1 00:00:27,028 --> 00:00:29,211 エレクトロニック エンターテイメント エキスポ 2014で 2 00:00:29,211 --> 00:00:30,804 ゲーム開発会社ユービーアイソフトは 3 00:00:30,804 --> 00:00:32,838 最新作アサシン クリード ユニティの 4 00:00:32,838 --> 00:00:34,368 協力プレイモードの予告編を解禁しました 5 00:00:35,168 --> 00:00:36,570 アサシンが全員男性だということに 6 00:00:36,570 --> 00:00:39,382 見た人はすぐに気がついたことでしょう 7 00:00:42,602 --> 00:00:45,179 なぜ協力プレイモードで 8 00:00:45,179 --> 00:00:46,827 女性キャラがいないのか問われ 9 00:00:46,827 --> 00:00:48,455 クリエイティブディレクターは 10 00:00:48,455 --> 00:00:50,404 当初は女性アサシンを入れる予定だったが 11 00:00:50,404 --> 00:00:52,208 アニメーション 声優 美術を 12 00:00:52,208 --> 00:00:54,378 二倍に増やす必要が出てくるため 13 00:00:54,378 --> 00:00:57,562 実現できなかった と語りました 14 00:00:57,562 --> 00:00:59,711 このゲームのデザイナーのひとりは 15 00:00:59,711 --> 00:01:01,771 女性アサシンを追加するには 新規の骨格データに基づいた 16 00:01:01,771 --> 00:01:05,130 8,000の作り直しが 生じてしまうと語りました 17 00:01:05,130 --> 00:01:07,766 こうした発言は 18 00:01:07,766 --> 00:01:10,063 ツイッター上で大きな議論と批判を呼び 19 00:01:10,063 --> 00:01:13,011 "女性のゲームキャラ化は難しすぎてムリ" という皮肉的なハッシュタグも使われました 20 00:01:13,801 --> 00:01:15,551 経験豊富なゲーム開発者たちの多くも 21 00:01:15,551 --> 00:01:16,888 ユービーアイソフトの言い分の ばかばかしさを 22 00:01:16,888 --> 00:01:19,038 批判する勢力に加わりました 23 00:01:19,038 --> 00:01:20,678 アサシン クリードIIIのアニメーター 24 00:01:20,678 --> 00:01:22,647 ジョナサン・クーパーは 25 00:01:22,647 --> 00:01:23,963 "1日か2日あればできること 26 00:01:23,963 --> 00:01:26,210 8,000の作り直しなんて必要ない 27 00:01:26,210 --> 00:01:28,557 とツイートしました 28 00:01:28,557 --> 00:01:30,830 バイオウェアのマンビーア・エアは 29 00:01:30,830 --> 00:01:32,636 ユービーアイソフトの言い分を こう要約しました 30 00:01:32,636 --> 00:01:35,795 "女アサシンなんかのために 労力を割きたくない" 31 00:01:36,525 --> 00:01:38,632 ユービーアイソフトによる 女性キャラへの無関心は 32 00:01:38,632 --> 00:01:40,117 他にもあります 33 00:01:40,117 --> 00:01:42,945 同じエキスポで ファークライ4の監督は 34 00:01:42,945 --> 00:01:45,865 "協力プレイで女性パートナーか 男性パートナーか選べるようになるまで 35 00:01:45,865 --> 00:01:48,184 もう少しのところまで 来ていたんです" と語り 36 00:01:48,184 --> 00:01:50,361 当該ゲームにも同じような 問題があることを認めました 37 00:01:50,361 --> 00:01:53,006 ここでも 女性キャラを登場させるのは 38 00:01:53,006 --> 00:01:55,042 大変すぎてムリ と言い訳しています 39 00:01:55,042 --> 00:01:57,227 しかし実際には 40 00:01:57,227 --> 00:01:59,708 そんなことに労力を割きたくないと 41 00:01:59,708 --> 00:02:01,528 そう言っているのです 42 00:02:01,528 --> 00:02:03,926 なお この議論から2年経ち 43 00:02:03,926 --> 00:02:06,370 ユービーアイソフトが アサシン クリードシリーズに 44 00:02:06,370 --> 00:02:08,280 女性キャラを入れる努力をしたことは 45 00:02:08,280 --> 00:02:09,879 ここに付け加えておくべきでしょう 46 00:02:09,879 --> 00:02:12,160 最新作のアサシン クリード シンジケートでは 47 00:02:12,160 --> 00:02:13,988 ほぼ全編でプレイヤーが エヴィー・フライという女性キャラを 48 00:02:13,988 --> 00:02:15,972 選択できるようになっています 49 00:02:15,972 --> 00:02:18,835 当然 女性キャラに無関心な 態度をとっていたのは 50 00:02:18,835 --> 00:02:21,190 ユービーアイソフト だけではありません 51 00:02:21,190 --> 00:02:23,959 事実 ゲーム業界では女性キャラを 入れる努力をしないことが 52 00:02:23,959 --> 00:02:26,430 長年普通のこととされてきました 53 00:02:26,430 --> 00:02:28,938 1993年に登場した FIFAのサッカーゲームは 54 00:02:28,938 --> 00:02:31,041 20年かかって 55 00:02:31,041 --> 00:02:33,958 FIFA16でようやく 女子チームが加わりました 56 00:02:34,978 --> 00:02:36,649 "ゲーム開始" 57 00:02:39,469 --> 00:02:41,824 コール オブ デューティでは 10年かかって 58 00:02:41,824 --> 00:02:43,906 コール オブ デューティ ゴーストで 59 00:02:43,906 --> 00:02:46,222 ようやく女性兵士が 登場しました 60 00:02:46,903 --> 00:02:48,675 一方 長寿作の バトルフィールドシリーズでは 61 00:02:48,675 --> 00:02:50,180 いまだに協力プレイモードで 62 00:02:50,180 --> 00:02:52,544 女性キャラが選択できない仕様です 63 00:02:52,544 --> 00:02:54,906 ミリタリーシューティングゲームが 64 00:02:54,906 --> 00:02:56,602 暴力を美化している点については 65 00:02:56,602 --> 00:02:58,246 別途議論が必要ですが 66 00:02:58,246 --> 00:03:00,134 こうしたゲームが 存在する以上は 67 00:03:00,134 --> 00:03:02,851 女性戦闘員を 登場させた方が賢明です 68 00:03:02,851 --> 00:03:04,399 敵部隊に女性がいたら 69 00:03:04,399 --> 00:03:06,156 女性への暴力を 恒久化させてしまうのでは? 70 00:03:06,156 --> 00:03:07,931 と疑問に思うかもしれませんね 71 00:03:07,931 --> 00:03:09,652 良い質問です 72 00:03:09,652 --> 00:03:11,068 女性に対する 暴力の描写とは 73 00:03:11,068 --> 00:03:12,284 一般的に 74 00:03:12,284 --> 00:03:14,022 女性が女性であるが故に 75 00:03:14,022 --> 00:03:15,762 攻撃されたり被害に遭い 76 00:03:15,762 --> 00:03:17,491 女性は被害者であるという 認識を強化してしまうような 77 00:03:17,491 --> 00:03:19,740 状況を指しています 78 00:03:19,740 --> 00:03:22,316 こうしたものと 女性が積極的な参加者として 79 00:03:22,316 --> 00:03:24,223 表現されているものとは 全く異なります 80 00:03:24,223 --> 00:03:26,216 例えばストリートファイターで 81 00:03:26,216 --> 00:03:28,403 チュンリーとリュウが 対戦する場合は 82 00:03:28,403 --> 00:03:30,200 女性に対する暴力とは みなされません 83 00:03:30,200 --> 00:03:32,377 なぜなら二人は 84 00:03:32,377 --> 00:03:33,859 ほぼ同じような 立場の者として描かれ 85 00:03:33,859 --> 00:03:35,728 チュンリーは積極的参加者であり 86 00:03:35,728 --> 00:03:37,520 女性だからという理由で 87 00:03:37,520 --> 00:03:39,071 標的にされたり攻撃されて いるのではないからです 88 00:03:40,031 --> 00:03:42,201 同様に プレイヤーを次々に襲う 89 00:03:42,201 --> 00:03:44,543 男性の敵陣も一般的には 受け身の被害者ではありません 90 00:03:44,543 --> 00:03:46,666 彼らは戦いにおいての 積極的参加者であり 91 00:03:46,666 --> 00:03:49,694 男性だから攻撃されているのではない という点が重要です 92 00:03:49,694 --> 00:03:52,430 プレイヤーは相手が 敵だから戦うのであって 93 00:03:52,430 --> 00:03:54,479 相手が男性だから 戦うのではありません 94 00:03:54,479 --> 00:03:57,572 残念ながら 女性戦闘員が ゲームに登場する際には 95 00:03:57,572 --> 00:03:59,373 セクシュアル化されて しまっているので 96 00:03:59,373 --> 00:04:01,170 プレイヤーによる攻撃が必然的に 97 00:04:01,170 --> 00:04:02,640 女性への暴力という 空気を纏ってしまいます 98 00:04:02,640 --> 00:04:04,438 例えばセンツロウ ザ・サードの 99 00:04:04,438 --> 00:04:05,789 "千人切りモード"では 100 00:04:05,789 --> 00:04:08,070 プレイヤーは次々と現れる セクシュアル化された女性たちを 101 00:04:08,070 --> 00:04:09,461 紫色の巨大ディルドで 殴るなどして 102 00:04:09,461 --> 00:04:10,911 打ち負かさねばなりません 103 00:04:13,141 --> 00:04:15,276 2009年発売の ウルフェンシュタインでは 104 00:04:15,276 --> 00:04:17,855 エリートガードという 女性オンリーの特殊部隊が登場しますが 105 00:04:17,855 --> 00:04:19,783 彼女たちは滑稽な服装をしていて 106 00:04:19,783 --> 00:04:21,424 キャラ自身だけでなく 107 00:04:21,424 --> 00:04:23,747 プレイヤーの攻撃をも セクシュアル化してしまいます 108 00:04:26,017 --> 00:04:28,112 同僚に2012年のヒットマン アブソリューションに登場するセインツは 109 00:04:28,112 --> 00:04:30,329 女性アサシンの特別ユニットで 110 00:04:30,329 --> 00:04:33,001 修道女の服の下にフェティッシュな ラバースーツを着用しています 111 00:04:33,001 --> 00:04:35,058 これは明らかに彼女たちを セクシュアル化することを目的とした 112 00:04:35,058 --> 00:04:37,919 ばかばかしい デザイン選択です 113 00:04:37,919 --> 00:04:40,801 メタルギアソリッド4の 114 00:04:40,801 --> 00:04:42,969 ビューティー&ビースト部隊は 115 00:04:42,969 --> 00:04:44,611 ゲームの過程でプレイヤーが戦う 116 00:04:44,611 --> 00:04:46,540 5人の女性兵士から成る敵部隊です 117 00:04:46,540 --> 00:04:48,696 遭遇シーンのある時点で 118 00:04:48,696 --> 00:04:50,596 それぞれ装備を脱ぎ 119 00:04:50,596 --> 00:04:52,457 ピチピチの服を着た姿で 登場します 120 00:04:52,457 --> 00:04:54,581 "楽しい" 121 00:04:55,661 --> 00:04:58,331 プレイヤーが相手を 殺したり無力化したりせず 122 00:04:58,331 --> 00:05:00,814 数分間やり過ごすことができると 123 00:05:00,814 --> 00:05:02,734 画面が白い部屋へと移動し 124 00:05:02,734 --> 00:05:04,219 キャラクターがカメラの前で 125 00:05:04,219 --> 00:05:06,001 セクシーなポーズをします 126 00:05:09,171 --> 00:05:10,787 男性キャラでは こうならないのが 127 00:05:10,787 --> 00:05:12,914 興味深いところです 128 00:05:12,914 --> 00:05:14,465 女性戦闘員がセクシュアル化された 服装をしていると 129 00:05:14,465 --> 00:05:17,201 他の敵部隊との間に 130 00:05:17,201 --> 00:05:18,885 明らかな違いが生じます 131 00:05:18,885 --> 00:05:20,364 プレイヤーに性的刺激を与えようと 132 00:05:20,364 --> 00:05:22,216 意図してのことですが 133 00:05:22,216 --> 00:05:24,160 相手は敵で 134 00:05:24,160 --> 00:05:25,981 戦ったり殺し合ったりしなければ ならないことを考えると 135 00:05:25,981 --> 00:05:27,705 とりわけ憂慮すべき問題です 136 00:05:27,705 --> 00:05:29,320 女性キャラに対する暴力は 137 00:05:29,320 --> 00:05:31,280 決してセクシーなものとして 表現されるべきではありません 138 00:05:31,280 --> 00:05:33,523 ゲームに登場する女性戦闘員たちは 139 00:05:33,523 --> 00:05:35,336 プレイヤーに対する セクシュアル化されたご褒美として 140 00:05:35,336 --> 00:05:36,404 描かれるべきではありません 141 00:05:36,404 --> 00:05:38,316 女性戦闘員は たまたま性別が女性の 142 00:05:38,316 --> 00:05:40,098 男性戦闘員と何ら 変わりのない存在として 143 00:05:40,098 --> 00:05:41,866 描かれるべきなのです 144 00:05:41,866 --> 00:05:44,675 バイオショック インフィニットには 多くの問題点がありますが 145 00:05:44,675 --> 00:05:47,800 コロンビアの警察部隊に 146 00:05:47,800 --> 00:05:51,908 セクシュアル化されていない女性警官を 入れたことは正しい判断です 147 00:05:53,148 --> 00:05:55,238 アサシン クリード シンジケートでは 148 00:05:55,238 --> 00:05:57,264 味方と敵の両方に 149 00:05:57,264 --> 00:05:58,999 男性と並んで戦う 150 00:05:58,999 --> 00:06:01,136 女性兵員が登場します 151 00:06:02,056 --> 00:06:03,646 しかしながら 152 00:06:03,646 --> 00:06:05,426 いまだにゲーム会社には 女性の表象を 153 00:06:05,426 --> 00:06:07,576 大それた目標かなにかとして 154 00:06:07,596 --> 00:06:09,195 扱う傾向があり 155 00:06:09,195 --> 00:06:11,433 男性の表象と同じように 156 00:06:11,433 --> 00:06:13,622 標準的なものとして 扱ってはいません 157 00:06:13,622 --> 00:06:15,688 ゲームにおける 女性戦闘員の不在について 158 00:06:15,688 --> 00:06:18,567 一番よく耳にする言い訳は "現実味がないから"というものです 159 00:06:18,567 --> 00:06:22,035 しかし アサシン クリード シリーズのような 160 00:06:22,035 --> 00:06:24,101 歴史的なロケーションや 事象を引用したゲームですら 161 00:06:24,101 --> 00:06:25,700 独自の世界を創造し 162 00:06:25,800 --> 00:06:28,206 何が現実的で何がそうでないかの 雰囲気作りをしています 163 00:06:28,206 --> 00:06:30,503 ゲームが作り上げた 世界観に浸るため 164 00:06:30,503 --> 00:06:33,763 私たちはタイムトラベルや スーパーパワー 165 00:06:33,763 --> 00:06:36,003 古代エイリアン文化 166 00:06:36,003 --> 00:06:38,498 無限のアイテムを運ぶ力 167 00:06:38,498 --> 00:06:41,179 一瞬で傷を治すことのできる ホットドッグなど 168 00:06:41,179 --> 00:06:44,051 多くのフィクションを 喜んで受け入れます 169 00:06:44,051 --> 00:06:46,466 こうしたフィクションの世界に 現実味のある女性戦闘員も 170 00:06:46,466 --> 00:06:49,176 加えて欲しいと願うことは 決して高望みではないはずです 171 00:06:49,176 --> 00:06:51,401 私たちが日々接するメディアは 172 00:06:51,561 --> 00:06:54,205 現実的なものと そうでないものの 判断に多大な影響を及ぼします 173 00:06:54,205 --> 00:06:56,190 アサシン クリード シンジケート のようなゲームは 174 00:06:56,190 --> 00:06:58,394 女性戦闘員の存在が 175 00:06:58,394 --> 00:07:00,965 率直に かつ当たり前に もっともらしく描かれていれば 176 00:07:00,965 --> 00:07:03,383 プレイヤーはそれを受け入れる ということを証明しています 177 00:07:03,383 --> 00:07:04,770 これは当然のことでしょう 178 00:07:04,770 --> 00:07:07,168 なぜなら 治癒力を持つ 魔法のホットドッグと違って 179 00:07:07,168 --> 00:07:09,275 女性戦闘員は 実際に存在するのですから