1 00:00:00,000 --> 00:00:03,000 それではみなさんに 2 00:00:03,000 --> 00:00:05,000 世代ごとに手を上げてもらうか 3 00:00:05,000 --> 00:00:08,000 拍手をしてもらいましょうかね 4 00:00:08,000 --> 00:00:10,000 この中に3歳から12歳の子供達は 5 00:00:10,000 --> 00:00:12,000 何人いるでしょうか 6 00:00:12,000 --> 00:00:16,000 (笑) 7 00:00:16,000 --> 00:00:19,000 いないようですね 8 00:00:19,000 --> 00:00:21,000 結構です 9 00:00:21,000 --> 00:00:23,000 では恐竜について話しましょう 10 00:00:23,000 --> 00:00:26,000 子供の頃に大好きだった恐竜を憶えていますか? 11 00:00:26,000 --> 00:00:31,000 (拍手) 12 00:00:33,000 --> 00:00:36,000 恐竜というのは少し滑稽ですね 13 00:00:36,000 --> 00:00:38,000 (笑) 14 00:00:38,000 --> 00:00:40,000 予想外の方向に話が進んでいきますが 15 00:00:40,000 --> 00:00:43,000 どういうことか分かりますね? 16 00:00:43,000 --> 00:00:45,000 前もって言っておきます 17 00:00:45,000 --> 00:00:47,000 消え去らないで下さい 18 00:00:47,000 --> 00:00:49,000 (笑) 19 00:00:49,000 --> 00:00:51,000 それだけです 20 00:00:51,000 --> 00:00:55,000 (笑) 21 00:00:55,000 --> 00:00:57,000 人から様々な質問をされますが 22 00:00:57,000 --> 00:01:00,000 最も多くきかれるのは 23 00:01:00,000 --> 00:01:04,000 なぜ子供は恐竜が大好きなのか 24 00:01:04,000 --> 00:01:06,000 魅力は何ですか? 25 00:01:06,000 --> 00:01:09,000 それに対しての答えは 26 00:01:09,000 --> 00:01:11,000 「恐竜は大きくて 27 00:01:11,000 --> 00:01:14,000 それぞれ違っていて 絶滅したからです」 28 00:01:14,000 --> 00:01:16,000 もう絶滅しました 29 00:01:16,000 --> 00:01:18,000 実際は違いますが 30 00:01:18,000 --> 00:01:20,000 その事について後でお話します 31 00:01:20,000 --> 00:01:23,000 という訳で 私の話のテーマは 32 00:01:23,000 --> 00:01:27,000 ”巨大 多様 絶滅”です 33 00:01:27,000 --> 00:01:29,000 話のタイトルは 34 00:01:29,000 --> 00:01:31,000 ”変身する恐竜たち― 35 00:01:31,000 --> 00:01:33,000 人為的要因による絶滅について” 36 00:01:33,000 --> 00:01:36,000 恐竜を思い浮かべて下さい 37 00:01:36,000 --> 00:01:39,000 その形は様々で 38 00:01:39,000 --> 00:01:42,000 種類も豊富です 39 00:01:42,000 --> 00:01:44,000 だいぶ前になりますが 40 00:01:44,000 --> 00:01:46,000 20世紀初頭に 41 00:01:46,000 --> 00:01:49,000 博物館は恐竜の発掘をしていました 42 00:01:49,000 --> 00:01:52,000 恐竜の化石を収集していました 43 00:01:52,000 --> 00:01:54,000 面白い話ですが 44 00:01:54,000 --> 00:01:57,000 博物館は競って より大きくて良い物を 45 00:01:57,000 --> 00:01:59,000 発掘しようとしていました 46 00:01:59,000 --> 00:02:02,000 トロントの博物館が発掘現場に出かけて 47 00:02:02,000 --> 00:02:05,000 大きなティラノサウルスの化石をみつけると 48 00:02:05,000 --> 00:02:08,000 オタワの博物館は より大きくて 49 00:02:08,000 --> 00:02:10,000 良いものが欲しくなりました 50 00:02:10,000 --> 00:02:12,000 どこの博物館も同じでした 51 00:02:12,000 --> 00:02:14,000 どこよりも より大きくて良い物を 52 00:02:14,000 --> 00:02:17,000 探しに出かけました 53 00:02:17,000 --> 00:02:21,000 これは20世紀初頭のことでした 54 00:02:21,000 --> 00:02:24,000 1970年頃になると 55 00:02:24,000 --> 00:02:26,000 ある科学者達はこう思いました 56 00:02:26,000 --> 00:02:29,000 「これは一体何なんだ? 57 00:02:29,000 --> 00:02:31,000 どの恐竜を見ても 58 00:02:31,000 --> 00:02:33,000 全部大きいじゃないか 59 00:02:33,000 --> 00:02:36,000 小さいのはどこにあるんだ?」 60 00:02:38,000 --> 00:02:40,000 そしてこれについて考え 61 00:02:40,000 --> 00:02:42,000 論文を書きました 62 00:02:42,000 --> 00:02:44,000 ”小さい恐竜はどこか?” 63 00:02:44,000 --> 00:02:49,000 (笑) 64 00:02:52,000 --> 00:02:56,000 さて 博物館に行くと 65 00:02:56,000 --> 00:02:59,000 子供の恐竜はいくつあるでしょうか? 66 00:02:59,000 --> 00:03:02,000 人々は思うでしょう―実はこの”思い込み” 67 00:03:02,000 --> 00:03:04,000 これこそが問題だったのですが― 68 00:03:04,000 --> 00:03:06,000 ”もしも小さな恐竜や 69 00:03:06,000 --> 00:03:08,000 子供の恐竜があっても 70 00:03:08,000 --> 00:03:10,000 大人と似ていて 容易に見分けがつくだろう " 71 00:03:10,000 --> 00:03:12,000 あなたなら 大きい恐竜と小さな恐竜 72 00:03:12,000 --> 00:03:15,000 両方所有するでしょう 73 00:03:15,000 --> 00:03:18,000 しかし博物館が手にしたのは大きい物だけでした 74 00:03:18,000 --> 00:03:21,000 そしていくつかの事が分かりました 75 00:03:21,000 --> 00:03:25,000 一つは 科学者達はわがままで 76 00:03:25,000 --> 00:03:29,000 恐竜に名前を付けたがるということです 77 00:03:29,000 --> 00:03:31,000 科学者は何にでも名前を付けたがります 78 00:03:31,000 --> 00:03:34,000 みんなペットには名前を付けるでしょう 79 00:03:34,000 --> 00:03:37,000 (笑) 80 00:03:37,000 --> 00:03:40,000 彼らは他と違って見える物を発見しては 81 00:03:40,000 --> 00:03:43,000 他とは違う名前を付けました 82 00:03:43,000 --> 00:03:45,000 もちろんその競争は 83 00:03:45,000 --> 00:03:48,000 多くの恐竜の名前を残して終わりました 84 00:03:50,000 --> 00:03:53,000 1975年 85 00:03:53,000 --> 00:03:56,000 ある人物の頭にひらめきました 86 00:03:56,000 --> 00:03:58,000 ペンシルベニア大学の 87 00:03:58,000 --> 00:04:00,000 ピーター・ドッドソン博士は 88 00:04:00,000 --> 00:04:03,000 あることに気付きました 89 00:04:03,000 --> 00:04:06,000 恐竜の成長は 90 00:04:06,000 --> 00:04:08,000 鳥類と似ていて 91 00:04:08,000 --> 00:04:10,000 爬虫類の成長とは 92 00:04:10,000 --> 00:04:12,000 違うということです 93 00:04:12,000 --> 00:04:14,000 実際に博士は 94 00:04:14,000 --> 00:04:17,000 ヒクイドリを使って調べました 95 00:04:17,000 --> 00:04:20,000 なかなか良い研究で―ヒクイドリの様に 96 00:04:20,000 --> 00:04:23,000 頭にトサカのある鳥はどれも 97 00:04:23,000 --> 00:04:25,000 トサカが生える前に 98 00:04:25,000 --> 00:04:27,000 成体の80パーセントの大きさに 99 00:04:27,000 --> 00:04:30,000 体が成長します 100 00:04:30,000 --> 00:04:33,000 この種の動物は基本的に 101 00:04:33,000 --> 00:04:36,000 個体発生のかなり後期まで 102 00:04:36,000 --> 00:04:39,000 幼少期の特徴を持ち続けます 103 00:04:39,000 --> 00:04:43,000 個体発生における頭蓋骨のアロメトリーとは 104 00:04:43,000 --> 00:04:46,000 頭蓋骨の相対成長の事です 105 00:04:46,000 --> 00:04:48,000 もうお気付きでしょう 106 00:04:48,000 --> 00:04:50,000 既に80パーセント成長した 107 00:04:50,000 --> 00:04:53,000 ヒクイドリを発見しても(トサカが無いので) 108 00:04:53,000 --> 00:04:56,000 大人のヒクイドリになると思わず 109 00:04:56,000 --> 00:04:59,000 2種類の異なる動物と思うでしょう 110 00:05:00,000 --> 00:05:03,000 これが問題なのです 111 00:05:03,000 --> 00:05:06,000 ドッドソン博士はヒパクロサウルスという 112 00:05:06,000 --> 00:05:08,000 アヒルの様なくちばしを持つ恐竜を使って 113 00:05:08,000 --> 00:05:10,000 このことを指摘しました 114 00:05:10,000 --> 00:05:12,000 彼が証明したのはこうです 115 00:05:12,000 --> 00:05:15,000 もし 幼体と成体の外見を調べて 116 00:05:15,000 --> 00:05:18,000 平均値をグラフに表した時に 117 00:05:18,000 --> 00:05:21,000 成長率が正比例していれば 118 00:05:21,000 --> 00:05:23,000 成体の50パーセントまで 119 00:05:23,000 --> 00:05:26,000 成長した頃にはトサカがあると思うでしょう 120 00:05:26,000 --> 00:05:28,000 しかし実際は65パーセント成長を終えた 121 00:05:28,000 --> 00:05:30,000 亜成体の段階でも 122 00:05:30,000 --> 00:05:32,000 まだトサカはありません 123 00:05:32,000 --> 00:05:34,000 これは興味深いです 124 00:05:34,000 --> 00:05:37,000 これこそが 125 00:05:37,000 --> 00:05:40,000 誰もが誤認する原因です 126 00:05:40,000 --> 00:05:42,000 すなわち もし彼らが 127 00:05:42,000 --> 00:05:45,000 ドッドソン博士の様な研究を続けていたら 128 00:05:45,000 --> 00:05:47,000 恐竜の種類は 129 00:05:47,000 --> 00:05:49,000 もっと少なかったはずです 130 00:05:49,000 --> 00:05:51,000 しかし科学者達はわがままです 131 00:05:51,000 --> 00:05:54,000 名前を付けるのが好きです 132 00:05:54,000 --> 00:05:57,000 恐竜はそれぞれ違っているので 133 00:05:57,000 --> 00:06:00,000 名前を付け続けたのです 134 00:06:00,000 --> 00:06:02,000 今私達は恐竜やその他の動物が 135 00:06:02,000 --> 00:06:05,000 子供だったのか成体だったのかを 136 00:06:05,000 --> 00:06:08,000 調べることができます 137 00:06:08,000 --> 00:06:11,000 恐竜の骨を切って調べるのですが 138 00:06:11,000 --> 00:06:15,000 これがなかなか難しい 139 00:06:15,000 --> 00:06:18,000 ご想像の通り 140 00:06:18,000 --> 00:06:21,000 博物館において 141 00:06:21,000 --> 00:06:25,000 恐竜の骨はとても貴重です 142 00:06:25,000 --> 00:06:28,000 博物館でとても良く手入れされています 143 00:06:28,000 --> 00:06:31,000 小さな容器の中でクッションに置かれて 144 00:06:31,000 --> 00:06:34,000 とても大切にされています 145 00:06:35,000 --> 00:06:37,000 骨を切って中を見たいと言ったら 146 00:06:37,000 --> 00:06:39,000 とても嫌がられるでしょう 147 00:06:39,000 --> 00:06:41,000 (笑) 148 00:06:41,000 --> 00:06:44,000 普通はそうさせてくれません 149 00:06:44,000 --> 00:06:47,000 しかし私は博物館を持っていて 150 00:06:47,000 --> 00:06:49,000 恐竜を集めているので 151 00:06:49,000 --> 00:06:51,000 開けて中を見ることができます 152 00:06:51,000 --> 00:06:53,000 それが私の方針です 153 00:06:53,000 --> 00:06:58,000 (拍手) 154 00:06:58,000 --> 00:07:03,000 子供の恐竜の骨を切って中を見ると 155 00:07:03,000 --> 00:07:05,000 Aの様にスポンジ状になっています 156 00:07:05,000 --> 00:07:07,000 成体の骨を切ると 157 00:07:07,000 --> 00:07:09,000 隙間の無い塊です 158 00:07:09,000 --> 00:07:11,000 成熟した骨だと言えます 159 00:07:11,000 --> 00:07:14,000 見分けるのが非常に簡単です 160 00:07:14,000 --> 00:07:16,000 と言う訳で 161 00:07:16,000 --> 00:07:18,000 これをお見せしたいのです 162 00:07:18,000 --> 00:07:22,000 北アメリカの北部の平原地帯と 163 00:07:22,000 --> 00:07:26,000 カナダの南部の平原地帯がある場所に 164 00:07:26,000 --> 00:07:29,000 絶滅直前の恐竜の化石が採れる 165 00:07:29,000 --> 00:07:32,000 ヘルクリーク層という化石産地があります 166 00:07:32,000 --> 00:07:34,000 ここにあるのは誰もが知っている 167 00:07:34,000 --> 00:07:36,000 12種類の恐竜です 168 00:07:36,000 --> 00:07:38,000 絶滅したと言われている 169 00:07:38,000 --> 00:07:40,000 代表的な12種類の恐竜です 170 00:07:40,000 --> 00:07:43,000 という訳で この事について調べましょう 171 00:07:43,000 --> 00:07:45,000 これは私が研究してきた事の一つです 172 00:07:45,000 --> 00:07:48,000 私の生徒たちやスタッフと共に 173 00:07:48,000 --> 00:07:51,000 恐竜の骨を切り開いてきました 174 00:07:51,000 --> 00:07:53,000 ご想像通り 175 00:07:53,000 --> 00:07:55,000 脚の骨を切開するのは簡単そうですが 176 00:07:55,000 --> 00:07:58,000 もし博物館に行って 177 00:07:58,000 --> 00:08:00,000 「恐竜の頭蓋骨を切開して良いですか?」 178 00:08:00,000 --> 00:08:03,000 と尋ねると 179 00:08:03,000 --> 00:08:06,000 「出ていけ!」と言われます 180 00:08:06,000 --> 00:08:11,000 (笑) 181 00:08:11,000 --> 00:08:15,000 ここに12種類の恐竜があります 182 00:08:15,000 --> 00:08:18,000 まず始めに この3つをご覧ください 183 00:08:18,000 --> 00:08:21,000 これらは”堅頭竜類”と呼ばれています 184 00:08:21,000 --> 00:08:23,000 ご存知の通り 185 00:08:23,000 --> 00:08:25,000 同じ系統に属しています 186 00:08:25,000 --> 00:08:27,000 これらは 187 00:08:27,000 --> 00:08:29,000 いとこの様な関係にあると 188 00:08:29,000 --> 00:08:32,000 思われています 189 00:08:32,000 --> 00:08:34,000 しかしもっと近い関係にあるとは 190 00:08:34,000 --> 00:08:37,000 誰も考えませんでした 191 00:08:37,000 --> 00:08:39,000 言い換えると 192 00:08:39,000 --> 00:08:42,000 人は見た目の違いだけで判断してたのです 193 00:08:42,000 --> 00:08:44,000 ご存知の通り 194 00:08:44,000 --> 00:08:46,000 皆さんが自分の兄弟や姉妹かどうかを 195 00:08:46,000 --> 00:08:48,000 判断する時には 196 00:08:48,000 --> 00:08:52,000 見た目の違いでは判りませんね 197 00:08:52,000 --> 00:08:54,000 見た目の類似で判断できるのは 198 00:08:54,000 --> 00:08:56,000 同類だという事だけです 199 00:08:56,000 --> 00:08:58,000 人々はこれらを見て 200 00:08:58,000 --> 00:09:00,000 どれ程違っているのかを話し合いました 201 00:09:00,000 --> 00:09:03,000 パキケファロサウルスの頭には大きくて厚い 202 00:09:03,000 --> 00:09:06,000 ドームがあり 後頭部には小突起があります 203 00:09:06,000 --> 00:09:10,000 そして鼻の先には多くのコブがあります 204 00:09:10,000 --> 00:09:12,000 また 同時期 同じ年代の 205 00:09:12,000 --> 00:09:16,000 スティギモロクという同種の恐竜は 206 00:09:16,000 --> 00:09:18,000 後頭部に角がありました 207 00:09:18,000 --> 00:09:20,000 頭部にはとても小さなドーム 208 00:09:20,000 --> 00:09:24,000 鼻にはたくさんのコブがありました 209 00:09:24,000 --> 00:09:26,000 そしてこれはドラコレックス・ 210 00:09:26,000 --> 00:09:28,000 ホグワーツィアといいます 211 00:09:28,000 --> 00:09:31,000 この名前の由来は何でしょう?ドラゴンです 212 00:09:31,000 --> 00:09:33,000 この恐竜の頭には 213 00:09:33,000 --> 00:09:36,000 角があり ドームはなく 214 00:09:36,000 --> 00:09:39,000 鼻にはコブがあります 215 00:09:39,000 --> 00:09:42,000 このコブが似ているは誰も思いませんでした 216 00:09:42,000 --> 00:09:44,000 これら3つを見て 彼らは言いました 217 00:09:44,000 --> 00:09:46,000 「これらは3つの異なる種類の恐竜で 218 00:09:46,000 --> 00:09:49,000 ドラコレックスは最も古い時代の恐竜だろう 219 00:09:49,000 --> 00:09:52,000 そしてもう一方は他のより昔の物だろう」 220 00:09:52,000 --> 00:09:55,000 私にはよくわかりません 221 00:09:55,000 --> 00:09:58,000 どの様にこの3つを分類したのでしょう? 222 00:09:58,000 --> 00:10:00,000 でももしこれらの 223 00:10:00,000 --> 00:10:03,000 頭蓋骨だけを並べると 224 00:10:03,000 --> 00:10:05,000 この様になります 225 00:10:05,000 --> 00:10:07,000 ドラコレックスが最も小さくて 226 00:10:07,000 --> 00:10:09,000 スティギモロクは中くらい 227 00:10:09,000 --> 00:10:12,000 パキケファロサウルスが最も大きいですね 228 00:10:12,000 --> 00:10:14,000 ご想像通り 229 00:10:14,000 --> 00:10:16,000 これが私にはヒントになったのですが 230 00:10:16,000 --> 00:10:18,000 (笑) 231 00:10:18,000 --> 00:10:21,000 彼らにはヒントになりませんでした 232 00:10:21,000 --> 00:10:24,000 なぜだか分りますね 233 00:10:24,000 --> 00:10:27,000 科学者は名前を付けるのが好きだからです 234 00:10:27,000 --> 00:10:29,000 という訳で 235 00:10:29,000 --> 00:10:31,000 ドラコレックスを切り開きました 236 00:10:31,000 --> 00:10:33,000 切り開いてみると 237 00:10:33,000 --> 00:10:35,000 中はスポンジ状でした 238 00:10:35,000 --> 00:10:37,000 スポンジにそっくりでした 239 00:10:37,000 --> 00:10:39,000 つまりこれは子供の骨で 240 00:10:39,000 --> 00:10:41,000 急速に成長するという事を意味します 241 00:10:41,000 --> 00:10:43,000 これからもっと大きくなります 242 00:10:43,000 --> 00:10:45,000 スティギモロクを切り開くと 243 00:10:45,000 --> 00:10:47,000 同じ事が言えます 244 00:10:47,000 --> 00:10:49,000 小さなドームは 245 00:10:49,000 --> 00:10:51,000 すぐに大きく成長します 246 00:10:51,000 --> 00:10:53,000 とても速く膨らみます 247 00:10:53,000 --> 00:10:56,000 興味深い事に ドラコレックスの 248 00:10:56,000 --> 00:10:58,000 後頭部の角も急速に大きくなります 249 00:10:58,000 --> 00:11:00,000 スティギモロクの後頭部の角は 250 00:11:00,000 --> 00:11:02,000 縮んでいきます 251 00:11:02,000 --> 00:11:04,000 つまりドームが大きくなるにつれて 252 00:11:04,000 --> 00:11:06,000 角は小さくなっていきます 253 00:11:06,000 --> 00:11:09,000 パキケファロサウルスには 254 00:11:09,000 --> 00:11:12,000 頑丈なドームがあって 255 00:11:12,000 --> 00:11:15,000 後頭部の小さな突起物は 256 00:11:15,000 --> 00:11:17,000 同じく縮んでいきます 257 00:11:17,000 --> 00:11:19,000 これら3つの恐竜だけで 258 00:11:19,000 --> 00:11:21,000 簡単に―科学者として― 259 00:11:21,000 --> 00:11:23,000 こう仮定できます 260 00:11:23,000 --> 00:11:25,000 これは同じ動物が 261 00:11:25,000 --> 00:11:28,000 成長しているだけです 262 00:11:28,000 --> 00:11:31,000 この話の流れから言える事は 263 00:11:31,000 --> 00:11:35,000 スティギモロクとドラコレックスは 264 00:11:35,000 --> 00:11:37,000 絶滅しました 265 00:11:37,000 --> 00:11:42,000 (笑) 266 00:11:42,000 --> 00:11:44,000 いいですか 267 00:11:46,000 --> 00:11:49,000 という事で 268 00:11:49,000 --> 00:11:53,000 ここにあるのは10種の代表的な恐竜です 269 00:11:53,000 --> 00:11:55,000 バークレーで私は同僚と 270 00:11:55,000 --> 00:11:58,000 トリケラトプスについて調べていました 271 00:11:58,000 --> 00:12:00,000 21世紀になる前― 272 00:12:00,000 --> 00:12:02,000 確か19世紀に初めてトリケラトプスが 273 00:12:02,000 --> 00:12:04,000 発見されてから21世紀になるまでの間 274 00:12:04,000 --> 00:12:07,000 トリケラトプスの子供の化石は 275 00:12:07,000 --> 00:12:10,000 発見されませんでした 276 00:12:10,000 --> 00:12:13,000 トリケラトプスは世界中の博物館にありますが 277 00:12:13,000 --> 00:12:17,000 誰も子供の化石を収集しませんでした 278 00:12:17,000 --> 00:12:19,000 なぜだか分かりますね 279 00:12:19,000 --> 00:12:22,000 大きい恐竜が欲しかったからです 280 00:12:22,000 --> 00:12:24,000 どの博物館も大きいものを展示しました 281 00:12:24,000 --> 00:12:26,000 そこで私達は大量の化石を収集して 282 00:12:26,000 --> 00:12:28,000 大量の子供の化石を見つけました 283 00:12:28,000 --> 00:12:32,000 子供の化石はどこにでもあったので 284 00:12:32,000 --> 00:12:34,000 その大量の化石を展示しました 285 00:12:34,000 --> 00:12:39,000 (笑) 286 00:12:39,000 --> 00:12:41,000 私の博物館が小さいから 287 00:12:41,000 --> 00:12:44,000 小さい恐竜を展示するんだと言われます 288 00:12:44,000 --> 00:12:47,000 (笑) 289 00:12:47,000 --> 00:12:49,000 トリケラトプスを見ると 290 00:12:49,000 --> 00:12:51,000 形を変えていくのが分かりますね 291 00:12:51,000 --> 00:12:53,000 子供が成長するにつれて 292 00:12:53,000 --> 00:12:55,000 角は後方に湾曲していきます 293 00:12:55,000 --> 00:12:57,000 そして大人になると 294 00:12:57,000 --> 00:12:59,000 その角は前に伸びて行きます 295 00:12:59,000 --> 00:13:01,000 実に面白いですね 296 00:13:01,000 --> 00:13:03,000 フリルの端を見ていくと 297 00:13:03,000 --> 00:13:06,000 そこには三角形の小さな骨があります 298 00:13:06,000 --> 00:13:08,000 これらは大きな三角形に成長した後 299 00:13:08,000 --> 00:13:11,000 フリルに沿って平らになっていきます 300 00:13:11,000 --> 00:13:13,000 これはパキケファロサウルスの 301 00:13:13,000 --> 00:13:16,000 突起とよく似ています 302 00:13:16,000 --> 00:13:20,000 私は子供の化石を持っているので 303 00:13:20,000 --> 00:13:22,000 切り開いて 304 00:13:22,000 --> 00:13:24,000 中を見ました 305 00:13:24,000 --> 00:13:27,000 子供の化石はスポンジとよく似ていて 306 00:13:27,000 --> 00:13:30,000 亜成体になるとよりスポンジに近くなります 307 00:13:30,000 --> 00:13:32,000 面白い事に 308 00:13:32,000 --> 00:13:34,000 大人のトリケラトプスもスポンジの様でした 309 00:13:34,000 --> 00:13:37,000 この頭蓋骨は2メートルもあります 310 00:13:37,000 --> 00:13:40,000 とても大きな頭蓋骨です 311 00:13:40,000 --> 00:13:42,000 トリケラトプスの 312 00:13:42,000 --> 00:13:45,000 頭蓋骨の形にとてもよく似た 313 00:13:45,000 --> 00:13:48,000 更に大きな恐竜がいます 314 00:13:48,000 --> 00:13:51,000 トロサウルスと呼ばれています 315 00:13:51,000 --> 00:13:54,000 トロサウルスを切り開くと 316 00:13:54,000 --> 00:13:56,000 中は成熟しています 317 00:13:56,000 --> 00:13:58,000 フリルには大きな穴があります 318 00:13:58,000 --> 00:14:01,000 「トリケラトプスとトロサウルスは 319 00:14:01,000 --> 00:14:03,000 大きさが違うので 320 00:14:03,000 --> 00:14:05,000 異なる恐竜だ」と言われています 321 00:14:05,000 --> 00:14:10,000 (笑) 322 00:14:10,000 --> 00:14:12,000 「しかもフリルには穴が空いている」 323 00:14:12,000 --> 00:14:15,000 「トロサウルスの子供を持っているか?」と尋ねると 324 00:14:15,000 --> 00:14:18,000 「もちろん無いけど フリルに穴がある」 325 00:14:18,000 --> 00:14:21,000 と彼らは言いました 326 00:14:21,000 --> 00:14:24,000 私の教え子のジョン・スカネラは 327 00:14:24,000 --> 00:14:26,000 収集した全ての化石を調べて 328 00:14:26,000 --> 00:14:28,000 トリケラトプス(のフリル)にも 329 00:14:28,000 --> 00:14:30,000 小さい穴が開き始めている事を 330 00:14:30,000 --> 00:14:32,000 発見しました 331 00:14:32,000 --> 00:14:35,000 トロサウルスには大きな穴がある事から 332 00:14:35,000 --> 00:14:38,000 トリケラトプスとトロサウルスの 333 00:14:38,000 --> 00:14:40,000 非常に面白い成長過程を 334 00:14:40,000 --> 00:14:42,000 発見したのです 335 00:14:42,000 --> 00:14:44,000 お分かりの様に 336 00:14:44,000 --> 00:14:46,000 トロサウルスは 337 00:14:46,000 --> 00:14:49,000 トリケラトプスの成体に過ぎません 338 00:14:49,000 --> 00:14:51,000 恐竜に名前を付けるなら 339 00:14:51,000 --> 00:14:53,000 何の名前を付ける時でも 340 00:14:53,000 --> 00:14:55,000 最初の名前だけを残して 341 00:14:55,000 --> 00:14:59,000 その他の名前は捨てます 342 00:14:59,000 --> 00:15:02,000 という訳で トロサウルスは絶滅しました 343 00:15:02,000 --> 00:15:05,000 このニュースについて多くのキャスターが 344 00:15:05,000 --> 00:15:07,000 トリケラトプスが無くなり 345 00:15:07,000 --> 00:15:10,000 トロサウルスが残ると誤解しました 346 00:15:10,000 --> 00:15:12,000 しかしそうではありません 347 00:15:12,000 --> 00:15:17,000 (笑) 348 00:15:18,000 --> 00:15:21,000 この事は他の恐竜についても言えます 349 00:15:21,000 --> 00:15:23,000 これがエドモントサウルスと 350 00:15:23,000 --> 00:15:25,000 アナトティタンです 351 00:15:25,000 --> 00:15:28,000 アナトティタン: 巨大なアヒル 352 00:15:28,000 --> 00:15:30,000 ハドロサウルス科の恐竜です 353 00:15:30,000 --> 00:15:32,000 こちらがエドモントサウルスです 354 00:15:32,000 --> 00:15:34,000 骨の組織構造を見ると 355 00:15:34,000 --> 00:15:37,000 こういう事が分かります 356 00:15:37,000 --> 00:15:39,000 エドモントサウルスは子供か 357 00:15:39,000 --> 00:15:41,000 少なくとも亜成体で 358 00:15:41,000 --> 00:15:44,000 アナトティタンは大人です 359 00:15:44,000 --> 00:15:47,000 これを個体発生の成長過程と考えると 360 00:15:47,000 --> 00:15:50,000 アナトティタンの名前はいらないですね 361 00:15:50,000 --> 00:15:53,000 続けましょう 362 00:15:53,000 --> 00:15:55,000 それでは最後に 363 00:15:55,000 --> 00:15:57,000 ティラノサウルスについて話しましょう 364 00:15:57,000 --> 00:15:59,000 これからお話するのは 365 00:15:59,000 --> 00:16:02,000 ティラノサウルスとナノティラヌスです 366 00:16:02,000 --> 00:16:04,000 (笑) 367 00:16:04,000 --> 00:16:07,000 これもまた 不思議ですね 368 00:16:07,000 --> 00:16:10,000 (笑) 369 00:16:10,000 --> 00:16:12,000 しかしこれは良い質問でした 370 00:16:12,000 --> 00:16:14,000 科学者たちはこれらを見て言いました 371 00:16:14,000 --> 00:16:17,000 「一方は歯が17本あり 大きい方は12本ある 372 00:16:17,000 --> 00:16:19,000 これは全くナンセンスで 373 00:16:19,000 --> 00:16:21,000 成長するにつれて歯が生え換わる 374 00:16:21,000 --> 00:16:23,000 恐竜なんて見た事が無い 375 00:16:23,000 --> 00:16:25,000 だから真実は 376 00:16:25,000 --> 00:16:28,000 この二つは異なる種類という事だ」 377 00:16:28,000 --> 00:16:30,000 私は切って中を見ました 378 00:16:30,000 --> 00:16:32,000 すると案の定 379 00:16:32,000 --> 00:16:35,000 ナノティラヌスは子供の骨で 380 00:16:35,000 --> 00:16:38,000 大きい方は大人の骨でした 381 00:16:38,000 --> 00:16:41,000 それはまだ大きくなる様に見えました 382 00:16:41,000 --> 00:16:43,000 我々が働いているロッキーズ博物館には 383 00:16:43,000 --> 00:16:45,000 ティラノサウルスが4体あるので 384 00:16:45,000 --> 00:16:47,000 いくらでも切って中を見られます 385 00:16:47,000 --> 00:16:50,000 でも何でも切る必要はありません 386 00:16:50,000 --> 00:16:53,000 これらの顎を並べて見ると 387 00:16:53,000 --> 00:16:56,000 最も大きいものには12本の歯があり 388 00:16:56,000 --> 00:16:58,000 次に大きいものには13本 389 00:16:58,000 --> 00:17:00,000 その次に大きいのは14本 390 00:17:00,000 --> 00:17:02,000 そしてナノティラヌスは17本でした 391 00:17:02,000 --> 00:17:05,000 そして他の博物館の物も調べると 392 00:17:05,000 --> 00:17:09,000 その顎には15本の歯がありました 393 00:17:09,000 --> 00:17:12,000 これも同じく こう言えます 394 00:17:12,000 --> 00:17:14,000 ナノティラヌスはティラノサウルスの 395 00:17:14,000 --> 00:17:17,000 成長過程の一部である 396 00:17:17,000 --> 00:17:22,000 という訳でナノティラヌスを無くします 397 00:17:22,000 --> 00:17:24,000 (笑) 398 00:17:24,000 --> 00:17:28,000 結論はこうなります 399 00:17:28,000 --> 00:17:30,000 ここにあるのは 400 00:17:30,000 --> 00:17:33,000 白亜紀末期の7種類の恐竜です 401 00:17:33,000 --> 00:17:36,000 丁度良い数です 402 00:17:36,000 --> 00:17:39,000 絶滅するのに丁度良い数だと思います 403 00:17:39,000 --> 00:17:41,000 さて ご想像の通り 404 00:17:41,000 --> 00:17:44,000 これは4年生の子供達には面白くない話です 405 00:17:44,000 --> 00:17:46,000 4年生の子供は恐竜が大好きで 406 00:17:46,000 --> 00:17:49,000 名前を覚えますからね 407 00:17:51,000 --> 00:17:54,000 彼らはこの事に不満を持っています 408 00:17:54,000 --> 00:17:56,000 (笑) 409 00:17:56,000 --> 00:17:58,000 ありがとうございました 410 00:17:58,000 --> 00:18:01,000 (拍手)