WEBVTT 00:00:00.000 --> 00:00:03.000 最初にご紹介するロボットはSTriDERです 00:00:03.000 --> 00:00:05.000 「三脚動的自励式試作ロボット」 00:00:05.000 --> 00:00:07.000 という意味です 00:00:07.000 --> 00:00:09.000 3本脚のロボットで 00:00:09.000 --> 00:00:12.000 自然からヒントを得ました 00:00:12.000 --> 00:00:14.000 でも自然界に3本脚の生き物なんて 00:00:14.000 --> 00:00:16.000 いたでしょうか? 00:00:16.000 --> 00:00:18.000 たぶんいないでしょう 00:00:18.000 --> 00:00:20.000 ではなぜ? どんな風に動くのでしょう? 00:00:20.000 --> 00:00:23.000 それをご説明する前に ポップカルチャーにちょっと目を向けましょう 00:00:23.000 --> 00:00:26.000 H G ウェルズの「宇宙戦争」の小説と映画はご存じでしょう 00:00:26.000 --> 00:00:28.000 今映っているのは 00:00:28.000 --> 00:00:30.000 人気ゲームの一場面です 00:00:30.000 --> 00:00:33.000 この架空の物語の中では 地球を脅かす宇宙人が 00:00:33.000 --> 00:00:35.000 3本脚ロボットとして描かれています 00:00:35.000 --> 00:00:39.000 でも私のロボット STriDERはこんな風には動きません NOTE Paragraph 00:00:39.000 --> 00:00:42.000 これは動的シミュレーションの動画です 00:00:42.000 --> 00:00:44.000 ロボットがどんな風に動くかご覧ください 00:00:44.000 --> 00:00:47.000 ボディを180度反転させています 00:00:47.000 --> 00:00:50.000 1本の脚を 他の2本の脚の間に通し 倒れ込むのを支えます 00:00:50.000 --> 00:00:52.000 こんな風に歩くわけです 00:00:52.000 --> 00:00:54.000 人が二足歩行するときだって 00:00:54.000 --> 00:00:56.000 筋肉を使って脚を持ち上げて 00:00:56.000 --> 00:00:59.000 ロボットみたいに歩くわけではありません 00:00:59.000 --> 00:01:02.000 実際には 脚を振って 倒れるのを支え 立ち上がり 00:01:02.000 --> 00:01:05.000 脚を振って 倒れるのを支え…という具合にやっています 00:01:05.000 --> 00:01:08.000 体自体の重みや物理的な特性を ちょうど振り子のように 00:01:08.000 --> 00:01:10.000 利用しているのです 00:01:10.000 --> 00:01:14.000 私たちはこれを受動動的移動と呼んでいます 00:01:14.000 --> 00:01:16.000 私たちが歩くときも同じです 00:01:16.000 --> 00:01:18.000 位置エネルギーから 運動エネルギーへ 00:01:18.000 --> 00:01:20.000 位置エネルギーから 運動エネルギーへ 00:01:20.000 --> 00:01:22.000 繰り返し落下するプロセスです 00:01:22.000 --> 00:01:25.000 だから自然界にこんな生き物はいないにしても 00:01:25.000 --> 00:01:27.000 実際に生物からヒントを得て 00:01:27.000 --> 00:01:29.000 生物が歩く原理を応用しているのです 00:01:29.000 --> 00:01:32.000 だから生物をヒントにして作ったロボットというわけです NOTE Paragraph 00:01:32.000 --> 00:01:34.000 これは私たちが次にやりたいと思っていることです 00:01:34.000 --> 00:01:38.000 脚を畳んで遠くへ打ち出します 00:01:38.000 --> 00:01:41.000 それから脚を出します スターウォーズみたいですね 00:01:41.000 --> 00:01:44.000 着地時はショックを吸収し 歩き出します 00:01:44.000 --> 00:01:47.000 この黄色いのは殺人光線じゃありませんよ 00:01:47.000 --> 00:01:49.000 単にカメラか他の種類の 00:01:49.000 --> 00:01:51.000 センサーを表しています 00:01:51.000 --> 00:01:53.000 高さが1.8メートルあるので 00:01:53.000 --> 00:01:56.000 藪のような障害物があっても見渡すことができます NOTE Paragraph 00:01:56.000 --> 00:01:58.000 プロトタイプを2つ作りました 00:01:58.000 --> 00:02:01.000 最初に作ったのが 後ろにあるSTriDER Iで 00:02:01.000 --> 00:02:03.000 手前にある小さいのがSTriDER IIです 00:02:03.000 --> 00:02:05.000 STriDER Iの問題は重すぎることです 00:02:05.000 --> 00:02:08.000 関節の調整などに使うモーターが 00:02:08.000 --> 00:02:10.000 たくさん入っていたためです 00:02:10.000 --> 00:02:14.000 それで機械的な機構を統合し 00:02:14.000 --> 00:02:17.000 1つのモーターですべての動作を 00:02:17.000 --> 00:02:19.000 制御できるようにしました 00:02:19.000 --> 00:02:22.000 メカトロニクスを使わずに機械的なもので問題を解決したのです 00:02:22.000 --> 00:02:25.000 新しい方は本体が軽いのでラボの中でも動かせます 00:02:25.000 --> 00:02:28.000 成功した第一歩でした 00:02:28.000 --> 00:02:30.000 まだまだ完璧ではありませんので 00:02:30.000 --> 00:02:33.000 やるべきことは たくさんあります NOTE Paragraph 00:02:33.000 --> 00:02:36.000 次のロボットはIMPASSです 00:02:36.000 --> 00:02:40.000 「作動スポークシステムによる知的移動プラットフォーム」の略です 00:02:40.000 --> 00:02:43.000 車輪と脚のハイブリッドになっています 00:02:43.000 --> 00:02:45.000 リムのない車輪 あるいは 00:02:45.000 --> 00:02:47.000 スポークでできた車輪だと考えてください 00:02:47.000 --> 00:02:50.000 スポークが個々に動いて ハブを出入りします 00:02:50.000 --> 00:02:52.000 車輪と脚の組み合わせです 00:02:52.000 --> 00:02:54.000 文字通り「車輪を再発明」したわけです 00:02:54.000 --> 00:02:57.000 動いているところをお見せしましょう 00:02:57.000 --> 00:02:59.000 この映像では反応的アプローチを 00:02:59.000 --> 00:03:01.000 取っています 00:03:01.000 --> 00:03:04.000 足の触覚センサーを使って 00:03:04.000 --> 00:03:06.000 押すとへこむ柔らかい 00:03:06.000 --> 00:03:09.000 変化する地形の上を歩いています 00:03:09.000 --> 00:03:11.000 触覚センサーの情報をたよりに 00:03:11.000 --> 00:03:14.000 うまく柔らかい地形を移動しています NOTE Paragraph 00:03:14.000 --> 00:03:18.000 大きな地形の変化に出会ったときはどうするのか? 00:03:18.000 --> 00:03:21.000 ここではロボットの高さの3倍以上ある 00:03:21.000 --> 00:03:23.000 障害物にぶつかっています 00:03:23.000 --> 00:03:25.000 すると計画的動作モードに切り替えます 00:03:25.000 --> 00:03:27.000 レーザー式の距離計や 00:03:27.000 --> 00:03:29.000 カメラを使って障害物の大きさを識別し 00:03:29.000 --> 00:03:32.000 スポークをどう動かすか注意深く計画し 00:03:32.000 --> 00:03:34.000 調整することによって このように 00:03:34.000 --> 00:03:36.000 とても優れた機動性を発揮します 00:03:36.000 --> 00:03:38.000 こんなものをご覧になったのはきっと初めてでしょう 00:03:38.000 --> 00:03:41.000 私たちが開発した 00:03:41.000 --> 00:03:44.000 超高機動性ロボットIMPASSです 00:03:44.000 --> 00:03:46.000 ほら! すごいでしょう? NOTE Paragraph 00:03:46.000 --> 00:03:49.000 自動車の運転では 00:03:49.000 --> 00:03:51.000 アッカーマン ステアリングと 00:03:51.000 --> 00:03:53.000 呼ばれる方法が使われます 00:03:53.000 --> 00:03:55.000 前輪がこの様に曲がります 00:03:55.000 --> 00:03:58.000 小さな車輪を持つロボットでは 多くの場合 00:03:58.000 --> 00:04:00.000 差動ステアリングを使います 00:04:00.000 --> 00:04:03.000 左の車輪と右の車輪を逆向きに回転させるのです 00:04:03.000 --> 00:04:06.000 IMPASSの場合 様々な異なるタイプの動きをさせることができます 00:04:06.000 --> 00:04:09.000 例えば 左右の車輪が1つの車軸でつながり 角速度が同じであっても 00:04:09.000 --> 00:04:11.000 曲がらせることができます 00:04:11.000 --> 00:04:14.000 スポークの長さを変えてやれば良いのです 00:04:14.000 --> 00:04:16.000 すると直径が変わって 左右に曲がります 00:04:16.000 --> 00:04:18.000 これはIMPASSにできる面白いことの 00:04:18.000 --> 00:04:21.000 ほんの一例です NOTE Paragraph 00:04:21.000 --> 00:04:23.000 次のロボットはCLIMBeR 00:04:23.000 --> 00:04:26.000 「ケーブル支持式有足知的適合動作ロボット」です 00:04:26.000 --> 00:04:29.000 私はNASAのJPLの科学者たちとよく話をします 00:04:29.000 --> 00:04:31.000 マーズローバーが有名ですね 00:04:31.000 --> 00:04:33.000 地質学者がいつも言っているのは 00:04:33.000 --> 00:04:36.000 科学的に本当に興味深い場所というのは 00:04:36.000 --> 00:04:39.000 いつも崖のようなところにあるということです 00:04:39.000 --> 00:04:41.000 現在のローバーでは行くことができません 00:04:41.000 --> 00:04:43.000 それで私たちは ごつごつした崖を 00:04:43.000 --> 00:04:46.000 よじ登れるロボットを作りたいと思いました NOTE Paragraph 00:04:46.000 --> 00:04:48.000 それがこのCLIMBeRです 00:04:48.000 --> 00:04:50.000 3本脚で 見えにくいですが 00:04:50.000 --> 00:04:53.000 上にウィンチとケーブルがついています 00:04:53.000 --> 00:04:55.000 そして最適な足の置き場を見つけ 00:04:55.000 --> 00:04:57.000 力の分散のさせ方を 00:04:57.000 --> 00:05:00.000 リアルタイムで計算します 00:05:00.000 --> 00:05:03.000 表面にどれだけの力をかければ 00:05:03.000 --> 00:05:05.000 滑ったり転んだりしないか? 00:05:05.000 --> 00:05:07.000 安定したら 足を持ち上げ 00:05:07.000 --> 00:05:11.000 ウィンチを使って這い上がります 00:05:11.000 --> 00:05:13.000 捜索や救助のような用途にも使えるでしょう NOTE Paragraph 00:05:13.000 --> 00:05:15.000 5年前に私はNASAのJPLで 00:05:15.000 --> 00:05:17.000 ひと夏の間 研究スタッフとして働きました 00:05:17.000 --> 00:05:21.000 その時すでにLEMURという6本脚ロボットが開発されていて 00:05:21.000 --> 00:05:24.000 これはそれをベースにした MARSです 00:05:24.000 --> 00:05:27.000 「多肢ロボットシステム」 六本脚を持つロボットです 00:05:27.000 --> 00:05:29.000 適応型の歩行プランナーを開発しました 00:05:29.000 --> 00:05:31.000 面白い荷物を積んでいますね 00:05:31.000 --> 00:05:33.000 学生たちは楽しいことをやりたがります 00:05:33.000 --> 00:05:36.000 凹凸のある地形を越えています 00:05:36.000 --> 00:05:38.000 こちらは粗い砂地の上を 00:05:38.000 --> 00:05:40.000 歩いているところです 00:05:40.000 --> 00:05:45.000 湿り具合とか砂粒の大きさによって 00:05:45.000 --> 00:05:47.000 脚の沈み加減のモデルを変更します 00:05:47.000 --> 00:05:51.000 足運びを環境に適応させることで このような地形をうまく渡ることができます 00:05:51.000 --> 00:05:53.000 すごく面白いものをご覧に入れましょう 00:05:53.000 --> 00:05:56.000 ラボを見学しに来る人はたくさんいるのですが 00:05:56.000 --> 00:05:58.000 お客様が来るとMARSはコンピュータの前に歩み寄り 00:05:58.000 --> 00:06:00.000 タイプし始めるのです 00:06:00.000 --> 00:06:02.000 「こんにちは 私はMARSです 00:06:02.000 --> 00:06:06.000 バージニア工科大学ロボティクスラボRoMeLaへようこそ」 NOTE Paragraph 00:06:06.000 --> 00:06:08.000 これはアメーバロボットです 00:06:08.000 --> 00:06:11.000 技術的な詳細をご説明している時間はないのですが 00:06:11.000 --> 00:06:13.000 いくつか実験の様子をお見せしましょう 00:06:13.000 --> 00:06:15.000 実現可能性を検討している段階です 00:06:15.000 --> 00:06:19.000 弾性のある表面に位置エネルギーを蓄えて移動したり 00:06:19.000 --> 00:06:21.000 あるいは弾性コードを使って前後に動きます 00:06:21.000 --> 00:06:24.000 こちらはChIMERAで 00:06:24.000 --> 00:06:26.000 ペンシルバニア大の人たちと 00:06:26.000 --> 00:06:28.000 協力して作っている 00:06:28.000 --> 00:06:30.000 化学物質に反応する 00:06:30.000 --> 00:06:32.000 アメーバロボットです 00:06:32.000 --> 00:06:34.000 あるところにあることをすると 00:06:34.000 --> 00:06:40.000 魔法のように動き出します 変な生き物みたいですね NOTE Paragraph 00:06:40.000 --> 00:06:42.000 お次は新しいロボットのRAPHaELです 00:06:42.000 --> 00:06:45.000 「弾性靱帯を持つ空気式ロボットハンド」です 00:06:45.000 --> 00:06:49.000 商用で非常に良いロボティクスハンドはたくさんありますが 00:06:49.000 --> 00:06:53.000 それらの問題は値段が高すぎるということです 何万ドルもします 00:06:53.000 --> 00:06:55.000 だから義肢という用途で使うのは 00:06:55.000 --> 00:06:57.000 あまり現実的ではありません 00:06:57.000 --> 00:07:01.000 私たちはこの問題に別な方向から取り組みたいと思いました 00:07:01.000 --> 00:07:04.000 電気モーターや電気機械アクチュエーターを使うのではなく 00:07:04.000 --> 00:07:06.000 圧搾空気を使っています 00:07:06.000 --> 00:07:08.000 関節のための新しいアクチュエーターを開発しました 00:07:08.000 --> 00:07:11.000 柔軟にできていて 空気圧を変えるだけで 00:07:11.000 --> 00:07:13.000 力加減を簡単に変えられます 00:07:13.000 --> 00:07:15.000 ジュースの空き缶を潰すことができますが 00:07:15.000 --> 00:07:18.000 生卵や電球のような壊れやすいものを 00:07:18.000 --> 00:07:21.000 掴むこともできます 00:07:21.000 --> 00:07:25.000 一番いいのは 最初のプロトタイプ作成に200ドルしか かからなかったことです NOTE Paragraph 00:07:25.000 --> 00:07:28.000 次はヘビ型ロボットのシリーズで 00:07:28.000 --> 00:07:30.000 HyDRASという名前です 00:07:30.000 --> 00:07:32.000 「超高自由度ヘビ型連節ロボット」です 00:07:32.000 --> 00:07:35.000 このような地形を よじ登ることができます 00:07:35.000 --> 00:07:37.000 こちらはHyDRASの腕です 00:07:37.000 --> 00:07:39.000 12の自由度のあるロボットアームです 00:07:39.000 --> 00:07:41.000 いかしているのはユーザインタフェースの部分です 00:07:41.000 --> 00:07:44.000 あのケーブルは光ファイバーです 00:07:44.000 --> 00:07:46.000 この学生は たぶん初めて使うのですが 00:07:46.000 --> 00:07:48.000 関節を様々に動かすことができます 00:07:48.000 --> 00:07:51.000 たとえばイラクなんかの交戦地帯では 00:07:51.000 --> 00:07:53.000 道端に爆弾があります 00:07:53.000 --> 00:07:56.000 現在はリモコン式の武装車両を送り込んでいますが 00:07:56.000 --> 00:07:58.000 すごく時間がかかり 00:07:58.000 --> 00:08:02.000 複雑な腕を操作できるようオペレータを訓練するのも高く付きます 00:08:02.000 --> 00:08:04.000 このロボットなら直感的に操作できます 00:08:04.000 --> 00:08:08.000 この学生も恐らく初めて使っているのですが モノを拾い上げて操作する 00:08:08.000 --> 00:08:10.000 とても複雑なタスクをうまくこなしています 00:08:10.000 --> 00:08:13.000 このようにとても直感的なんです NOTE Paragraph 00:08:15.000 --> 00:08:17.000 次のロボットは 現在の我々のスターです 00:08:17.000 --> 00:08:20.000 このDARwInには実際ファンクラブがあります 00:08:20.000 --> 00:08:23.000 「ダイナミック人型知的ロボット」です 00:08:23.000 --> 00:08:25.000 私たちはヒューマノイド つまり 00:08:25.000 --> 00:08:27.000 人型の歩くロボットにとても関心があります 00:08:27.000 --> 00:08:29.000 それで小型のものを作ってみることにしました 00:08:29.000 --> 00:08:31.000 2004年当時には 00:08:31.000 --> 00:08:33.000 とても革新的なことで 00:08:33.000 --> 00:08:35.000 実現可能性を探る研究でした 00:08:35.000 --> 00:08:37.000 どんな種類のモーターを使うべきか? 00:08:37.000 --> 00:08:39.000 そもそも可能なのか? どのような制御が必要になるか? 00:08:39.000 --> 00:08:41.000 これにはまだセンサーがついていません 00:08:41.000 --> 00:08:43.000 開ループ制御です 00:08:43.000 --> 00:08:45.000 皆さんはきっとご存じですね 00:08:45.000 --> 00:08:47.000 センサーなしでバランスを崩したら… 00:08:50.000 --> 00:08:51.000 (笑) NOTE Paragraph 00:08:51.000 --> 00:08:53.000 この成功をベースとして 次の年には 00:08:53.000 --> 00:08:56.000 運動学に基づいてちゃんとした 00:08:56.000 --> 00:08:58.000 機械設計を行い 00:08:58.000 --> 00:09:00.000 2005年にDARwIn I が誕生しました 00:09:00.000 --> 00:09:02.000 立ち上がり 歩きます 00:09:02.000 --> 00:09:04.000 しかしまだコードが繋がっています 00:09:04.000 --> 00:09:08.000 外部の電源と 外部での計算処理に 00:09:08.000 --> 00:09:10.000 まだ頼っていました NOTE Paragraph 00:09:10.000 --> 00:09:14.000 2006年に本当に面白いものになりました 00:09:14.000 --> 00:09:17.000 知性を持たせたのです 必要な計算能力を与えました 00:09:17.000 --> 00:09:19.000 1.5GHzのPentium M 00:09:19.000 --> 00:09:21.000 2つのFireWireカメラ 8つのジャイロ 加速度計 00:09:21.000 --> 00:09:24.000 足には4つのトルクセンサー リチウム電池 00:09:24.000 --> 00:09:28.000 DARwIn II は完全に自律的です 00:09:28.000 --> 00:09:30.000 遠隔操作はしていません 00:09:30.000 --> 00:09:33.000 ケーブルもついていません 周りを見回し ボールを探し 00:09:33.000 --> 00:09:36.000 周りを見回し ボールを探し 自律的な人工知能によって 00:09:36.000 --> 00:09:39.000 サッカーをプレーします 00:09:39.000 --> 00:09:42.000 見てみましょう この時はまさに私たちの最初の試行でした 00:09:42.000 --> 00:09:47.000 ゴーーール!! NOTE Paragraph 00:09:48.000 --> 00:09:51.000 RoboCupという大会があります 00:09:51.000 --> 00:09:53.000 ご存じの方がどれくらいいるかわかりませんが 00:09:53.000 --> 00:09:58.000 国際的な自律ロボットによるサッカー競技会です 00:09:58.000 --> 00:10:01.000 RoboCupの目標は 2050年までに 00:10:01.000 --> 00:10:03.000 等身大の 00:10:03.000 --> 00:10:06.000 自律ヒューマノイド型ロボットで 00:10:06.000 --> 00:10:10.000 人間のワールドカップ優勝チームと試合をして 00:10:10.000 --> 00:10:12.000 勝つことです 00:10:12.000 --> 00:10:14.000 それが真の目標です 野心的な目標ですが 00:10:14.000 --> 00:10:16.000 私たちはやれると信じています NOTE Paragraph 00:10:16.000 --> 00:10:19.000 2008年は中国で行われました 00:10:19.000 --> 00:10:21.000 この競技会にアメリカから参加したのは 00:10:21.000 --> 00:10:23.000 私たちが最初でした 00:10:23.000 --> 00:10:26.000 今年2009年はオーストラリアで行われました 00:10:26.000 --> 00:10:28.000 3対3で全く自律的に 00:10:28.000 --> 00:10:30.000 試合を行います 00:10:30.000 --> 00:10:32.000 そら入った! 00:10:33.000 --> 00:10:35.000 ロボット同士で 00:10:35.000 --> 00:10:38.000 チームプレーを競うのです 00:10:38.000 --> 00:10:40.000 とても見応えのある エキサイティングな 00:10:40.000 --> 00:10:44.000 競技イベントの形を取った研究イベントです 00:10:44.000 --> 00:10:46.000 これは美しいルイ ヴィトンカップの 00:10:46.000 --> 00:10:48.000 トロフィーです 00:10:48.000 --> 00:10:50.000 最高のヒューマノイドに与えられる賞です 00:10:50.000 --> 00:10:52.000 来年には是非 このトロフィーを初めて 00:10:52.000 --> 00:10:54.000 アメリカに持ち帰るチームに 00:10:54.000 --> 00:10:56.000 なりたいと思っています 00:10:56.000 --> 00:10:59.000 (拍手) NOTE Paragraph 00:10:59.000 --> 00:11:01.000 DARwInは他にもたくさんの才能があります 00:11:01.000 --> 00:11:04.000 去年はホリデーコンサートで 00:11:04.000 --> 00:11:07.000 ロアノーク交響楽団の指揮をしました 00:11:07.000 --> 00:11:10.000 これは次世代のロボットDARwIn IV です 00:11:10.000 --> 00:11:13.000 より賢く より速く より強くなっています 00:11:13.000 --> 00:11:15.000 その能力を披露しようとしています 00:11:15.000 --> 00:11:18.000 「俺はマッチョだ 俺は強いんだ」 00:11:18.000 --> 00:11:21.000 ジャッキー チェンみたいな 00:11:21.000 --> 00:11:24.000 カンフーアクションだってできます 00:11:24.000 --> 00:11:26.000 (笑) 00:11:26.000 --> 00:11:28.000 そして歩き去ります これがDARwIn IV です 00:11:28.000 --> 00:11:30.000 ロビーでご覧いただけます 00:11:30.000 --> 00:11:32.000 これをアメリカ初の 00:11:32.000 --> 00:11:35.000 走れるロボットにしたいと思っていますので ご期待ください NOTE Paragraph 00:11:35.000 --> 00:11:38.000 私たちのエキサイティングなロボットの動作をご覧頂きました 00:11:38.000 --> 00:11:41.000 では私たちの成功の秘密は何でしょう? 00:11:41.000 --> 00:11:43.000 どうやって考え出しているのか? 00:11:43.000 --> 00:11:45.000 どうやってアイデアを発展させているのか? 00:11:45.000 --> 00:11:47.000 私たちは都市域を完全自動走行する 00:11:47.000 --> 00:11:49.000 自動車を作り DARPAアーバンチャレンジで 00:11:49.000 --> 00:11:51.000 50万ドルの賞金を獲得しました 00:11:51.000 --> 00:11:53.000 私たちはまた 視覚障害者が運転できる 00:11:53.000 --> 00:11:55.000 世界最初の車も作りました 00:11:55.000 --> 00:11:57.000 これは視覚障害ドライバーチャレンジと呼んでいます 00:11:57.000 --> 00:12:01.000 まだまだお話ししたいエキサイティングなロボティクスプロジェクトがたくさんあります 00:12:01.000 --> 00:12:03.000 これは私たちが2007年秋に 00:12:03.000 --> 00:12:06.000 ロボティクス関係のコンペで受賞したものです NOTE Paragraph 00:12:06.000 --> 00:12:08.000 秘密は5つあります 00:12:08.000 --> 00:12:10.000 まずどこからインスピレーションを得るか 00:12:10.000 --> 00:12:12.000 イマジネーションの閃きをどうやって得ているかです 00:12:12.000 --> 00:12:15.000 これは本当のことで 私自身の話です 00:12:15.000 --> 00:12:17.000 夜眠るとき 明け方の3時か4時頃ですが 00:12:17.000 --> 00:12:20.000 横になって目を閉じると 線や円や 00:12:20.000 --> 00:12:22.000 いろいろな形が浮遊して 00:12:22.000 --> 00:12:25.000 組み合わさり ある種のメカを形作ります 00:12:25.000 --> 00:12:27.000 そうすると私は 「ああ これはいいな」と思い 00:12:27.000 --> 00:12:29.000 ベッドの脇に置いてあるノートと 00:12:29.000 --> 00:12:32.000 特別なLEDライト付きペンを取り出します 00:12:32.000 --> 00:12:34.000 明かりを点けて妻を起こしたくはないので NOTE Paragraph 00:12:34.000 --> 00:12:36.000 思いついたことをすべて書き 絵を描いて 00:12:36.000 --> 00:12:38.000 それから眠りにつきます 00:12:38.000 --> 00:12:40.000 毎朝一番にやるのは 00:12:40.000 --> 00:12:42.000 一杯のコーヒーよりも 歯磨きよりも先にするのは 00:12:42.000 --> 00:12:44.000 そのノートを開いて見ることです 00:12:44.000 --> 00:12:46.000 多くの場合何も書かれていません 00:12:46.000 --> 00:12:48.000 時々何か書かれていますが 00:12:48.000 --> 00:12:51.000 大抵 自分でも何が書いてあるのかわかりません 00:12:51.000 --> 00:12:54.000 朝の4時に寝ぼけて書いたのですから無理もありません 00:12:54.000 --> 00:12:56.000 解読する必要があります 00:12:56.000 --> 00:12:59.000 でも時々そこに すごいアイデアが書かれていることがあります 00:12:59.000 --> 00:13:01.000 「見つけた!」という瞬間です 00:13:01.000 --> 00:13:03.000 すぐに書斎に走り コンピュータの前に座って 00:13:03.000 --> 00:13:05.000 アイデアを打ち込み スケッチを描き 00:13:05.000 --> 00:13:08.000 そうやってアイデアのデータベースに保存します 00:13:08.000 --> 00:13:10.000 そして公募があると 00:13:10.000 --> 00:13:12.000 要件に合う可能性のあるアイデアを 00:13:12.000 --> 00:13:14.000 その中から探します 00:13:14.000 --> 00:13:16.000 ピッタリのものがあれば 研究企画書を書いて 00:13:16.000 --> 00:13:20.000 研究資金を獲得します 私たちの研究プログラムはそうやって始まります NOTE Paragraph 00:13:20.000 --> 00:13:23.000 しかしイマジネーションの閃きだけでは十分ではありません 00:13:23.000 --> 00:13:25.000 そのようなアイデアをどうやって発展させるのか? 00:13:25.000 --> 00:13:28.000 私たちのラボRoMeLaでは 素晴らしい 00:13:28.000 --> 00:13:31.000 ブレインストーミングセッションをやっています 00:13:31.000 --> 00:13:33.000 みんな集まって 課題や 00:13:33.000 --> 00:13:35.000 社会的問題について議論し 話し合います 00:13:35.000 --> 00:13:38.000 始める前にルールを確認します 00:13:38.000 --> 00:13:40.000 そのルールとは 00:13:40.000 --> 00:13:43.000 「誰のアイデアも批判しない 00:13:43.000 --> 00:13:45.000 どんな意見も批判しないこと」です 00:13:45.000 --> 00:13:47.000 これはとても重要で 学生は 00:13:47.000 --> 00:13:50.000 自分の意見や考えを他の人がどう思うか不安になったり 00:13:50.000 --> 00:13:52.000 怖れたりするものだからです NOTE Paragraph 00:13:52.000 --> 00:13:54.000 このルールを徹底するだけで 学生たちは 00:13:54.000 --> 00:13:56.000 驚くほど自由にアイデアを出せるようになります 00:13:56.000 --> 00:13:59.000 彼らはすごいクールでクレージーな素晴らしいアイデアを持っています 00:13:59.000 --> 00:14:02.000 部屋全体に創造的なエネルギーが充満しているかのようです 00:14:02.000 --> 00:14:05.000 そうやってアイデアを発展させるのです NOTE Paragraph 00:14:05.000 --> 00:14:08.000 もう時間がありませんが もう1つお話ししておきたいのは 00:14:08.000 --> 00:14:12.000 アイデアを閃めかせ 展開させるだけでは十分でないということです 00:14:12.000 --> 00:14:14.000 TEDで素晴らしい講演がありました 00:14:14.000 --> 00:14:17.000 ケン ロビンソン卿です 00:14:17.000 --> 00:14:19.000 彼は教育や学校がいかに 00:14:19.000 --> 00:14:21.000 創造力を殺しているかという話をしました 00:14:21.000 --> 00:14:24.000 これには実際2つの面があります 00:14:24.000 --> 00:14:27.000 独創的なアイデアと 創造力と 00:14:27.000 --> 00:14:29.000 工学的直感だけでは 00:14:29.000 --> 00:14:32.000 できることが限られています 00:14:32.000 --> 00:14:34.000 ただの工作以上のことをやり 00:14:34.000 --> 00:14:36.000 趣味のロボットを越え 00:14:36.000 --> 00:14:39.000 しっかりした研究に基づいて本当に大きなロボティクスの 00:14:39.000 --> 00:14:41.000 課題に取り組もうと思ったら 00:14:41.000 --> 00:14:44.000 他にも必要になるものがあります そこが学校の生きてくる部分です NOTE Paragraph 00:14:44.000 --> 00:14:47.000 悪者たちと戦うバットマンは 00:14:47.000 --> 00:14:49.000 ユーティリティーベルトや 引っ掛けフックや 00:14:49.000 --> 00:14:51.000 さまざまな小道具を持っています 00:14:51.000 --> 00:14:53.000 私たちロボティクス研究者 エンジニア 00:14:53.000 --> 00:14:58.000 サイエンティストにとって そのツールに当たるのが大学の授業や教程なのです 00:14:58.000 --> 00:15:00.000 数学 微分方程式 00:15:00.000 --> 00:15:02.000 線形代数 科学 物理 00:15:02.000 --> 00:15:05.000 最近では化学や生物学まで活用しています 00:15:05.000 --> 00:15:07.000 これらは私たちが必要とするツールなのです 00:15:07.000 --> 00:15:09.000 ツールがたくさんあるほど バットマンは 00:15:09.000 --> 00:15:11.000 悪者相手に効果的に戦うことができます 00:15:11.000 --> 00:15:15.000 私たちには 大きな問題に取り組むための足がかりが増えます 00:15:15.000 --> 00:15:18.000 教育というのはとても重要なのです NOTE Paragraph 00:15:18.000 --> 00:15:20.000 またそれだけでなく 00:15:20.000 --> 00:15:22.000 本当に熱心に 働く必要があります 00:15:22.000 --> 00:15:24.000 私は学生にいつも言っています 00:15:24.000 --> 00:15:26.000 「賢く働き そして熱心に働くこと」 00:15:26.000 --> 00:15:29.000 後ろに出ている写真は午前3時のラボの様子です 00:15:29.000 --> 00:15:31.000 私たちのラボに午前3時とか4時に来ていただけば 00:15:31.000 --> 00:15:33.000 きっと学生たちがまだ働いているでしょう 00:15:33.000 --> 00:15:36.000 私がしろと言ったからではありません みんなすごく楽しいからやっているんです 00:15:36.000 --> 00:15:38.000 これが最後の点に繋がります 00:15:38.000 --> 00:15:40.000 「楽しみを忘れないこと」 00:15:40.000 --> 00:15:43.000 これこそ私たちの成功の一番の秘密です みんな本当に楽しんでやっています 00:15:43.000 --> 00:15:46.000 最高の生産性は楽しんでいるときにこそ得られるのです 00:15:46.000 --> 00:15:48.000 それが私たちのしていることです 00:15:48.000 --> 00:15:50.000 以上です どうもありがとうございました 00:15:50.000 --> 00:15:55.000 (拍手)