0:00:00.720,0:00:02.136 こんにちは 私はエンジニアで 0:00:02.160,0:00:04.136 ロボットを製作しています 0:00:04.160,0:00:07.656 もちろん皆さんはロボットが[br]どんなものかお分かりですね 0:00:07.680,0:00:09.856 分からなければ検索してみると 0:00:09.880,0:00:11.736 はっきりします 0:00:11.760,0:00:13.000 ではやってみます 0:00:13.640,0:00:16.376 検索するとこんな感じです 0:00:16.400,0:00:19.576 色んな種類の[br]ロボットがあるのですが 0:00:19.600,0:00:23.336 これらは主に構造上[br]人型ロボットになっています 0:00:23.360,0:00:25.016 如何にもロボットという感じです 0:00:25.040,0:00:27.496 プラスチックや金属で出来ており 0:00:27.520,0:00:29.816 モーターやギア等を[br]備えていますからね 0:00:29.840,0:00:31.456 中には結構[br]親しみの湧く物もあり 0:00:31.480,0:00:33.536 抱えて抱きしめたり[br]出来そうです 0:00:33.560,0:00:34.976 そうでないものもあり 0:00:35.000,0:00:37.456 『ターミネーター』から[br]そのまま出てきたようです 0:00:37.480,0:00:40.016 実際『ターミネーター』[br]そのものでしょう 0:00:40.040,0:00:42.776 このロボットで[br]ワクワクするような凄い事が 0:00:42.800,0:00:44.416 沢山出来るのです 0:00:44.440,0:00:47.376 しかし私は[br]違う種類のロボットに着目し 0:00:47.400,0:00:49.376 そんな物を作ってみたいと [br]思っています 0:00:49.400,0:00:52.816 そこで私は人ではなく[br]ある物から 0:00:52.840,0:00:54.240 ヒントを得ました 0:00:54.680,0:00:57.256 それは自然の中に[br]存在する生き物で 0:00:57.280,0:00:59.856 私達には出来ない [br]実に凄い事をするのです 0:00:59.880,0:01:02.376 現在あるロボットにも[br]出来ない事を― 0:01:02.400,0:01:05.576 色々な事―床を這い回ったり 0:01:05.600,0:01:07.856 菜園に入り作物を食べたり 0:01:07.880,0:01:09.136 木に登ったり 0:01:09.160,0:01:11.376 水に出入りしたり 0:01:11.400,0:01:13.976 虫を捕まえて消化したりするのです 0:01:14.000,0:01:15.816 実に興味深い事をします 0:01:15.840,0:01:19.216 彼らは生き、呼吸をし、死に 0:01:19.240,0:01:21.056 自然の中にある物を食します 0:01:21.080,0:01:23.656 現存するロボットは実際 [br]そんな事をしません 0:01:23.680,0:01:24.896 こんな特性をいくらか 0:01:24.920,0:01:28.576 未来のロボットに取り込めたら [br]大いに関心を集める課題を 0:01:28.600,0:01:31.296 解決する手助けになるかも[br]しれませんよね? 0:01:31.320,0:01:34.376 現在の環境が抱える[br]2つの問題を見てみましょう 0:01:34.400,0:01:37.136 その環境の下では[br]これらの動植物から見出した 0:01:37.160,0:01:39.176 テクノロジーや技術を使う事ができ 0:01:39.200,0:01:40.736 問題解決の為には 0:01:40.760,0:01:42.856 ロボットが使えるのです 0:01:42.880,0:01:45.240 2つの環境問題を[br]検討してみましょう 0:01:45.960,0:01:47.376 両方共 私達が作り出した物で 0:01:47.400,0:01:49.856 人が環境と関わる中で[br]かなり不快な事態を 0:01:49.880,0:01:52.256 引き起こしたと言える物です 0:01:52.280,0:01:55.920 1つ目は人口の増加と[br]関連しています 0:01:56.440,0:01:58.856 世界中の人口が急増する中で 0:01:58.880,0:02:03.016 農家や農場は より多くの作物の生産を[br]求められるようになりました 0:02:03.040,0:02:04.256 その為に農家は 0:02:04.280,0:02:06.656 農地により多くの化学物質を[br]使うようになりました 0:02:06.680,0:02:09.816 化学肥料や硝酸塩[br]殺虫剤等です 0:02:09.840,0:02:13.216 それらは全て[br]穀物の生育を促す物ですが 0:02:13.240,0:02:15.376 悪影響もあります 0:02:15.400,0:02:18.856 その一例として [br]農地に化学肥料を与え過ぎると 0:02:18.880,0:02:21.296 その全てが作物には行き届かず 0:02:21.320,0:02:23.896 多くが土に留まり 0:02:23.920,0:02:25.376 雨が降ると 0:02:25.400,0:02:27.896 肥料は地下水面に流れ込み 0:02:27.920,0:02:29.176 そして地下水面から 0:02:29.180,0:02:33.920 流水となって湖や川に流れ込み[br]海へと流れて行くのです 0:02:34.400,0:02:37.016 この化学肥料(硝酸塩)の全てが 0:02:37.040,0:02:38.656 そうした環境に流れ込むと 0:02:38.680,0:02:42.456 それに影響を受ける[br]生物がいるのです 0:02:42.480,0:02:44.096 例えば藻類です 0:02:44.120,0:02:46.656 藻類は硝酸塩や[br]化学肥料が好物なので 0:02:46.680,0:02:48.776 そうした物質を[br]取り込み 0:02:48.800,0:02:51.736 条件が整えば 繁殖し 0:02:51.760,0:02:54.016 大量の新しい藻類が[br]増えるでしょう 0:02:54.040,0:02:55.576 これをブルームと言います 0:02:55.600,0:02:58.776 困った事に藻類が[br]こうした形で繁殖すると 0:02:58.800,0:03:01.040 水中の酸素が不足するのです 0:03:01.480,0:03:02.736 この事態に陥ると即座に 0:03:02.760,0:03:05.680 他の水中の生物は[br]生き残れなくなるのです 0:03:06.080,0:03:08.096 では私達は何をすべきでしょう? 0:03:08.120,0:03:12.136 藻類を食べ、それを消費し[br]安全な物にするロボットを 0:03:12.160,0:03:14.016 試作しています 0:03:14.040,0:03:15.400 それが1つ目の問題です 0:03:15.960,0:03:18.456 2つ目の問題も [br]やはり人が生み出した物で 0:03:18.480,0:03:20.360 石油による汚染と[br]関わりがあります 0:03:20.800,0:03:24.536 石油は私達が使用する[br]エンジンやボートから 0:03:24.560,0:03:25.896 流出します 0:03:25.920,0:03:28.976 時折 タンカーのオイルタンクから[br]海中にドッと漏れ出し 0:03:29.000,0:03:31.256 石油が海に流れ込みます 0:03:31.280,0:03:33.856 油田からの汚染を食べてしまう[br]ロボットを使って 0:03:33.880,0:03:38.600 この問題を[br]処理できれば良いですよね? 0:03:39.160,0:03:40.776 これが私達の仕事です 0:03:40.800,0:03:43.400 汚染物質を食べる[br]ロボットを作るのです 0:03:43.880,0:03:45.216 実際そのロボットを作る為に 0:03:45.240,0:03:47.440 2つの生物から ヒントを得ました 0:03:48.280,0:03:50.416 右側にウバザメが見えます 0:03:50.440,0:03:52.976 ウバザメは [br]大きな体つきをしています 0:03:53.000,0:03:55.576 肉食ではないので[br]一緒に泳ぐ事が出来ます 0:03:55.600,0:03:57.056 ご覧の通りです 0:03:57.080,0:03:58.936 サメは口を大きく開けて 0:03:58.960,0:04:01.800 水中を泳ぎ[br]プランクトンを集めています 0:04:02.880,0:04:05.096 動き回り続ける為にその体内で [br]エネルギーを使っているのです 0:04:05.120,0:04:08.640 そんなロボットが[br]私達に作れないものか 0:04:09.400,0:04:11.256 海を泳ぎながら [br]汚染物質を食べ尽くす 0:04:11.280,0:04:13.816 ウバザメのような― 0:04:13.840,0:04:15.200 出来るかどうかやってみましょう 0:04:16.160,0:04:17.896 別の生物からも[br]ヒントを得ました 0:04:17.920,0:04:20.976 ここにマツモムシの[br]写真があります 0:04:21.000,0:04:24.886 本当に可愛らしい虫です 0:04:24.920,0:04:26.496 水中で泳ぐ時 0:04:26.520,0:04:29.000 ぺダルのような脚で[br]前に進みます 0:04:29.600,0:04:31.616 私達はこれら[br]2つの生物をヒントにして 0:04:31.640,0:04:34.640 その両方を繋げ新種の [br]ロボットを作ったのです 0:04:35.320,0:04:38.496 実際この虫からヒントを得て[br]作ったので 0:04:38.520,0:04:41.296 このロボットは水面に浮かび 0:04:41.320,0:04:42.576 水面を漕ぎます 0:04:42.600,0:04:44.816 "Row(漕ぐ)-bot(ロボット)"[br]という名前です 0:04:44.840,0:04:48.696 漕ぐロボットなのです 0:04:48.720,0:04:51.416 どんなものでしょう? 0:04:51.440,0:04:53.176 ここに何枚か[br]Row-botの写真があります 0:04:53.200,0:04:54.416 お見せしましょう 0:04:54.440,0:04:57.776 最初に見たロボットとは[br]全く違っていますね 0:04:57.800,0:04:59.936 グーグルは間違っています[br]ロボットは 0:04:59.960,0:05:01.176 むしろ こんな感じです 0:05:01.200,0:05:02.976 ここにRow-botを持って来ました 0:05:03.000,0:05:04.416 お見せしますね 0:05:04.440,0:05:06.096 大きさが分かるでしょうし 0:05:06.120,0:05:08.256 他のロボットとは[br]違っていると分かるでしょう 0:05:08.280,0:05:09.896 これはプラスチックで出来ています 0:05:09.920,0:05:11.976 Row-botを構成しているパーツー 0:05:12.000,0:05:13.316 これが何故特別なのか 0:05:13.340,0:05:14.721 見てみましょう 0:05:15.760,0:05:18.576 Row-botは[br]3つのパーツから出来ていて 0:05:18.600,0:05:21.896 それら3つは本当に[br]生物の一部のようです 0:05:21.920,0:05:23.576 脳があり 0:05:23.600,0:05:24.976 体があり 0:05:25.000,0:05:27.296 胃があります 0:05:27.320,0:05:29.736 エネルギーを生み出す為には[br]胃が必要なのです 0:05:29.760,0:05:31.976 どのRow-botにも[br]これら3つのパーツがありますが 0:05:32.000,0:05:34.376 それはどんな生物も同様です 0:05:34.400,0:05:36.296 では1つずつ見て行きましょう 0:05:36.320,0:05:37.576 プラスチックで出来た 0:05:37.600,0:05:39.376 体があり それは 0:05:39.400,0:05:41.616 水面に浮かぶのです 0:05:41.640,0:05:44.576 その側面に水かきがあります 0:05:44.600,0:05:46.096 動く手助けとなるオールです 0:05:46.120,0:05:47.480 まるでマツモムシのようです 0:05:48.200,0:05:49.536 体はプラスチックですが 0:05:49.560,0:05:52.416 ここには柔らかい[br]ゴム製の口がこことここにあり 0:05:52.440,0:05:54.336 その口は2つです 0:05:54.360,0:05:55.776 何故口が2つあるのでしょう? 0:05:55.800,0:05:57.616 1つは食べ物を取り入れ 0:05:57.640,0:05:59.576 もう片方は[br]食べ物を排出するのです 0:05:59.600,0:06:03.096 つまり口とお尻が[br]ある事が分かります 0:06:03.120,0:06:04.336 お尻と言うかー 0:06:04.360,0:06:05.376 (笑) 0:06:05.400,0:06:07.136 物が出て行く場所で 0:06:07.160,0:06:08.856 正に本物の生物のようです 0:06:08.880,0:06:11.696 ウバザメにも似てきました 0:06:11.720,0:06:13.096 それは体です 0:06:13.120,0:06:16.256 2つ目のパーツは[br]胃かもしれません 0:06:16.280,0:06:20.176 ロボットにエネルギーを供給し[br]汚染物質を処理する必要があるので 0:06:20.200,0:06:21.736 汚染物質が中に入り 0:06:21.760,0:06:23.256 何かを行います 0:06:23.280,0:06:26.856 真ん中の この部分には[br]微生物燃料電池という電池があります 0:06:26.880,0:06:29.640 これを置いて [br]燃料電池をお見せします 0:06:30.200,0:06:32.056 これはバッテリーを[br]装備する代わりとなり 0:06:32.080,0:06:34.256 従来の電力装置の[br]代わりとなるものです 0:06:34.280,0:06:35.536 1つお見せしましょう 0:06:35.560,0:06:36.816 これはロボットの胃です 0:06:36.840,0:06:38.096 本当に胃の働きをします 0:06:38.120,0:06:41.536 こちらの側から汚染物質という形で [br]エネルギーを入れる事が出来るからで 0:06:41.560,0:06:43.216 それが電気を生み出すのです 0:06:43.240,0:06:44.456 これは何でしょう? 0:06:44.480,0:06:46.136 微生物燃料電池と[br]呼ばれるものです 0:06:46.160,0:06:48.256 少しだけ [br]化学燃料電池に似ています 0:06:48.280,0:06:50.296 それを学校で[br]見かけたかもしれないし 0:06:50.320,0:06:51.936 ニュースで見たかもしれません 0:06:51.960,0:06:54.096 化学燃料電池は[br]水素と酸素を取り込み 0:06:54.120,0:06:56.936 反応させて[br]電気を生み出します 0:06:56.960,0:07:00.376 技術は十分に確立されたもので[br]アポロ宇宙計画で使われました 0:07:00.400,0:07:01.880 40〜50年前の事です 0:07:02.440,0:07:03.696 それより少しだけ新しいのが 0:07:03.720,0:07:05.176 微生物燃料電池です 0:07:05.200,0:07:06.456 原理は同じです 0:07:06.480,0:07:07.896 片側に酸素を入れますが 0:07:07.920,0:07:10.016 もう片側には[br]水素を入れる代わりに 0:07:10.040,0:07:11.336 スープを少量入れます 0:07:11.360,0:07:14.176 そのスープの中には[br]生きた微生物が入っています 0:07:14.200,0:07:16.896 少し有機物質を入れると―[br]それは廃棄物や 0:07:16.920,0:07:19.256 サンドイッチの残りといった 0:07:19.280,0:07:20.776 残飯かもしれませんが― 0:07:20.800,0:07:23.616 そこに入れると[br]微生物がそれを食べ 0:07:23.640,0:07:25.520 それが電気に変わるのです 0:07:26.400,0:07:29.896 そればかりか[br]適切な微生物を選べば 0:07:29.920,0:07:33.680 汚染物質を処理する為に[br]微生物燃料電池が使えるのです 0:07:34.400,0:07:36.016 適切な微生物を選べば 0:07:36.040,0:07:38.656 微生物は藻類を食べます 0:07:38.680,0:07:41.016 別の種類の微生物を選べば 0:07:41.040,0:07:44.560 石油溶剤や原油を[br]食べるでしょう 0:07:44.960,0:07:47.656 この胃がどうやって[br]汚染物質を処理する為に 0:07:47.680,0:07:50.936 使われているか だけでなく[br]どうやって汚染から電気を 0:07:50.960,0:07:53.760 生み出すのに使われているかが[br]分かるでしょう 0:07:54.400,0:07:57.176 ロボットは[br]食べ物を胃の中に入れ 0:07:57.200,0:07:59.296 消化して電気を作り 0:07:59.320,0:08:01.816 自然環境の中で動き回る為に 0:08:01.840,0:08:04.336 電気を使う行為を [br]繰り返すのです 0:08:04.360,0:08:05.576 電気を使う行為を [br]繰り返すのです 0:08:05.600,0:08:09.136 Row-botを作動させると[br]何が起こるか見てみましょう 0:08:09.160,0:08:10.536 水を漕ぐとどうなるか― 0:08:10.560,0:08:12.216 ビデオを2つお見せします 0:08:12.240,0:08:14.896 最初にお見せするのは 0:08:14.920,0:08:16.216 開いた口です 0:08:16.240,0:08:19.256 前方と後方の口が開き 0:08:19.280,0:08:20.816 十分に開ききると 0:08:20.840,0:08:22.856 ロボットは[br]前方に漕ぎ始めます 0:08:22.880,0:08:24.136 食べ物を取り込み 0:08:24.160,0:08:27.256 処理物を排出する為に[br]水中をかき分けています 0:08:27.280,0:08:28.536 ひとしきり動き終えると 0:08:28.560,0:08:31.496 止まり 口を閉じますー 0:08:31.520,0:08:33.936 ゆっくりと口を閉じるのです 0:08:33.960,0:08:35.616 そしてそこに留まり 0:08:35.640,0:08:37.280 食べ物を消化します 0:08:38.000,0:08:40.696 もちろんこれは[br]微生物燃料電池で 0:08:40.720,0:08:41.976 微生物を含んでいます 0:08:42.000,0:08:43.856 本当は出来るだけ早く 0:08:43.880,0:08:46.496 沢山のエネルギーを[br]微生物から出したいのですが 0:08:46.520,0:08:48.096 微生物に無理は利かず 0:08:48.120,0:08:51.136 毎秒ミリワット又は [br]マイクロワットといった 0:08:51.160,0:08:54.416 ごく少量の電気しか[br]作り出せません 0:08:54.440,0:08:56.296 これを分かりやすく説明すると 0:08:56.320,0:08:57.856 例えばあなたのスマホは 0:08:57.880,0:08:59.256 特に新型のものでは 0:08:59.280,0:09:01.496 約1ワットが必要です 0:09:01.520,0:09:05.336 それは微生物燃料電池と比較すると[br]千倍、百万倍の 0:09:05.360,0:09:07.320 エネルギーとなります 0:09:08.000,0:09:09.576 それをどう使えるのでしょうか? 0:09:09.600,0:09:12.456 Row-botが消化を完了し 0:09:12.480,0:09:13.936 食べ物を取り入れると 0:09:13.960,0:09:17.496 すべての食物を消化するまで[br]じっと待ちます 0:09:17.520,0:09:20.736 それには数時間[br]時には数日かかります 0:09:20.760,0:09:24.456 典型的なRow-botのサイクルは[br]次のようなものです 0:09:24.480,0:09:25.736 口を開け 0:09:25.760,0:09:27.016 動き 0:09:27.040,0:09:28.296 口を閉じ 0:09:28.320,0:09:30.176 その場にじっとして待つのです 0:09:30.200,0:09:31.576 一旦食べ物を消化すると 0:09:31.600,0:09:34.416 再び同じ事をして[br]動き回るのです 0:09:34.440,0:09:37.416 しかし本当の[br]生物のようだと思いませんか? 0:09:37.440,0:09:39.296 まるで私達が[br]行なっている事のようです 0:09:39.320,0:09:41.376 土曜日の夜に[br]外出して口を開け 0:09:41.400,0:09:42.936 腹を満たし 0:09:42.960,0:09:45.896 テレビの前に座って消化をします 0:09:45.920,0:09:48.296 十分消化したら[br]同じ事を繰り返します 0:09:48.320,0:09:51.176 このサイクルを繰り返すと 0:09:51.200,0:09:54.736 最後には他の事が出来る程の[br]余分なエネルギーが得られます 0:09:54.760,0:09:56.896 最後には他の事が出来る程の[br]余分なエネルギーが得られます 0:09:56.920,0:09:58.936 例えばメッセージを送ります 0:09:58.960,0:10:00.456 こんなメッセージです 0:10:00.480,0:10:02.816 「最近これだけ汚染物質を食べたよ」[br]とか 0:10:02.840,0:10:05.416 「こんな食べ物に出くわしたよ」[br]とか 0:10:05.440,0:10:07.120 「僕はここにいるよ」 0:10:07.800,0:10:11.056 「僕はここにいるよ」[br]とメッセージを送る能力は 0:10:11.080,0:10:13.016 非常に重要なものです 0:10:13.040,0:10:15.536 以前目にした油膜の事や 0:10:15.560,0:10:17.016 藻類の過剰繁殖を考えると 0:10:17.040,0:10:19.736 求められるのは[br]自然の中でRow-botを浮かべて 0:10:19.760,0:10:21.736 全ての汚染物質を食べ尽くし 0:10:21.760,0:10:23.936 その後 回収する事です 0:10:23.960,0:10:25.176 何故でしょう? 0:10:25.200,0:10:27.016 今のロボット― 0:10:27.040,0:10:28.376 私がここに[br]持って来たRow-botは 0:10:28.400,0:10:30.256 モーターやワイヤーがあり 0:10:30.280,0:10:33.736 それ自体が生物分解性でない[br]パーツで出来ています 0:10:33.760,0:10:36.496 現在のRow-botは[br]有害な電池のような物が付いています 0:10:36.520,0:10:38.496 それを自然の中に[br]放置する事は出来ないので 0:10:38.520,0:10:40.016 それを探知する必要があり 0:10:40.040,0:10:42.376 仕事を終えてしまったら 0:10:42.400,0:10:43.656 回収する必要があるのです 0:10:43.680,0:10:46.016 従って使用出来る[br]Row-botの数は制限されます 0:10:46.040,0:10:47.296 一方で 0:10:47.320,0:10:50.456 少しばかり生物のような[br]ロボットであるなら 0:10:50.480,0:10:52.576 命の終焉となり 0:10:52.600,0:10:55.056 朽ち果てます 0:10:55.080,0:10:57.416 だから こんなロボットが 0:10:57.440,0:10:59.679 プラスチック製ではなく[br]そこらに捨てておくと 0:10:59.703,0:11:01.296 生分解する別の素材で 0:11:01.320,0:11:04.416 出来ていたら良いですよね? 0:11:04.440,0:11:06.536 そうなったら[br]ロボットの使い方が変わります 0:11:06.560,0:11:09.936 10〜100個のロボットを[br]自然に放ち 0:11:09.960,0:11:11.216 それらを追跡し ロボットが 0:11:11.240,0:11:12.576 死んだ時 回収するのでなく 0:11:12.600,0:11:13.816 死んだ時 回収するのでなく 0:11:13.840,0:11:15.536 千、百万、十億個の 0:11:15.560,0:11:18.296 ロボットを自然環境に[br]放つ事が出来ます 0:11:18.320,0:11:20.136 ばら撒くだけで良いのです 0:11:20.160,0:11:23.776 命の終わりには ロボットが[br]朽ち果てるのが分かっているので 0:11:23.800,0:11:25.496 心配には及びません 0:11:25.520,0:11:28.136 これはロボットに関する概念と 0:11:28.160,0:11:29.536 その使い方を変えます 0:11:29.560,0:11:31.416 問題は そんな事が[br]可能かということです 0:11:31.440,0:11:33.616 可能だと私達は実証しました 0:11:33.640,0:11:35.736 生物分解性のロボットを[br]作る事は可能です 0:11:35.760,0:11:38.616 実に興味深い事に[br]このロボットを作るには 0:11:38.640,0:11:40.336 ありふれた素材が使えるのです 0:11:40.360,0:11:42.936 いくつかご紹介しましょう [br]驚きですよ 0:11:42.960,0:11:45.856 ゼリーから[br]ロボットが作れるのです 0:11:45.880,0:11:48.656 現在あるモーターを[br]付ける代わりに 0:11:48.680,0:11:51.136 人工筋肉と呼ばれる物が[br]使えるのです 0:11:51.160,0:11:53.456 人工筋肉はスマート素材で 0:11:53.480,0:11:54.936 電気をその素材に通すと 0:11:54.960,0:11:57.136 収縮したり 曲がったり [br]捻れたりします 0:11:57.160,0:11:59.376 本物の筋肉のようです 0:11:59.400,0:12:02.400 モーターを取り付ける代わりに[br]この人工筋肉を付けるのです 0:12:02.424,0:12:05.256 人工筋肉は[br]ゼリーから作れるのです 0:12:05.280,0:12:07.216 ゼリー少しと塩少々を用意し 0:12:07.240,0:12:08.816 少しばかり細工をすると 0:12:08.840,0:12:10.616 人工筋肉が出来上がるのです 0:12:10.640,0:12:14.216 先程 紙から微生物燃料電池の胃も[br]作れると言いました 0:12:14.240,0:12:15.656 先程 紙から微生物燃料電池の胃も[br]作れると言いました 0:12:15.680,0:12:19.160 生物分解性の素材から[br]ロボットの全体が出来るのです 0:12:19.480,0:12:22.360 野外に放置すると[br]その後 朽ち果てます 0:12:23.600,0:12:25.456 心の底からワクワクします 0:12:25.480,0:12:28.671 これは私達のロボットに対する概念を[br]全く変えてしまいそうです 0:12:28.695,0:12:30.936 それだけでなく[br]これらのロボットを使って 0:12:30.960,0:12:34.296 出来る事への考え方が 実に[br]クリエイティブな物にもなるのです 0:12:34.320,0:12:35.576 一例をご紹介しましょう 0:12:35.600,0:12:38.176 ロボットを作るのに[br]ゼリーが使えたらー 0:12:38.200,0:12:40.096 ゼリーを食べますよね? 0:12:40.120,0:12:42.616 こんなものを作っては[br]如何でしょう? 0:12:42.640,0:12:44.040 グミベアー・ロボットです 0:12:45.120,0:12:47.896 ここにいくつか[br]予め用意しておきました 0:12:47.920,0:12:49.520 さあここに [br]グミの小袋があります 0:12:50.560,0:12:52.440 レモン味です 0:12:53.600,0:12:56.336 グミベアーを食べます [br]この熊はロボットっぽくないですね? 0:12:56.360,0:12:57.576 でもそういうふりをします 0:12:57.600,0:13:00.616 1つ口の中に放り込みます 0:13:00.640,0:13:01.880 レモン味 美味いですね 0:13:02.720,0:13:05.625 あまり噛まないように気をつけます [br]ロボットですから 嫌でしょうし 0:13:06.840,0:13:09.056 そして飲み込みます 0:13:09.080,0:13:10.776 胃の中に入ります 0:13:10.800,0:13:14.616 そこでロボットは動き、思考し[br]曲ったりくねったりします 0:13:14.640,0:13:15.856 何かをするのです 0:13:15.880,0:13:18.056 更に腸の方まで移動して 0:13:18.080,0:13:20.416 潰瘍やがんが[br]あるかどうかを見極め 0:13:20.440,0:13:22.536 注射のような事を[br]するかも知れません 0:13:22.560,0:13:25.416 一旦その仕事を終えたら 0:13:25.440,0:13:27.656 ロボットは胃で消化されたり 0:13:27.680,0:13:29.376 それを望まなければ 0:13:29.400,0:13:31.016 そのまま消化器官を通り 0:13:31.040,0:13:32.256 トイレに流され 0:13:32.280,0:13:34.496 環境の中で安全に分解されます 0:13:34.520,0:13:37.760 これは又 私達の[br]ロボットへの概念を変えます 0:13:38.720,0:13:43.016 はじめに汚染物質を食べるロボットを[br]ご紹介しました 0:13:43.040,0:13:45.696 次に私達が食べられる[br]ロボットでした 0:13:45.720,0:13:47.376 これが将来のロボットとの 0:13:47.400,0:13:49.840 関わりのヒントを [br]与えてくれると思います 0:13:51.560,0:13:53.456 ご清聴有難うございました 0:13:53.480,0:13:56.963 (拍手)