WEBVTT 00:00:02.048 --> 00:00:03.381 個人的な話をします 00:00:05.309 --> 00:00:08.596 政府にこんな風に言われたら どんな気持ちか 僕はわかります 00:00:08.620 --> 00:00:10.739 「朝になったらお前を殺す」 00:00:12.314 --> 00:00:15.885 6時間の猶予で国外退去させられ 00:00:15.909 --> 00:00:17.757 誰かのソファにたどりつく時の気持ち 00:00:17.781 --> 00:00:19.282 だから僕は 00:00:19.306 --> 00:00:22.306 国が上手く行く理由と 上手く行かない理由を本にしました 00:00:23.246 --> 00:00:25.269 その250ページを要約すると NOTE Paragraph 00:00:25.809 --> 00:00:27.524 国には思いやりが要ります 00:00:27.548 --> 00:00:28.698 親切で 00:00:28.722 --> 00:00:31.198 賢明で 勇敢でなければなりません 00:00:31.539 --> 00:00:33.061 何が上手く行かないでしょうか? 00:00:33.085 --> 00:00:36.109 恐怖や冷酷さで統治したら 00:00:36.133 --> 00:00:37.533 上手く行きません 00:00:38.117 --> 00:00:39.828 ジンギス・カンのやり方 00:00:39.899 --> 00:00:41.277 スターリンのやり方 00:00:41.337 --> 00:00:43.077 ピノチェトのやり方 00:00:43.521 --> 00:00:45.721 長期的には失敗します NOTE Paragraph 00:00:46.776 --> 00:00:48.458 長期的には失敗となる理由は 00:00:48.482 --> 00:00:51.172 恐怖や冷酷さで統治しようとすると 00:00:51.196 --> 00:00:53.196 分断を作り出す必要があるからです 00:00:53.855 --> 00:00:55.193 国内の大半の人に 00:00:55.257 --> 00:00:58.314 自分たちは「奴ら」とは違うんだと 思わせなければなりません 00:00:59.862 --> 00:01:01.516 奴らと付き合ってはいけない 00:01:01.596 --> 00:01:03.188 奴らと会話してはいけない 00:01:03.212 --> 00:01:04.569 「奴ら」は悪い奴で 00:01:04.593 --> 00:01:07.234 犯罪者で レイピストだ 00:01:08.701 --> 00:01:11.264 奴らのせいで 国が危地に陥っている 00:01:12.551 --> 00:01:16.392 もし自分の国で何百万ドルも使って これをしたら 00:01:16.416 --> 00:01:18.349 国外に敵を作り 00:01:20.097 --> 00:01:22.564 国内には分断が生まれます 00:01:23.149 --> 00:01:24.882 そして結果が伴います NOTE Paragraph 00:01:25.355 --> 00:01:29.832 こんにち国連ビルを取り囲む国旗や その国境や国歌の3/4は 00:01:29.856 --> 00:01:32.085 数十年前にはありませんでした 00:01:33.577 --> 00:01:35.164 こんにち 国境が引かれ 00:01:35.188 --> 00:01:37.942 国旗が作られたのは こう言った人がいたからです 00:01:37.966 --> 00:01:39.458 スコットランド人は我々とは違う 00:01:39.482 --> 00:01:40.823 ウェールズ人は我々とは違う 00:01:40.847 --> 00:01:42.288 バスク人は我々とは違う 00:01:42.312 --> 00:01:44.233 北イタリア人は我々とは違う 00:01:44.257 --> 00:01:45.736 ムスリムたちは我々とは違う 00:01:45.760 --> 00:01:48.360 黒人は、白人は、キリスト教徒は 00:01:49.442 --> 00:01:51.176 我々と奴らを作り出せば 00:01:52.347 --> 00:01:53.910 国は壊れます NOTE Paragraph 00:01:55.173 --> 00:01:57.426 「自分たちと奴ら」を 作り出すうえでの問題は 00:01:57.450 --> 00:01:58.717 実行が難しいという点です 00:02:00.109 --> 00:02:03.905 人々に戯言(たわごと)を 信じさせなければいけません 00:02:05.096 --> 00:02:07.587 人々が戯言を信じ込めば 00:02:07.611 --> 00:02:09.906 残虐な行為が始まります 00:02:10.239 --> 00:02:11.834 そういう力学が働いているのです 00:02:11.858 --> 00:02:13.925 我々と奴らを作り出せなければ ― 00:02:14.236 --> 00:02:16.434 ルワンダ虐殺も 00:02:16.458 --> 00:02:19.051 ユーゴスラビアの虐殺も 00:02:19.839 --> 00:02:22.315 この力学が生じなければ 起こりません NOTE Paragraph 00:02:22.339 --> 00:02:24.632 現在の移民政策をまとめます 00:02:24.656 --> 00:02:26.474 奴らを阻め 00:02:26.498 --> 00:02:29.839 できるだけ冷徹に 00:02:29.863 --> 00:02:31.996 子供たちを標的にせよ 00:02:33.474 --> 00:02:36.267 子供たちが狙われています 00:02:37.252 --> 00:02:40.410 こんな主張をする アメリカ人弁護士がいます 00:02:40.434 --> 00:02:42.950 子どもたちに 石鹸やハグやシャワーは不要だ 00:02:42.974 --> 00:02:44.907 大人の助けも釈放期日も不要だ 00:02:45.293 --> 00:02:47.654 20年間アメリカで働いてきた人物が 00:02:47.678 --> 00:02:50.435 テールランプの故障を理由に 車を止められ 00:02:50.459 --> 00:02:52.134 刑務所へ入れられ 00:02:52.158 --> 00:02:53.681 時には終身刑になります 00:02:53.705 --> 00:02:55.506 弁護人も不在のまま 00:02:55.530 --> 00:02:59.077 世界貿易センタービルを爆破した テロリストには弁護士がついても 00:02:59.514 --> 00:03:02.886 子供や親には 弁護人がいません 00:03:03.966 --> 00:03:07.498 政府は 地上で最も困窮している人々に こう要求しています 00:03:07.522 --> 00:03:11.517 子供は預かった 返してほしければ DNA 検査代金の 800 ドルを払え 00:03:12.784 --> 00:03:15.108 3才の子供が法廷に立たされています NOTE Paragraph 00:03:15.649 --> 00:03:19.745 テレビの法廷ドラマを知っているでしょう 00:03:19.769 --> 00:03:20.944 面白いものです 00:03:20.968 --> 00:03:23.777 賢明なる裁判官が法壇に座り 00:03:23.801 --> 00:03:25.797 弁護人が攻撃すると 00:03:25.821 --> 00:03:27.783 検察官は反撃し 00:03:27.807 --> 00:03:30.188 ご存知の展開が待っています 00:03:30.212 --> 00:03:33.252 いま何が起こっているか 理解していただきたい 00:03:35.220 --> 00:03:38.700 検察官がいます 強面の検察官です 00:03:40.450 --> 00:03:43.938 私たち国民を代表して 訴追し攻撃しています 00:03:45.436 --> 00:03:47.608 ご立派な裁判官殿は 00:03:47.632 --> 00:03:49.380 黒いローブを着て 00:03:50.381 --> 00:03:52.008 高い法壇から 00:03:52.032 --> 00:03:54.166 被告人に質問します 00:03:55.569 --> 00:03:57.355 被告は3才の子供です 00:03:57.379 --> 00:04:00.579 テーブルの縁に 目も隠れるような 小さな子どもです 00:04:02.514 --> 00:04:05.314 被告人は言葉がわかりません 00:04:05.911 --> 00:04:10.204 通訳機のイヤホンは 耳から落ちてしまっています 00:04:10.228 --> 00:04:15.560 合衆国の法廷には 3才用のヘッドホンが無いからです 00:04:16.498 --> 00:04:19.437 子供たちが被告になることは 想定外だからです 00:04:21.223 --> 00:04:22.889 これは正義を冒涜しています 00:04:22.913 --> 00:04:25.016 裁判制度の冒涜であり 00:04:25.040 --> 00:04:27.648 国としての我々の在り方への冒涜です NOTE Paragraph 00:04:28.143 --> 00:04:29.610 こんなのは戯言です 00:04:30.443 --> 00:04:31.626 こんなのは残虐行為です 00:04:31.650 --> 00:04:33.562 信じがたい事態です 00:04:33.586 --> 00:04:35.601 統計の数字はたくさん目に触れますが 00:04:35.625 --> 00:04:37.959 分かっていただきたいことは これが 00:04:37.983 --> 00:04:42.282 あなたの子供を世話した 家政婦の身の上に 00:04:43.529 --> 00:04:46.989 あなたの庭を手入れした 庭師の身の上に 00:04:48.291 --> 00:04:50.839 あなたが先週訪れた高級レストランで 00:04:50.863 --> 00:04:53.405 皿洗いをしていた男性の身の上に 00:04:55.049 --> 00:04:58.535 早朝の新聞配達人の身の上に 起こっているという点です 00:04:58.559 --> 00:05:00.048 あなたのコミュニティで 00:05:00.072 --> 00:05:04.261 あなたと共に生活して来た なじみの人のことです 00:05:05.467 --> 00:05:06.633 あなたを丁寧に扱い 00:05:06.657 --> 00:05:07.856 あなたに敬意を払って接し 00:05:07.880 --> 00:05:09.126 あなたの子供たちの世話をし 00:05:09.150 --> 00:05:10.729 あなたの祖父母を介護した人です 00:05:10.753 --> 00:05:13.126 これはルイスやラウラ 00:05:13.150 --> 00:05:14.300 ハイメのことです 00:05:14.918 --> 00:05:16.609 抽象論ではありません 00:05:16.633 --> 00:05:18.428 「ああ 国境での出来事だ」 00:05:18.452 --> 00:05:21.319 違います 我々のコミュニティで 今の出来事です NOTE Paragraph 00:05:23.765 --> 00:05:25.114 この事態はどう危険なのか 00:05:25.138 --> 00:05:28.773 一旦この戯言や暴虐を 普通として認めようものなら 00:05:28.797 --> 00:05:31.392 人々はこれが正当だと 考えるようになります 00:05:31.416 --> 00:05:34.386 教育委員会はこんな通知を出すようになります 00:05:34.410 --> 00:05:35.870 「保護者殿 00:05:35.894 --> 00:05:40.044 カフェテリア利用の代金が未払いなので 00:05:40.068 --> 00:05:44.331 お子さんを保護して 里親に預けざるを得ない可能性があります」 00:05:44.355 --> 00:05:46.131 これが教育委員会からの通知です 00:05:46.155 --> 00:05:47.322 なぜなら人々が 00:05:47.346 --> 00:05:50.880 「これは移民を阻止する手段になる」と 考えるからです NOTE Paragraph 00:05:53.219 --> 00:05:55.139 飛行機に搭乗するときー 00:05:56.147 --> 00:05:59.273 子どもやファーストクラスの乗客より も 00:06:00.164 --> 00:06:02.136 制服着用の兵士が先です 00:06:03.981 --> 00:06:05.848 中には移民もいます 00:06:06.545 --> 00:06:07.688 契約はこうです 00:06:07.688 --> 00:06:11.679 「入隊し 兵役を満了し 任務を完遂したら 00:06:11.703 --> 00:06:12.853 市民権を取得する」 00:06:14.243 --> 00:06:16.363 こんなサイン済みの契約を 00:06:16.387 --> 00:06:18.253 ほごにしているのです 00:06:19.442 --> 00:06:21.838 そんな兵士が戦地で殺されれば 00:06:21.862 --> 00:06:25.799 妻や 時には子供は国外退去です 00:06:25.823 --> 00:06:27.895 私たちを守ってくれる人 00:06:27.919 --> 00:06:30.252 私たちが尊ぶべき人々 00:06:30.617 --> 00:06:31.847 勇者たち 00:06:31.871 --> 00:06:33.428 彼らへの仕打ちがこうです 00:06:33.487 --> 00:06:36.561 国境を違法に越えて来る人では ありません NOTE Paragraph 00:06:36.585 --> 00:06:39.918 一度このような行為を許してしまうと 00:06:39.942 --> 00:06:44.434 それが社会で普通になり 社会は分裂して行きます 00:06:45.045 --> 00:06:48.136 国は懸命に働き努力する 移民たちで成り立っており 00:06:48.160 --> 00:06:49.626 私たちは皆 移民なのです 00:06:50.165 --> 00:06:52.522 単に違った時代にやって来ただけです NOTE Paragraph 00:06:52.546 --> 00:06:57.554 この国の主要なビジネスの55%は 00:06:57.578 --> 00:07:01.125 最も成功したビジネスの 「ユニコーン」たちは 00:07:01.149 --> 00:07:05.101 留学生や移民として 渡って来た人が生み出しました 00:07:05.125 --> 00:07:07.895 彼らが創設者や共同創設者です 00:07:07.919 --> 00:07:10.680 過去3年にわたり世界の最高の頭脳に 00:07:10.704 --> 00:07:12.760 こんな事態がおきています 00:07:12.784 --> 00:07:17.045 42%は ビザが取れないか 取らないかです 00:07:17.411 --> 00:07:19.903 こうして国の経済は全滅します NOTE Paragraph 00:07:19.927 --> 00:07:22.193 これは子供や国境の問題ではなく 00:07:22.863 --> 00:07:24.013 我々の問題です 00:07:25.696 --> 00:07:28.481 これは私たちが何者であるのかの問題です 00:07:29.387 --> 00:07:31.453 国家として個人としての在り方です 00:07:32.601 --> 00:07:34.668 抽象的な議論ではありません NOTE Paragraph 00:07:37.852 --> 00:07:39.692 私たちの多くは 00:07:40.732 --> 00:07:44.071 もし今 ヒトラーが 勢力を伸ばしているのなら 00:07:44.095 --> 00:07:45.903 街に出て 抗議行動をして 00:07:45.927 --> 00:07:48.641 (ナチスの)メンゲレ医師を止めたはずだ と考えたがっています 00:07:48.665 --> 00:07:50.331 私たちの多くは 00:07:51.276 --> 00:07:52.924 もし今が60年代だったら 00:07:52.924 --> 00:07:55.355 フリーダム・ライダーズに 参加していただろう 00:07:55.379 --> 00:07:57.910 セルマ橋(血の日曜日)にいただろうと 考えたがっています 00:07:57.934 --> 00:07:59.084 つまりどういうことか 00:07:59.661 --> 00:08:01.217 皆さんのチャンスです 00:08:01.241 --> 00:08:02.582 今です NOTE Paragraph 00:08:02.606 --> 00:08:05.741 そして この状況で考えるべきは 00:08:05.765 --> 00:08:07.169 大規模行動を起こすことや 00:08:07.193 --> 00:08:09.328 橋に行って占拠するとか 00:08:09.352 --> 00:08:11.419 何かに自分を縛り付けるのではなく 00:08:12.148 --> 00:08:14.751 毎日の生活の中での実践です 00:08:14.775 --> 00:08:19.918 ハーバード美術館で つい最近始まった展覧会では 00:08:19.942 --> 00:08:23.456 移民やよそに家を建てることを 芸術家がどう捉えたかがテーマです 00:08:23.480 --> 00:08:26.410 展示を見終えた人は 感動を覚えています 00:08:26.434 --> 00:08:28.292 最後の部屋に真っ白な壁があり 00:08:29.658 --> 00:08:32.753 そこでキュレーター達が ちょっと変わった仕掛けをしました 00:08:32.777 --> 00:08:33.927 参加型作品です 00:08:34.554 --> 00:08:36.917 枠を描き2つの単語を書きました 00:08:37.515 --> 00:08:38.703 「I belong」(私はここに属する) 00:08:38.727 --> 00:08:40.299 この展示会場から出てきたら 00:08:40.323 --> 00:08:42.371 この前では写真を撮って良いのです 00:08:42.395 --> 00:08:44.815 これが人に与える影響が どれほど大きいことかと 00:08:44.839 --> 00:08:47.092 私が眺めていると 00:08:47.116 --> 00:08:49.537 作品の前でポーズを取り 写真を撮る人がいました 00:08:49.561 --> 00:08:52.490 満面の笑顔の人もいれば 00:08:52.514 --> 00:08:54.580 涙を浮かべた人もいました 00:08:55.173 --> 00:08:57.236 他人をハグして 一緒に撮る人もいました 00:08:57.260 --> 00:08:58.997 そろって写真を撮る家族もいました NOTE Paragraph 00:09:01.796 --> 00:09:05.574 ちょっとした親切が はるか遠くまで影響します 00:09:06.677 --> 00:09:10.245 コミュニティに信じ難い種類の 痛みが広がっています 00:09:11.025 --> 00:09:14.089 だから 次に「奴ら」と見なされかねない 人が運転する― 00:09:14.113 --> 00:09:16.438 タクシーに乗ったら 00:09:16.462 --> 00:09:18.620 5ドル多くチップを渡しましょう 00:09:20.025 --> 00:09:22.627 次にホテルのメイドと顔を合わせたら 00:09:22.651 --> 00:09:24.584 感謝してチップを倍にしましょう 00:09:25.895 --> 00:09:28.283 次に庭師が来たら 00:09:28.307 --> 00:09:30.331 乳母に会ったら 00:09:30.355 --> 00:09:31.712 そういう人たちに対して 00:09:31.736 --> 00:09:34.291 大きなハグをして ここが居場所だと伝えましょう 00:09:34.315 --> 00:09:35.845 ここが居場所だと感じられるように 00:09:36.856 --> 00:09:38.189 政治のうねりが必要な時期ですが 00:09:38.213 --> 00:09:41.935 心遣いを大きく伝えることも 必要な時期です 00:09:43.206 --> 00:09:45.110 私達はそうして自分たちとこの国を 00:09:45.134 --> 00:09:47.201 取り戻す必要があるのですから NOTE Paragraph 00:09:47.712 --> 00:09:50.593 (声が震える)私達は座して 00:09:50.617 --> 00:09:52.768 この非道の進行を 眺めるわけにはいきません NOTE Paragraph 00:09:53.791 --> 00:09:56.402 止めなければなりません ただちに止めるのです NOTE Paragraph 00:09:57.196 --> 00:09:58.373 ありがとう NOTE Paragraph 00:09:58.397 --> 00:10:02.682 (拍手)