WEBVTT 00:00:00.554 --> 00:00:02.785 今日ここで 私の人生の歩みや 00:00:02.785 --> 00:00:04.871 車椅子と― 00:00:04.871 --> 00:00:06.605 それが もたらした自由について 00:00:06.605 --> 00:00:09.245 お話できることを 嬉しく思います NOTE Paragraph 00:00:09.245 --> 00:00:11.882 私が車椅子を使い始めたのは 今から16年前 00:00:11.882 --> 00:00:14.016 病の進行によって 00:00:14.016 --> 00:00:17.602 外界との繋がり方が 変わってしまった時です 00:00:17.602 --> 00:00:19.979 車椅子を使い始めたことで 00:00:19.979 --> 00:00:22.564 圧倒的な自由を得ました 00:00:22.564 --> 00:00:25.650 それまでの生活が消え去り 制限されてしまった中 00:00:25.650 --> 00:00:28.220 車椅子はまさに 新しい 特別な おもちゃになりました 00:00:28.220 --> 00:00:32.250 ブンブン走り回って 再び風を感じることができました 00:00:32.250 --> 00:00:35.758 ただ屋外にいるだけで 爽快でした NOTE Paragraph 00:00:35.758 --> 00:00:40.160 でも 私が新たな喜びと 自由を手にした一方で― 00:00:40.160 --> 00:00:43.712 周囲の人々の反応は 完全に変わってしまいました 00:00:43.712 --> 00:00:46.192 もはや彼らの目には 私は映らないかのように 00:00:46.192 --> 00:00:50.191 透明なマントで 覆われてしまったかのように 00:00:50.191 --> 00:00:53.412 人々は 車椅子の生活がどんなものか 00:00:53.412 --> 00:00:57.640 勝手な想像を巡らせているようでした 00:00:57.640 --> 00:01:02.552 「車椅子」と聞いて 何を連想するか 聞いたところ 00:01:02.552 --> 00:01:06.106 返ってきたのは「限界」「不安」 00:01:06.106 --> 00:01:09.131 「哀れ」そして「制限」といった言葉でした 00:01:09.131 --> 00:01:13.900 そうした人々の反応は 私自身の内面に定着し 00:01:13.900 --> 00:01:17.437 自分が誰なのか 根本のレベルで 変えてしまいました 00:01:17.437 --> 00:01:21.627 自分の中の何かが 遊離されていきました 00:01:21.627 --> 00:01:25.212 私は自分という存在を― 00:01:25.212 --> 00:01:29.374 自らの視点ではなく 他人の反応を通じて 00:01:29.374 --> 00:01:32.271 絶えず そして鮮明に 見続けたのです NOTE Paragraph 00:01:32.271 --> 00:01:37.396 そこで私は 自身の経験を自ら語って アイデンティティーを 00:01:37.396 --> 00:01:39.635 取り戻す必要がありました 00:01:39.635 --> 00:01:42.411 "自由を見つけるとは” 自ら創作することで 私たちは 人生という物語を 作家のように 真剣に紡ぐようになる （デービス 2009年 TEDx Women） NOTE Paragraph 00:01:42.411 --> 00:01:45.515 "自由を見つけるとは” 自ら創作することで 私たちは 人生という物語を 作家のように 真剣に紡ぐようになる （デービス 2009年 TEDx Women） NOTE Paragraph 00:01:45.515 --> 00:01:47.593 私は 創作活動を始めました 00:01:47.593 --> 00:01:50.409 車椅子を使う楽しさや 00:01:50.409 --> 00:01:55.527 自由な感覚を伝えることで― 00:01:55.527 --> 00:02:00.141 電動車椅子ですが 世の中と 向き合いたいと思いました 00:02:00.141 --> 00:02:06.726 車椅子を使い始めた時以来 私の内面に定着し 00:02:06.726 --> 00:02:10.521 アイデンティティーを形成してきた 先入観を変えるために 00:02:10.521 --> 00:02:13.702 これまでの概念を超えた 00:02:13.702 --> 00:02:17.466 イメージを作ろうとしたのです 00:02:17.466 --> 00:02:23.687 車椅子は 色を塗って遊ぶための オブジェとなりました 00:02:23.687 --> 00:02:25.728 そして文字通り 喜びや自由の 00:02:25.728 --> 00:02:29.294 軌跡を残し始めると 00:02:29.294 --> 00:02:31.242 人々が興味や驚きを示しました 00:02:31.242 --> 00:02:35.744 それに刺激を受けました 00:02:35.744 --> 00:02:38.633 まるで新たな視野が開かれ 00:02:38.633 --> 00:02:41.528 パラダイムシフトが起きたかのようでした 00:02:41.528 --> 00:02:43.602 芸術の具現化によって 00:02:43.602 --> 00:02:45.945 自己のアイデンティティーを再構築し 00:02:45.945 --> 00:02:50.729 既成概念を見直すことで 先入観を変えることを示したのです NOTE Paragraph 00:02:50.729 --> 00:02:54.642 そして 2005年に スキューバダイビングを始めると 00:02:54.642 --> 00:02:58.168 車椅子と同様に ダイビングの道具によって 00:02:58.168 --> 00:03:00.827 行動範囲を広げられることが 分かったんです 00:03:00.827 --> 00:03:03.419 でも ダイビングの道具から 連想されるのは 00:03:03.419 --> 00:03:06.019 「刺激」や「冒険」であり 00:03:06.019 --> 00:03:09.843 人々が 車椅子に対して抱くイメージとは 全く異なります NOTE Paragraph 00:03:09.843 --> 00:03:12.987 そこで思ったんです 「もしこの二つを一緒にしたら― 00:03:12.987 --> 00:03:17.299 どうなるかしら？」（笑）（拍手） 00:03:17.299 --> 00:03:21.491 そして その結果 誕生した水中車椅子が 00:03:21.491 --> 00:03:24.198 それまでの７年間のうちで 最も素晴らしい旅に 00:03:24.198 --> 00:03:26.467 私を連れ出しました NOTE Paragraph 00:03:26.467 --> 00:03:29.955 では ここで皆さんに 00:03:29.955 --> 00:03:32.841 そうした驚くべき光景の一つを ご覧いただきます 00:03:32.841 --> 00:03:34.937 そして それがいかに 00:03:34.937 --> 00:03:38.738 素晴らしい旅であったか ご紹介します NOTE Paragraph 00:03:38.738 --> 00:03:47.578 （音楽） NOTE Paragraph 00:07:08.435 --> 00:07:15.236 （拍手） NOTE Paragraph 00:07:15.236 --> 00:07:18.215 これまでの人生で遭遇した 00:07:18.215 --> 00:07:21.856 どんなことよりも 素晴らしい経験です 00:07:21.856 --> 00:07:24.953 文字通り 360度 00:07:24.953 --> 00:07:27.592 自由自在に動くことで 00:07:27.592 --> 00:07:31.352 この上ない喜びと自由を味わいました NOTE Paragraph 00:07:31.352 --> 00:07:33.969 そして更に意外なことに 00:07:33.969 --> 00:07:38.159 周囲の人々も 同様に 感じているようなのです 00:07:38.159 --> 00:07:40.537 彼らは目を輝かせて― 00:07:40.537 --> 00:07:43.791 「私も同じものが欲しい」とか― 00:07:43.791 --> 00:07:47.473 「あなたに出来るなら 私にも不可能はない」 なんて言うんです NOTE Paragraph 00:07:47.473 --> 00:07:51.095 恐らく それまでの既成概念を 00:07:51.095 --> 00:07:53.648 超えた光景を 目の当たりにした瞬間 00:07:53.648 --> 00:07:55.559 これまで車椅子に抱いていた 00:07:55.559 --> 00:07:58.359 固定観念が崩れた時 00:07:58.359 --> 00:08:00.104 人は全く新たな視点から 00:08:00.104 --> 00:08:03.136 物事を捉えないといけないからでしょう 00:08:03.136 --> 00:08:07.480 更に そうした新たな気づきと共に 00:08:07.480 --> 00:08:09.978 発想の自由が生まれ 00:08:09.978 --> 00:08:14.004 他人の人生にも 及んでいくのではないでしょうか 00:08:14.004 --> 00:08:17.196 人は他人とは違うからこそ 00:08:17.196 --> 00:08:19.546 見出せる価値があり 00:08:19.546 --> 00:08:21.466 「喪失」や「限界」ではなく 00:08:21.466 --> 00:08:25.286 それがもたらす「喜び」に着目することで 00:08:25.286 --> 00:08:29.690 刺激的で新しい視点から 世界を見る 00:08:29.690 --> 00:08:34.097 パワーと喜びを 発見するのではないでしょうか 00:08:34.097 --> 00:08:35.796 私にとって車椅子は 00:08:35.796 --> 00:08:38.141 変化のための手段となります 00:08:38.141 --> 00:08:41.921 実際 私は水中車椅子を「ポータル（入口）」 と呼んでいます 00:08:41.921 --> 00:08:44.125 なぜなら それはまさに私を 00:08:44.125 --> 00:08:46.003 新たな自分へ 次元へ 00:08:46.003 --> 00:08:49.737 そして新しい意識レベルに 導いてくれるからです NOTE Paragraph 00:08:49.737 --> 00:08:51.282 また これまで誰も 00:08:51.282 --> 00:08:53.754 水中車椅子を 知らなかったので 00:08:53.754 --> 00:08:56.249 このような光景を作り上げることは― 00:08:56.249 --> 00:08:59.092 新たな視点 存在 知識を 00:08:59.092 --> 00:09:01.929 創造することを意味します 00:09:01.929 --> 00:09:04.877 今日 ここで そうした概念を持たれた皆さんも 00:09:04.877 --> 00:09:08.676 この創作活動に すでに参加しているのです NOTE Paragraph 00:09:08.676 --> 00:09:16.198 （拍手）