2004年に ヴィーマ・ニュートリション という新会社が わずかな手間で 会社の給与並の収入を得られるという 絶好の機会を 人々に提供し始めました ヴィーマ社は 誰にでも門戸を開き 経験や学歴を 問いませんでした 収入を得るために すべきことは2つだけ 6万円前後の栄養ドリンクセットを 購入することと 新会員を2人勧誘し 同じようにさせることです ヴィーマ社は急速に成長し 世界に事業を展開して 最盛期には月3万人の新会員を 獲得していましたが 1つだけ問題がありました 2013年にはヴィーマ社の年商が 200億円になっていた一方で 加入者の大半は 払ったよりも 少ない収入しか得ていなかったのです ヴィーマ社は結局ネズミ講 ということで訴えられました これはよくある形態の詐欺で 会員がさらに多くの会員を 引き入れることで 儲けようとします 通常は 設立者が 初期メンバーを勧誘し その方式を売り込みます 会員は新たな会員を 勧誘するように言われ 新会員の投資分を一部 受け取れると約束されます 設立者自身も その一部を取ります この形のやり取りが 新たな加入者ごとに繰り返され 新会員からのお金が 上位の会員に集まっていきます これはポンジ・スキームとは 異なります ポンジ・スキームの場合 設立者が会員を勧誘して そこからの収入を既存会員にまわし それがまっとうな投資による 利益だと思わせます ネズミ講は大きくなるにつれ 新たな会員を得ることが 難しくなっていきます 加入者の数が 指数関数的に 増加していくからです 利益を得るために会員は 新会員を6人 獲得する必要があるとしましょう 設立者が6人 引き入れるところから始まり そのそれぞれが 6人ずつ引き入れます 2世代目の会員は 36人になります そのぞれぞれが また6人ずつ 合計216人の 新会員を引き入れます 12世代目となる会員は 21億人になり その人たちは新たに130億人を 引き入れる必要がありますが これは世界の人口を 越えています このケースでは 一番新しい世代の会員で 全体の8割にあたる人が 支払ったお金を すべて失うことになります 現実には もっと以前の加入者の多くも 損をすることになります ネズミ講は多くの国で 違法とされていますが 見付けるのが 難しい面があります ネズミ講は 様々な形態を装います ギフトサークル 投資クラブ マルチ商法— とくにネズミ講と 合法的なマルチ商法は 区別が付きにくいものです 理屈の上での 両者の違いは マルチ商法では 会員の収入は主として 具体的な商品やサービスを 顧客に販売した 見返りとして 得られる一方 ネズミ講では 新たな売り手の 勧誘による報酬が主という点です しかし実際には マルチ商法の多くでは 会員が商品販売だけで 利益を出すのが ほぼ不可能です また 多くのネズミ講は ヴィーマ社のように 合法的なマルチ商法を 装っていて 商品やサービスを使い 「支払って勧誘」の構造を隠しています ネズミ講の多くはまた 人々の既存の信頼関係を利用し 教会や 移民コミュニティ その他 結び付きの強いグループに入り込みます 初期の会員は 実際に収入を得る前に それが良かったと みんなに 伝えるよう勧められます グループの他の人たちは その例に倣い ネズミ講が広まっていきますが ほとんどの人が利益を得ていないと 明らかになるのは 後になってからです 被害者が恥じて口を閉じてしまう というのも よくあることです ネズミ講は チャンスや力が 与えられると言って人々を誘います そのため 結局 儲けられなかった人は システムではなく 自分自身を責めがちで 約束の収入が得られなかったのは 頑張りが足りなかったせいだと思うのです 被害者の中には いくつものネズミ講に 繰り返しはまり 毎回損をする人もいます このように難しい 要因はあるにせよ ネズミ講を 見分ける方法はあります 短い期限付なのは赤信号です 「千載一遇のチャンスを逃すな 今すぐ始めよう」 といった謳い文句には 気をつけましょう 人生が変わるような高額の収入を 約束している場合も疑わしいです また合法的な マルチ商法であれば 商品やサービスを 販売する機会を得るために 会員が支払いを求められる べきではないでしょう ネズミ講はとても 有害なものです 個人にとっても コミュニティにとっても 国家にとってさえも でも同じ戦術で 対抗することができます このビデオを 知っている3人に送り その人たちにも同じように するよう勧めましょう