WEBVTT

00:00:00.754 --> 00:00:03.754
今日は私が撮ったラコタ族の写真を
お見せします

00:00:04.404 --> 00:00:06.555
皆さんの多くは
ラコタ族か あるいは

00:00:06.579 --> 00:00:08.519
スー族と呼ばれる
より大きな部族について

00:00:08.543 --> 00:00:09.999
聞いたことがあるでしょう

00:00:10.668 --> 00:00:13.803
ラコタ族は自分たちの土地から
捕虜収容所へと追いやられた

00:00:13.827 --> 00:00:15.232
多くの部族の１つです

00:00:15.256 --> 00:00:16.778
収容所は現在
居留地と呼ばれます

00:00:17.497 --> 00:00:19.584
パインリッジ居留地

00:00:19.608 --> 00:00:21.740
これが本日の主題です

00:00:21.764 --> 00:00:26.066
サウスダコタ州ブラックヒルズの南東
約120キロの所にあります

00:00:26.090 --> 00:00:31.017
捕虜収容所 第334分所とも呼ばれ

00:00:31.041 --> 00:00:33.167
それが現在ラコタ族の住む場所です

00:00:33.191 --> 00:00:35.377
AIM (American Indian Movement)
と呼ばれるー

00:00:35.401 --> 00:00:37.321
アメリカインディアン運動や

00:00:37.345 --> 00:00:39.187
ラッセル・ミーンズや

00:00:39.211 --> 00:00:40.623
レナード・ペルティエ
あるいは

00:00:41.623 --> 00:00:43.710
オグララでの対立を
耳にしたことがあれば

00:00:43.734 --> 00:00:47.871
パインリッジが米国先住民問題の
中心地だとご存じでしょう

NOTE Paragraph

00:00:49.257 --> 00:00:51.415
今日 私が話してほしいと
頼まれたのは

00:00:51.439 --> 00:00:53.607
ラコタ族と私の関係についてですが

00:00:53.631 --> 00:00:55.607
それは私にはとても難しいことです

00:00:55.631 --> 00:00:58.089
念のため言いますが
肌の色からして

00:00:58.113 --> 00:00:59.502
私は白人です

00:00:59.526 --> 00:01:02.526
先住民の居留地で
これは巨大な障壁です

00:01:04.113 --> 00:01:06.543
今日 私の写真を通じて
紹介する大勢の人々と

00:01:06.567 --> 00:01:09.884
私はとても親しくしています
彼らは私を家族のように迎え

00:01:09.908 --> 00:01:11.826
「兄弟」や「おじさん」と呼び

00:01:11.850 --> 00:01:14.154
５年以上にわたり
何度も招き入れてくれています

00:01:14.178 --> 00:01:15.376
しかしパインリッジでは

00:01:15.400 --> 00:01:18.376
私は常に「ワシチュ」という立場です

00:01:18.400 --> 00:01:21.566
「ワシチュ」はラコタ族の言葉で

00:01:21.590 --> 00:01:23.691
「インディアンでない人」
という意味ですが

00:01:23.715 --> 00:01:25.794
もう１つ別の意味は

00:01:25.818 --> 00:01:29.038
「肉の最上の部分を持っていく人」です

00:01:29.407 --> 00:01:31.228
そこが私の話のポイントです

00:01:31.252 --> 00:01:33.348
「肉の最上の部分を持っていく人」とは

00:01:33.853 --> 00:01:35.033
つまり欲深い人です

NOTE Paragraph

00:01:36.058 --> 00:01:38.154
周囲を見まわしてください

00:01:38.870 --> 00:01:41.930
私たちはアメリカ西部の私立校にいて

00:01:41.954 --> 00:01:44.376
赤いビロードの椅子に腰かけ

00:01:44.400 --> 00:01:45.812
ポケットにはお金もあります

00:01:46.701 --> 00:01:48.447
我々の生活を見てみると

00:01:48.471 --> 00:01:51.349
我々は実際
肉の最上の部分を手に入れています

00:01:52.336 --> 00:01:55.376
そこで今日は
一連の写真をお見せします

00:01:55.400 --> 00:01:57.038
我々の利益のために

00:01:57.062 --> 00:01:59.039
犠牲になった人々の写真です

00:01:59.063 --> 00:02:01.569
そして彼らの顔を見たら
こう理解してください

00:02:02.304 --> 00:02:04.908
それはラコタ族の姿というだけでなく

00:02:04.932 --> 00:02:07.256
すべての先住民の象徴です

NOTE Paragraph

00:02:10.360 --> 00:02:12.015
この紙に書かれているのは

00:02:12.039 --> 00:02:15.752
私がラコタ族の友人や家族から
学んだとおりの歴史です

00:02:17.623 --> 00:02:21.886
では 結ばれた条約、破られた条約
そして戦闘という名のもとに行われた

00:02:21.910 --> 00:02:24.192
虐殺を時系列で見ていきます

00:02:24.668 --> 00:02:26.375
1824年から始めましょう

00:02:26.901 --> 00:02:29.013
インディアン管理局として知られる組織が

00:02:29.037 --> 00:02:30.867
旧陸軍省の中に作られました

00:02:30.891 --> 00:02:32.581
この時点で
先住民との関わり方に

00:02:32.605 --> 00:02:34.644
侵略的な気配が感じられます

NOTE Paragraph

00:02:34.668 --> 00:02:36.211
1851年

00:02:36.235 --> 00:02:38.400
第 1 次フォート・ララミー条約が結ばれ

00:02:38.424 --> 00:02:41.162
ラコタ国の明確な境界線が引かれました

00:02:41.757 --> 00:02:44.836
条約によると
この地は独立国家です

00:02:45.400 --> 00:02:47.496
もしこの条約の定めた境界線が
守られていたら

00:02:47.520 --> 00:02:50.147
そのための法的根拠があったなら

00:02:50.171 --> 00:02:52.926
アメリカは現在
こうなっていたでしょう

00:02:55.755 --> 00:02:56.926
10年後

00:02:57.320 --> 00:03:00.042
リンカーン大統領が署名した
ホームステッド法により

00:03:00.066 --> 00:03:02.745
大勢の白人が先住民の領土に
流れ込みました

NOTE Paragraph

00:03:03.345 --> 00:03:05.024
1863年

00:03:05.048 --> 00:03:07.546
ミネソタ州でサンティ・スー族が
蜂起し

00:03:07.570 --> 00:03:10.478
スー族の38人が絞首刑にされます

00:03:10.502 --> 00:03:13.502
これは米国史上 最大の処刑です

00:03:14.035 --> 00:03:16.274
処刑を命じたのは
リンカーン大統領で

00:03:16.298 --> 00:03:20.993
奴隷解放宣言の署名から
たった２日後のことでした

NOTE Paragraph

00:03:22.569 --> 00:03:26.141
1866年
大陸横断鉄道という

00:03:26.165 --> 00:03:27.376
新しい時代が始まる頃

00:03:27.763 --> 00:03:29.953
我々は近道のため
ラコタ国の中心部に

00:03:29.977 --> 00:03:32.376
街道や鉄道を通すことを決めました

00:03:32.400 --> 00:03:34.216
条約は蚊帳の外です

00:03:34.240 --> 00:03:37.707
これに対し ラコタの酋長
レッド・クラウド率いる３つの部族は

00:03:37.731 --> 00:03:39.437
何度もアメリカ軍を攻撃しては

00:03:39.461 --> 00:03:40.659
勝利を重ねました

00:03:40.683 --> 00:03:42.008
もう一度 言っておきます

00:03:42.032 --> 00:03:44.064
ラコタ国は
アメリカ軍を破っているのです

NOTE Paragraph

00:03:45.770 --> 00:03:49.619
1868年
第２次フォート・ララミー条約により

00:03:49.643 --> 00:03:51.659
ラコタ族が
偉大なるスーの国の主権と

00:03:51.683 --> 00:03:54.500
聖なる地ブラックヒルズを所有することが
明確に保証されます

00:03:54.830 --> 00:03:57.284
さらに政府は周辺の州における
土地および狩猟の権利も

00:03:57.308 --> 00:03:58.632
約束しています

00:03:58.656 --> 00:04:00.719
これ以降 私たちは
白人がパウダーリバー郡に

00:04:00.743 --> 00:04:02.882
手出ししないことを約束したのです

00:04:03.501 --> 00:04:05.559
この条約により
レッド・クラウドとスー族は

00:04:05.583 --> 00:04:07.043
完全に勝利したと思われました

00:04:07.067 --> 00:04:09.979
事実 これは米国史上
唯一

00:04:10.812 --> 00:04:13.048
政府が相手の要求を全部のむことによって

00:04:13.072 --> 00:04:15.743
和平交渉をおこなった戦争です

NOTE Paragraph

00:04:18.753 --> 00:04:22.495
1869年
大陸横断鉄道が完成しました

00:04:22.519 --> 00:04:25.906
物資の輸送が始まりましたが
大勢の猟師も移動して来ました

00:04:25.930 --> 00:04:28.276
猟師はバッファローを大量に殺し

00:04:28.300 --> 00:04:31.858
スー族の衣食住の源を奪いました

NOTE Paragraph

00:04:31.882 --> 00:04:33.098
1871年

00:04:33.677 --> 00:04:35.337
インディアン収用法の下で

00:04:35.361 --> 00:04:37.700
すべてのインディアン居住区が
政府管轄下に置かれました

00:04:38.299 --> 00:04:40.450
さらに 軍は命令を出し

00:04:40.474 --> 00:04:43.338
西部のインディアンが
居留地を離れることを禁じました

00:04:44.154 --> 00:04:48.238
こうして 西部のインディアンは全員
捕虜となったのです

00:04:48.903 --> 00:04:50.350
同じく1871年

00:04:50.374 --> 00:04:52.351
私たちは条約締結を打ち切りました

00:04:52.375 --> 00:04:56.067
主権国家として部族の存在を認めるという
条約の問題点が

00:04:56.091 --> 00:04:57.261
私たちには邪魔でした

00:04:57.285 --> 00:04:58.482
計画があったからです

NOTE Paragraph

00:04:59.554 --> 00:05:00.777
1874年

00:05:00.801 --> 00:05:04.357
ジョージ・カスター将軍が
ラコタ領内で金が発見されたと発表し

00:05:04.381 --> 00:05:06.066
ブラックヒルズを名指ししました

00:05:06.090 --> 00:05:08.901
そのニュースによって
大量の白人開拓者が

00:05:08.925 --> 00:05:10.110
ラコタ国に流入します

00:05:10.714 --> 00:05:12.747
カスター将軍は連邦議会に
出来るだけ早く

00:05:12.771 --> 00:05:15.691
ラコタ国との条約を破棄する方法を
探すよう要求しました

NOTE Paragraph

00:05:16.048 --> 00:05:19.081
1875年
ラコタ戦争が始まります

00:05:19.105 --> 00:05:21.757
フォート・ララミー条約の違反を
めぐってのことです

00:05:22.551 --> 00:05:23.752
1876年

00:05:24.322 --> 00:05:25.980
6月26日

00:05:26.004 --> 00:05:28.223
ラコタ国のある村の攻撃に向かう途中

00:05:28.247 --> 00:05:30.311
カスター将軍の第７騎兵隊が

00:05:30.335 --> 00:05:31.984
リトル・ビッグホーンの戦いで
全滅しました

00:05:32.746 --> 00:05:33.942
1877年

00:05:34.585 --> 00:05:37.629
偉大なるラコタ国の戦士で酋長の
クレイジー・ホースが

00:05:37.653 --> 00:05:39.376
ロビンソン砦で降伏しました

00:05:39.843 --> 00:05:41.859
彼は拘留中に殺されました

00:05:45.935 --> 00:05:50.623
1877年は私たちがフォート・ララミー条約を
回避する方法を見つけた年でもあります

00:05:50.647 --> 00:05:53.940
スー族の酋長と有力者たちに
新しい協定が提示されましたが

00:05:53.964 --> 00:05:56.376
それは「売るか、飢えるか」で知られる
運動によるもので

00:05:56.400 --> 00:05:58.705
署名か 部族への食料供給停止かを
迫りました

00:05:59.156 --> 00:06:01.872
成人男性のうち 署名したのは
たった10％でした

00:06:02.586 --> 00:06:06.305
フォート・ララミー条約は土地譲渡に
少なくとも部族の 4 分の 3 の

00:06:06.329 --> 00:06:07.488
署名が必要としています

00:06:08.254 --> 00:06:10.082
この条項が無視されたのは
明らかです

NOTE Paragraph

00:06:10.709 --> 00:06:13.261
1887年
ドーズ法が成立

00:06:13.811 --> 00:06:16.376
居留地を部族が共同所有することは
できなくなりました

00:06:16.400 --> 00:06:19.491
居留地は160エーカーの区画に
分割されて

00:06:19.515 --> 00:06:21.496
インディアン個人個人に割り当てられ

00:06:21.520 --> 00:06:23.376
余剰地は処分となりました

00:06:23.400 --> 00:06:25.219
部族は広大な領土を失いました

00:06:26.322 --> 00:06:28.569
土地の個人所有という
アメリカンドリームは

00:06:28.593 --> 00:06:30.588
居留地を残らず分割するために

00:06:30.612 --> 00:06:33.534
非常に賢明な方法として
機能したわけです

00:06:34.041 --> 00:06:35.887
これにより居留地は破壊されました

00:06:35.911 --> 00:06:38.861
世代が変わるたびに
土地をさらに再分割し

00:06:38.885 --> 00:06:40.806
売ることが容易になったからです

00:06:41.155 --> 00:06:42.870
居留地内のほとんどの余剰地や

00:06:42.894 --> 00:06:45.530
狭い区画の多くは

00:06:45.554 --> 00:06:47.520
白人の牧場経営者のものとなりました

00:06:48.034 --> 00:06:51.207
土地の「最上の部分」が
ワシチュの手に渡ったのです

NOTE Paragraph

00:06:52.161 --> 00:06:56.787
1890年　私が このスライドショーの中で
最も重要だと思う―

00:06:57.168 --> 00:06:59.591
ウンデット・ニーの虐殺が
起きた年です

00:07:00.237 --> 00:07:01.658
12月29日

00:07:01.682 --> 00:07:04.864
米軍隊はウンデット・ニー・クリーク河畔で
野営をしていたスー族を包囲し

00:07:04.888 --> 00:07:08.937
ホッチキス機関銃と呼ばれる
新しい速射砲を使い

00:07:08.961 --> 00:07:12.463
ビッグ・フット酋長と
300人の捕虜を

00:07:12.487 --> 00:07:13.645
虐殺しました

00:07:14.550 --> 00:07:16.130
これは「戦い」の扱いになり

00:07:16.154 --> 00:07:19.157
武勇を称える20個の議会名誉勲章が

00:07:19.181 --> 00:07:21.013
第七騎兵隊に与えられました

00:07:22.400 --> 00:07:23.703
これは今日に至るまで

00:07:25.005 --> 00:07:29.113
一度の戦闘で与えられた名誉勲章として
最多です

00:07:30.019 --> 00:07:31.639
大勢の女性や子供を

00:07:31.663 --> 00:07:34.193
無差別に殺害した人々に
授与された勲章の数が

00:07:34.217 --> 00:07:37.089
第一次世界大戦

00:07:37.113 --> 00:07:38.454
第二次世界大戦

00:07:38.478 --> 00:07:40.789
韓国、ベトナム、
イラク、アフガニスタンなど

00:07:40.813 --> 00:07:42.890
どんな戦いより多いのです

NOTE Paragraph

00:07:44.811 --> 00:07:48.479
ウンデット・ニーの虐殺は
インディアン戦争の終わりと見なされています

00:07:49.842 --> 00:07:53.302
私はウンデット・ニーの
共同墓地を訪れると いつも

00:07:53.326 --> 00:07:57.728
これはラコタ族やスー族だけの墓ではなく

00:07:57.752 --> 00:08:00.143
全ての先住民族の墓なのだと感じます

00:08:03.230 --> 00:08:05.770
呪術師ブラック・エルクは言いました

00:08:05.794 --> 00:08:08.187
「私には どの程度 終わったのか
わからなかった

00:08:09.737 --> 00:08:13.154
今こうして 老いという丘の高みから
振り返ると

00:08:13.178 --> 00:08:15.759
虐殺された女性や子供たちが
重なり合い

00:08:15.783 --> 00:08:19.854
あの曲がりくねった渓谷のあちこちに
散らばっていたのが

00:08:23.751 --> 00:08:25.686
ありありと目に浮かび

00:08:25.710 --> 00:08:27.247
若い私が見た時のままなのです

00:08:31.002 --> 00:08:34.317
そして 血だらけの泥の中で死に
猛吹雪に埋もれたのは

00:08:35.975 --> 00:08:37.671
彼らだけではなかったと
わかります

00:08:39.383 --> 00:08:41.340
人々の夢があの地で死にました

00:08:42.523 --> 00:08:44.332
それは美しい夢でした」

NOTE Paragraph

00:08:47.078 --> 00:08:48.534
この一件で

00:08:48.558 --> 00:08:51.558
先住民の歴史上
新たな時代が始まりました

00:08:52.400 --> 00:08:57.376
全てのことがウンデット・ニーの前後で
比較できます

00:08:57.400 --> 00:08:59.167
なぜなら あの瞬間―

00:08:59.191 --> 00:09:02.478
ホッチキス銃の引き金に指をかけた
まさにその時

00:09:02.502 --> 00:09:06.376
米国政府は先住民の権利に対する
態度を明らかにしたからです

00:09:06.859 --> 00:09:08.376
政府は条約に うんざりでした

00:09:08.795 --> 00:09:10.763
先住民の聖地にも

00:09:10.787 --> 00:09:12.620
ゴースト・ダンス運動にも

00:09:13.676 --> 00:09:16.691
スー族との様々な揉め事にも
うんざりしていました

00:09:17.295 --> 00:09:18.930
だから 彼らは銃を向け

00:09:20.713 --> 00:09:23.040
「インディアンで居たいんだろう？」
と言って

00:09:23.064 --> 00:09:24.326
引き金に指をかけたのです

NOTE Paragraph

00:09:30.556 --> 00:09:31.722
1900年

00:09:32.548 --> 00:09:36.018
国内のインディアンの人口は

00:09:36.042 --> 00:09:38.574
25万人未満にまで減りました

00:09:38.598 --> 00:09:42.400
1492年には推定800万人だったのにです

NOTE Paragraph

00:09:44.496 --> 00:09:45.679
時代は進んで

00:09:46.400 --> 00:09:47.607
1980年

00:09:48.233 --> 00:09:50.932
米国史上 もっとも長い裁判である―

00:09:50.956 --> 00:09:53.537
スー国とアメリカ政府の裁判について

00:09:53.561 --> 00:09:56.227
合衆国最高裁判所が判決を下しました

00:09:57.273 --> 00:10:00.796
最高裁は スー族が
区画整理した居留地に押し込められ

00:10:00.820 --> 00:10:03.907
彼らの土地700万エーカーが

00:10:03.931 --> 00:10:05.981
試掘者と入植者に開放されたことは

00:10:06.005 --> 00:10:08.568
第２次フォート・ララミー条約に

00:10:08.592 --> 00:10:09.799
違反すると判断しました

00:10:10.532 --> 00:10:14.272
裁判所はブラックヒルズの土地収用は
違法であり

00:10:14.296 --> 00:10:16.911
当初の価格に利子を加えた額が
スー国に

00:10:16.935 --> 00:10:18.729
支払われるべきとの見解を示しました

00:10:19.300 --> 00:10:20.852
ブラックヒルズの土地代金として

00:10:20.876 --> 00:10:25.308
法廷の命じたスー国への支払額は
わずか1億600万ドルでした

00:10:25.332 --> 00:10:28.376
スー族は次のようなスローガンのもと
受け取りを拒否しました

00:10:28.400 --> 00:10:30.376
「ブラックヒルズは売り物ではない」

NOTE Paragraph

00:10:31.630 --> 00:10:32.789
2010年

00:10:33.329 --> 00:10:36.121
ウンデット・ニーの虐殺から
１世紀以上が過ぎた今

00:10:36.145 --> 00:10:39.376
先住民の人口統計が
明らかにするのは

00:10:39.400 --> 00:10:41.985
入植による負の遺産

00:10:42.009 --> 00:10:43.277
強制移住

00:10:43.301 --> 00:10:44.744
条約違反です

00:10:45.895 --> 00:10:48.325
パインリッジ居留地内の失業率は

00:10:48.349 --> 00:10:50.927
85～90%あたりで推移しています

00:10:51.689 --> 00:10:54.538
住宅局は新しい建物を
建てることができず

00:10:54.562 --> 00:10:56.698
既存の建物は崩壊が進んでいます

00:10:57.030 --> 00:10:58.199
多くの人はホームレスで

00:10:58.223 --> 00:11:00.782
家のある人も朽ちかけた建物に
最大５世帯が

00:11:00.806 --> 00:11:02.151
一緒くたに暮らしています

00:11:02.598 --> 00:11:04.805
パインリッジにある家の39%は

00:11:04.829 --> 00:11:06.066
電気がありません

00:11:06.524 --> 00:11:09.193
少なくとも60％の家は

00:11:09.217 --> 00:11:11.034
黒カビだらけです

00:11:11.740 --> 00:11:16.005
人口の90％以上の暮らしは
国の定める貧困水準以下です

00:11:16.814 --> 00:11:18.974
パインリッジで
結核に感染する確率は

00:11:18.998 --> 00:11:22.189
全国平均の およそ８倍

00:11:22.615 --> 00:11:25.845
幼児死亡率は
北アメリカ大陸で最も高く

00:11:25.869 --> 00:11:29.177
全国平均の約３倍

00:11:29.201 --> 00:11:31.596
子宮頸がんは全国平均の

00:11:31.620 --> 00:11:33.431
５倍です

00:11:33.455 --> 00:11:36.208
学校の中退率は最大70％にも上り

00:11:36.799 --> 00:11:40.904
教師の離職率は
全国平均の８倍です

00:11:41.400 --> 00:11:44.769
祖父母が孫を育てる場合が多いのですが

00:11:44.793 --> 00:11:47.111
それは親がアルコール依存症や

00:11:47.135 --> 00:11:49.860
家庭内暴力、全般的無気力により

00:11:49.884 --> 00:11:51.212
子育てができないためです

00:11:52.082 --> 00:11:55.153
40歳以上の人の50％が

00:11:55.177 --> 00:11:56.653
糖尿病を患い

00:11:57.634 --> 00:12:03.503
男性の平均余命は46～48歳で

00:12:04.265 --> 00:12:08.268
アフガニスタンやソマリアと
ほぼ同じです

NOTE Paragraph

00:12:10.138 --> 00:12:13.678
大虐殺が成功すると
その最終局面で

00:12:13.702 --> 00:12:15.679
張本人の迫害者というのは

00:12:15.703 --> 00:12:18.243
手を引いて こんなことを言うのです

00:12:18.267 --> 00:12:21.729
「信じられない
あの人たちは自ら何をしているんだ？

00:12:21.753 --> 00:12:23.449
お互いを殺したり

00:12:23.473 --> 00:12:25.376
自ら命を絶ったり

00:12:25.400 --> 00:12:27.049
みるみるうちに死んでいく」

00:12:28.241 --> 00:12:31.217
こうして私たちは現在の合衆国を
所有するに至りました

00:12:31.700 --> 00:12:32.994
これが「自明の運命」の

00:12:33.019 --> 00:12:34.645
遺産です

00:12:35.453 --> 00:12:39.680
看守がいなくなって久しい今もなお

00:12:39.704 --> 00:12:41.666
捕虜は収容所で生まれ続けています

00:12:44.449 --> 00:12:49.092
これが最上の肉を持ち去られた後に残った
骨の状況です

NOTE Paragraph

00:12:51.891 --> 00:12:53.209
はるか昔

00:12:53.233 --> 00:12:55.210
私と同じワシチュの人々が

00:12:55.234 --> 00:12:58.736
この丘の土地と水と金を奪おうとして

00:12:58.760 --> 00:13:02.219
一連の出来事が始まりました

00:13:03.202 --> 00:13:06.286
その出来事はドミノ効果を引き起こし
今も続いています

NOTE Paragraph

00:13:07.328 --> 00:13:10.767
私たち優位な側の社会にとっては
1890年の虐殺も

00:13:12.154 --> 00:13:14.747
150年前に次々と条約が破られたことも

00:13:14.771 --> 00:13:18.497
遠く忘れ去られたものかもしれませんが

00:13:18.971 --> 00:13:21.272
私は皆さんにお聞きせずには
いられないのです

00:13:22.084 --> 00:13:24.711
こんにちの統計について
どう感じますか？

00:13:25.878 --> 00:13:29.042
これらの画像に写る苦難と
先ほど私が読み上げた歴史は

00:13:29.066 --> 00:13:31.042
どう繋がっているのでしょうか？

00:13:31.930 --> 00:13:34.780
この歴史をどこまで自分たちのものと
認める必要があるでしょう？

00:13:35.479 --> 00:13:37.730
現在の皆さんの
責任になる部分はあるでしょうか？

00:13:39.273 --> 00:13:41.966
我々の側には 出来ることが必ずあると
言われてきました

00:13:41.990 --> 00:13:44.416
行動を起こす呼びかけが
なくてはならないのです

00:13:45.697 --> 00:13:48.772
長い間
私は傍観するばかりで

00:13:49.209 --> 00:13:50.835
目撃者に甘んじて

00:13:50.859 --> 00:13:52.723
ただ写真を撮るだけでした

00:13:53.661 --> 00:13:56.260
なぜなら解決策は過去の
ずっと遠くにあるように感じられ

00:13:56.284 --> 00:13:59.617
タイムマシンでもなければ
手が届かないと思っていたのです

NOTE Paragraph

00:14:00.680 --> 00:14:05.788
先住民族の人々の苦難は
簡単に解決できるものではありません

00:14:06.640 --> 00:14:08.656
誰でも支援できるハイチの援助や

00:14:08.680 --> 00:14:10.529
エイズ撲滅
飢饉との戦いなどと

00:14:10.553 --> 00:14:12.956
同じようには行かないのです

00:14:13.739 --> 00:14:15.705
いわゆる解決というものを

00:14:15.729 --> 00:14:18.376
優位な側の社会が実行するということは

00:14:18.400 --> 00:14:20.697
たとえば 50ドルの小切手を
寄付することや

00:14:20.721 --> 00:14:24.018
教会から落書きだらけの家々を
塗り直しに行くこと

00:14:24.042 --> 00:14:25.653
もしくは郊外の家庭が

00:14:25.677 --> 00:14:28.653
いらなくなった服を寄付することより
ずっと難しいかもしれません

00:14:29.296 --> 00:14:30.691
じゃあ どうしましょうか？

00:14:31.176 --> 00:14:33.240
闇の中で肩をすくめるだけですか？

NOTE Paragraph

00:14:35.010 --> 00:14:39.690
アメリカ合衆国はラコタ国と結んだ
1851年と1868年の

00:14:39.714 --> 00:14:44.163
フォート・ララミー条約の条項に
今も日々 違反し続けています

00:14:44.723 --> 00:14:47.055
今日 私が提案する
行動のための呼びかけ―

00:14:47.892 --> 00:14:49.941
つまり私のTEDウィッシュは

00:14:51.351 --> 00:14:52.632
条約を守り

00:14:53.225 --> 00:14:54.922
ブラックヒルズを返還することです

00:14:55.319 --> 00:14:57.561
そこで先住民たちが何をしようと
関与しないことです

NOTE Paragraph

00:14:59.898 --> 00:15:06.777
（拍手）