WEBVTT

00:00:10.757 --> 00:00:13.938
ポートランドの皆さん
お招きありがとうございます

00:00:13.938 --> 00:00:15.638
この町にくるのは好きです

00:00:15.638 --> 00:00:18.765
いったいこんな朝食を食べられる場所が
他にあるでしょうか？

00:00:18.765 --> 00:00:20.635
(笑)

00:00:20.635 --> 00:00:23.812
そして明らかに
クリエイティブな場所です

00:00:23.815 --> 00:00:25.085
(笑)

00:00:25.085 --> 00:00:27.414
この中で 創造的なことを
している人 —

00:00:27.414 --> 00:00:30.966
デザイナー エンジニア 
起業家 アーティスト

00:00:30.966 --> 00:00:33.603
あるいは単に想像力が豊かという人は
どれくらいいますか？

00:00:33.603 --> 00:00:35.355
手を挙げてください (歓声)

NOTE Paragraph

00:00:35.379 --> 00:00:36.970
ほとんどがそうですね

00:00:37.734 --> 00:00:40.388
そういう人に
お知らせすることがあります

00:00:41.114 --> 00:00:43.687
これからの20年で

00:00:45.871 --> 00:00:48.844
私たちの仕事の仕方は

00:00:49.422 --> 00:00:52.889
これまでの２千年間における変化よりも
大きく変わるでしょう

00:00:52.889 --> 00:00:57.556
私たちは人類史の新時代に
差し掛かっていると思います

NOTE Paragraph

00:00:57.945 --> 00:01:02.624
人類史には 仕事の仕方に応じて 
大きく４つの時代がありました

00:01:03.804 --> 00:01:07.459
狩猟採集時代が
数百万年続き

00:01:07.503 --> 00:01:11.139
それから数千年の
農耕時代があり

00:01:11.345 --> 00:01:14.895
２百年ほどの
工業化時代があり

00:01:14.919 --> 00:01:19.008
現在の情報化時代が
ほんの数十年です

00:01:19.140 --> 00:01:24.750
そして今 私たちは人類にとって
新しく大きな時代の始まりにいます

NOTE Paragraph

00:01:25.406 --> 00:01:28.186
「拡張の時代」へようこそ

00:01:28.210 --> 00:01:32.303
この新時代においては 人間の自然な能力が
拡張されることになるでしょう

00:01:32.303 --> 00:01:35.145
計算システムが
人間の思考を補助し

00:01:35.145 --> 00:01:37.305
ロボットシステムが
作業を助け

00:01:37.329 --> 00:01:40.337
デジタル神経系が
生来の感覚を大きく越えて

00:01:40.337 --> 00:01:42.951
私たちを世界へと繋げます

00:01:44.817 --> 00:01:46.763
認識力拡張の話から
始めましょう

00:01:46.763 --> 00:01:49.513
強化サイボーグだという方は
どれくらい いらっしゃいますか？

NOTE Paragraph

00:01:49.513 --> 00:01:51.429
(笑)

00:01:51.429 --> 00:01:53.214
３、４人というところですか

00:01:53.214 --> 00:01:54.941
さすがポートランド

00:01:54.941 --> 00:01:57.939
(笑)

00:01:57.939 --> 00:01:59.631
どうか変であり続けてください

00:01:59.631 --> 00:02:01.543
(笑)

NOTE Paragraph

00:02:01.567 --> 00:02:05.008
私たちは既に増強されていると
言えると思います

00:02:05.048 --> 00:02:06.722
パーティで誰かに

00:02:06.722 --> 00:02:10.096
知らないことを聞かれたところを
想像してください

00:02:10.120 --> 00:02:14.120
こういうものを持っていれば 
数秒で答えが分かります

00:02:14.629 --> 00:02:17.563
でも これはまだ原始的な
始まりでしかありません

00:02:17.563 --> 00:02:21.354
あのSiriでさえ 
ただの受け身のツールです

00:02:21.420 --> 00:02:24.801
実際 過去350万年の間

00:02:24.825 --> 00:02:28.838
人類の道具はずっと
完全に受け身のものでした

00:02:29.413 --> 00:02:33.218
指示した通りのことだけをし 
それ以上のことはしません

00:02:33.242 --> 00:02:36.813
人類最初の道具は 
打ち付けた場所を切るだけでした

00:02:37.302 --> 00:02:40.742
のみは彫刻家が指定したところを
削るだけです

00:02:40.758 --> 00:02:46.904
最も先進的なツールでさえ 
明示的な指示なしには何もしません

00:02:47.598 --> 00:02:50.779
これは私がよくフラストレーションを
感じることですが

00:02:50.803 --> 00:02:53.781
道具にこちらの意向を
指示する必要によって

00:02:53.781 --> 00:02:55.760
我々は制限されてきました

00:02:55.760 --> 00:02:57.121
コンピューターがあっても

00:02:57.121 --> 00:03:00.289
文字通り 手を使って
指示する必要があります

00:03:00.532 --> 00:03:03.125
しかし私はスタートレックの
スコッティみたいな人間です

NOTE Paragraph

00:03:03.149 --> 00:03:04.999
(笑)

NOTE Paragraph

00:03:05.023 --> 00:03:07.309
コンピューターと
会話がしたいんです

00:03:07.309 --> 00:03:10.057
「コンピューター 車をデザインしよう」
と言ったら

00:03:10.057 --> 00:03:11.896
コンピューターが
車を出して見せます

00:03:11.896 --> 00:03:14.528
「もっと速そうな感じで
ドイツっぽくなくしてくれ」と言うと

00:03:14.528 --> 00:03:16.915
コンピューターが注文通りに
してくれるんです

NOTE Paragraph

00:03:16.915 --> 00:03:18.434
(笑)

NOTE Paragraph

00:03:18.668 --> 00:03:21.104
この会話は
まだ先の話ですが

00:03:21.128 --> 00:03:23.793
皆さんが考えるほど
遠くはなく

00:03:23.817 --> 00:03:25.204
私たちは既に

00:03:25.204 --> 00:03:26.699
取り組んでいます

00:03:26.699 --> 00:03:31.322
道具は受け身のものから
生成するものへと飛躍しつつあります

00:03:31.421 --> 00:03:36.349
デザイン生成ツールは
コンピューターとアルゴリズムを使って

00:03:36.349 --> 00:03:38.855
形状を合成し

00:03:38.855 --> 00:03:42.099
自分で新しいデザインを
作り出します

00:03:42.126 --> 00:03:44.818
必要なのは
目標と制約だけです

NOTE Paragraph

00:03:44.818 --> 00:03:46.416
例をお見せしましょう

00:03:46.416 --> 00:03:49.118
これはドローン用の
フレームの例ですが

00:03:49.142 --> 00:03:51.768
こちらがするのは
必要なことを伝えるだけ

00:03:51.792 --> 00:03:53.285
４つのプロペラがあるとか

00:03:53.285 --> 00:03:55.074
出来るだけ軽くとか

00:03:55.074 --> 00:03:57.514
空力的な効率を良くしろとか

00:03:57.538 --> 00:04:02.452
すると与えられた条件を満たす
あらゆる可能な解の全体—

00:04:02.476 --> 00:04:05.177
何百万通りという解を

00:04:05.177 --> 00:04:07.753
コンピューターが探索します

00:04:07.753 --> 00:04:10.068
これには大型のコンピューターが
必要になりますが

00:04:10.068 --> 00:04:12.587
私たち自身が
考えも付かないような

00:04:12.587 --> 00:04:15.014
デザインが生まれます

00:04:15.456 --> 00:04:18.262
コンピューターは
自分だけで答えを出します

00:04:18.262 --> 00:04:20.250
誰かが何か
描いてやることはなく

00:04:20.250 --> 00:04:22.710
何もないところから
始めるのです

00:04:23.168 --> 00:04:25.555
ちなみに このドローンの
フレームが

00:04:25.579 --> 00:04:29.290
ムササビの骨盤に似ているのは
偶然ではありません

NOTE Paragraph

00:04:29.290 --> 00:04:31.980
(笑)

NOTE Paragraph

00:04:31.980 --> 00:04:34.432
このアルゴリズムは
進化と同じように働くよう

00:04:34.432 --> 00:04:36.323
デザインされているからです

NOTE Paragraph

00:04:36.855 --> 00:04:39.705
この技術を世の中で 
実際に目にするようになって

00:04:39.729 --> 00:04:40.888
ワクワクしています

00:04:40.912 --> 00:04:43.654
この２年 オートデスク社は
エアバス社と協力して

00:04:43.654 --> 00:04:45.877
未来の飛行機のコンセプトモデルに
取り組んできました

00:04:45.877 --> 00:04:47.391
まだ先は長いですが

00:04:47.415 --> 00:04:50.469
デザイン生成AIを使って

00:04:50.469 --> 00:04:53.796
最近こんなものを
作り出しました

00:04:53.939 --> 00:04:59.092
これは3D印刷された客室の隔壁ですが 
コンピューターがデザインしたものです

00:04:59.116 --> 00:05:02.120
元の半分の重量で
より高い強度を持ち

00:05:02.120 --> 00:05:05.730
年内にエアバスA320で
使われ始める予定です

00:05:06.655 --> 00:05:09.374
明確に定義された問題に対して

00:05:09.374 --> 00:05:14.053
コンピューターは今や
自力で独自の解を生み出せるんです

00:05:14.517 --> 00:05:16.487
しかし直感的とは言えません

00:05:16.487 --> 00:05:19.157
毎回 １から始める
必要があります

00:05:19.181 --> 00:05:22.151
学習しないからです

00:05:22.598 --> 00:05:24.934
うちの犬のマギーとは違います

NOTE Paragraph

00:05:24.934 --> 00:05:26.139
(笑)

NOTE Paragraph

00:05:26.163 --> 00:05:29.840
マギーは実際 最先端のデザインツールよりも
賢いんです

00:05:29.867 --> 00:05:31.367
どういう意味かというと

00:05:31.391 --> 00:05:33.261
飼い主がリードを
手にしていたら

00:05:33.261 --> 00:05:35.123
それはかなりの確率で
散歩を意味すると

00:05:35.123 --> 00:05:36.475
マギーは理解しています

00:05:36.475 --> 00:05:38.090
どうやってそう
学んだのでしょう？

00:05:38.090 --> 00:05:40.982
飼い主がリードを手に取るたびに
散歩に出たからです

00:05:40.982 --> 00:05:43.150
そこでマギーは
３つのことをしていました

00:05:43.150 --> 00:05:44.853
注意を払うこと

00:05:44.877 --> 00:05:46.959
何が起きたか
覚えていること

00:05:46.983 --> 00:05:51.390
心の中にパターンを作って
保持することです

NOTE Paragraph

00:05:51.889 --> 00:05:53.088
興味深いことに

00:05:53.088 --> 00:05:55.685
これはまさにコンピューター科学者達が
過去60年の間

00:05:55.685 --> 00:05:58.824
人工知能にさせようと
試み続けてきたことです

00:05:59.783 --> 00:06:01.132
1952年に

00:06:01.156 --> 00:06:04.957
三目並べができる
コンピューターが作られました

00:06:06.181 --> 00:06:07.341
大したことでした

00:06:08.129 --> 00:06:10.983
45年後の1997年

00:06:10.983 --> 00:06:14.125
ディープブルーはチェス王者
カスパロフを破りました

00:06:15.146 --> 00:06:20.114
2011年 ワトソンはクイズ番組ジェパディで
歷代チャンピオン２人に勝ちました

00:06:20.138 --> 00:06:23.066
これはコンピューターには
チェスよりも ずっと難しいことです

00:06:23.090 --> 00:06:26.336
定められた手順に
従ってやる代わりに

00:06:26.336 --> 00:06:30.769
ワトソンは人間の対戦相手に勝つために
推論をする必要がありました

00:06:31.493 --> 00:06:33.416
そして２週間前

00:06:33.416 --> 00:06:38.142
ディープマインド社のAlphaGoが 
最も難しいゲームとされる碁で

00:06:38.142 --> 00:06:40.664
世界最強の碁指しを
破りました

00:06:40.664 --> 00:06:43.718
碁には宇宙の原子の
総数よりも

00:06:43.718 --> 00:06:46.252
多くの手があります

00:06:47.790 --> 00:06:49.836
勝つためにAlphaGoは

00:06:49.836 --> 00:06:52.774
直感力を発達させる
必要がありました

00:06:52.798 --> 00:06:56.102
実際AlphaGoが
なぜそうしたのか

00:06:56.102 --> 00:06:59.548
開発者自身にも 
分からないことがありました

NOTE Paragraph

00:07:01.021 --> 00:07:03.011
物事はとても
速く進んでいます

00:07:03.011 --> 00:07:05.706
人の一生の時間のうちに

00:07:05.706 --> 00:07:08.829
コンピューターにできることが
子供の遊びから

00:07:09.350 --> 00:07:12.938
最高度の戦略的思考にまで
進歩したのです

00:07:13.699 --> 00:07:15.730
ここで起きているのは

00:07:15.730 --> 00:07:19.890
スポックのようだった
コンピューターが

00:07:20.194 --> 00:07:22.603
カークみたいになった
ということです

NOTE Paragraph

00:07:22.603 --> 00:07:26.065
(笑)

NOTE Paragraph

00:07:26.089 --> 00:07:30.083
純粋な論理から
直感へという変化です

00:07:31.424 --> 00:07:33.957
みなさん この橋を
渡ろうと思いますか？

00:07:34.009 --> 00:07:36.332
多くの人は
「まさか！」と言うでしょう

NOTE Paragraph

00:07:36.356 --> 00:07:37.664
(笑)

NOTE Paragraph

00:07:37.688 --> 00:07:40.239
コンマ何秒で
そういう判断をするのです

00:07:40.239 --> 00:07:42.987
この橋は安全でないと
知っていたかのようです

00:07:42.987 --> 00:07:45.120
今やディープラーニングシステムが

00:07:45.120 --> 00:07:48.402
そのような直感を
獲得しつつあります

00:07:49.032 --> 00:07:50.483
近い将来 皆さんは

00:07:50.483 --> 00:07:53.356
自分の作ったものや デザインしたものを
コンピューターに見せて

00:07:53.356 --> 00:07:54.783
意見してもらえる
ようになるでしょう

00:07:54.783 --> 00:07:58.286
「相棒 こりゃ駄目だよ
やり直しだね」

00:07:59.254 --> 00:08:02.564
あるいは「みんなこの歌を
気に入ってくれるだろうか？」とか

00:08:02.993 --> 00:08:06.346
「この新しい味のアイスは受けるか？」とか
聞けるでしょう

00:08:06.949 --> 00:08:09.272
さらに重要なのは

00:08:09.272 --> 00:08:11.180
これまで直面したことの
ない問題に

00:08:11.180 --> 00:08:13.577
コンピューターで
取り組めるようになることです

00:08:13.601 --> 00:08:14.946
たとえば気候変動です

00:08:14.946 --> 00:08:16.870
人類はあまり上手く
対処できていないので

00:08:16.870 --> 00:08:19.219
どんな助けでも
ありがたいことでしょう

00:08:19.219 --> 00:08:20.797
それが私の
お話ししていることです

00:08:20.821 --> 00:08:23.376
テクノロジーが人間の
認知能力を増強し

00:08:23.400 --> 00:08:26.952
拡張されていない素の人間には
単に手の届かなかったものを

00:08:26.976 --> 00:08:29.995
思い描き デザインできるように
なるということです

NOTE Paragraph

00:08:31.154 --> 00:08:34.825
では我々が発明しデザインしようとしている
そういう新しいクレージーなものは

00:08:34.825 --> 00:08:37.010
どうやって
製造するのか？

00:08:37.352 --> 00:08:41.009
人類拡張の時代は 
仮想的・知的な領域だけでなく

00:08:41.009 --> 00:08:45.064
物質的世界にも
関わるものです

00:08:45.233 --> 00:08:47.544
テクノロジーはいかに
人間を拡張するのか？

00:08:47.565 --> 00:08:50.738
物質的世界では
ロボットシステムによってです

00:08:51.480 --> 00:08:54.306
人間の仕事が
ロボットに奪われる怖れは

00:08:54.306 --> 00:08:55.868
確かにあって

00:08:55.892 --> 00:08:58.142
ある種の領域では
実際そうなるでしょう

00:08:58.174 --> 00:09:00.886
でも私がもっと興味があるのは

00:09:00.886 --> 00:09:04.260
一緒に働く人間とロボットが
互いを拡張し合って

00:09:04.260 --> 00:09:08.168
新しい領域を切り開く
というアイデアです

NOTE Paragraph

00:09:08.192 --> 00:09:10.784
これはサンフランシスコにある
我々の応用技術研究所です

00:09:10.784 --> 00:09:13.720
その主要な研究領域の１つが
先進ロボット工学 —

00:09:13.744 --> 00:09:16.465
特に人間とロボットの
共同作業です

00:09:17.034 --> 00:09:19.793
これは我々のロボットBishopです

00:09:19.817 --> 00:09:22.716
繰り返し作業のある建築現場で
作業者を手伝うよう

00:09:22.716 --> 00:09:25.530
実験的に セットアップしてあります

00:09:25.984 --> 00:09:30.468
壁にコンセントや電灯スイッチのための
穴を開けるといった作業です

NOTE Paragraph

00:09:30.468 --> 00:09:33.008
(笑)

NOTE Paragraph

00:09:33.877 --> 00:09:35.632
人間のパートナーが

00:09:35.632 --> 00:09:38.317
単純な言葉やシンプルな手振りで
やることを示します

00:09:38.341 --> 00:09:39.958
犬に話かけるみたいに

00:09:39.958 --> 00:09:41.819
Bishopは指示されたことを

00:09:41.819 --> 00:09:43.871
完璧な正確さで実行します

00:09:43.895 --> 00:09:46.558
人間には 人間の得意なことを
してもらいます

00:09:46.558 --> 00:09:49.241
認識とか 知覚とか 意志決定です

00:09:49.265 --> 00:09:51.505
ロボットには ロボットの得意な
ことをさせます

00:09:51.529 --> 00:09:53.497
精密な反復作業です

NOTE Paragraph

00:09:54.032 --> 00:09:56.619
これはBishopがやった
別の面白いプロジェクトです

00:09:56.643 --> 00:09:59.718
このHIVEという名の
プロジェクトでは

00:09:59.742 --> 00:10:03.497
人間と コンピューターと 
ロボットが共同して

00:10:03.497 --> 00:10:07.627
非常に複雑な設計問題を解決するという
体験を試行しています

00:10:07.633 --> 00:10:09.244
人間は労働者として働きます

00:10:09.268 --> 00:10:12.741
建築現場を動き回り 
竹素材を扱います

00:10:12.765 --> 00:10:15.175
ちなみに形状の異なる竹は

00:10:15.175 --> 00:10:17.599
ロボットには扱うのが
非常に難しい素材です

00:10:17.599 --> 00:10:19.865
ロボットはこのファイバーを
張る作業をします

00:10:19.889 --> 00:10:22.340
人間にはほとんど
不可能なことです

00:10:22.364 --> 00:10:25.985
そして人工知能が
全体の制御をしています

00:10:26.019 --> 00:10:29.263
人間とロボットに
それぞれの作業を指示し

00:10:29.263 --> 00:10:32.222
何千という要素を管理します

00:10:32.222 --> 00:10:33.682
これが興味深いのは

00:10:33.682 --> 00:10:35.501
このパビリオンの構築は

00:10:35.501 --> 00:10:41.655
人間とロボットと人工知能が 補い合って
取り組まねば 不可能だったということです

NOTE Paragraph

00:10:42.390 --> 00:10:45.710
もう１つプロジェクトをご紹介しましょう
ちょっとクレージーなものです

00:10:47.734 --> 00:10:52.522
アムステルダムを中心に活動する
ヨリス・ラーマンとMX3Dのチームとともに

00:10:53.526 --> 00:10:56.168
世界初の自律的に建設する橋を

00:10:56.168 --> 00:11:00.033
デザイン生成と ロボットによる3D印刷で
作ろうというものです

00:11:01.015 --> 00:11:03.194
今まさにアムステルダムで

00:11:03.194 --> 00:11:06.186
ヨリスと人工知能が
橋をデザインしています

00:11:06.620 --> 00:11:09.005
デザインが完成し 
実行を指示すると

00:11:09.005 --> 00:11:12.546
ロボットがステンレスで橋を
3D印刷し始めます

00:11:12.570 --> 00:11:15.647
そして橋が出来るまで
人の手助けなしに

00:11:15.647 --> 00:11:17.855
自律的に印刷を続けます

NOTE Paragraph

00:11:18.769 --> 00:11:20.571
コンピューターが

00:11:20.571 --> 00:11:23.981
新しいものを想像しデザインする
人間の能力を拡張し

00:11:23.981 --> 00:11:25.654
ロボットシステムが

00:11:25.654 --> 00:11:29.678
以前には作り得なかったものを
製造・建設する手助けをしてくれます

00:11:30.017 --> 00:11:34.177
そういったものを感じ制御する
能力についてはどうでしょう？

00:11:34.201 --> 00:11:38.232
我々の作る物の神経系はどうか？

NOTE Paragraph

00:11:40.486 --> 00:11:41.852
人間の神経系は

00:11:41.852 --> 00:11:45.663
周囲で起きている
あらゆることを伝えてくれます

00:11:46.086 --> 00:11:49.579
しかし我々の作る物の神経系は 
ごく原始的なもので

00:11:49.579 --> 00:11:51.578
現状では
かなりお粗末です

00:11:51.602 --> 00:11:52.930
(笑)

00:11:52.954 --> 00:11:57.177
例えば 車が街中の交差点で
道路に開いた穴を踏んでも

00:11:57.177 --> 00:12:00.261
自分で市道路局に
連絡することはありません

00:12:01.105 --> 00:12:03.697
建物は 中に入った人たちが
気に入ってくれているか

00:12:03.697 --> 00:12:06.305
設計家に伝えることは
ありません

00:12:07.659 --> 00:12:10.669
おもちゃメーカーは
おもちゃが実際に遊ばれているか

00:12:10.693 --> 00:12:12.940
どこでどう使われているか

00:12:12.940 --> 00:12:15.513
楽しまれているかどうか
知りません

00:12:15.680 --> 00:12:18.498
バービー人形のデザイナーは
自分の人形に

00:12:18.498 --> 00:12:21.142
このようなライフスタイルを
想像していたことでしょう

NOTE Paragraph

00:12:21.142 --> 00:12:22.863
(笑)

NOTE Paragraph

00:12:23.057 --> 00:12:26.643
でも本当はバービーが
すごく孤独だったとしたら？

NOTE Paragraph

00:12:26.643 --> 00:12:29.886
(笑)

NOTE Paragraph

00:12:29.886 --> 00:12:31.894
自分のデザインしたものについて

00:12:31.894 --> 00:12:34.315
実際にどんなことが起きているか
デザイナーに分かれば

00:12:34.315 --> 00:12:36.216
道路にせよ 建物にせよ
バービーにせよ

00:12:36.216 --> 00:12:37.394
その知識を生かして

00:12:37.394 --> 00:12:40.188
利用者にとって より良い体験を
生み出すことができるでしょう

00:12:40.188 --> 00:12:41.503
欠けているのは

00:12:41.503 --> 00:12:46.302
我々がデザインし 作り 使うもの
すべてと我々を繋ぐ神経系です

00:12:46.975 --> 00:12:49.464
世に出した自分の作品から

00:12:49.464 --> 00:12:53.087
そのような情報が流れてくる
としたらどうでしょう？

00:12:54.492 --> 00:12:56.123
自分の作ったものを

00:12:56.123 --> 00:12:58.256
人々が買ってくれるよう
説得するために

00:12:58.256 --> 00:13:01.032
我々は膨大な
お金と労力を費やしています

00:13:01.032 --> 00:13:03.680
昨年は２兆ドルという
規模でした

00:13:03.704 --> 00:13:05.936
もしデザインし
作ったものに対し

00:13:05.936 --> 00:13:09.613
世に出した後 販売された後 
公開された後に

00:13:09.613 --> 00:13:12.255
そのような繋がりを
持てたなら

00:13:12.255 --> 00:13:14.425
ビジネスのやり方も
変わるでしょう

00:13:14.425 --> 00:13:17.596
作った商品を人々が欲しくなるよう
仕向けるのでなく

00:13:17.620 --> 00:13:21.404
人々がそもそも欲しいと
思うものを作るのです

NOTE Paragraph

00:13:24.238 --> 00:13:27.705
良い知らせは デザインしたものと繋がる
デジタル神経系に

00:13:27.705 --> 00:13:30.470
我々は既に取り組んでいる
ということです

00:13:31.165 --> 00:13:33.292
あるプロジェクトで私たちは

00:13:33.292 --> 00:13:36.262
ロサンゼルスの
バンディート・ブラザーズに属する

00:13:36.262 --> 00:13:39.319
２人と組んで
作業しています

00:13:39.343 --> 00:13:41.450
彼らのやっていることの１つは

00:13:41.450 --> 00:13:46.073
とんでもないことをする
とんでもない車を作るということです

00:13:46.845 --> 00:13:48.515
ほんとうにクレージーな連中です—

NOTE Paragraph

00:13:48.539 --> 00:13:49.575
(笑)

NOTE Paragraph

00:13:49.599 --> 00:13:51.002
いい意味で

00:13:54.793 --> 00:13:56.556
我々がやっているのは

00:13:56.580 --> 00:13:58.854
従来のレーシングカーの車体に

00:13:58.854 --> 00:14:00.899
神経系を組み込むということです

NOTE Paragraph

00:14:00.899 --> 00:14:03.395
何十というセンサーを取り付け

00:14:03.395 --> 00:14:06.430
世界第一級のドライバーに
運転してもらい

00:14:06.454 --> 00:14:09.645
砂漠を１週間
狂ったように走り回るのです

00:14:09.645 --> 00:14:11.200
車の神経系が

00:14:11.200 --> 00:14:13.832
車に起きたことを
すべて捕らえます

00:14:13.856 --> 00:14:16.477
データポイントの数は
40億にもなります

00:14:16.501 --> 00:14:18.941
車が受けたあらゆる力を
記録しています

00:14:18.941 --> 00:14:21.194
それからクレージーなことをしました

00:14:21.238 --> 00:14:23.018
そうやって得たデータを

00:14:23.018 --> 00:14:26.708
Dreamcatcherという
デザイン生成AIに入力します

00:14:27.240 --> 00:14:31.204
デザインツールに神経系を与えて
究極の車体を作れと言ったら

00:14:31.228 --> 00:14:34.110
何ができるのでしょう？

00:14:34.693 --> 00:14:36.666
こんなものが得られます

00:14:38.263 --> 00:14:42.326
これは人間には決して
デザインできないようなものです

00:14:42.677 --> 00:14:44.565
デザイン生成AIと

00:14:44.589 --> 00:14:48.232
デジタル神経系で
拡張された人間によって

00:14:48.232 --> 00:14:50.153
デザインされたもので

00:14:50.177 --> 00:14:53.462
ロボットで実際に
製造することができます

NOTE Paragraph

00:14:54.150 --> 00:14:57.745
そういう「拡張の時代」が
我々の未来であり

00:14:57.769 --> 00:15:02.030
人間が知的・肉体的・認知的に
拡張されるのだとしたら

00:15:02.054 --> 00:15:03.956
いったい どんなことになるのか？

00:15:03.956 --> 00:15:07.302
そのおとぎの国は
どんな風になるのでしょう？

NOTE Paragraph

00:15:08.291 --> 00:15:10.324
来る世界では

00:15:10.324 --> 00:15:13.992
物は製造されるより

00:15:14.931 --> 00:15:17.036
栽培されるようになるでしょう

00:15:18.429 --> 00:15:21.578
建築されるよりは

00:15:21.578 --> 00:15:24.502
育てられるようになるでしょう

00:15:26.504 --> 00:15:28.692
孤立したものから

00:15:29.660 --> 00:15:31.570
繋がったものへと

00:15:33.104 --> 00:15:35.429
採掘から

00:15:35.429 --> 00:15:38.382
集積へと変わるでしょう

00:15:40.437 --> 00:15:43.824
服従を求めるより

00:15:44.848 --> 00:15:47.399
自律を尊ぶようになるでしょう

NOTE Paragraph

00:15:49.480 --> 00:15:51.385
拡張された能力によって

00:15:51.409 --> 00:15:54.326
世界は劇的に
変わるでしょう

00:15:54.702 --> 00:15:58.845
素晴らしい珊瑚礁の小宇宙が
良いアナロジーになります

00:15:58.845 --> 00:16:02.082
世界はもっと多様で 
繋がっていて

00:16:02.106 --> 00:16:04.393
ダイナミックで 複雑で

00:16:04.417 --> 00:16:06.735
適応的で そしてもちろん —

00:16:06.759 --> 00:16:08.546
より美しいものになります

00:16:08.741 --> 00:16:10.305
未来に現れるものの姿は

00:16:10.329 --> 00:16:12.533
見たこともないものに
なるでしょう

00:16:12.533 --> 00:16:14.712
なぜなら
それらを形作るのは

00:16:14.712 --> 00:16:18.421
テクノロジーと
自然と 人間による

00:16:18.421 --> 00:16:21.575
新しい共同関係だからです

00:16:22.789 --> 00:16:26.593
それは楽しみに待つ価値のある
未来に思えます

NOTE Paragraph

00:16:26.617 --> 00:16:27.888
ありがとうございました

NOTE Paragraph

00:16:27.912 --> 00:16:34.912
(拍手)