1 00:00:00,746 --> 00:00:02,013 私は海洋化学者です 2 00:00:02,013 --> 00:00:04,326 現在の海洋の化学を調査し 3 00:00:04,326 --> 00:00:07,350 過去の海洋の化学を考察します 4 00:00:07,350 --> 00:00:09,454 過去の考察には 5 00:00:09,458 --> 00:00:12,593 深海にある サンゴの化石を使います 6 00:00:12,593 --> 00:00:15,289 これはサンゴの写真です 7 00:00:15,289 --> 00:00:19,739 南極付近の水深数千メートルの 深海で採取されたもので 8 00:00:19,739 --> 00:00:21,851 南国に行ったことがあれば 9 00:00:21,851 --> 00:00:25,668 運良く見ることもある サンゴとはかなり違います 10 00:00:25,702 --> 00:00:29,559 この話で海洋の4次元的な見方を 示したいと思います 11 00:00:29,559 --> 00:00:33,326 例えばこの美しい 海面水温の平面画像は 12 00:00:33,326 --> 00:00:35,074 2次元になります 13 00:00:35,074 --> 00:00:39,128 これは驚異的な空間解像度を備えた 人工衛星で撮影されました 14 00:00:39,898 --> 00:00:42,758 全体的な特徴は 実にわかりやすいものです 15 00:00:42,758 --> 00:00:46,436 赤道地域は 日射量が多いため温暖で 16 00:00:46,436 --> 00:00:49,162 極地は日射量が少ないため 寒冷です 17 00:00:49,166 --> 00:00:52,101 これにより南極大陸と北極圏で 18 00:00:52,101 --> 00:00:53,941 氷冠が発達します 19 00:00:54,299 --> 00:00:57,701 もし皆さんが海に深く飛び込むか つま先を入れるだけでも 20 00:00:57,701 --> 00:00:59,678 深くなるにつれて 冷たくなるのが分かります 21 00:00:59,678 --> 00:01:03,671 その主な理由は 深海に広がる底層水は 22 00:01:03,671 --> 00:01:06,876 極地の冷たい高密度水が 循環したものだからです 23 00:01:07,845 --> 00:01:10,935 2万年前にさかのぼると 24 00:01:10,935 --> 00:01:12,835 地球は今と随分違って見えます 25 00:01:12,839 --> 00:01:16,320 大昔に時間を巻き戻すと 目にするであろう 26 00:01:16,320 --> 00:01:18,589 主な違いの一つをご覧に入れます 27 00:01:18,589 --> 00:01:20,285 氷冠はずっと広大でした 28 00:01:20,285 --> 00:01:23,956 氷の塊が多くの大陸を覆い 海上まで広がっていました 29 00:01:23,956 --> 00:01:26,473 海面は今より120メートル低く 30 00:01:26,473 --> 00:01:30,041 二酸化炭素の量は 今よりずっと低レベルでした 31 00:01:30,041 --> 00:01:33,709 故に当時の地球の気温は 全体的に3~5度低く 32 00:01:33,709 --> 00:01:36,559 極地の気温は 更にずっと低かったと考えられます 33 00:01:37,908 --> 00:01:39,356 私と同僚たちが 34 00:01:39,356 --> 00:01:41,602 理解に努めているのは 35 00:01:41,602 --> 00:01:44,665 どのようにして 昔の寒冷な気候から 36 00:01:44,665 --> 00:01:47,585 現在の温暖な気候へと 移り変わったのかです 37 00:01:47,585 --> 00:01:49,668 氷床コアの研究から 38 00:01:49,672 --> 00:01:52,782 寒冷期から温暖期への移行は 太陽放射量の緩やかな増加をもとに 39 00:01:52,782 --> 00:01:57,550 皆さんが予想するほど 安定的ではなかったことが分かります 40 00:01:58,153 --> 00:02:01,378 氷床コアからこれらが分かるのは 氷を下に掘り進めて行くと 41 00:02:01,378 --> 00:02:04,679 年毎の層が見られるからです 氷山にもあります 42 00:02:04,683 --> 00:02:06,678 このような青と白の層です 43 00:02:06,678 --> 00:02:10,318 氷床コアにはガスが閉じ込められており 二酸化炭素濃度の測定が可能で 44 00:02:10,318 --> 00:02:12,727 昔は二酸化炭素濃度が 低かったと知ることができます 45 00:02:12,727 --> 00:02:17,214 また 氷の化学的性質から 極地の気温の情報も得られます 46 00:02:17,243 --> 00:02:20,946 皆さんがもしも 2万年前から現代に来れば 47 00:02:20,946 --> 00:02:22,749 気温の上昇に気付きます 48 00:02:22,749 --> 00:02:24,434 気温の上昇は不安定でした 49 00:02:24,438 --> 00:02:26,230 急激に上昇することもあれば 50 00:02:26,230 --> 00:02:27,498 停滞期に入ったり 51 00:02:27,498 --> 00:02:28,787 また急上昇したりしました 52 00:02:28,787 --> 00:02:30,825 これは南北の極地で異なり 53 00:02:30,825 --> 00:02:33,594 二酸化炭素濃度も急上昇しました 54 00:02:34,808 --> 00:02:37,854 私たちは海との大きな関連を 確信しています 55 00:02:37,858 --> 00:02:40,228 海は大量の炭素を貯えていて 56 00:02:40,228 --> 00:02:42,822 その量は大気中の約60倍です 57 00:02:42,826 --> 00:02:46,032 それは同じく赤道を越えて 熱を運ぶように作用し 58 00:02:46,032 --> 00:02:49,841 海は栄養豊富で これが基礎生産力を左右します 59 00:02:50,142 --> 00:02:53,110 深海で何が起きているかを 知るには 60 00:02:53,110 --> 00:02:54,737 実際に深海に潜り 61 00:02:54,737 --> 00:02:55,933 何があるかを見て 62 00:02:55,937 --> 00:02:57,355 調査することが不可欠です 63 00:02:57,355 --> 00:03:00,356 この見事な映像は 陸地から遠く離れた 64 00:03:00,356 --> 00:03:02,599 大西洋赤道域の国際水域にある 65 00:03:02,599 --> 00:03:05,609 水深約1キロの海山で撮影しました 66 00:03:05,613 --> 00:03:08,626 我々研究チームを含めて このような海底の映像を見たことある人は 67 00:03:08,626 --> 00:03:11,168 ほとんどいません 68 00:03:11,168 --> 00:03:13,808 皆さんはおそらく私たちも知らない 新種の生物を見ています 69 00:03:13,834 --> 00:03:17,944 サンプルを収集し 一心不乱に分類するだけです 70 00:03:17,948 --> 00:03:19,825 バブルガムサンゴがいます 71 00:03:19,825 --> 00:03:22,103 サンゴに潜んで成長する クモヒトデもいます 72 00:03:22,103 --> 00:03:25,203 サンゴから伸びている 触手のようなものです 73 00:03:25,203 --> 00:03:28,109 様々な形態の 炭酸カルシウムから成るサンゴが 74 00:03:28,109 --> 00:03:31,489 巨大な海山の玄武岩の上に 成長しています 75 00:03:31,489 --> 00:03:34,897 この黒っぽい物体は 化石化したサンゴです 76 00:03:34,897 --> 00:03:37,222 後で昔の話をするので これについてもう少し説明します 77 00:03:37,222 --> 00:03:38,610 後で昔の話をするので これについてもう少し説明します 78 00:03:39,030 --> 00:03:41,499 まず私たちは調査用ボートを借ります 79 00:03:41,499 --> 00:03:45,833 テネリフェ島に停泊する海洋調査船 ジェームズ・クック号です 80 00:03:45,867 --> 00:03:47,229 美しいですね 81 00:03:47,554 --> 00:03:49,384 船乗りでなくても分かります 82 00:03:49,702 --> 00:03:52,206 このようにしていることもあります 83 00:03:52,220 --> 00:03:55,423 貴重なサンプルを失くしていないか 確認している場面です 84 00:03:55,423 --> 00:03:58,244 皆が忙しく動き回ったり 私はひどい船酔いをしたりと 85 00:03:58,244 --> 00:04:01,262 楽しいことばかりではありませんが 大抵は楽しいです 86 00:04:01,262 --> 00:04:03,898 私たちは腕利きの 地図製作者になる必要がありました 87 00:04:03,902 --> 00:04:07,661 このように見事なサンゴの分布は なかなかありません 88 00:04:07,665 --> 00:04:10,725 世界中の深海にありますが 89 00:04:10,729 --> 00:04:13,047 私たちは本当に適当な 場所を見つける必要があります 90 00:04:13,047 --> 00:04:16,247 今見たのが世界の海底地図 その上に重ねたのが 91 00:04:16,247 --> 00:04:17,992 昨年の航路です 92 00:04:17,992 --> 00:04:19,386 7週間の航海でした 93 00:04:19,390 --> 00:04:21,408 約7万5千平方キロに及ぶ― 94 00:04:21,408 --> 00:04:25,529 海底の地図をたった7週間で 独自に作成しましたが 95 00:04:25,533 --> 00:04:28,075 これは海底のほんの一部分です 96 00:04:28,079 --> 00:04:29,862 西から東へ移動します 97 00:04:29,862 --> 00:04:33,442 大きな縮尺の地図では 海底は何の特徴もなく見えますが 98 00:04:33,442 --> 00:04:36,667 これらの山のいくつかは エベレスト級の大きさです 99 00:04:36,667 --> 00:04:38,610 私たちが船上で作成する地図では 100 00:04:38,610 --> 00:04:40,636 約100メートルの解像度が得られ 101 00:04:40,649 --> 00:04:45,467 これは機材の配置場所を選ぶには 十分ですが観察には不十分です 102 00:04:45,467 --> 00:04:48,233 このため遠隔操作の無人探査機を 海底から約5メートルで 103 00:04:48,233 --> 00:04:50,441 泳がせる必要があります 104 00:04:50,441 --> 00:04:53,690 すると水深数千メートル地点で 1メートルの解像度の地図が得られます 105 00:04:53,690 --> 00:04:55,628 すると水深数千メートル地点で 1メートルの解像度の地図が得られます 106 00:04:55,628 --> 00:04:57,639 この遠隔操作無人探査機は 107 00:04:57,639 --> 00:05:00,004 研究用のレベルです 108 00:05:00,004 --> 00:05:02,470 上部にずらりと並んだ 大きなライトが見えます 109 00:05:02,470 --> 00:05:05,589 高解像度カメラや マニピュレーターアーム 110 00:05:05,589 --> 00:05:08,532 サンプルを収めるための 多数の小箱などがあります 111 00:05:09,087 --> 00:05:12,799 さあ 今回の航海で初の潜水です 112 00:05:12,799 --> 00:05:14,499 海に潜っています 113 00:05:14,499 --> 00:05:17,426 無人探査機が他の船の影響を 受けないように 114 00:05:17,426 --> 00:05:19,173 かなりの高速で潜らせます 115 00:05:19,173 --> 00:05:20,365 さらに深く潜ると 116 00:05:20,365 --> 00:05:22,583 このような物が見えます 117 00:05:22,583 --> 00:05:26,123 体長1メートルほどの 海綿動物がいます 118 00:05:26,817 --> 00:05:31,065 これは泳ぐ棘皮動物 つまり小さなナマコです 119 00:05:31,069 --> 00:05:32,250 これはスローモーションです 120 00:05:32,250 --> 00:05:34,673 映像の大部分は 実際は長時間かかるので 121 00:05:34,673 --> 00:05:36,641 早送りしています 122 00:05:37,474 --> 00:05:40,413 これもまた 美しいナマコです 123 00:05:40,897 --> 00:05:43,583 これからお見せする動物に 皆さん驚くでしょう 124 00:05:43,583 --> 00:05:46,519 私も見たことがなかったので 一同が驚いたものです 125 00:05:46,519 --> 00:05:49,647 約15時間の作業の後で 私たちが少しイライラしてきた頃 126 00:05:49,647 --> 00:05:52,492 突如この巨大な海の怪物が くねりながら通ったのです 127 00:05:52,492 --> 00:05:56,382 これはパイロソーマもしくは 群体ホヤと呼ばれています 128 00:05:56,382 --> 00:05:58,513 私たちが探していた物では ありませんでした 129 00:05:58,513 --> 00:06:01,389 私たちが探していたのは 深海のサンゴです 130 00:06:02,194 --> 00:06:04,486 ある映像をお見せします 131 00:06:04,486 --> 00:06:07,135 小形で体長は5センチ程です 132 00:06:07,135 --> 00:06:10,477 炭酸カルシウムでできているので 触手が見えます 133 00:06:10,477 --> 00:06:13,178 海流を受けて動いています 134 00:06:13,180 --> 00:06:16,265 このような生物は 恐らく100年は生きています 135 00:06:16,265 --> 00:06:19,855 そして成長しながら 海から化学物質を取り込みます 136 00:06:19,859 --> 00:06:22,079 その化学物質の種類や量は 137 00:06:22,079 --> 00:06:26,417 水温、pH値や栄養素によって 異なります 138 00:06:26,417 --> 00:06:29,595 どのように化学物質が 骨格に取り込まれるかが分かれば 139 00:06:29,595 --> 00:06:32,127 戻って化石標本を収集し 140 00:06:32,127 --> 00:06:35,321 昔の海がどういうありさまだったのか 再現できます 141 00:06:35,321 --> 00:06:38,761 これは私たちが 真空装置でサンゴを収集し 142 00:06:38,765 --> 00:06:41,310 サンプル容器に入れている様子です 143 00:06:41,310 --> 00:06:43,463 これはとても慎重な作業だと 言っておきます 144 00:06:43,463 --> 00:06:45,862 中にはさらに長命な生物もいます 145 00:06:45,862 --> 00:06:49,304 これはクロサンゴ類のレイオパテスで 同僚のブレンダン・ロアークが 146 00:06:49,308 --> 00:06:52,574 ハワイの海面下約500メートルで 撮影しました 147 00:06:52,574 --> 00:06:54,657 4000年は経過しています 148 00:06:54,962 --> 00:06:58,097 この枝を1本採って磨いてみると 149 00:06:58,101 --> 00:07:00,414 画面のさしわたしが数百ミクロンです 150 00:07:00,763 --> 00:07:03,238 ブレンダンは これをいくつかの分析にかけ 151 00:07:03,238 --> 00:07:05,068 跡が見えますね 152 00:07:05,068 --> 00:07:08,067 実際の成長輪の可視化に 成功しました 153 00:07:08,071 --> 00:07:09,988 つまり 水深500メートルのサンゴも 154 00:07:09,988 --> 00:07:12,770 季節による変化を記録できるのです 155 00:07:12,770 --> 00:07:14,526 これには目を見張ります 156 00:07:14,526 --> 00:07:18,348 しかし4000年では最終氷期の 最盛期には届きません 157 00:07:18,348 --> 00:07:19,530 ではどうするか? 158 00:07:19,530 --> 00:07:21,587 これらの化石標本を調査します 159 00:07:22,180 --> 00:07:25,105 このため 私は研究班で 実に不人気です 160 00:07:25,105 --> 00:07:26,279 海底へ進んでいくと 161 00:07:26,279 --> 00:07:27,911 あちこちに大きなサメや 162 00:07:27,911 --> 00:07:30,443 ホヤそして泳ぐナマコ 163 00:07:30,443 --> 00:07:31,728 大きな海綿動物がいます 164 00:07:31,728 --> 00:07:34,357 しかし私は研究員を 化石のある場所へ連れて行き 165 00:07:34,357 --> 00:07:37,943 ショベルで海底をすくうことに たっぷり時間をかけさせるのです 166 00:07:37,967 --> 00:07:41,316 そしてこれらのサンゴを全て収集して 持ち帰り 分類します 167 00:07:41,316 --> 00:07:43,615 それぞれ年齢が異なり 168 00:07:43,615 --> 00:07:45,576 もしも年齢が分かれば 169 00:07:45,580 --> 00:07:48,106 化学信号の測定が可能で 170 00:07:48,106 --> 00:07:52,512 過去に海で何が起きていたのかを 調査するのに役立ちます 171 00:07:52,528 --> 00:07:54,256 左側の写真は 172 00:07:54,256 --> 00:07:57,318 サンゴの一部を採取し 注意深く磨いて 173 00:07:57,322 --> 00:07:59,306 光学像を撮影したものです 174 00:07:59,306 --> 00:08:00,482 右側の写真は 175 00:08:00,482 --> 00:08:03,566 同じサンゴのかけらを原子炉に入れ 176 00:08:03,566 --> 00:08:04,752 核分裂を誘発した画像です 177 00:08:04,752 --> 00:08:06,437 核分裂のたびにその痕跡が 178 00:08:06,437 --> 00:08:08,433 サンゴに残されていくので 179 00:08:08,433 --> 00:08:10,356 ウランの分布がわかります 180 00:08:10,356 --> 00:08:11,521 この分析は何のためか? 181 00:08:11,521 --> 00:08:13,812 ウランはぜんぜん 評判の良くない元素ですが 182 00:08:13,812 --> 00:08:15,005 私は好きです 183 00:08:15,005 --> 00:08:19,801 崩壊によりその比率や 事象が起きた年代を測定できます 184 00:08:19,821 --> 00:08:20,826 最初を思い出すと 185 00:08:20,826 --> 00:08:23,683 これこそ気候の調査で 突き止めたかったことです 186 00:08:23,683 --> 00:08:26,558 サンゴが含有するウランと 娘核種のトリウムを 187 00:08:26,558 --> 00:08:28,897 レーザーで分析すると 188 00:08:28,897 --> 00:08:32,035 化石がちょうど何歳か 分かります 189 00:08:32,741 --> 00:08:34,964 この南極海の美しい動画を使って 190 00:08:34,964 --> 00:08:38,113 私たちがサンゴから 古代海洋の情報を― 191 00:08:38,116 --> 00:08:42,217 どのように得るのか 説明していきましょう 192 00:08:42,217 --> 00:08:44,668 ライアン・アバナシーによる この動画で 193 00:08:44,668 --> 00:08:47,060 海面の海水の密度が分かります 194 00:08:47,481 --> 00:08:49,512 たった1年分のデータですが 195 00:08:49,512 --> 00:08:52,150 南極海がどれほど活発なのかが わかります 196 00:08:52,150 --> 00:08:55,907 ボックスが示す海水の密度が 集中的に混合している海域― 197 00:08:55,911 --> 00:08:58,398 特にドレーク海峡は 198 00:08:58,398 --> 00:09:00,988 世界で最も潮の流れが 荒い海域の一つで 199 00:09:00,988 --> 00:09:03,269 潮は西から東へ通っていきます 200 00:09:03,269 --> 00:09:04,660 海中の大きな山の上を流れるので 激しく混合し 201 00:09:04,660 --> 00:09:07,504 海中の大きな山の上を流れるので 激しく混合し 202 00:09:07,508 --> 00:09:11,973 これが海中と大気中の 二酸化炭素と熱を交換可能にします 203 00:09:11,973 --> 00:09:15,540 基本的に海は 南極海を介して呼吸しています 204 00:09:16,865 --> 00:09:22,173 私たちは南極海の海峡を行来して サンゴを収集し 205 00:09:22,173 --> 00:09:25,004 ウラン年代測定により 驚くべき発見をしました 206 00:09:25,004 --> 00:09:27,871 実は氷河期から間氷期へ 移行している間に 207 00:09:27,871 --> 00:09:31,160 サンゴは南から北へ 移動していたのです 208 00:09:31,160 --> 00:09:32,245 理由は分かりませんが 209 00:09:32,245 --> 00:09:34,858 食料や水中の酸素と 関連していると考えられます 210 00:09:34,858 --> 00:09:36,845 食料や水中の酸素と 関連していると考えられます 211 00:09:37,718 --> 00:09:38,567 さて ここからです 212 00:09:38,567 --> 00:09:42,409 南極海のサンゴから得た 気候についての見解を説明します 213 00:09:42,443 --> 00:09:46,222 私たちは海山を上って下り サンゴの化石を集めました 214 00:09:46,222 --> 00:09:47,532 これが私の説明です 215 00:09:47,532 --> 00:09:49,831 私たちは独自のサンゴの分析により 216 00:09:49,831 --> 00:09:51,878 氷河期を研究した結果 217 00:09:51,878 --> 00:09:55,168 南極海の深部は炭素が豊富で 218 00:09:55,168 --> 00:09:58,071 上部は低密度の海水の層であったと 知りました 219 00:09:58,071 --> 00:10:01,744 これが海から二酸化炭素を 放出しないようにします 220 00:10:01,752 --> 00:10:04,228 その後見つけた 中間年齢のサンゴにより 221 00:10:04,228 --> 00:10:08,842 気候の遷移の中で 海水が混合したことが分かりました 222 00:10:08,842 --> 00:10:12,159 これにより炭素は深海から 放出されるようになります 223 00:10:12,159 --> 00:10:15,217 より現代に近いサンゴを 分析するか 224 00:10:15,217 --> 00:10:17,365 実際にとにかく海底まで潜り 225 00:10:17,365 --> 00:10:19,755 サンゴを化学測定すれば 226 00:10:19,755 --> 00:10:23,793 私たちは炭素が出入り可能な時代に 移ったのだと分かります 227 00:10:23,793 --> 00:10:25,861 こうして私たちはサンゴの化石を 228 00:10:25,861 --> 00:10:28,473 環境を学ぶために役立てています 229 00:10:29,827 --> 00:10:31,981 最後のスライドをご覧ください 230 00:10:31,985 --> 00:10:35,938 これは先ほど ご覧に入れた映像の抜粋です 231 00:10:35,938 --> 00:10:38,008 見事なサンゴの庭園ですね 232 00:10:38,008 --> 00:10:40,620 想像を絶する美しさです 233 00:10:40,620 --> 00:10:42,498 数千メートルの水面下 234 00:10:42,498 --> 00:10:44,426 新種の生物がいます 235 00:10:44,426 --> 00:10:46,339 とにかく美しい場所です 236 00:10:46,339 --> 00:10:47,694 ここにある化石全て 237 00:10:47,694 --> 00:10:50,429 そして深海にある サンゴの化石の真価を 238 00:10:50,429 --> 00:10:51,674 皆さんにお伝えしました 239 00:10:51,678 --> 00:10:54,538 今度幸運にも 飛行機で海を越えるか 240 00:10:54,538 --> 00:10:55,971 航海する機会があれば 241 00:10:55,971 --> 00:10:58,652 思い出してください 海底には― 242 00:10:58,652 --> 00:11:00,573 誰も見たことのない巨大な海山や 243 00:11:00,573 --> 00:11:02,214 美しいサンゴの庭園があると 244 00:11:02,214 --> 00:11:03,395 ありがとうございます 245 00:11:03,399 --> 00:11:08,349 (拍手)