WEBVTT 00:00:01.458 --> 00:00:04.125 私は資本主義を信奉し 00:00:05.458 --> 00:00:08.393 資本主義社会の中で 30年間働いて 00:00:08.417 --> 00:00:10.934 30社余りの企業に関わり 00:00:10.958 --> 00:00:14.309 市場価値にして数百億ドルを創出した結果 00:00:14.333 --> 00:00:20.208 私は世界中の資産家の 上位1%はおろか 0.1%に入っています 00:00:21.500 --> 00:00:24.518 今日は私たちの成功の秘密を 共有しに来ました 00:00:24.542 --> 00:00:28.726 私のような富める資本家たちは かつてなく豊かになっているからです 00:00:28.750 --> 00:00:31.375 さあ その秘訣は何でしょう? 00:00:32.292 --> 00:00:33.851 私たちは一体どうやって 00:00:33.875 --> 00:00:37.708 増え続ける富の取り分を 毎年手にしているのでしょうか? 00:00:38.875 --> 00:00:42.792 資産家たちが30年前よりも 賢くなったのでしょうか? 00:00:43.833 --> 00:00:46.208 以前より もっと働いているから? 00:00:47.500 --> 00:00:50.000 あるいは より背が高く 見た目も良くなっている? NOTE Paragraph 00:00:51.292 --> 00:00:52.542 悲しいかな 違います 00:00:53.542 --> 00:00:56.143 原因はただ一点に尽きます 00:00:56.167 --> 00:00:57.417 経済学です 00:00:58.250 --> 00:00:59.822 ある不都合な秘密があるのです 00:01:00.667 --> 00:01:03.018 かつては経済学者が 公共の利益に寄与した 00:01:03.042 --> 00:01:04.518 時代もありました 00:01:04.542 --> 00:01:06.434 でも 新自由主義の時代である 00:01:06.458 --> 00:01:08.184 現代では 00:01:08.208 --> 00:01:10.643 大企業や億万長者たちだけのために 00:01:10.667 --> 00:01:12.226 働いていて 00:01:12.250 --> 00:01:14.833 それがちょっとした 問題を生んでいます 00:01:15.792 --> 00:01:19.601 私たちは富裕層に対して増税したり 00:01:19.625 --> 00:01:21.500 巨大企業に規制を課したり 00:01:22.417 --> 00:01:26.268 労働者賃金を上げたりといった 経済政策を施行することもできますし 00:01:26.292 --> 00:01:27.809 かつては実施したこともあります 00:01:27.833 --> 00:01:30.309 しかし新自由主義経済学者たちは 00:01:30.333 --> 00:01:34.351 こうした政策は全て ひどい間違いだと警告します 00:01:34.375 --> 00:01:37.125 なぜなら 税率を引き上げると 常に経済成長が犠牲になり 00:01:38.083 --> 00:01:42.059 政府によるどんな規制も非効率で 00:01:42.083 --> 00:01:44.683 労働者賃金を上げると 雇用が減少するからだというのです 00:01:45.375 --> 00:01:47.458 その考え方の結果として 00:01:48.542 --> 00:01:52.768 過去30年以上にわたり アメリカだけでも 00:01:52.792 --> 00:01:57.059 上位1%の資産は21兆ドルも増えた一方 00:01:57.083 --> 00:02:02.518 下位50%は9千億ドルも 貧しくなりました 00:02:02.542 --> 00:02:06.434 不平等が拡大を続けるという パターンは世界中で 00:02:06.458 --> 00:02:07.934 繰り返されました 00:02:07.958 --> 00:02:12.601 中流家庭の賃金は40年ほど上昇しておらず 00:02:12.625 --> 00:02:16.518 その暮らしは楽ではありません 00:02:16.542 --> 00:02:20.684 それでも新自由主義経済学者たちは 00:02:20.708 --> 00:02:24.809 緊縮財政とグローバリゼーションの混乱への 唯一の論理的な答えは 00:02:24.833 --> 00:02:27.625 更なる緊縮財政と グローバリゼーションだと言うのです NOTE Paragraph 00:02:28.708 --> 00:02:31.625 では 社会がすべきことは何でしょう? 00:02:32.833 --> 00:02:35.726 私にとってそれは 火を見るより明らかです 00:02:35.750 --> 00:02:37.667 私たちには新しい経済学が必要です 00:02:39.167 --> 00:02:43.226 経済学は憂うつな科学と 言われてきました 00:02:43.250 --> 00:02:46.351 それも正当な理由で― こんにち教えられてはいても 00:02:46.375 --> 00:02:47.976 ご大層な数式を並べ立てても 00:02:48.000 --> 00:02:51.393 これは全く 科学とは言えないからです 00:02:51.417 --> 00:02:54.601 新自由主義経済学は 危険なほどに誤っており 00:02:54.625 --> 00:03:00.601 いま 拡大を続けている 格差や政情不安といった問題は 00:03:00.625 --> 00:03:04.226 何十年も間違った経済学理論に 従ってきたことに 00:03:04.250 --> 00:03:05.934 直接起因していると結論づける 00:03:05.958 --> 00:03:11.143 経済学者や実務家たちが 増えてきています 00:03:11.167 --> 00:03:17.143 いま分かっていることは 私に富をもたらした経済学は 00:03:17.167 --> 00:03:19.184 誤っているだけでなく あべこべなのです 00:03:19.208 --> 00:03:21.143 その理由は 00:03:21.167 --> 00:03:24.934 経済成長を生み出すのは 資本ではなく 00:03:24.958 --> 00:03:26.208 人々だからです 00:03:27.250 --> 00:03:32.018 そして 公共の利益に資するのは 私利私欲ではなく 00:03:32.042 --> 00:03:33.292 互恵主義です 00:03:34.542 --> 00:03:38.809 私たちの繁栄を生むのは 競争ではなく 00:03:38.833 --> 00:03:40.458 協力です 00:03:41.333 --> 00:03:46.351 公正でなく 弱者を顧みない経済学は 00:03:46.375 --> 00:03:50.768 現代社会が繁栄するために必要とする 高度な社会的協業を 00:03:50.792 --> 00:03:53.434 決して維持できないことが はっきりしたのです NOTE Paragraph 00:03:53.458 --> 00:03:56.042 我々は一体どこで 間違ってしまったのでしょう? 00:03:57.250 --> 00:04:01.434 分かったことは― 新自由主義経済学の根幹を成す前提が 00:04:01.458 --> 00:04:07.476 客観的に見て誤りだと 00:04:07.500 --> 00:04:10.601 悲しいかな 明らかになってしまいました 00:04:10.625 --> 00:04:14.434 今日は皆さんにそうした 誤った前提についてかいつまんで説明し 00:04:14.458 --> 00:04:20.500 その後に 科学が指し示す 繁栄の源についてお話しします NOTE Paragraph 00:04:21.416 --> 00:04:25.559 自由主義経済の第1の前提は 00:04:25.583 --> 00:04:30.018 市場とは 効率よく均衡状態を保つ システムであり 00:04:30.042 --> 00:04:36.059 経済の仕組みにおいてある要素 例えば賃金が上がると 00:04:36.083 --> 00:04:40.250 もう片方の要素である雇用などが 減るというものです 00:04:41.333 --> 00:04:43.708 私が住むシアトルを例にとると 00:04:44.958 --> 00:04:49.976 2014年に最低賃金15ドルを定める 合衆国初の法案が可決されると 00:04:50.000 --> 00:04:54.417 新自由主義経済学者たちは彼らが重視する 平衡状態が崩れると騒ぎ立てました 00:04:55.375 --> 00:04:58.226 「もし労働の価格を上げれば 00:04:58.250 --> 00:05:00.268 「企業は雇用を減らすだろうから 00:05:00.292 --> 00:05:02.809 何千という低賃金労働者たちが職を失い 00:05:02.833 --> 00:05:04.726 飲食店は廃業するだろう」 00:05:04.750 --> 00:05:06.000 ところが… 00:05:07.000 --> 00:05:08.250 そうはなりませんでした 00:05:08.917 --> 00:05:12.125 失業率は驚異的に下降しました 00:05:13.125 --> 00:05:16.018 シアトルの飲食業は繁盛しました 00:05:16.042 --> 00:05:17.292 なぜか 00:05:18.083 --> 00:05:20.500 均衡などありはしないからです 00:05:21.917 --> 00:05:24.726 賃金を上げても雇用は失われるどころか 創出されるからです 00:05:24.750 --> 00:05:26.226 なぜなら 例えば― 00:05:26.250 --> 00:05:31.143 従業員たちが外食できるくらいの 賃金を 00:05:31.167 --> 00:05:35.184 飲食店の事業主が支払うことを 突然 要求されれば 00:05:35.208 --> 00:05:37.226 飲食業界は縮小せず 00:05:37.250 --> 00:05:39.458 むしろ発展するからです ―明らかなことです NOTE Paragraph 00:05:41.333 --> 00:05:42.601 (拍手) NOTE Paragraph 00:05:42.625 --> 00:05:44.042 ありがとうございます NOTE Paragraph 00:05:46.208 --> 00:05:48.458 新自由主義経済学の前提その2は 00:05:49.917 --> 00:05:54.893 価格は常にその価値に 等しいというものです 00:05:54.917 --> 00:05:58.476 要するにもしあなたの収入が 年間5万ドルで 00:05:58.500 --> 00:06:01.434 私が5千万ドルだとしたら 00:06:01.458 --> 00:06:05.750 それは私があなたの1千倍の価値を 生み出しているからということです 00:06:06.583 --> 00:06:08.226 さて 00:06:08.250 --> 00:06:11.893 皆さんの想像に難くないように 00:06:11.917 --> 00:06:13.893 毎年5千万ドルを自分の懐に収め 00:06:13.917 --> 00:06:16.601 従業員には低い賃金しか払っていない CEOにとっては 00:06:16.625 --> 00:06:19.559 これは安心できる前提条件です 00:06:19.583 --> 00:06:23.726 でも何十もの会社を経営した私の 見解はこうです 00:06:23.750 --> 00:06:26.143 これはナンセンスです 00:06:26.167 --> 00:06:28.559 人々には十分な賃金が 支払われていません 00:06:28.583 --> 00:06:31.851 賃金の額は どれだけの交渉力があるかで決まるので 00:06:31.875 --> 00:06:34.643 GDPにおける割合が減少しているのは 00:06:34.667 --> 00:06:38.184 労働者の生産性が低下したからではなく 00:06:38.208 --> 00:06:41.375 雇用主がより大きな力を手にしたからです 00:06:42.333 --> 00:06:43.601 そして― NOTE Paragraph 00:06:43.625 --> 00:06:45.208 (拍手) NOTE Paragraph 00:06:47.167 --> 00:06:52.643 資本家と労働者とのパワーバランスにおける 巨大な不均衡に 00:06:52.667 --> 00:06:54.309 目もくれようとしないことで 00:06:54.333 --> 00:06:58.059 新自由主義経済理論は 00:06:58.083 --> 00:07:00.333 資産家の番犬になったのです NOTE Paragraph 00:07:01.500 --> 00:07:04.018 第3の前提は最も有害なもので 00:07:04.042 --> 00:07:05.351 人間を 00:07:05.375 --> 00:07:09.226 「経済人(ホモ・エコノミクス)」と 表す行動モデルです 00:07:09.250 --> 00:07:14.476 これは我々が皆 完全に利己的で 00:07:14.500 --> 00:07:18.500 常に合理的で 絶えず自己利益の 最大化に務める生き物だと定義します 00:07:19.958 --> 00:07:21.559 でも考えてみて下さい 00:07:21.583 --> 00:07:25.393 人生において誰かに 何か親切な行いをする度に 00:07:25.417 --> 00:07:27.601 あなたは自分のための効用を 00:07:27.625 --> 00:07:30.893 最大化していただけだった などということがあり得るでしょうか? 00:07:30.917 --> 00:07:34.768 兵士が身を挺して手榴弾から 仲間を守ろうとするとき 00:07:34.792 --> 00:07:37.518 自分だけの利益を 優先していたというのでしょうか? 00:07:37.542 --> 00:07:39.351 「そんなことはあり得ない 00:07:39.375 --> 00:07:42.476 あらゆるまともな倫理的感覚に 反している」と思うなら 00:07:42.500 --> 00:07:44.309 その通りです 00:07:44.333 --> 00:07:46.101 そして最新の科学によれば 00:07:46.125 --> 00:07:47.768 その理論は間違っているのです 00:07:47.792 --> 00:07:50.309 しかしこの行動モデルは 00:07:50.333 --> 00:07:53.601 冷酷な新自由主義経済学の 中核を成し 00:07:53.625 --> 00:07:57.309 これは科学的に 間違っているだけでなく 00:07:57.333 --> 00:07:59.851 倫理観を蝕むものです 00:07:59.875 --> 00:08:04.934 もし我々が 00:08:04.958 --> 00:08:07.768 人間は根本的に利己的だという前提を 額面通り受け入れ 00:08:07.792 --> 00:08:13.042 それから 世界がまぎれもなく 繁栄している姿を見れば 00:08:14.083 --> 00:08:16.934 そこからの論理的帰結はこうです 00:08:16.958 --> 00:08:22.643 定義に従って 数十億人が利己的に行動すると 00:08:22.667 --> 00:08:26.684 不思議な変化が生じて 繁栄と公共の利益が もたらされるという命題は真である 00:08:26.708 --> 00:08:29.601 もし我々人間が 私利私欲を最大化する存在にすぎないなら 00:08:29.625 --> 00:08:33.207 利己主義は 繁栄の原動力であるはずです 00:08:34.125 --> 00:08:36.726 この経済学の論理の下では 00:08:36.750 --> 00:08:38.707 強欲さは良いものとされ 00:08:39.667 --> 00:08:42.018 不平等の拡大は効率的で 00:08:42.042 --> 00:08:44.393 企業の唯一の目的は 00:08:44.417 --> 00:08:46.893 株主を豊かにすることだとされます 00:08:46.917 --> 00:08:50.018 なぜなら さもなくば経済成長が減速し 00:08:50.042 --> 00:08:51.833 経済全体が 損なわれるからです 00:08:53.333 --> 00:08:56.726 この利己主義という教議が 00:08:56.750 --> 00:09:00.976 新自由主義経済学イデオロギーの 基礎であり 00:09:01.000 --> 00:09:04.643 この考えが生み出した経済政策は 00:09:04.667 --> 00:09:08.393 所得上位1%にいる 私の友人や私が 00:09:08.417 --> 00:09:12.375 過去40年間の経済成長の利益の ほぼ全てを独占することを可能にしました NOTE Paragraph 00:09:13.083 --> 00:09:14.934 しかし 00:09:14.958 --> 00:09:17.018 もしその代わりに 00:09:17.042 --> 00:09:20.684 真の科学である 最新の実証研究を受け入れ 00:09:20.708 --> 00:09:24.059 人間はたいへん協力的で 00:09:24.083 --> 00:09:28.559 互恵的で 生来は倫理的な生き物だとみなせば 00:09:28.583 --> 00:09:31.518 互恵的で 生来は倫理的な生き物だとみなせば 00:09:31.542 --> 00:09:34.184 論理的に導かれるのは 00:09:34.208 --> 00:09:36.726 利己主義ではなく協力が 00:09:36.750 --> 00:09:40.143 我々の繁栄の原動力であり 00:09:40.167 --> 00:09:42.518 我々の私利私欲ではなく 00:09:42.542 --> 00:09:45.167 むしろ生まれ持つ互恵性が 00:09:46.250 --> 00:09:49.083 人類の経済を生む スーパーパワーだということです NOTE Paragraph 00:09:49.833 --> 00:09:54.309 この新しい経済学の核心にある物語は 00:09:54.333 --> 00:09:59.101 我々が最良の自分でいることを 許容するものであり 00:09:59.125 --> 00:10:02.101 古い経済学とは違って 00:10:02.125 --> 00:10:04.851 善について語る物語であり 00:10:04.875 --> 00:10:07.708 真実を伝えているという 美徳を持ちます NOTE Paragraph 00:10:09.000 --> 00:10:10.893 さて 00:10:10.917 --> 00:10:12.481 この新しい経済学は 00:10:12.531 --> 00:10:15.768 私の個人的な空想や発明ではないことを 強調しておきます 00:10:15.792 --> 00:10:18.601 理論やモデルが 世界中の大学でいま研究され 00:10:18.625 --> 00:10:20.643 洗練されつつあります 00:10:20.667 --> 00:10:23.976 最先端の経済学研究や 00:10:24.000 --> 00:10:25.893 複雑性理論や進化理論 00:10:25.917 --> 00:10:29.018 心理学、人類学 その他の学問分野を基盤にしたものです 00:10:29.042 --> 00:10:33.851 この新しい経済学にはまだ その教科書も 00:10:33.875 --> 00:10:36.226 正式な名称すらもありませんが 00:10:36.250 --> 00:10:38.268 大雑把に言うと 00:10:38.292 --> 00:10:42.458 繁栄がどこから生じるかについて このように説明しています NOTE Paragraph 00:10:43.458 --> 00:10:48.018 市場資本主義は 進化するシステムであり 00:10:48.042 --> 00:10:50.476 イノベーション量の増加に従って 00:10:50.500 --> 00:10:52.059 消費者需要も増加するという 00:10:52.083 --> 00:10:57.018 ポジティブフィードバックループにより 繁栄が生まれます 00:10:57.042 --> 00:11:01.667 イノベーションは 人間の問題を 解決するプロセスであり 00:11:02.583 --> 00:11:05.893 消費者の需要は 市場が有用なイノベーションを 00:11:05.917 --> 00:11:08.309 選別していくメカニズムです 00:11:08.333 --> 00:11:11.559 そして問題を解決すればするほど 我々はますます繁栄します 00:11:11.583 --> 00:11:15.559 しかし繁栄に伴って 00:11:15.583 --> 00:11:17.393 我々の問題やその解決策は 00:11:17.417 --> 00:11:20.184 複雑さを増して行きます 00:11:20.208 --> 00:11:23.351 技術的に複雑になるにつれて 00:11:23.375 --> 00:11:27.893 現代経済を特徴づける 高度に特化した製品を生み出すために 00:11:27.917 --> 00:11:35.125 今まで以上に高度な社会的 経済的な協力が必要となります NOTE Paragraph 00:11:36.042 --> 00:11:40.726 古い経済学理論は もちろん正しいのです 00:11:40.750 --> 00:11:44.309 競争は市場において 重要な役割を担います 00:11:44.333 --> 00:11:46.434 しかし見落とされているのは 00:11:46.458 --> 00:11:51.143 競争するグループのそれぞれは 大いに協力的だということです 00:11:51.167 --> 00:11:55.934 企業間の競争 企業ネットワーク間の競争 00:11:55.958 --> 00:11:58.643 国家間の競争など― 00:11:58.667 --> 00:12:02.559 そして今までに 事業経営を成功させたことのある人は 00:12:02.583 --> 00:12:06.333 皆の才能を取り入れることで 協力的なチームを作ることが 00:12:07.792 --> 00:12:12.208 自己中的な輩を集めるよりも 常に優れた戦略だということを知っています NOTE Paragraph 00:12:13.417 --> 00:12:18.250 ではどうすれば 新自由主義を手放して 00:12:20.458 --> 00:12:23.917 より持続可能で 繁栄をもたらす 00:12:25.042 --> 00:12:28.018 公平な社会を 築けるのでしょう? 00:12:28.042 --> 00:12:31.542 新しい経済学は 5つの原則を提案します NOTE Paragraph 00:12:32.042 --> 00:12:38.583 まず成功した経済は ジャングルではなく庭園のようなものです 00:12:39.667 --> 00:12:43.351 つまり 市場は庭園のように 00:12:43.375 --> 00:12:46.167 世話する必要があるものです 00:12:47.208 --> 00:12:51.934 市場は人類の問題を解決する ソーシャル・テクノロジーであり 00:12:51.958 --> 00:12:53.434 歴史上最も偉大な発明です 00:12:53.458 --> 00:12:58.643 しかし社会規範や 民主主義的規制により制約されなければ 00:12:58.667 --> 00:13:02.018 解決する問題の件数よりも 多数の問題を生じることは不可避です 00:13:02.042 --> 00:13:03.309 気候変動や 00:13:03.333 --> 00:13:05.309 2008年の金融危機は 00:13:05.333 --> 00:13:07.042 その分かりやすい例です NOTE Paragraph 00:13:07.500 --> 00:13:10.976 2つめの原則は 00:13:11.000 --> 00:13:15.000 「包含(インクルージョン)」が 経済成長を生むということです 00:13:16.208 --> 00:13:18.768 ですから 包含が 00:13:18.792 --> 00:13:21.393 経済成長がある時にだけ 享受できる贅沢だという 00:13:21.417 --> 00:13:25.917 新自由主義経済的な考えは 間違いであると同時に退行的です 00:13:27.208 --> 00:13:29.667 経済とは人々そのものです 00:13:30.667 --> 00:13:32.938 より多くの人々を 様々な方法で参加させること 00:13:33.003 --> 00:13:36.792 それが市場経済において 経済成長の原動力となります NOTE Paragraph 00:13:37.875 --> 00:13:39.934 3つめの原則は 00:13:39.958 --> 00:13:46.143 企業の目的は単に株主利益の 最大化だけではないということです 00:13:46.167 --> 00:13:49.934 現代の経済生活における 最大のペテンは 00:13:49.958 --> 00:13:52.934 企業の唯一の目的 そして経営陣の唯一の責任は 00:13:52.958 --> 00:13:55.851 彼ら自身と株主たちの 利益を増やすという 00:13:55.875 --> 00:13:58.958 新自由主義的アイデアです 00:13:59.958 --> 00:14:05.393 新しい経済学が主張すべきこと そして主張できることは 00:14:05.417 --> 00:14:07.143 企業の目的は 00:14:07.167 --> 00:14:10.059 顧客や労働者、コミュニティ、株主という 00:14:10.083 --> 00:14:12.309 ステークホルダー全員の 00:14:12.333 --> 00:14:14.417 幸福を増進することだということ NOTE Paragraph 00:14:16.208 --> 00:14:18.226 4つめの原則 00:14:18.250 --> 00:14:20.702 それは強欲さは 良いものではないということです 00:14:22.583 --> 00:14:26.351 強欲さは資本家の資質なのではなく 00:14:26.375 --> 00:14:28.434 ソシオパス(社会病質者)の資質です NOTE Paragraph 00:14:28.458 --> 00:14:30.893 (笑) NOTE Paragraph 00:14:30.917 --> 00:14:35.018 (拍手) NOTE Paragraph 00:14:35.042 --> 00:14:40.226 そして我々が営む 大規模な協力の上に 成り立つ経済の仕組みにおいては 00:14:40.250 --> 00:14:44.375 ソシオパスは社会悪であると同様 ビジネスにおいても悪なのです NOTE Paragraph 00:14:45.375 --> 00:14:46.625 最後に5つめの原則です 00:14:48.250 --> 00:14:50.667 物理法則とは違い 00:14:51.833 --> 00:14:55.375 経済学法則は選択するものです 00:14:56.542 --> 00:14:58.226 新自由主義経済学理論は 00:14:58.250 --> 00:15:03.268 これまでそれが絶対的な 自然の摂理であると主張して来ました 00:15:03.292 --> 00:15:07.184 ところが実は疑似科学に 基づいて築かれた 社会規範や 00:15:07.208 --> 00:15:08.869 ナラティブに過ぎなかったのです 00:15:09.917 --> 00:15:13.434 もし我々が本当に より公平で 00:15:13.458 --> 00:15:16.976 繁栄し 持続維持可能な 経済を望むなら 00:15:17.000 --> 00:15:19.726 高度に機能する民主主義と 00:15:19.750 --> 00:15:21.976 市民社会を望むなら 00:15:22.000 --> 00:15:24.000 私たちには新しい経済学が必要です NOTE Paragraph 00:15:24.792 --> 00:15:26.768 良いニュースは 00:15:26.792 --> 00:15:28.851 もし新しい経済学が必要なら 00:15:28.875 --> 00:15:32.768 それを確立しようと決めれば良いだけです NOTE Paragraph 00:15:32.792 --> 00:15:34.059 ありがとうございました NOTE Paragraph 00:15:34.083 --> 00:15:39.042 (拍手) NOTE Paragraph 00:15:51.708 --> 00:15:54.875 (司会)ニック よく聞かれると思いますが 00:15:56.333 --> 00:15:59.434 もしそんなに経済システムに不満なら 00:15:59.458 --> 00:16:04.184 なぜ資産を寄付してしまって 残りの99%に加わらないんです? NOTE Paragraph 00:16:04.208 --> 00:16:06.976 (ハノーアー)ええ そうですね 00:16:07.000 --> 00:16:08.934 よく言われますよ 00:16:08.958 --> 00:16:11.684 「税が問題だと思うなら もっと税金を払えばいいはずだ 00:16:11.708 --> 00:16:14.601 そんなに賃金が問題だと思うなら あなたがもっと支払えば?」 00:16:14.625 --> 00:16:15.917 そうすることはできます 00:16:17.083 --> 00:16:18.561 問題は 00:16:18.561 --> 00:16:20.454 それではあまり物事を 変えられないんです 00:16:20.458 --> 00:16:22.018 私が見つけた戦略は 00:16:22.042 --> 00:16:24.976 それよりも何十万倍も 効果的なんです― NOTE Paragraph 00:16:25.000 --> 00:16:26.268 (司会)わかりました NOTE Paragraph 00:16:26.292 --> 00:16:29.851 (ハノーアー)私の資金を投じて ナラティブを築き法案を通して 00:16:29.875 --> 00:16:31.934 富める人々に税金を払ってもらい 00:16:31.958 --> 00:16:34.018 従業員たちにより良い賃金を支払ってもらうんです NOTE Paragraph 00:16:34.042 --> 00:16:35.851 (拍手) NOTE Paragraph 00:16:35.875 --> 00:16:37.226 例えば 00:16:37.250 --> 00:16:40.601 私たちが成功させた 15ドルへの最低賃金引き上げは 00:16:40.625 --> 00:16:42.601 これまで3千万人の労働者に 影響しました 00:16:42.625 --> 00:16:43.893 ですから より効果的なんですよ NOTE Paragraph 00:16:43.917 --> 00:16:45.184 (司会) 00:16:45.208 --> 00:16:47.851 気が変わった時は お金の寄付先を 見つけて差し上げますね NOTE Paragraph 00:16:47.875 --> 00:16:50.333 (ハノーアー)ありがとう (司会)ありがとうございました