WEBVTT 00:00:00.480 --> 00:00:05.176 まずは私の大親友の一人について お話しします 00:00:05.200 --> 00:00:06.840 オコロマ・マドエウシ 00:00:07.720 --> 00:00:09.336 オコロマは近所に住んでいて 00:00:09.360 --> 00:00:11.656 兄のような存在でした 00:00:11.680 --> 00:00:14.720 好きな男の子ができたら 彼に相談したものです 00:00:16.160 --> 00:00:20.016 オコロマは2005年12月 ナイジェリアの 00:00:20.040 --> 00:00:22.400 ソソリソ墜落事故で亡くなりました 00:00:23.000 --> 00:00:24.680 ちょうど7年ほど前です 00:00:26.080 --> 00:00:30.440 オコロマとは口喧嘩をしたり 笑ったり 腹を割って話せる間柄でした 00:00:31.680 --> 00:00:34.061 私を「フェミニスト」と呼んだ 最初の人でもあります NOTE Paragraph 00:00:35.870 --> 00:00:38.936 私は14歳くらいで 彼の家で口論になったんです 00:00:38.960 --> 00:00:41.456 読んだばかりの本の 00:00:41.480 --> 00:00:42.840 にわか知識をふりかざして 00:00:43.560 --> 00:00:46.320 なんで口論になったのか 覚えていませんが 00:00:47.320 --> 00:00:49.376 口論の末に オコロマに 00:00:49.400 --> 00:00:52.960 「おまえ フェミニストだな」と 言われたのは覚えています 00:00:53.880 --> 00:00:55.096 褒め言葉ではありませんよ NOTE Paragraph 00:00:55.120 --> 00:00:56.536 (笑) NOTE Paragraph 00:00:56.560 --> 00:00:57.896 口調で分かりました 00:00:57.920 --> 00:01:00.696 嫌みを言うときのトーンです 例えば― 00:01:00.720 --> 00:01:02.456 「おまえ テロリストだな」とかね NOTE Paragraph 00:01:02.480 --> 00:01:05.256 (笑) NOTE Paragraph 00:01:05.280 --> 00:01:08.936 「フェミニスト」が何を意味するのか 知りませんでした 00:01:08.960 --> 00:01:12.176 知らないことを オコロマに知られるのがイヤで 00:01:12.200 --> 00:01:15.216 さっと話題を変えて 口論を続けました 00:01:15.240 --> 00:01:17.656 家に帰って真っ先にしたことは 00:01:17.680 --> 00:01:20.256 「フェミニスト」を 辞書で調べることでした NOTE Paragraph 00:01:20.280 --> 00:01:23.416 それから何年かが過ぎて 00:01:23.440 --> 00:01:27.576 私は妻に暴力を振るう 男の小説を書きました 00:01:27.600 --> 00:01:29.560 あまりいい感じでは 終わらないお話です 00:01:30.600 --> 00:01:32.656 ナイジェリアでその本の PRをしていた時 00:01:32.680 --> 00:01:35.696 紳士的なジャーナリストの男性が 00:01:35.720 --> 00:01:37.720 私にアドバイスしたいと 言ってきました 00:01:39.280 --> 00:01:40.616 ここにいるナイジェリア人は 00:01:40.640 --> 00:01:42.136 よく知っていると思いますが 00:01:42.160 --> 00:01:48.400 ナイジェリア人って頼まれてもいないのに すぐアドバイスしたがるんです 00:01:49.760 --> 00:01:53.216 私の小説がフェミニズム的だと 評判だと言うのです 00:01:53.240 --> 00:01:54.856 そして私に向かって 00:01:54.880 --> 00:01:58.056 悲しげに首を振りながら こう続けました 00:01:58.080 --> 00:02:00.256 「フェミニストを名乗るべきではない 00:02:00.280 --> 00:02:02.856 フェミニストは 結婚もできないような 00:02:02.880 --> 00:02:04.816 不幸な女がなるものだ」と NOTE Paragraph 00:02:04.840 --> 00:02:07.240 (笑) NOTE Paragraph 00:02:09.280 --> 00:02:11.720 私は「ハッピー・フェミニスト」を 名乗ることにしました 00:02:13.040 --> 00:02:15.696 次に学識のある ナイジェリア人の女性に 00:02:15.720 --> 00:02:17.416 フェミニズムは 私たちの文化でもないし 00:02:17.440 --> 00:02:19.056 アフリカの文化でもない 00:02:19.080 --> 00:02:21.016 フェミニストと自分で名乗るなんて 00:02:21.040 --> 00:02:23.280 「欧米の本」に洗脳されたのね と言われました 00:02:24.120 --> 00:02:25.336 これは愉快でした 00:02:25.360 --> 00:02:28.696 私が読んで育った本は全く フェミニズム的ではなかったからです 00:02:28.720 --> 00:02:31.936 16歳頃まで読んでいたのは もっぱらハーレクインの 00:02:31.960 --> 00:02:33.160 ロマンス小説でしたから 00:02:33.960 --> 00:02:35.936 「フェミニズムの古典」と 呼ばれるような本を 00:02:35.960 --> 00:02:37.776 読もうとしたこともありましたが 00:02:37.800 --> 00:02:40.576 飽きてしまって 読みきれませんでした 00:02:40.600 --> 00:02:43.336 とにかく フェミニズムは アフリカ的ではないらしいので 00:02:43.360 --> 00:02:46.840 「ハッピー・アフリカン・フェミニスト」を 名乗ることにしました 00:02:47.840 --> 00:02:52.256 ハッピー・アフリカン・フェミニストですが 男嫌いでもなければ 00:02:52.280 --> 00:02:53.616 リップグロスもつけますし 00:02:53.640 --> 00:02:56.136 男性のためではなく 自分のためにヒールも履きます NOTE Paragraph 00:02:56.160 --> 00:02:57.896 (笑) NOTE Paragraph 00:02:57.920 --> 00:03:00.096 もちろん 半ば冗談ではありますが 00:03:00.120 --> 00:03:04.736 フェミニストという言葉には マイナスイメージがついてまわります 00:03:04.760 --> 00:03:07.096 男嫌いで ブラジャーが嫌いで 00:03:07.120 --> 00:03:09.240 アフリカ文化を嫌悪している といったものです NOTE Paragraph 00:03:10.240 --> 00:03:12.280 私が子どもの頃の話ですが 00:03:13.000 --> 00:03:14.776 小学生の時 00:03:14.800 --> 00:03:19.336 学期の初めに 先生が テストをすると言いました 00:03:19.360 --> 00:03:22.296 テストの最高得点者は 学級委員になれるというのです 00:03:22.320 --> 00:03:24.400 学級委員は大役でした 00:03:25.240 --> 00:03:26.976 学級委員になると 00:03:27.000 --> 00:03:29.456 うるさい子たちの名前を 書いたりできるんですから NOTE Paragraph 00:03:29.480 --> 00:03:31.136 (笑) NOTE Paragraph 00:03:31.160 --> 00:03:33.640 それだけでもすごいのに 00:03:34.480 --> 00:03:39.256 私の先生は 杖も持たせてくれました 00:03:39.280 --> 00:03:42.240 それを持って クラスの中を パトロールするんです 00:03:43.360 --> 00:03:46.240 もちろん その杖を ふるうことは許されませんでしたが 00:03:46.920 --> 00:03:50.336 9歳の私にとっては ワクワクすることでした 00:03:50.360 --> 00:03:53.136 どうしても 学級委員に なりたいと思いました 00:03:53.160 --> 00:03:55.080 私はテストで最高得点を取ったんです 00:03:55.800 --> 00:03:59.160 ところが 先生は学級委員は 男子でなければダメだと言いました 00:04:00.240 --> 00:04:02.336 先に言っておくのを忘れたのだと 00:04:02.360 --> 00:04:04.218 まさかこうなるとは という感じですね NOTE Paragraph 00:04:04.242 --> 00:04:06.296 (笑) NOTE Paragraph 00:04:06.320 --> 00:04:09.096 2番目に高得点だったのは 男の子で 00:04:09.120 --> 00:04:11.160 その子が学級委員になりました 00:04:11.960 --> 00:04:14.136 さらに興味深いのは 00:04:14.160 --> 00:04:17.976 その男の子は 優しく 穏やかな性格で 00:04:18.000 --> 00:04:20.959 杖を手にパトロールなんて 全然したくなかったということです 00:04:22.120 --> 00:04:25.320 一方の私は やる気満々でしたけど 00:04:26.560 --> 00:04:28.656 でも 私は女子で 彼は男子だったので 00:04:28.680 --> 00:04:30.347 彼が学級委員になりました 00:04:31.240 --> 00:04:33.240 この出来事を忘れたことはありません NOTE Paragraph 00:04:34.160 --> 00:04:36.056 私は 自分にとって当たり前なことは 00:04:36.080 --> 00:04:39.536 他の人にとっても当たり前だと 考えてしまうことがあります 00:04:39.560 --> 00:04:42.496 例えば 友人のルイです 00:04:42.520 --> 00:04:44.376 ルイは 素晴らしい 進歩的な男性で 00:04:44.400 --> 00:04:46.896 一緒に話をしていると こう私に言ったものでした 00:04:46.920 --> 00:04:50.400 「男と女では色々なことが違うし 女は不利だと言うけど 00:04:50.960 --> 00:04:52.600 それは過去のことではないか」と 00:04:53.560 --> 00:04:58.136 こんな明白なことが なぜルイには 分からないのか 理解できませんでした 00:04:58.160 --> 00:05:02.296 ある晩 ラゴスで ルイと私は友人達と出かけました 00:05:02.320 --> 00:05:04.776 ここで ラゴスのことを あまり知らない方に一言 00:05:04.800 --> 00:05:06.696 ラゴスでよく目にする光景なのですが 00:05:06.720 --> 00:05:11.376 レストランの外でうろついている 元気のいい男性たちが 00:05:11.400 --> 00:05:14.400 仰々しく あなたが駐車するのを 「手伝って」くれるのです 00:05:16.000 --> 00:05:19.296 その晩 私たちの駐車スペースを 見つけてくれた男性の 00:05:19.320 --> 00:05:22.296 大げさな仕草が気に入ったので 00:05:22.320 --> 00:05:25.280 彼にチップをあげることにしました 00:05:26.760 --> 00:05:28.176 私は自分のバッグを開けて 00:05:28.200 --> 00:05:29.576 手を入れて 00:05:29.600 --> 00:05:32.320 自分で稼いだ 自分のお金を取り出して 00:05:33.160 --> 00:05:34.520 その男性にあげました 00:05:35.600 --> 00:05:39.976 その男性は とても喜んで 00:05:40.000 --> 00:05:41.776 私からお金を受け取り 00:05:41.800 --> 00:05:43.216 ルイの方を見て 00:05:43.240 --> 00:05:45.096 「ありがとよ 旦那!」と言いました NOTE Paragraph 00:05:45.120 --> 00:05:47.600 (笑) NOTE Paragraph 00:05:51.160 --> 00:05:54.416 ルイは驚いた様子で私を見て こう言いました 00:05:54.440 --> 00:05:57.840 「何で僕に礼を言うんだ? お金を出したのは僕じゃないのに」 00:05:58.840 --> 00:06:01.800 その時 ルイはやっと気付いたようでした 00:06:03.040 --> 00:06:05.456 その男性は 私が持っていたお金は 00:06:05.480 --> 00:06:09.000 ルイが稼いだものだろうと 思ったのです 00:06:09.720 --> 00:06:10.960 ルイが男性だからです NOTE Paragraph 00:06:12.600 --> 00:06:14.416 男と女は違います 00:06:14.440 --> 00:06:17.296 ホルモンも違えば 性器も違います 00:06:17.320 --> 00:06:19.376 生物学的な機能も違うのです 00:06:19.400 --> 00:06:21.200 女は出産できますが 男はできません 00:06:22.800 --> 00:06:24.016 とりあえず 今のところは NOTE Paragraph 00:06:24.040 --> 00:06:25.456 (笑) NOTE Paragraph 00:06:25.480 --> 00:06:29.760 男性にはテストステロンがあり 一般的には 肉体的に女性よりも強いです 00:06:30.520 --> 00:06:33.176 女性の方が男性よりも ほんの少し人口が多く 00:06:33.200 --> 00:06:36.296 世界の人口の約52%は女性です 00:06:36.320 --> 00:06:39.720 しかし 地位の高い役職のほとんどは 男性で占められています 00:06:40.840 --> 00:06:43.296 今は亡き ケニアのノーベル平和受賞者 00:06:43.320 --> 00:06:44.656 ワンガリ・マータイが 00:06:44.680 --> 00:06:46.800 これを 上手く表現しています 00:06:47.600 --> 00:06:50.320 「上へ登りつめるほどに 女性は少なくなる」 00:06:51.920 --> 00:06:56.536 最近のアメリカ大統領選で リリー・レッドベター法をよく耳にしました 00:06:56.560 --> 00:06:59.976 この響きの良い名前の法律を 掘り下げていくと 00:07:00.000 --> 00:07:02.136 結局のところ 男女間の問題で 00:07:02.160 --> 00:07:04.936 同じ仕事をして 同等の能力であっても 00:07:04.960 --> 00:07:07.360 男性の方が高い給与を 得ていたというものです NOTE Paragraph 00:07:08.160 --> 00:07:11.496 文字通り 男が世界を 牛耳っているのです 00:07:11.520 --> 00:07:14.360 千年前なら これで良かったかもしれません 00:07:15.120 --> 00:07:17.976 その時代の人間にとっては 00:07:18.000 --> 00:07:22.176 肉体的な強さが 生き抜くうえで 最も大切なことだったのですから 00:07:22.200 --> 00:07:25.480 肉体的に強い人が主導権を 握ることが多かったのです 00:07:27.280 --> 00:07:29.856 そして 男性は 一般的に 肉体的に強いのです 00:07:29.880 --> 00:07:31.595 例外もたくさんいますけどね NOTE Paragraph 00:07:31.619 --> 00:07:33.176 (笑) NOTE Paragraph 00:07:33.200 --> 00:07:37.000 でも 今の社会は全く違います 00:07:37.720 --> 00:07:41.776 肉体的に強い人が必ずしも 主導権を握るわけではありません 00:07:41.800 --> 00:07:45.296 創造力が豊かだったり 知性的だったり 00:07:45.320 --> 00:07:47.736 革新的だったり 00:07:47.760 --> 00:07:50.416 ホルモンは関係ありません 00:07:50.440 --> 00:07:53.056 男性も女性も同じように 知性的で 00:07:53.080 --> 00:07:55.040 創造力に富み 革新的でありえるのです 00:07:55.800 --> 00:07:57.096 社会は変わったのに 00:07:57.120 --> 00:08:00.640 ジェンダーに対する考え方は 変わっていないのではないでしょうか NOTE Paragraph 00:08:01.760 --> 00:08:05.720 数週間前 私はナイジェリアの 最高級ホテルのロビーに行きました 00:08:06.280 --> 00:08:09.536 ホテルの名前は あえて伏せておきます 00:08:09.560 --> 00:08:12.920 入口にいたドアマンが私を呼び止めて 失礼な質問をしてきました 00:08:13.960 --> 00:08:15.776 高級ホテルに1人で来る 00:08:15.800 --> 00:08:18.920 ナイジェリア人の女性は 売春婦だと思われるのです 00:08:21.000 --> 00:08:22.216 不思議なのは 00:08:22.240 --> 00:08:25.376 なぜ そのようなホテルは 売春婦を呼ぶ客よりも 00:08:25.400 --> 00:08:27.840 見せかけのイメージを気にするのでしょう? 00:08:29.520 --> 00:08:34.775 ラゴスでは 「評判の高い」お店に 私1人では行けません 00:08:34.799 --> 00:08:37.216 女性1人では 入れてもらえないのです 00:08:37.240 --> 00:08:38.960 男性の同伴が必要です 00:08:39.600 --> 00:08:42.336 ナイジェリアのレストランに 男性と一緒に行くといつも 00:08:42.360 --> 00:08:44.560 ウェイターは男性にだけ 挨拶をします 00:08:46.320 --> 00:08:47.816 こうしたウェイターは― NOTE Paragraph 00:08:47.840 --> 00:08:48.976 (笑) NOTE Paragraph 00:08:49.000 --> 00:08:51.896 「私もそう思ってた!」という 女性が他にもいますよね 00:08:51.920 --> 00:08:53.856 こうしたウェイターは 00:08:53.880 --> 00:08:56.920 女性よりも男性の方が重要だと 見なす社会の産物なのです 00:08:58.240 --> 00:09:01.096 ウェイターに悪気がないことは 分かっています 00:09:01.120 --> 00:09:05.416 頭では分かっていても 気持ちとなると別の話です 00:09:05.440 --> 00:09:07.816 無視されるたびに 否定されたような気がして 00:09:07.840 --> 00:09:09.040 悲しくなります 00:09:09.720 --> 00:09:13.056 私だって同じ人間なのだと 言いたくなります 00:09:13.080 --> 00:09:15.880 存在を無視しないでくれ と 00:09:16.760 --> 00:09:18.016 これは些細なことです 00:09:18.040 --> 00:09:21.296 でも こういう些細なことが 一番辛い時もあるのです NOTE Paragraph 00:09:21.320 --> 00:09:23.056 つい最近 ある記事に 00:09:23.080 --> 00:09:26.376 ラゴスで 若い女性が どのように扱われているかを書きました 00:09:26.400 --> 00:09:28.320 そうしたら 出版社に言われました 00:09:29.120 --> 00:09:30.320 「怒りに満ちた記事だ」と 00:09:30.960 --> 00:09:32.336 怒りに満ちていて当然です! NOTE Paragraph 00:09:32.360 --> 00:09:34.120 (笑) NOTE Paragraph 00:09:36.840 --> 00:09:38.496 私は怒りを感じているのです 00:09:38.520 --> 00:09:41.656 ジェンダーが 深刻な不平等を 生み出しているのですから 00:09:41.680 --> 00:09:43.416 皆 怒るべきなんです 00:09:43.440 --> 00:09:47.296 怒りは長い間ポジティブな変化を 生み出してきました 00:09:47.320 --> 00:09:50.120 でも 私は怒りだけでなく 希望も抱いています 00:09:50.880 --> 00:09:53.496 私は 人間には 00:09:53.520 --> 00:09:55.640 自らを良くしていくことができると 強く信じているからです NOTE Paragraph 00:09:56.920 --> 00:09:58.816 ジェンダーは世界的に 重要な問題です 00:09:58.840 --> 00:10:01.496 でも 私はナイジェリアやアフリカを 00:10:01.520 --> 00:10:02.976 主に考えたいと思います 00:10:03.000 --> 00:10:06.576 よく知っていて 思い入れのある場所だからです 00:10:06.600 --> 00:10:08.536 今日 お願いしたいのは 00:10:08.560 --> 00:10:12.696 新しい世界を作るために 考え始めようということです 00:10:12.720 --> 00:10:14.040 もっと平等な世界― 00:10:16.240 --> 00:10:20.416 男性も女性も自分らしさを持って 幸せに生きることのできる世界です 00:10:20.440 --> 00:10:21.976 まず 手始めに 00:10:22.000 --> 00:10:24.456 娘の育て方を変えなければいけません 00:10:24.480 --> 00:10:26.840 息子の育て方も変えなければいけません 00:10:28.000 --> 00:10:31.656 間違った育て方のせいで 男の子たちに害を与えています 00:10:31.680 --> 00:10:33.520 彼らの人間性を抑圧しているのです 00:10:34.480 --> 00:10:37.056 「男らしさ」を とても狭く定義して 00:10:37.080 --> 00:10:40.576 その硬くて小さいおりの中に 00:10:40.600 --> 00:10:42.896 男の子たちを押し込めているのです 00:10:42.920 --> 00:10:44.840 「男は恐れてはならない」 00:10:45.480 --> 00:10:49.240 「弱さを見せてはだめだ」と 教えます 00:10:50.200 --> 00:10:52.656 「本当の自分に蓋をしろ」と 00:10:52.680 --> 00:10:56.920 ナイジェリア風に言えば 「強い男」であれ と 00:10:58.440 --> 00:11:02.576 中学生になると 男の子も女の子も十代で 00:11:02.600 --> 00:11:06.096 同じくらいのお小遣いをもらいますが 一緒に出かけると 00:11:06.120 --> 00:11:08.896 いつも男の子が払うべきという 空気になります 00:11:08.920 --> 00:11:10.560 男らしさを見せるためです 00:11:11.440 --> 00:11:15.240 なのに 男の子の方が 親から お金を盗むことが多いのを不思議がります NOTE Paragraph 00:11:17.240 --> 00:11:20.736 でも もし 男らしさとお金は 関係がないと 00:11:20.760 --> 00:11:22.880 教えられていたらどうでしょう? 00:11:23.720 --> 00:11:26.736 「お金は男が払うもの」 という考えではなく 00:11:26.760 --> 00:11:29.520 「持ってる人が払う」で いいじゃないかと 00:11:30.360 --> 00:11:32.936 もちろん 長年続いてきた 男性優位社会では 00:11:32.960 --> 00:11:35.416 男性の方が多く持っている場合が 多いですが 00:11:35.440 --> 00:11:38.056 今から 子どもの育て方を変えれば 00:11:38.080 --> 00:11:40.616 50年後 100年後には 00:11:40.640 --> 00:11:44.440 そんな男らしさを証明してみせる 必要はなくなるのです 00:11:45.680 --> 00:11:48.696 でも 一番悪いのは 00:11:48.720 --> 00:11:51.056 男は強くあれと 思わせていることです 00:11:51.080 --> 00:11:54.200 それは男性の自我を 非常に脆いものにします 00:11:55.120 --> 00:11:58.520 「強い男」になるしかないと 思えば思うほど 00:11:59.320 --> 00:12:00.920 自我が弱くなってしまうのです 00:12:02.960 --> 00:12:05.976 でも女の子にしていることは もっとひどいことです 00:12:06.000 --> 00:12:09.320 そんな脆い男性の自我に 応えるように育てるのですから 00:12:10.200 --> 00:12:13.696 自分を抑え込み 小さい存在であれと教えるのです 00:12:13.720 --> 00:12:14.920 女の子にはこう言います 00:12:15.640 --> 00:12:17.816 「野心的でもいいけど ほどほどにね」 NOTE Paragraph 00:12:17.840 --> 00:12:19.216 (笑) NOTE Paragraph 00:12:19.240 --> 00:12:21.936 「成功を目指しなさい でも成功しすぎはだめ 00:12:21.960 --> 00:12:24.000 男が怖気付いてしまうわ」 00:12:24.720 --> 00:12:27.616 付き合っている男の人がいて あなたが大黒柱でも 00:12:27.640 --> 00:12:29.616 そんな風な態度を 取ってはいけません 00:12:29.640 --> 00:12:31.296 特に人前ではそうです 00:12:31.320 --> 00:12:33.360 彼の面子をつぶすことになるからです NOTE Paragraph 00:12:34.720 --> 00:12:37.056 でもその根拠を 疑問に付してみませんか? 00:12:37.080 --> 00:12:40.400 女性の成功が なぜ 男性にとって脅威なのでしょう? 00:12:41.200 --> 00:12:44.736 「男の面子をつぶす」なんていう言葉は 捨てたらどうでしょう 00:12:44.760 --> 00:12:49.480 これほど嫌な言葉はありません 00:12:50.720 --> 00:12:53.016 ナイジェリア人の知人に聞かれました 00:12:53.040 --> 00:12:55.680 男性に怖がられるかもと 心配にならないのかと 00:12:56.560 --> 00:12:58.296 そんな心配をしたことはありません 00:12:58.320 --> 00:13:00.576 実際 考えたこともありませんでした 00:13:00.600 --> 00:13:02.816 なぜなら 私を怖がるような男性には 00:13:02.840 --> 00:13:05.456 全く興味が持てないからです NOTE Paragraph 00:13:05.480 --> 00:13:06.696 (笑) NOTE Paragraph 00:13:06.720 --> 00:13:08.800 (拍手) NOTE Paragraph 00:13:14.120 --> 00:13:16.960 でも これにはショックを受けました 00:13:17.640 --> 00:13:21.240 私は女なのだから 結婚したがっているはずだと 00:13:21.960 --> 00:13:23.736 人生の選択をする際に 00:13:23.760 --> 00:13:26.840 結婚が最も重要だと 思っているに違いないと 00:13:28.040 --> 00:13:30.016 結婚は素晴らしいものでもあります 00:13:30.040 --> 00:13:34.456 喜び 愛 そして支え合う関係を  生み出せるのです 00:13:34.480 --> 00:13:36.936 なのに なぜ 女の子には 結婚が一番と教えるのに 00:13:36.960 --> 00:13:38.680 男の子にはそう言わないのでしょうか NOTE Paragraph 00:13:40.840 --> 00:13:43.016 ある知人の女性は 結婚するかもしれない男性が 00:13:43.040 --> 00:13:46.080 引け目を感じないように 家を売りました 00:13:47.880 --> 00:13:52.336 ある知人のナイジェリア人の独身女性は 学会に出席する時に 00:13:52.360 --> 00:13:53.736 結婚指輪をします 00:13:53.760 --> 00:13:54.976 彼女によれば 00:13:55.000 --> 00:13:58.920 他の参加者から 「敬意を得るため」だそうです 00:14:00.120 --> 00:14:02.456 若い女性が家族や友達 更には職場でも 00:14:02.480 --> 00:14:06.576 結婚するように 執拗にプレッシャーを与えられて 00:14:06.600 --> 00:14:08.680 間違った選択をするのを 見てきました 00:14:09.520 --> 00:14:12.136 ある年齢に差し掛かった女性が独身だと 00:14:12.160 --> 00:14:16.280 この社会では 女として ひどく恥ずべきことだと言われるのです 00:14:17.040 --> 00:14:19.816 ある年齢に差し掛かった男性が独身だと 00:14:19.840 --> 00:14:22.456 まだ良い相手が 見つかっていないだけだと言います NOTE Paragraph 00:14:22.480 --> 00:14:24.336 (笑) NOTE Paragraph 00:14:24.360 --> 00:14:25.976 こう言うのは簡単です 00:14:26.000 --> 00:14:28.256 「女も反論すればいいじゃないか」と 00:14:28.280 --> 00:14:30.720 でも 現実はもっと困難で 複雑なのです 00:14:31.360 --> 00:14:33.136 人間は社会的な動物です 00:14:33.160 --> 00:14:35.656 社会的な価値観で物事を考えます 00:14:35.680 --> 00:14:37.656 結婚や男女関係を語る時に 00:14:37.680 --> 00:14:41.096 私たちが使う言葉にも 表れています 00:14:41.120 --> 00:14:43.976 結婚を語る言葉は 従属を含意することが多く 00:14:44.000 --> 00:14:46.160 対等な関係を意味しません 00:14:46.800 --> 00:14:49.496 「尊敬」という言葉は 00:14:49.520 --> 00:14:52.296 たいてい女性が男性に示すものであり 00:14:52.320 --> 00:14:54.400 男性が女性に示すものではないのです NOTE Paragraph 00:14:56.160 --> 00:14:58.616 ナイジェリアでは男性も女性も 00:14:58.640 --> 00:15:00.936 よく言う表現で 私が面白いなと思うのは 00:15:00.960 --> 00:15:03.280 「夫婦の平和のために」という言葉です 00:15:04.400 --> 00:15:05.976 これを男性が言う時は 00:15:06.000 --> 00:15:09.176 大概してはいけないことを している時です NOTE Paragraph 00:15:09.200 --> 00:15:11.136 (笑) NOTE Paragraph 00:15:11.160 --> 00:15:13.936 既婚男性が男友達に 00:15:13.960 --> 00:15:17.896 ちょっと苦笑いを浮かべながら 00:15:17.920 --> 00:15:21.056 自分がいかに男らしいか どんなに愛されているか 00:15:21.080 --> 00:15:22.536 自慢するために言いますよね 00:15:22.560 --> 00:15:25.056 「カミさんが毎晩クラブに 行くなって言うんだ 00:15:25.080 --> 00:15:27.896 だから夫婦の平和のために 週末しか行かないんだ」 NOTE Paragraph 00:15:27.920 --> 00:15:29.616 (笑) NOTE Paragraph 00:15:29.640 --> 00:15:33.896 一方で 女性が 「夫婦の平和のために」と言う時は 00:15:33.920 --> 00:15:37.456 たいてい 何かをあきらめる時です 00:15:37.480 --> 00:15:40.320 仕事や夢やキャリアなどです 00:15:41.080 --> 00:15:43.496 男女関係では 女性が妥協するものだと 00:15:43.520 --> 00:15:45.800 女性に言い聞かせているのです 00:15:47.080 --> 00:15:49.656 女の子には他の女の子と 競うように教えます 00:15:49.680 --> 00:15:53.136 仕事や成績のことだったら いいのですが 00:15:53.160 --> 00:15:54.760 男性にモテるためにです 00:15:55.920 --> 00:15:58.856 女の子は自分の性的な欲求を 男の子のように 00:15:58.880 --> 00:16:00.376 表してはいけないと教えます 00:16:00.400 --> 00:16:03.720 息子だったら 彼女がいても平気ですよね 00:16:04.480 --> 00:16:06.816 でも 娘の彼氏? とんでもない! NOTE Paragraph 00:16:06.840 --> 00:16:08.456 (笑) NOTE Paragraph 00:16:08.480 --> 00:16:10.296 でも 適齢期がきたら 00:16:10.320 --> 00:16:14.216 娘に完璧な結婚相手を 連れてきてほしいと考えます 00:16:14.240 --> 00:16:17.616 女の子は監視下において 処女であることを求めるのに 00:16:17.640 --> 00:16:19.576 男の子にはそうしません 00:16:19.600 --> 00:16:23.505 これは どうすれば ありえるのかと いつも不思議なのですが― NOTE Paragraph 00:16:23.529 --> 00:16:25.856 (笑) NOTE Paragraph 00:16:25.880 --> 00:16:28.840 (拍手) NOTE Paragraph 00:16:33.760 --> 00:16:37.160 初体験には普通 相手が必要ですよね NOTE Paragraph 00:16:38.680 --> 00:16:42.856 最近 ナイジェリアの大学で 若い女性の集団レイプ事件がありました 00:16:42.880 --> 00:16:44.576 ご存知の方もいるでしょう 00:16:44.600 --> 00:16:47.856 ナイジェリアの若者の多くが 男女共に 00:16:47.880 --> 00:16:50.376 こんな意見を言っていました 00:16:50.400 --> 00:16:52.576 「もちろん レイプは犯罪だ 00:16:52.600 --> 00:16:55.880 でも なぜ女の子が1人で 4人の男の子と部屋にいたんだ?」 00:16:56.920 --> 00:17:01.040 こんな非人道的なことを 言えてしまうのは 00:17:02.080 --> 00:17:06.000 女は罪を背負って生まれてきたような存在だと 教えられてきたからです 00:17:07.319 --> 00:17:10.455 男が好き勝手に 残酷な行為をしても 00:17:10.480 --> 00:17:15.440 なぜか それを許すような考えが あるからなのです 00:17:16.839 --> 00:17:18.856 女の子には恥じるように教えます 00:17:18.880 --> 00:17:20.760 「足を閉じなさい」 「肌を隠しなさい」 00:17:21.440 --> 00:17:23.695 女性は生まれつき 00:17:23.720 --> 00:17:25.816 罪を背負っているかのような 気持ちにさせるのです 00:17:25.839 --> 00:17:30.336 こうして 女の子は 願望を持たない女性になるのです 00:17:30.360 --> 00:17:33.240 自分自身を閉ざした女性に なってしまうのです 00:17:35.080 --> 00:17:38.496 本音を言うことができない 女性になるのです 00:17:38.520 --> 00:17:39.856 そして― 00:17:39.880 --> 00:17:42.056 これが 一番ひどいことだと 思うのですが 00:17:42.080 --> 00:17:46.216 お飾りのような女性に 成長させてしまうのです NOTE Paragraph 00:17:46.240 --> 00:17:50.080 (拍手) NOTE Paragraph 00:17:52.440 --> 00:17:55.856 家事が大嫌いな女性がいました 00:17:55.880 --> 00:17:57.376 本当に嫌いなのですが 00:17:57.400 --> 00:17:59.120 好きなフリをしていました 00:18:00.200 --> 00:18:04.296 「良き妻」になるように 育てられたからです 00:18:04.320 --> 00:18:06.696 ナイジェリアで言うところの 00:18:06.720 --> 00:18:08.200 「家庭的」な女性に 00:18:09.440 --> 00:18:10.976 結婚して しばらくすると 00:18:11.000 --> 00:18:14.816 彼女は変わったと夫の家族が 文句を言い始めました NOTE Paragraph 00:18:14.840 --> 00:18:16.416 (笑) NOTE Paragraph 00:18:16.440 --> 00:18:17.896 変わったのではなく 00:18:17.920 --> 00:18:19.840 嘘に疲れただけです NOTE Paragraph 00:18:20.720 --> 00:18:23.856 ジェンダー問題が起こるのは 00:18:23.880 --> 00:18:26.416 「こうであるべき」と 規定するばかりで 00:18:26.440 --> 00:18:28.440 本当の姿を認めないからです NOTE Paragraph 00:18:29.400 --> 00:18:31.856 どんなに幸せになれるか 想像してみてください 00:18:31.880 --> 00:18:35.376 ジェンダーにまつわる 様々な固定観念という重荷がなければ 00:18:35.400 --> 00:18:38.040 自分らしく生きるのが どんなに楽になることでしょう 00:18:39.240 --> 00:18:44.016 男の子と女の子が 生物学的に違うのは事実です 00:18:44.040 --> 00:18:47.016 でも 社会的価値観が その違いを強調するせいで 00:18:47.040 --> 00:18:49.616 それを実現せねばならなくなっています 00:18:49.640 --> 00:18:51.680 例えば 料理です 00:18:52.280 --> 00:18:55.776 現在 一般的に女性の方が 男性よりも家事をやっています 00:18:55.800 --> 00:18:57.056 料理や掃除など 00:18:57.080 --> 00:18:58.656 なぜでしょう? 00:18:58.680 --> 00:19:01.536 女性には料理をする遺伝子が あるからでしょうか? NOTE Paragraph 00:19:01.560 --> 00:19:02.976 (笑) NOTE Paragraph 00:19:03.000 --> 00:19:07.256 あるいは 長年 料理は女の役割と されていたからでしょうか? 00:19:07.280 --> 00:19:10.856 女性には料理の遺伝子があるかも と言いかけましたが 00:19:10.880 --> 00:19:14.336 世界の有名な料理家のほとんどは 00:19:14.360 --> 00:19:16.656 私たちが「シェフ」と 呼ぶような人たちは 00:19:16.680 --> 00:19:17.880 男性です NOTE Paragraph 00:19:18.960 --> 00:19:20.656 私は祖母を尊敬していました 00:19:20.680 --> 00:19:22.736 本当に素晴らしい女性でした 00:19:22.760 --> 00:19:24.496 もし 祖母が男性と同じような 00:19:24.520 --> 00:19:27.880 機会を与えられていたら どんな風になっていただろうと思います NOTE Paragraph 00:19:28.960 --> 00:19:31.536 現在では 私の祖母の時代に比べれば 00:19:31.560 --> 00:19:33.816 女性に与えられる機会は増えました 00:19:33.840 --> 00:19:36.456 政策や法律が変わったおかげです 00:19:36.480 --> 00:19:38.056 それも重要ですが 00:19:38.080 --> 00:19:42.616 もっと重要なのは 私たちの態度や考え方です 00:19:42.640 --> 00:19:45.936 ジェンダーについて どう考え 何を大切にするのか 00:19:45.960 --> 00:19:48.376 子どもを育てるとき 00:19:48.400 --> 00:19:51.200 ジェンダーでなく 能力に重きを置いたら どうでしょう? 00:19:52.000 --> 00:19:56.120 ジェンダーでなく その子の興味を 尊重してあげたら どうでしょう? NOTE Paragraph 00:19:57.000 --> 00:19:59.216 息子と娘がいる家族を知っています 00:19:59.240 --> 00:20:01.136 2人とも学業優秀で 00:20:01.160 --> 00:20:03.056 とても素敵な 良い子ども達です 00:20:03.080 --> 00:20:05.616 男の子がお腹が空いたと言うと 親は女の子に言うんです 00:20:05.640 --> 00:20:07.856 「お兄ちゃんに ラーメンを作りなさい」 NOTE Paragraph 00:20:07.880 --> 00:20:09.096 (笑) NOTE Paragraph 00:20:09.120 --> 00:20:12.616 妹はラーメンを 作りたくはないのですが 00:20:12.640 --> 00:20:15.416 女の子だから 仕方なく作るのです 00:20:15.440 --> 00:20:17.216 もし親御さんが 00:20:17.240 --> 00:20:18.856 最初から 00:20:18.880 --> 00:20:22.800 息子と娘の両方に作り方を 教えていたら どうでしょう? 00:20:23.920 --> 00:20:26.936 料理は 男子にとって とても役立つスキルです 00:20:26.960 --> 00:20:31.816 これほど重要なことを なぜ知ろうとしないのか分かりません 00:20:31.840 --> 00:20:33.736 自分自身を養う能力ですよ NOTE Paragraph 00:20:33.760 --> 00:20:34.976 (笑) NOTE Paragraph 00:20:35.000 --> 00:20:36.536 人に頼らずに生きていけます NOTE Paragraph 00:20:36.560 --> 00:20:39.480 (拍手) NOTE Paragraph 00:20:41.760 --> 00:20:45.616 夫と同じ学歴を持ち 同じ仕事をしている女性がいます 00:20:45.640 --> 00:20:48.536 帰宅すると 彼女が ほとんどの家事をします 00:20:48.560 --> 00:20:50.736 多くの夫婦が そうではないでしょうか 00:20:50.760 --> 00:20:52.496 ただ 彼女たちについて驚いたのは 00:20:52.520 --> 00:20:55.496 夫が赤ちゃんのオムツを替える度に 00:20:55.520 --> 00:20:57.800 彼女は「ありがとう」と言うのです 00:20:59.040 --> 00:21:03.456 もし彼女が これは いたって普通のことで 00:21:03.480 --> 00:21:06.816 夫は我が子の世話をすべきだと 思ったとしたら どうでしょう? NOTE Paragraph 00:21:06.840 --> 00:21:08.680 (笑) NOTE Paragraph 00:21:09.680 --> 00:21:13.176 私は若い頃に沁みついた ジェンダーにまつわる考え方を 00:21:13.200 --> 00:21:15.496 忘れようと努めています 00:21:15.520 --> 00:21:20.576 それでも ジェンダーに関する固定観念に 直面すると 自分の弱さを感じる時があります 00:21:20.600 --> 00:21:23.600 初めて 大学院で創作を 教えることになった時 00:21:24.360 --> 00:21:25.616 心配になりました 00:21:25.640 --> 00:21:27.976 講義の内容が 心配だったのではありません 00:21:28.000 --> 00:21:29.336 十分に準備していたし 00:21:29.360 --> 00:21:31.576 自分の好きなことを 教えるのも楽しみでした 00:21:31.600 --> 00:21:33.680 心配だったのは 服のことです 00:21:34.680 --> 00:21:36.280 一目置かれたいと思いました 00:21:37.480 --> 00:21:39.056 女性であるがゆえに 00:21:39.080 --> 00:21:42.240 自分の能力を 証明しなければと思ったのです 00:21:43.240 --> 00:21:45.496 あまりに女性らしい格好では 00:21:45.520 --> 00:21:47.296 甘く見られると思ったのです 00:21:47.320 --> 00:21:51.656 本当はリップグロスをつけて 可愛らしいスカートを履きたかったのですが 00:21:51.680 --> 00:21:53.496 やめました 00:21:53.520 --> 00:21:55.896 代わりに 真面目に見えて 00:21:55.920 --> 00:21:58.496 男っぽくて カッコ悪いスーツにしました NOTE Paragraph 00:21:58.520 --> 00:22:00.016 (笑) NOTE Paragraph 00:22:00.040 --> 00:22:02.736 悲しいことに 外見については 00:22:02.760 --> 00:22:05.360 男性が基準とされています 00:22:05.960 --> 00:22:08.296 男性が会議に行く支度をしながら 00:22:08.320 --> 00:22:10.456 男性的になりすぎないようになんて 00:22:10.480 --> 00:22:12.976 心配したりしませんよね 00:22:13.000 --> 00:22:15.496 女性であれば 会議に行く支度をする時 00:22:15.520 --> 00:22:18.296 女性的にしすぎると どう見られるか 00:22:18.320 --> 00:22:22.600 甘く見られるのではないかと 心配しなければいけません NOTE Paragraph 00:22:24.000 --> 00:22:26.200 あの日のスーツのことを 今も悔やんでいます 00:22:27.440 --> 00:22:30.576 そのスーツは結局捨てました 00:22:30.600 --> 00:22:35.536 その時 今のように 自分に自信を持てていたら 00:22:35.560 --> 00:22:38.496 私の生徒たちはより多くのことを 学べていたかもしれません 00:22:38.520 --> 00:22:40.576 なぜなら 私自身が 自分にもっと忠実で 00:22:40.600 --> 00:22:42.600 私らしくいられたでしょうから 00:22:43.800 --> 00:22:47.816 私は自分が女性であることや 女性らしさを二度と 00:22:47.840 --> 00:22:49.040 恥じないと決めました NOTE Paragraph 00:22:49.680 --> 00:22:52.680 (拍手) NOTE Paragraph 00:22:55.800 --> 00:22:58.656 女性らしくありながらも 尊重されたいと思います 00:22:58.680 --> 00:23:00.240 それが当然なのです 00:23:01.200 --> 00:23:03.640 ジェンダーについて話すのは 簡単ではありません 00:23:05.080 --> 00:23:06.656 男女ともに 00:23:06.680 --> 00:23:10.616 ジェンダーの話になると 拒絶反応を示す人がいます 00:23:10.640 --> 00:23:13.896 皆さんの中にも こうお考えの方がいるでしょう 00:23:13.920 --> 00:23:15.840 「結局女は女じゃないか」 00:23:17.520 --> 00:23:19.696 ここにいらっしゃる男性の中には 00:23:19.720 --> 00:23:23.040 「興味深い話だけど共感しないな」 という方もいるでしょう 00:23:23.960 --> 00:23:26.176 それが問題の一部なんです NOTE Paragraph 00:23:26.200 --> 00:23:30.696 ジェンダーについて考えようとしない あるいは気づかない男性が多いことが 00:23:30.720 --> 00:23:32.736 ジェンダー問題の一部なのです 00:23:32.760 --> 00:23:35.416 多くの男性が 私の友人のルイのように 00:23:35.440 --> 00:23:37.120 今は何の問題もないと言い 00:23:38.160 --> 00:23:41.016 何も変えようとしないことが問題なのです 00:23:41.040 --> 00:23:43.896 あなたが男性で 女性と レストランに行った時に 00:23:43.920 --> 00:23:45.600 自分だけが挨拶をされたら 00:23:46.400 --> 00:23:48.896 ウェイターに尋ねるでしょうか? 00:23:48.920 --> 00:23:50.480 「なぜ彼女に挨拶しないのか」と 00:23:53.320 --> 00:23:54.816 なぜなら ジェンダー問題は― NOTE Paragraph 00:23:54.840 --> 00:23:56.920 (笑) NOTE Paragraph 00:24:04.880 --> 00:24:09.376 このエピソードを もっと長く話すこともできますが 00:24:09.400 --> 00:24:12.976 とにかく ジェンダーは 非常に話しにくい話題ですし 00:24:13.000 --> 00:24:16.096 この話題を簡単に 終わらせる方法もあります 00:24:16.120 --> 00:24:20.296 生物学的進化論や 類人猿の話を持ち出して 00:24:20.320 --> 00:24:23.976 類人猿のメスが オスにお辞儀するだとか 00:24:24.000 --> 00:24:25.240 そういう類のものです 00:24:25.880 --> 00:24:27.936 でも 私たちは類人猿ではないんです NOTE Paragraph 00:24:27.960 --> 00:24:29.376 (笑) NOTE Paragraph 00:24:29.400 --> 00:24:33.400 (拍手) NOTE Paragraph 00:24:34.160 --> 00:24:38.976 類人猿は木の上に住んで 朝食にミミズを食べますが 00:24:39.000 --> 00:24:40.200 私たちは違います 00:24:41.240 --> 00:24:45.240 「男だって辛いんだ」 と言う人もいるでしょう 00:24:45.880 --> 00:24:47.080 それは本当です 00:24:47.920 --> 00:24:49.256 でも それとこれとは― NOTE Paragraph 00:24:49.280 --> 00:24:50.376 (笑) NOTE Paragraph 00:24:50.400 --> 00:24:53.080 でも それとこれとは話が違います 00:24:54.480 --> 00:24:58.256 ジェンダーや階級の違いは 形は異なりますが抑圧行為です 00:24:58.280 --> 00:25:01.936 黒人の男性と話をするうちに 抑圧がいかに機能し 00:25:01.960 --> 00:25:05.920 いかに他の差別に関して 盲目的になってしまうかが分かりました NOTE Paragraph 00:25:07.320 --> 00:25:10.496 ある黒人男性と ジェンダーについて話していた時です 00:25:10.520 --> 00:25:11.896 彼は私に言いました 00:25:11.920 --> 00:25:15.376 「どうして『女としての経験』と 言う必要があるんだ? 00:25:15.400 --> 00:25:18.520 『人間としての経験』でもいいだろう?」 00:25:19.840 --> 00:25:21.096 この男性は 自分ではよく 00:25:21.120 --> 00:25:24.120 「黒人男性としての経験」について 語っているというのにです NOTE Paragraph 00:25:27.360 --> 00:25:28.576 ジェンダーは問題です 00:25:28.600 --> 00:25:31.096 男性と女性では 経験することが違います 00:25:31.120 --> 00:25:33.936 私たちが経験することは ジェンダーに影響されます 00:25:33.960 --> 00:25:35.360 でも それは変えられます NOTE Paragraph 00:25:36.520 --> 00:25:38.456 こんなことを言う人がいます 00:25:38.480 --> 00:25:40.936 「でも 女には奥の手があるじゃないか 00:25:40.960 --> 00:25:42.736 女の武器だよ」 00:25:42.760 --> 00:25:45.656 ナイジェリア人ではない方々に 説明すると 00:25:45.680 --> 00:25:47.536 「女の武器」というのは 00:25:47.560 --> 00:25:50.320 女性が性的な魅力を使って 男性に取り入ることです 00:25:51.200 --> 00:25:53.920 そんなものは 力ではありません 00:25:56.400 --> 00:25:59.176 「女の武器」というのは 女性が 00:25:59.200 --> 00:26:02.096 自分の性的魅力を利用して 誰か他の人の力を 00:26:02.120 --> 00:26:03.560 利用することなのです 00:26:04.640 --> 00:26:06.496 でも どうでしょう 00:26:06.520 --> 00:26:09.176 取り入ろうとした相手が 機嫌が悪かったり 00:26:09.200 --> 00:26:10.576 病気だったり 00:26:10.600 --> 00:26:11.800 役立たずだったら NOTE Paragraph 00:26:12.280 --> 00:26:15.696 (笑) NOTE Paragraph 00:26:15.720 --> 00:26:21.960 女性が男性に従属するのは 私たちの文化なのだと言う人がいます 00:26:22.640 --> 00:26:24.616 でも文化は常に変化するものです 00:26:24.640 --> 00:26:29.296 私には美しい双子の姪がいます 15歳で ラゴスに住んでいます 00:26:29.320 --> 00:26:31.280 もしその子たちが 百年前に生まれていたら 00:26:32.000 --> 00:26:34.136 取り上げられて 殺されていたでしょう 00:26:34.160 --> 00:26:37.200 それが文化だったからです 双子は殺されていたのです NOTE Paragraph 00:26:39.040 --> 00:26:40.760 文化にどんな意味があるのでしょう? 00:26:41.480 --> 00:26:43.056 装飾的なものだったり 00:26:43.080 --> 00:26:44.696 踊りだったり 00:26:44.720 --> 00:26:49.336 でも民族が守ってきたものを 受け継いでいくのが文化ではないでしょうか 00:26:49.360 --> 00:26:50.616 私の家族の中で 00:26:50.640 --> 00:26:55.096 家族の歴史や伝統 先祖伝来の土地について 00:26:55.120 --> 00:26:57.296 一番興味を持っているのは私です 00:26:57.320 --> 00:26:59.896 私の兄弟はそれほどでもありません 00:26:59.920 --> 00:27:01.360 それでも 私は 00:27:02.200 --> 00:27:04.216 集落会議に参加すらできません 00:27:04.240 --> 00:27:05.976 意見を言えないのです 00:27:06.000 --> 00:27:07.200 私が女だからです 00:27:08.080 --> 00:27:10.176 文化が人を作るのではなく 00:27:10.200 --> 00:27:11.600 人が文化を作るのです 00:27:12.920 --> 00:27:14.696 ですから 実際に― NOTE Paragraph 00:27:14.720 --> 00:27:18.216 (拍手) NOTE Paragraph 00:27:18.240 --> 00:27:19.856 ですから 実際に 00:27:19.880 --> 00:27:22.776 私たちの文化が 女性の人間性を きちんと認めないものなら 00:27:22.800 --> 00:27:24.520 認める文化にするのです NOTE Paragraph 00:27:26.040 --> 00:27:31.656 私は 親友のオコロマ・マドエウシのことを よく考えます 00:27:31.680 --> 00:27:35.656 彼とソソリソ航空墜落事故で 亡くなった方々の魂が 00:27:35.680 --> 00:27:37.160 安らかでありますように 00:27:38.400 --> 00:27:41.480 彼を愛した人は皆 彼を忘れることはありません 00:27:42.880 --> 00:27:47.376 私をフェミニストと呼んだあの日 彼は正しかったのです NOTE Paragraph 00:27:47.400 --> 00:27:48.640 私はフェミニストです 00:27:49.400 --> 00:27:52.996 あの日 調べた辞書には こう書いてありました 00:27:53.020 --> 00:28:00.496 「フェミニストとは 男女間の社会的、政治的 経済的平等を信じる人のことである」 00:28:00.520 --> 00:28:03.456 話を聞く限り 私のひいおばあさんは 00:28:03.480 --> 00:28:05.056 フェミニストでした 00:28:05.080 --> 00:28:08.456 結婚したくなかった 男性の家から逃げ出して 00:28:08.480 --> 00:28:10.560 自分で選んだ男性と結婚したのです 00:28:11.160 --> 00:28:14.136 参加や土地の所有などを 否定されたと思ったら 00:28:14.160 --> 00:28:19.456 曾祖母は それを受け入れず 抗議し 声を上げたそうです NOTE Paragraph 00:28:19.480 --> 00:28:22.776 「フェミニスト」という言葉を 曾祖母は知りませんでしたが 00:28:22.800 --> 00:28:24.720 体現していたのではないでしょうか 00:28:26.160 --> 00:28:28.200 多くの人がこの言葉を取り戻すべきです 00:28:30.040 --> 00:28:32.440 フェミニストの 私流の定義はこうです 00:28:33.200 --> 00:28:36.800 「フェミニストとは 男性あるいは女性で― NOTE Paragraph 00:28:37.480 --> 00:28:40.616 (笑) NOTE Paragraph 00:28:40.640 --> 00:28:44.400 (拍手) NOTE Paragraph 00:28:46.600 --> 00:28:49.856 「フェミニストとは 男性あるいは女性で 00:28:49.880 --> 00:28:53.176 『今でもジェンダーの問題は 存在するから 00:28:53.200 --> 00:28:56.240 正し 改善しなければならない』 という人のことである」 00:28:57.960 --> 00:29:00.016 私の知るフェミニストの鑑は 00:29:00.040 --> 00:29:01.360 私の弟のケネです 00:29:02.920 --> 00:29:06.816 優しくて ハンサムで 素敵な男性です 00:29:06.840 --> 00:29:08.600 しかも とても男らしいんですよ NOTE Paragraph 00:29:09.320 --> 00:29:10.536 ありがとうございました NOTE Paragraph 00:29:10.560 --> 00:29:14.840 (拍手)