[Script Info] Title: [Events] Format: Layer, Start, End, Style, Name, MarginL, MarginR, MarginV, Effect, Text Dialogue: 0,0:00:06.84,0:00:09.75,Default,,0000,0000,0000,,1980年代 カンジという名のボノボ\N(ピグミーチンパンジー)は Dialogue: 0,0:00:09.75,0:00:13.64,Default,,0000,0000,0000,,人間とのコミュニケーションを\N未だかつてない範囲まで習得しました Dialogue: 0,0:00:13.64,0:00:15.59,Default,,0000,0000,0000,,音声やジェスチャーを\N通じてではなく Dialogue: 0,0:00:15.59,0:00:20.80,Default,,0000,0000,0000,,物や行動を表す抽象記号を記した\Nキーボードを使用してです Dialogue: 0,0:00:20.80,0:00:25.82,Default,,0000,0000,0000,,いくつかの抽象記号を順番に示すことで\N順序立てて要求したり Dialogue: 0,0:00:25.82,0:00:28.40,Default,,0000,0000,0000,,研究者の口頭での質問に答えたり Dialogue: 0,0:00:28.40,0:00:32.10,Default,,0000,0000,0000,,その場に存在しない物を\N言及することもありました Dialogue: 0,0:00:32.10,0:00:37.04,Default,,0000,0000,0000,,カンジの偉業は ある疑問を巡り\Nすぐに論争を巻き起こします Dialogue: 0,0:00:37.04,0:00:40.15,Default,,0000,0000,0000,,カンジは言語を\N習得したのでしょうか? Dialogue: 0,0:00:40.15,0:00:43.85,Default,,0000,0000,0000,,私ちがいう言語とはコミュニケーションより\Nもっと具体的なものです Dialogue: 0,0:00:43.85,0:00:46.51,Default,,0000,0000,0000,,言語とは心の中にあるものを\N共有することです Dialogue: 0,0:00:46.51,0:00:49.87,Default,,0000,0000,0000,,物語 意見 疑問 過去や未来 Dialogue: 0,0:00:49.87,0:00:52.80,Default,,0000,0000,0000,,想像した時や場所\Nそしてアイデアなどです Dialogue: 0,0:00:52.80,0:00:54.81,Default,,0000,0000,0000,,根本的には制限がなく Dialogue: 0,0:00:54.81,0:00:59.00,Default,,0000,0000,0000,,無数の事を言い表すのに使えます Dialogue: 0,0:00:59.00,0:01:03.12,Default,,0000,0000,0000,,研究者の多くは 人間だけに\N言語があり 他の生物の種が ― Dialogue: 0,0:01:03.12,0:01:07.74,Default,,0000,0000,0000,,コミュニケーションのために使う発声や\N身ぶりは言語ではないと確信しています Dialogue: 0,0:01:07.74,0:01:12.29,Default,,0000,0000,0000,,これらの発声とジェスチャーは \N一般的に 限られた数の Dialogue: 0,0:01:12.29,0:01:14.51,Default,,0000,0000,0000,,特定のメッセージに対応しており Dialogue: 0,0:01:14.51,0:01:17.87,Default,,0000,0000,0000,,これらを組み合わせて\Nより複雑な概念は作られていないのです Dialogue: 0,0:01:17.87,0:01:21.28,Default,,0000,0000,0000,,例えば サルの種によっては Dialogue: 0,0:01:21.28,0:01:24.55,Default,,0000,0000,0000,,ヘビのような特定の捕食者に対する\N特定の警戒声があるかもしれませんが Dialogue: 0,0:01:24.55,0:01:29.46,Default,,0000,0000,0000,,言語では「ヘビに気をつけろ」という\N言い方は無数にあります Dialogue: 0,0:01:29.46,0:01:33.40,Default,,0000,0000,0000,,今のところ人間の言語のような \N制限がないコミュニケーションは Dialogue: 0,0:01:33.40,0:01:34.72,Default,,0000,0000,0000,,動物にないようです Dialogue: 0,0:01:34.72,0:01:37.57,Default,,0000,0000,0000,,動物の頭の中で何が起こっているのかは\N確かではありませんし Dialogue: 0,0:01:37.57,0:01:40.05,Default,,0000,0000,0000,,言語の定義や測り方が Dialogue: 0,0:01:40.05,0:01:43.10,Default,,0000,0000,0000,,動物には当てはまらない\N可能性もあります Dialogue: 0,0:01:43.10,0:01:46.59,Default,,0000,0000,0000,,しかし私たちが知る限り \N言語があるのは人間だけです Dialogue: 0,0:01:46.59,0:01:50.59,Default,,0000,0000,0000,,そして 人間は約7000の\N異なる言語を話しますが Dialogue: 0,0:01:50.59,0:01:53.32,Default,,0000,0000,0000,,どの子供でもどんな言語でも\N学ぶことができ Dialogue: 0,0:01:53.32,0:01:56.81,Default,,0000,0000,0000,,これは言語の根底にある\N生物学的な仕組みが Dialogue: 0,0:01:56.81,0:01:59.00,Default,,0000,0000,0000,,私たちに共通していることを\N示しています Dialogue: 0,0:01:59.00,0:02:01.66,Default,,0000,0000,0000,,では 人類にとって言語は\N何を意味するのでしょうか? Dialogue: 0,0:02:01.66,0:02:05.93,Default,,0000,0000,0000,,言語のおかげで何ができるのか\Nまた言語をどう手に入れたのでしょう? Dialogue: 0,0:02:05.93,0:02:10.21,Default,,0000,0000,0000,,この能力を取得した正確な時期は\N未解決の問題です Dialogue: 0,0:02:10.21,0:02:13.72,Default,,0000,0000,0000,,チンパンジーとボノボは\N人間に最も近い動物ですが Dialogue: 0,0:02:13.72,0:02:17.87,Default,,0000,0000,0000,,人間につながる血統は\N他の大型類人猿から枝分かれしました Dialogue: 0,0:02:17.87,0:02:20.58,Default,,0000,0000,0000,,400万年以上も前のことです Dialogue: 0,0:02:20.58,0:02:24.35,Default,,0000,0000,0000,,その間には多くの種が存在していましたが \Nそのすべてが絶滅してしまったので Dialogue: 0,0:02:24.35,0:02:29.17,Default,,0000,0000,0000,,彼らに言語もしくはそれらしきものが\Nあったかを知るのは非常に困難です Dialogue: 0,0:02:29.17,0:02:33.28,Default,,0000,0000,0000,,大型類人猿は 言語の起源について \N手がかりを一つ与えます Dialogue: 0,0:02:33.28,0:02:37.28,Default,,0000,0000,0000,,言語が言葉ではなくジェスチャーから\N始まったのかもしれないということです Dialogue: 0,0:02:37.28,0:02:40.66,Default,,0000,0000,0000,,大型類人猿は野生では\N発声するよりも はるかに自由に ― Dialogue: 0,0:02:40.66,0:02:42.62,Default,,0000,0000,0000,,お互い同士 ジェスチャーを\N交わしています Dialogue: 0,0:02:42.62,0:02:46.07,Default,,0000,0000,0000,,言語の形成は更新世 ― Dialogue: 0,0:02:46.07,0:02:50.31,Default,,0000,0000,0000,,つまり200万年から300万年前に\N我々の種であるホモ・サピエンスへとつながる Dialogue: 0,0:02:50.31,0:02:54.51,Default,,0000,0000,0000,,ホモ属の出現とともに\N始まったのかもしれません Dialogue: 0,0:02:54.51,0:02:59.35,Default,,0000,0000,0000,,脳の大きさが3倍になり 二足歩行により\N会話に手が使えるようになりました Dialogue: 0,0:02:59.35,0:03:04.06,Default,,0000,0000,0000,,身ぶりによるコミュニケーションから\N身ぶりの言語へ移行した可能性があります Dialogue: 0,0:03:04.06,0:03:07.06,Default,,0000,0000,0000,,物体への指差しや\Nパントマイムのような動きから Dialogue: 0,0:03:07.06,0:03:10.35,Default,,0000,0000,0000,,より効率的で抽象的な合図を用いることへの\N移行があったのかもしれません Dialogue: 0,0:03:10.35,0:03:15.38,Default,,0000,0000,0000,,身ぶりによる伝達を抽象化することで\N視覚化する必要がなくなり Dialogue: 0,0:03:15.38,0:03:18.39,Default,,0000,0000,0000,,話し言葉へ移行する土台が\N整ったのです Dialogue: 0,0:03:18.39,0:03:21.48,Default,,0000,0000,0000,,その移行は後になり\Nやってきたのでしょうが Dialogue: 0,0:03:21.48,0:03:25.96,Default,,0000,0000,0000,,有節言語は\N特定の形状をもった声道に依存します Dialogue: 0,0:03:25.96,0:03:30.36,Default,,0000,0000,0000,,私たちの最も近い祖先である\Nネアンデルタール人やデニソワ人でさえ Dialogue: 0,0:03:30.36,0:03:32.72,Default,,0000,0000,0000,,声道は最適では\Nありませんでしたが Dialogue: 0,0:03:32.72,0:03:34.99,Default,,0000,0000,0000,,ある程度の発声能力と Dialogue: 0,0:03:34.99,0:03:36.98,Default,,0000,0000,0000,,もしかしたら言語があった\N可能性もあります Dialogue: 0,0:03:36.98,0:03:40.16,Default,,0000,0000,0000,,声道が最適化されているのは\N人間だけです Dialogue: 0,0:03:40.16,0:03:45.54,Default,,0000,0000,0000,,話し言葉により道具の使用や移動などの\N活動のために手が自由になりました Dialogue: 0,0:03:45.54,0:03:48.07,Default,,0000,0000,0000,,そのため言語そのものではなく Dialogue: 0,0:03:48.07,0:03:52.39,Default,,0000,0000,0000,,話し言葉の出現が 人類という種の\N優勢をもたらしたのかもしれません Dialogue: 0,0:03:52.39,0:03:57.89,Default,,0000,0000,0000,,言語は複雑な思考 知覚 運動機能と\N密接に結びついているため Dialogue: 0,0:03:57.89,0:04:01.100,Default,,0000,0000,0000,,その生物学的起源を\N紐解くのは難しいのです Dialogue: 0,0:04:01.100,0:04:04.45,Default,,0000,0000,0000,,最大の謎がいくつか残っています Dialogue: 0,0:04:04.45,0:04:08.18,Default,,0000,0000,0000,,言語の能力は 人類の形成に\Nどの程度寄与したのでしょうか? Dialogue: 0,0:04:08.18,0:04:11.34,Default,,0000,0000,0000,,そして人類は 言語の形成に\Nどの程度寄与したのでしょうか? Dialogue: 0,0:04:11.34,0:04:15.64,Default,,0000,0000,0000,,先に現れたのは 私たちが心に描ける\N膨大な数のシナリオなのか Dialogue: 0,0:04:15.64,0:04:17.79,Default,,0000,0000,0000,,それを共有する私たちの能力の\Nどちらでしょうか?