:56 - 5:00
    でも 今は自ら
    世界をひっくり返しています
  • 5:00 - 5:02
    わざとです
  • 5:02 - 5:04
    長い間 私たちが
    従ってきた筋書きを
  • 5:04 - 5:06
    すべて破り捨てて
    いるのです
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    自分の手にある手りゅう弾を
    捨てなければ 死んでしまいますから
  • 5:10 - 5:11
    手りゅう弾を手放した中で
    最高だったのが
  • 5:11 - 5:14
    姉の結婚式での
    手りゅう弾トスです
  • 5:14 - 5:16
    (笑)
  • 5:16 - 5:18
    私がゲイだと知っている方が
    たくさん集まるのは
  • 5:18 - 5:21
    初めてだったので
    花嫁の付き添いをしながら
  • 5:21 - 5:24
    黒いドレスで
    ヒールを履いたまま
  • 5:24 - 5:25
    各テーブルを
    まわったのです
  • 5:25 - 5:28
    ついに 私のことを
    長年知っている―
  • 5:28 - 5:31
    両親の友人たちのテーブルに
    行きつきました
  • 5:31 - 5:34
    世間話のあと
    ある女性が大声で言いました
  • 5:34 - 5:36
    「私は ネイサン・レインが好きよ」と
  • 5:36 - 5:39
    すると皆が 親ゲイ派を
    アピールし出しました
  • 5:39 - 5:41
    「ゲイタウンのカストロ通りは
    行った?」
  • 5:41 - 5:44
    「実はサンフランシスコに
    友だちがいるのよ」
  • 5:44 - 5:46
    「行ったことがないけど
    素晴らしいと聞いたわ」
  • 5:46 - 5:48
    「美容師のアントニオは
    知ってるかしら?
  • 5:48 - 5:51
    腕は確かだし
    彼女の話なんてしないのよ」
  • 5:51 - 5:53
    「好きなテレビ番組は?
  • 5:53 - 5:55
    私たちは『ふたりは友達?
    ウィル&グレイス』ね
  • 5:55 - 5:57
    誰が好きかって?
    ジャックよ
  • 5:57 - 5:59
    ジャックが
    お気に入りなの」
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    ある女性は 言葉に詰まって
    困っていましたが
  • 6:01 - 6:04
    それでも
    なんとか応援したいと思い
  • 6:04 - 6:06
    私の味方だと
    伝えようとして
  • 6:06 - 6:08
    ようやく
    出てきた言葉が―
  • 6:08 - 6:11
    「ほら 私の夫も
    時々 ピンクのシャツを着るわよ」
  • 6:11 - 6:14
    (笑)
  • 6:14 - 6:16
    そのとき 私には
    2つの選択肢がありました
  • 6:16 - 6:18
    手りゅう弾を放り出す誰もが
    必ず通る道です
  • 6:18 - 6:21
    一つは そのまま
    彼女やゲイ仲間がいるテーブルに戻り
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    今の出来事を
    バカにすることです
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    世間知らずで
    ゲイについて差別・偏見なく
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    話すこともできないのか
    と非難することもできます
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    もう一つの選択肢は
    彼らに共感して
  • 6:31 - 6:35
    きっとこれまで体験した中でも
    大変なことだったに違いない
  • 6:35 - 6:38
    この話題を取り上げ
    会話をすることで
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    彼らも心の壁を破ったんだ
    と理解することです
  • 6:41 - 6:44
    もちろん 他人の至らなさを
    指摘することは簡単ですが
  • 6:44 - 6:46
    彼らの立場に立ち
    努力したという事実を
  • 6:46 - 6:49
    認めることは
    実際 本当に難しいことです
  • 6:49 - 6:54
    結局 他人に求められるのは
    努力だけでしょう
  • 6:54 - 6:56
    他人と 本気で
    向き合うなら
  • 6:56 - 6:59
    自分をさらけ出さないと
    いけません
  • 6:59 - 7:03
    重い会話は
    まだ苦手です
  • 7:03 - 7:05
    私が付き合った人に
    聞けば分かります
  • 7:05 - 7:08
    でも マシになってはいます
    私が大事にしているのは
  • 7:08 - 7:09
    「パンケーキ少女の3原則」です
  • 7:09 - 7:13
    これからお話しすることは
    ゲイの立場でのことですが
  • 7:13 - 7:16
    どんな心の壁を
    破るのでも
  • 7:16 - 7:18
    結局は
    同じなんです
  • 7:18 - 7:21
    第一の原則は
    ありのままであること
  • 7:21 - 7:23
    鎧をかなぐり捨て
    素の自分になります
  • 7:23 - 7:24
    カフェの あの子は
    丸腰だったのに
  • 7:24 - 7:27
    私だけが
    戦闘態勢だったんです
  • 7:27 - 7:29
    誰かに本気で
    向き合ってほしいなら
  • 7:29 - 7:32
    あなたも 血の通った人間だと
    知ってもらうべきです
  • 7:32 - 7:35
    第二の原則は 単刀直入に言うこと
    絆創膏は一気に剥ぎ取るのです
  • 7:35 - 7:38
    ゲイなのであれば
    はっきり そう言えばいいんです
  • 7:38 - 7:40
    親に「ゲイかもしれない」と言えば
  • 7:40 - 7:42
    何かの間違いかもと
    希望を持たせます
  • 7:42 - 7:45
    そんな変な期待は
    させてはいけません
  • 7:45 - 7:46
    (笑)
  • 7:46 - 7:51
    第三の原則は
    最も重要なものです―
  • 7:51 - 7:53
    (笑)
  • 7:53 - 7:57
    申し訳なく
    思わないことです
  • 7:57 - 7:59
    あなたは
    真実を話しているだけ
  • 7:59 - 8:03
    謝る必要なんか
    ちっともありません
  • 8:03 - 8:06
    もしかしたら これで
    傷つく人もいるかもしれません
  • 8:06 - 8:08
    もちろん 自分がしたことは
    謝るべきです
  • 8:08 - 8:12
    でも 自分が悪いと
    思う必要はありません
  • 8:12 - 8:15
    そうですね
    がっかりする人もいますね
  • 8:15 - 8:17
    でも それは彼らの問題で
    あなたの問題ではありません
  • 8:17 - 8:20
    あなたに対する
    勝手な期待ですから
  • 8:20 - 8:24
    彼らの筋書きで
    あなたのものではありません
  • 8:24 - 8:26
    大事な筋書きは
    ただ一つです
  • 8:26 - 8:29
    あなたが書きたい
    その筋書きだけです
  • 8:29 - 8:30
    もしも 自分が
    心の真っ暗闇にいて
  • 8:30 - 8:33
    手りゅう弾を握りしめているのに
    気づいたら
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    皆が経験することだと
    思ってください
  • 8:36 - 8:39
    孤独に感じるかもしれないけれど
    決して一人ではありません
  • 8:39 - 8:43
    つらいでしょうが
    皆 あなたを必要としています
  • 8:43 - 8:46
    どんな壁であれ
    突き破らないといけません
  • 8:46 - 8:48
    皆 心の壁の
    後ろに隠れて
  • 8:48 - 8:50
    鍵穴から
    外をのぞいています
  • 8:50 - 8:54
    誰かが 扉を破るのを待っています
    だから 勇気を出して踏み出し
  • 8:54 - 8:57
    世界に見せつけてください
    私たちには もっと大きな価値があり
  • 8:57 - 9:00
    そして そんな壁の中では
    誰も 真の意味で
  • 9:00 - 9:02
    生きることは
    できないのだと
  • 9:02 - 9:05
    ありがとうございます
    素敵な夜を (拍手)
Title:
誰もが抱える心の壁―勇気を出して壁を打ち破ろう
Speaker:
アッシュ・ベッカム
Description:

この感動的なトークでアッシュ・ベッカムが提案するのは、人に共感し、心を開くための新しい方法です。誰もがつらい時期を経験することがあります。そうした事実を受け入れた上で、様々な困難を乗り越えるには、心の扉を打ち開き一歩を踏み出すしかないのだと、ベッカムは訴えます。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
09:22

Japanese subtitles

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