1 00:00:01,054 --> 00:00:05,061 大半の方は 映画『オデッセイ』を ご覧になっていると思いますが 2 00:00:05,061 --> 00:00:09,542 見てない方のためにご説明しますと 火星に取り残された宇宙飛行士が 3 00:00:09,542 --> 00:00:13,655 必死に生き延びようとする 姿を描いた映画です 4 00:00:13,655 --> 00:00:18,685 地球上では救出作戦が練られ 最終的に彼は地球に帰還することができます 5 00:00:19,205 --> 00:00:22,424 幸いにもある時点で 主人公ワトニー宇宙飛行士は 6 00:00:22,424 --> 00:00:25,346 途絶えていた交信手段を回復し 7 00:00:25,346 --> 00:00:30,596 救出されるまでの間 火星でそんなに孤独ではなくなります 8 00:00:30,596 --> 00:00:33,442 映画を見ていても いなくても 9 00:00:33,442 --> 00:00:35,060 火星というと 10 00:00:35,084 --> 00:00:40,024 地球との距離について思いを馳せ はるか遠くに存在するものと感じるでしょう 11 00:00:40,024 --> 00:00:42,787 でも 想像したことも ないかもしれませんが 12 00:00:42,787 --> 00:00:46,878 人が地球にいて 火星に探査車や人がいる状況で 13 00:00:46,878 --> 00:00:50,392 他の惑星で仕事し 2つの惑星で生活するには 14 00:00:50,392 --> 00:00:54,536 実際どのような調整が 必要になるのでしょう? 15 00:00:54,560 --> 00:00:58,718 友だちや家族 同僚が 西海岸のカリフォルニア 16 00:00:58,732 --> 00:01:02,230 または世界のどこか別の場所にいると 想像してください 17 00:01:02,230 --> 00:01:04,418 東海岸の皆さんが 連絡を取ろうとして 18 00:01:04,418 --> 00:01:06,584 まず考えるのはおそらく 19 00:01:06,584 --> 00:01:08,834 「カリフォルニアでは 今何時だろう?」 20 00:01:08,834 --> 00:01:11,969 「起こさないかな?電話して大丈夫かな?」 ということでしょう 21 00:01:11,969 --> 00:01:15,234 ヨーロッパの同僚と仕事をするときも 22 00:01:15,258 --> 00:01:17,300 まず考えるのは 23 00:01:17,324 --> 00:01:24,714 遠くにいる人と連絡をうまく取るには どうすべきかということでしょう 24 00:01:24,973 --> 00:01:30,557 現在 火星に人はいませんが 無人探査車は送っています 25 00:01:30,581 --> 00:01:33,960 探査車「キュリオシティ」の時計によると 26 00:01:33,960 --> 00:01:38,756 火星では 今 午前6時10分です 27 00:01:38,756 --> 00:01:41,117 米国は1990年代半ばから 28 00:01:41,117 --> 00:01:45,248 火星に探査車4台を送りこみ 29 00:01:45,248 --> 00:01:49,121 光栄なことに 私はそのうち 3台の運用に従事する機会を得ました 30 00:01:49,121 --> 00:01:53,370 私は宇宙船エンジニアです 米航空宇宙局(NASA)に付属する 31 00:01:53,370 --> 00:01:58,817 カリフォルニア州ロサンゼルスにある ジェット推進研究所で働いています 32 00:01:58,856 --> 00:02:03,017 無人探査車は 私たちのロボット使節です 33 00:02:03,041 --> 00:02:09,213 私たちの目や耳となって 人が到達する日まで 34 00:02:09,213 --> 00:02:11,606 火星を観察してくれるのです 35 00:02:11,606 --> 00:02:16,633 私たちは探査車を通して ほかの惑星での活動の仕方を学んでいます 36 00:02:16,633 --> 00:02:21,223 人を送る前に ロボットを送っているわけです 37 00:02:21,223 --> 00:02:23,931 さて 地球と火星の間に 38 00:02:23,931 --> 00:02:26,427 時差があるのは 39 00:02:26,427 --> 00:02:30,874 火星の1日が 地球の1日よりも長いためです 40 00:02:30,874 --> 00:02:33,635 地球の1日は24時間です 41 00:02:33,635 --> 00:02:35,783 1日は地球が自転するのにー 42 00:02:35,783 --> 00:02:39,174 つまり地球が1回転するのに かかる時間で 43 00:02:39,198 --> 00:02:41,580 私たちの1日は 24時間です 44 00:02:41,580 --> 00:02:48,120 火星が1回転するには およそ24時間40分かかります 45 00:02:48,120 --> 00:02:55,107 つまり 火星の1日は地球の1日より 40分長いということです 46 00:02:55,107 --> 00:03:00,442 ご覧のように 私たち 火星上の探査車を操作するチームは 47 00:03:00,442 --> 00:03:05,798 地球で生活していますが 火星で仕事をしています 48 00:03:05,822 --> 00:03:11,657 つまり自分が火星にいて 探査車と一緒にいると考える必要があります 49 00:03:11,657 --> 00:03:15,217 私たちチームの仕事は 50 00:03:15,217 --> 00:03:21,040 探査車に次の日の仕事を 指示することです 51 00:03:21,040 --> 00:03:25,629 「移動しなさい」「穴を堀りなさい」などと 先に指示しておくのです 52 00:03:25,629 --> 00:03:30,019 そして 探査車が寝ている間― 探査車は夜になると眠るんです 53 00:03:30,043 --> 00:03:32,413 バッテリーを充電するためと 54 00:03:32,437 --> 00:03:36,277 火星の寒い夜を避けるためです 55 00:03:36,277 --> 00:03:38,023 そうして 探査車が寝ている間 56 00:03:38,023 --> 00:03:42,841 私たちが翌日のプログラムを用意します 57 00:03:42,857 --> 00:03:46,009 私は火星で夜勤しているわけです 58 00:03:46,009 --> 00:03:47,428 (笑) 59 00:03:47,428 --> 00:03:54,106 毎日 火星時間の同時刻に 地球で出勤するためには― 60 00:03:54,130 --> 00:03:57,084 たとえば私たちのチームが毎日 61 00:03:57,084 --> 00:04:02,127 火星時間で夕方5時に 出勤するとしましょう 62 00:04:02,151 --> 00:04:05,592 火星に合わせるためには 地球時間では 63 00:04:05,592 --> 00:04:12,305 毎日40分ずつ出勤時刻を 遅らせなければなりません 64 00:04:12,305 --> 00:04:15,477 毎日 時間帯を移動している感じです 65 00:04:15,477 --> 00:04:20,776 今日は8時に来ても 翌日は40分遅れて8時40分 66 00:04:20,800 --> 00:04:24,003 その翌日は40分遅れて9時20分 67 00:04:24,003 --> 00:04:25,922 その翌日は10時といった具合です 68 00:04:25,922 --> 00:04:29,284 毎日40分ずらしていくと 69 00:04:29,308 --> 00:04:32,265 すぐに真夜中に出勤することになります 70 00:04:32,265 --> 00:04:34,272 地球の真夜中ということです 71 00:04:34,272 --> 00:04:37,780 どんなに混乱するか おわかりいただけると思います 72 00:04:37,804 --> 00:04:39,956 ですから 火星時計が必要です 73 00:04:39,980 --> 00:04:40,981 (笑) 74 00:04:41,005 --> 00:04:44,523 この時計は自動的に 75 00:04:44,547 --> 00:04:47,075 ゆっくり進む仕掛けになっています 76 00:04:47,099 --> 00:04:48,988 よくできているでしょう? 77 00:04:49,012 --> 00:04:51,238 私はこの時計を2004年 78 00:04:51,262 --> 00:04:54,566 探査車「スピリット」と 「オポチュニティ」のときに買いましたが 79 00:04:54,590 --> 00:04:56,070 私たちははじめ 80 00:04:56,070 --> 00:04:58,851 火星時計が必要だとは思いませんでした 81 00:04:58,851 --> 00:05:04,466 コンピュータの時計と 管制室の画面上の時計で 82 00:05:04,466 --> 00:05:06,672 十分だと思ったのです 83 00:05:06,672 --> 00:05:08,183 ですが違いました 84 00:05:08,207 --> 00:05:11,056 火星時間で仕事するだけでなく 85 00:05:11,080 --> 00:05:14,239 火星時間で生活することになったからです 86 00:05:14,263 --> 00:05:18,546 そこですぐに時間について 混乱することになりました 87 00:05:18,570 --> 00:05:22,363 腕についていて 地球時間で今何時か 88 00:05:22,387 --> 00:05:26,088 火星時間で今何時か 教えてくれるものが必要となったのです 89 00:05:26,107 --> 00:05:32,001 混乱を招くものは 時間だけではありませんでした 90 00:05:32,025 --> 00:05:37,207 時間について話すための 新しい言葉が必要でした 91 00:05:37,207 --> 00:05:43,144 火星の1日 ― 24時間40分ですが これを「ソル」(sol)と言います 92 00:05:43,144 --> 00:05:46,183 地球上で起きている 今日の出来事について話すときは 93 00:05:46,207 --> 00:05:48,228 「トゥデイ」と言いますが 94 00:05:48,228 --> 00:05:51,060 火星での今日は 「トゥソル」と言います 95 00:05:51,084 --> 00:05:52,922 (笑) 96 00:05:53,992 --> 00:05:58,859 昨日 「イエスタデイ」は 火星では「イエスタソル」です 97 00:05:58,859 --> 00:06:03,138 これもはじめから新語が必要だと 思っていたわけではなく 98 00:06:03,138 --> 00:06:04,888 単にとても混乱したからです 99 00:06:04,912 --> 00:06:06,517 良く覚えていますが 100 00:06:06,517 --> 00:06:10,320 「明日この仕事を探査機にさせたいんだけど」 とある人に言われて 101 00:06:10,344 --> 00:06:16,105 「明日って明日? それとも火星の明日?」 と聞き返したんです 102 00:06:16,105 --> 00:06:21,409 この新語は会話上の必要から 生まれたのです 103 00:06:21,409 --> 00:06:22,321 (笑) 104 00:06:22,321 --> 00:06:27,076 明日 「トゥモロー」は 「翌ソル」か「ソルロー」です 105 00:06:27,076 --> 00:06:30,675 好きな言い方は 人によって違うので 106 00:06:30,675 --> 00:06:34,689 炭酸飲料を 「ソーダ」と言う人も 「ポップ」と言う人もいます 107 00:06:34,689 --> 00:06:38,732 それと同じで「翌ソル」と「ソルロー」 2つの言い方があります 108 00:06:38,732 --> 00:06:43,286 探査計画に加わって しばらくして気づきましたが 109 00:06:43,310 --> 00:06:48,362 探査車の作業をしている私たちは 「トゥソル」と言い 110 00:06:48,362 --> 00:06:52,020 動き回らない作業に関わる人たちは 111 00:06:52,020 --> 00:06:54,056 「トゥソール」と言います 112 00:06:54,056 --> 00:06:58,787 探査計画のどの部門で仕事をしているか 「火星なまり」でわかるのです 113 00:06:58,787 --> 00:07:01,855 (笑) 114 00:07:01,855 --> 00:07:05,835 話の趣旨が見えてきましたか? 時計も言葉も 115 00:07:05,859 --> 00:07:08,445 混乱を避けるための発明でした 116 00:07:08,445 --> 00:07:12,589 ですが地球の日光さえ 混乱の原因となります 117 00:07:12,589 --> 00:07:14,288 考えてみてください 118 00:07:14,288 --> 00:07:17,101 火星の真夜中の時間に 出勤するとき 119 00:07:17,101 --> 00:07:20,449 窓から日光がさしているのです 120 00:07:20,473 --> 00:07:22,991 これもまた混乱の元です 121 00:07:22,991 --> 00:07:25,586 この管制室の写真でわかるように 122 00:07:25,610 --> 00:07:27,879 ブラインドが全て降りています 123 00:07:27,903 --> 00:07:30,906 日光をさえぎるためです 124 00:07:30,930 --> 00:07:35,502 探査車が着陸する1週間前から ビルのブラインド全てが降ろされ 125 00:07:35,502 --> 00:07:39,023 私たちが火星時間を離れるまで 降りたままでした 126 00:07:39,027 --> 00:07:42,182 家庭でも この作戦をとります 127 00:07:42,182 --> 00:07:44,595 私はこれまで3回 火星時間で生活しましたが 128 00:07:44,595 --> 00:07:46,994 夫は「よし 火星時間に備えよう」と言い 129 00:07:46,994 --> 00:07:53,070 窓を全てアルミホイルや 遮光カーテン、ブラインドでおおいます 130 00:07:53,094 --> 00:07:56,241 家族の生活時間も変わるためです 131 00:07:56,265 --> 00:08:01,615 夫も 私といっしょに暗闇での生活ですが 132 00:08:01,615 --> 00:08:03,201 慣れたものです 133 00:08:03,201 --> 00:08:07,127 でもいつも仕事先から 不安げな 電子メールをよこし 134 00:08:07,127 --> 00:08:10,549 「帰ってもいい?起きてる?」 135 00:08:10,573 --> 00:08:13,703 「火星は今何時?」と聞くので 136 00:08:13,727 --> 00:08:16,485 夫に火星時計を買おうと 決心しました 137 00:08:16,485 --> 00:08:17,864 (笑) 138 00:08:17,864 --> 00:08:22,242 でも2016年の今は もちろんアプリがあります 139 00:08:22,266 --> 00:08:23,544 (笑) 140 00:08:23,568 --> 00:08:28,470 ですから時計の代わりに携帯が使えます 141 00:08:28,470 --> 00:08:32,900 でも家族への影響は もっと広い範囲に及びます 142 00:08:32,900 --> 00:08:36,360 探査車の作業をしている 私たちだけでなく 143 00:08:36,360 --> 00:08:38,804 その家族もまた影響を受けます 144 00:08:38,804 --> 00:08:41,357 これはフライトディレクターの デイビッドで 145 00:08:41,357 --> 00:08:45,665 午前1時のロサンゼルスのビーチで 家族と撮った写真です 146 00:08:45,689 --> 00:08:47,112 (笑) 147 00:08:47,136 --> 00:08:50,116 8月に火星に着陸し 148 00:08:50,140 --> 00:08:54,586 子どもたちは9月まで夏休みなので 149 00:08:54,610 --> 00:08:59,358 1ヶ月間 火星時間で暮らすことにしたのです 150 00:08:59,382 --> 00:09:04,151 毎日40分ずつ起きる時間を遅らせ 151 00:09:04,175 --> 00:09:06,578 父親の勤務時間に合わせました 152 00:09:06,578 --> 00:09:10,357 1ヶ月間 たくさん風変わりな経験をしました 153 00:09:10,381 --> 00:09:12,392 真夜中にボウリングしたり 154 00:09:12,392 --> 00:09:14,250 ビーチに行ったりしたのです 155 00:09:14,250 --> 00:09:17,508 そこで素晴らしいことに気づきました 156 00:09:17,532 --> 00:09:21,520 午前3時であれば ロサンゼルスのどこだろうと 157 00:09:21,544 --> 00:09:25,337 がら空きの道路を飛ばして 行けるということです 158 00:09:25,337 --> 00:09:26,559 (笑) 159 00:09:26,559 --> 00:09:27,991 仕事が夜更けに終わり 160 00:09:27,991 --> 00:09:30,950 帰宅したら家族に面倒をかけるからと 161 00:09:30,974 --> 00:09:34,414 近くの食堂で空腹を満たして行こうとして 162 00:09:34,414 --> 00:09:37,752 「待てよ ロングビーチのうまい食堂が 開いてるはずだ」 163 00:09:37,776 --> 00:09:40,018 「車でたった10分だ」となれば 164 00:09:40,042 --> 00:09:44,393 まるで60年代のように がら空きの道路を飛ばします 165 00:09:44,393 --> 00:09:46,542 レストランのご主人はまるで 166 00:09:46,566 --> 00:09:49,408 「あんたたちは 何者かね」 167 00:09:49,421 --> 00:09:53,954 「今は午前3時だよ!」と言わんばかりです 168 00:09:53,958 --> 00:09:59,498 そこで気付くわけです 火星人の群れが— 169 00:09:59,501 --> 00:10:05,196 ロサンゼルスの高速道を 真夜中にうろついていることに 170 00:10:05,196 --> 00:10:07,571 地球の真夜中ですね 171 00:10:07,571 --> 00:10:12,602 そして私たちは自分たちのことを 「火星人」と呼びはじめました 172 00:10:12,602 --> 00:10:18,111 火星時間で生活する人は火星人です 173 00:10:18,111 --> 00:10:21,104 それ以外は「地球人」と呼んでいます 174 00:10:21,104 --> 00:10:22,558 (笑) 175 00:10:22,558 --> 00:10:27,861 時間帯を毎日変えていると 176 00:10:27,861 --> 00:10:33,944 本当にほかの人たちとは切り離された 感覚になってきます 177 00:10:33,968 --> 00:10:38,247 完全に自分たちだけの世界となるのです 178 00:10:38,704 --> 00:10:46,089 そこでこのバッジです 「火星時間0~90ソルからの生還者」 179 00:10:46,089 --> 00:10:48,398 と書いてあります 180 00:10:48,422 --> 00:10:53,885 このバッジがもらえるのは 火星時間で仕事をし 181 00:10:53,885 --> 00:10:59,108 火星の探査車が最大限の パフォーマンスを発揮できるよう 182 00:10:59,108 --> 00:11:01,548 自分の時間をうまく 調整した人です 183 00:11:01,548 --> 00:11:05,348 でも火星時間で生活するのは 長くて3~4ヶ月です 184 00:11:05,372 --> 00:11:10,199 私たちは今では 火星時間を調整した スケジュールに移行しています 185 00:11:10,199 --> 00:11:15,036 火星時間は 体にも家族にも 大きな負担になるからです 186 00:11:15,060 --> 00:11:19,942 実際に私たちを研究対象にする 睡眠の研究者もいました 187 00:11:19,966 --> 00:11:25,257 1日を長くしようというのは 人間にとってすごく不自然なことですから 188 00:11:25,257 --> 00:11:27,577 研究では私たちの中から 30人ほどを選んで 189 00:11:27,577 --> 00:11:30,267 睡眠不足についての 実験をしました 190 00:11:30,291 --> 00:11:33,854 ですから 私が参加したときはいつも テストを受けてから寝ました 191 00:11:33,878 --> 00:11:40,520 この生活は本当に 結局のところ 体に負担となるのです 192 00:11:40,544 --> 00:11:43,859 たとえそれが すごく楽しく 193 00:11:43,883 --> 00:11:48,397 チームの絆がとても強まるにしても 194 00:11:48,421 --> 00:11:51,581 長く続けることはできません 195 00:11:52,243 --> 00:11:58,528 火星探査車は 私たちの活動範囲を 太陽系に広げていく第一歩です 196 00:11:58,528 --> 00:12:03,525 私たちはいくつもの星に またがって生きる術を学んでいます 197 00:12:03,549 --> 00:12:08,893 多星の文明になるための 考え方を学んでいるのです 198 00:12:08,893 --> 00:12:11,738 今度 映画『スター・ウォーズ』を見ていて 199 00:12:11,762 --> 00:12:15,437 ダゴバ星系から 惑星タトゥイーンに行く人が出てきたら 200 00:12:15,461 --> 00:12:20,951 人類がそれほど広く散らばって生きるとは どういうことか考えてみてください 201 00:12:20,975 --> 00:12:24,037 お互いの間にある物理的な距離 202 00:12:24,061 --> 00:12:27,881 離ればなれになってしまったという感覚 203 00:12:27,905 --> 00:12:31,509 時差について想像してください 204 00:12:31,937 --> 00:12:36,489 まだ火星に人は送っていませんが 送りたいと思っています 205 00:12:36,513 --> 00:12:40,352 スペースXのような企業や NASA 206 00:12:40,376 --> 00:12:43,865 世界中の宇宙開発機関で連携して 207 00:12:43,889 --> 00:12:47,656 20~30年内には 実現したいと思っています 208 00:12:47,680 --> 00:12:53,965 ですからすぐに 火星に人が住む 多星文明の時代がやって来ます 209 00:12:54,000 --> 00:12:56,712 今 この話を聞いている 男の子や女の子の中に 210 00:12:56,712 --> 00:13:03,796 将来 火星に行く人がいるかもしれません 211 00:13:04,201 --> 00:13:09,803 私は14歳のときからずっと JPLの探査計画で働きたいと思っていました 212 00:13:09,827 --> 00:13:12,049 今 とても光栄に思っています 213 00:13:12,073 --> 00:13:16,127 今は宇宙開発計画にとって またとない素晴らしい時代です 214 00:13:16,151 --> 00:13:19,325 私たちはみな この時代の担い手です 215 00:13:19,349 --> 00:13:24,560 今度 「1日が短すぎる」と感じたら 216 00:13:24,584 --> 00:13:29,362 それは地球人の見方にすぎないことを 思い出してください 217 00:13:29,386 --> 00:13:30,537 ありがとうございました 218 00:13:30,561 --> 00:13:34,675 (拍手)