誰にだって よく眠れない夜はありますし まったく珍しいことではありません でも 睡眠の量と質の両方を 改善するには どうしたらよいのでしょう? [睡眠を科学する] (音楽) 科学的根拠のある よりよい睡眠のための6つのヒントを 紹介しましょう 1つ目のヒントは「規則正しく」です 同じ時間に寝て 同じ時間に起きるようにしましょう 規則正しいことはとても大事で 睡眠を安定させてくれるし 睡眠の量と質の両方を 改善してくれます 平日でも週末でも よく眠れない夜があった時でも 効果はあります その理由は 脳の奥深くに 24時間の時間を刻む時計が 備わっているからです その時計は規則正しさを必要とし 規則正しく動くことで 調子が良くなります 就寝と起床についても そうなんです 朝起きるための目覚ましを 使う人は多いですが 就寝時間にアラームを使う人は ほとんどいません 実践してみると 役に立つかもしれません 2つ目のヒントは「室温」です 涼しくしましょう 実は 脳と身体は 核心温度を摂氏1度 あるいは 華氏2~3度下げないと 入眠したり 睡眠を持続させたり できないのです だから暑すぎる部屋よりも 寒すぎる部屋の方が 寝付きやすいというわけなんです 推奨されている寝室の温度は 華氏65度くらいか 摂氏18度より少し暖かいくらいです 寒いんじゃないかと思うでしょうが その方がいいんです 3つ目のヒントは「暗さ」です 私たちの住む社会は 十分に暗くありません 実は 私たちは夜にこそ 暗さを必要としていて それはメラトニンという ホルモンの分泌を促すためです メラトニンは健康な睡眠のリズムを 規則正しく保ってくれます 寝る前の1時間は パソコンの画面や タブレットや携帯電話を 見ないようにしてみてください 家の照明の明るさを 半分にしてみましょう それだけで 眠くなってくるのに きっと驚きますよ アイマスクを着けて寝たり 遮光カーテンを使うのもいいでしょう それによって 大事な睡眠ホルモンである メラトニンの働きを助けられます 4つ目のヒントは 「眠くなければ寝室の外へ」です 目が覚めたまま 長時間 ベッドの中に留まっていてはいけません 大体の目安としては 眠りに就こうとしてから 25分ほど経ってしまった場合や 途中で目が覚めてしまって 25分経っても 眠れない時は ベッドから いったん離れて 何か別のことをするのを お勧めします これはなぜかというと 人間の脳は 非常に物事を 結びつけやすいからです ベッドでは目が覚めているものだと 脳が学習してしまっているので その結びつきを 壊さなければなりません ベッドを離れたら 何か別の活動をしましょう 眠くなってから ベッドに戻ってください そうすることで 徐々に 脳が新しい結びつきを学習します ベッドはすやすやと持続的に 眠る場所だと覚えてくれるのです 5つ目のヒントについては このシリーズで すでにくわしくお話ししました 「アルコールとカフェイン」の影響です 大体の目安としては 午後以降はカフェインを 摂取しないようにして 酔った状態で眠りに 就かないのがいいでしょう 6つ目のヒントは 「就寝前のルーティン」です 現代に生きる私たちの多くが 夜にベッドに潜り込んで 明かりを消せるので 睡眠にも明かりみたいに スイッチがあって 瞬時に眠りに就けるはずだと 思いがちです 残念ながら ほとんどの人にとって 睡眠はそう簡単ではありません 生理学的なプロセスとしての睡眠は 飛行機の着陸みたいなものなのです しっかりとした睡眠に 脳がだんだんと落ち着くのには 時間がかかります 寝る20分前か 30分前― 1時間前でもいいので パソコンや携帯電話から離れて 何かリラックスできることを しましょう 自分に合った活動を見つけたら それをルーティンとして 続けるようにしてください 最後にお伝えしたいのは もし睡眠関連疾患に悩まされていて 不眠症や睡眠時無呼吸などを 経験しているなら これらのヒントが必ずしも 役に立つとは限りません 私がスポーツのコーチなら みなさんのプレーを改善するヒントを いくらでもあげられますが みなさんが足首を骨折していたら ヒントは役に立ちませんよね まずは足首の骨折を治さないと プレーの質の改善には 取り組めないでしょう 睡眠も それと同じです 睡眠関連疾患があると思うなら 医師に相談してください そうするのが一番です これまで睡眠について お話ししてきましたが いかがでしたか? 科学的根拠は明らかですね 睡眠のことを生命維持装置だと 考えてもいいくらいです 睡眠のことをスーパーパワーだと言う人も いるかもしれませんね