はじめてのキス
彼女の口が
僕の口に舞い降りた
夏の雪のように 5番目の季節のように
真新しい楽園のように
イブのお尻の
流れるような傾きに
神様が不平を言った時の
エデンのように
彼女のキスは
そんな風に痛んだ
つまり 彼女が天使の汗に
蜜柑の味を
混ぜたかのようだった
ほんとうに
僕の口はずっと
秘密で塗り固めた
ヘルメットだったんだ
僕の口は行き止まりの道で
歯で少しだけ照らされていた
僕の心は闇の底で
固く閉じた貝だった
でも彼女の口は 水色の
キャデラックのようにつんとして
カナリアが一杯詰まり
オオハシが運転していたんだ — ほんとうに
その唇がキスするときに
鮮やかな羽と言った
荒々しく 正確に タツノオトシゴに
話し方を教えているかのように
彼女の口はとても慎重に 僕の喉から
最初の母音をおびき寄せた
僕の脳がピアノになって大きく鳴り響くまで
そんな風に打ったんだ
それはほんとうに 彼女の舌が
土星の7番目の月であるかのようで
そんな風に 熱く
熱く 冷たく 回って
回って
僕を有頂天な惑星に変えた
一方には太陽が もう一方には
彼女のゆっくりした手を注ぐ夜があって
一方の火が
もう一方の凧を飛ばす
彼女のキスは それこそ
母なる自然が
月を贈り物のように
急いで開け
居合わせた自分の手首からついに
影が外れるのを感じるようだった
そんな感じだったけど
もっと甘かった
ホッピングに乗った義足の坊さんたちの
暴動みたいに
上へ 上へ こっちへ こっちへ
落ちることなく 上へ上へと
そんな風に
やんちゃしていた
だけどまったく あのキスと言ったら
両方の唇がすっかり世界に尽くしていた
平和部隊のように
無料の店のように
いつでも いつまでも
鍵も壁もなく 扉があるだけという
新しい街のように
そんな風だった
ほんとうに
そんな風だったんだ