WEBVTT 00:00:00.760 --> 00:00:02.866 気持ち良くうたた寝って好きでしょ? NOTE Paragraph 00:00:02.866 --> 00:00:04.536 (笑) NOTE Paragraph 00:00:04.560 --> 00:00:07.976 ちょっとの間 こっそりと 00:00:08.000 --> 00:00:10.800 ソファに丸まる快い逃避の瞬間です 00:00:11.760 --> 00:00:13.176 私のお気に入りの一つです 00:00:13.176 --> 00:00:15.466 でも 当たり前と思っていた日常は 00:00:15.466 --> 00:00:18.230 10代でホームレスになると変わりました 00:00:19.440 --> 00:00:24.256 うたた寝ができるのは 安心で安定した生活があってこそです 00:00:24.280 --> 00:00:25.460 こんなことは 00:00:25.460 --> 00:00:29.080 スクールバッグで全財産を持ち歩き 00:00:29.080 --> 00:00:33.110 どこに行っても いつまで居られるだろうと気を揉み 00:00:33.110 --> 00:00:35.340 最後に追い立てられる生活には無縁です NOTE Paragraph 00:00:36.000 --> 00:00:38.016 私はジョージア州のアトランタで育ち 00:00:38.040 --> 00:00:39.856 愛に満ちた 固い絆の家族と 00:00:39.880 --> 00:00:42.176 家々を転々としながら 00:00:42.200 --> 00:00:43.540 悪戦苦闘して 00:00:43.540 --> 00:00:46.760 経済的安定を求めていました 00:00:48.280 --> 00:00:52.376 でも 母が躁状態で 一時的に見境がなくなると 00:00:52.400 --> 00:00:55.486 その矛先が向けられるのは たいてい私で 00:00:55.486 --> 00:00:58.816 心理的、身体的な虐待を受け 00:00:58.840 --> 00:01:00.940 私は 安全を求めて家から逃げました 00:01:01.600 --> 00:01:03.389 やむなく私が下した結論は 00:01:03.389 --> 00:01:06.440 家にいるより ホームレスになる方が 安全だということでした 00:01:07.240 --> 00:01:08.440 16歳でした NOTE Paragraph 00:01:10.520 --> 00:01:14.596 住む場所のない私は アトランタに 3,300人いる若いホームレスの1人になり 00:01:14.626 --> 00:01:16.616 世話を焼いてくれる人はなく 00:01:16.640 --> 00:01:19.740 毎夜 除け者、見えない存在に なったと感じていました 00:01:20.120 --> 00:01:22.216 当時も 今もなお 00:01:22.240 --> 00:01:24.616 ホームレスの未成年者が ストリートを離れて 00:01:24.640 --> 00:01:26.040 ありつける寝床はありません 00:01:27.400 --> 00:01:31.330 ほとんどの人がホームレスを 怠け者で薬物に関わっている 00:01:31.330 --> 00:01:35.096 惨めで迷惑な存在と 思っていることに気づきましたが 00:01:35.120 --> 00:01:38.816 それは バッグに服と教科書を全部詰め込んで ホームレス生活をしながら 00:01:38.840 --> 00:01:41.560 平均A+の成績を取っていた 私には当てはまりません 00:01:42.880 --> 00:01:44.976 私は よく繁華街の お気に入りのベンチに座って 00:01:45.000 --> 00:01:47.136 周りを観察しながら何時間も過ごし 00:01:47.136 --> 00:01:50.496 最後に 2、3時間眠るために 00:01:50.520 --> 00:01:53.336 ソファや車や 00:01:53.360 --> 00:01:55.640 建物や倉庫に忍び込んだものです 00:01:56.840 --> 00:02:01.456 他の大勢の若いホームレスと同様 私も都会の影に隠れましたが 00:02:01.480 --> 00:02:03.736 その間も 地球は回っていました 00:02:03.760 --> 00:02:06.320 まるで 恐ろしいことは何も 起こってないかのように 00:02:07.400 --> 00:02:11.600 自分が透明人間だと思うだけで 心がめちゃくちゃに張り裂けそうでした NOTE Paragraph 00:02:13.320 --> 00:02:16.120 でも 何もすることがない時 私にはアートがありました 00:02:17.040 --> 00:02:19.430 それは物質的な見返りを要求されることのない 00:02:19.430 --> 00:02:21.000 逃げ場でした 00:02:21.960 --> 00:02:25.936 数時間 歌い、詩作し 00:02:25.960 --> 00:02:27.936 お金を貯めて 00:02:27.960 --> 00:02:30.616 芝居の中の別世界に身を隠す ー 00:02:30.640 --> 00:02:34.200 最悪の気分の時でも 息を吹き返し 生きていくことができました 00:02:35.520 --> 00:02:38.296 水曜の夜は 教会の礼拝に通い 00:02:38.320 --> 00:02:41.816 アートが与えてくれる 安心感を切望するあまり 00:02:41.840 --> 00:02:44.056 いつも数時間早く行って 00:02:44.080 --> 00:02:46.416 階下へ滑るように降り 00:02:46.440 --> 00:02:48.856 大事なことはただ一つ 00:02:48.856 --> 00:02:52.246 その週に磨きをかけてきた課題曲を 正しい音程で歌えるかだけという 00:02:52.246 --> 00:02:53.920 世界に浸っていました 00:02:54.560 --> 00:02:56.280 私は何時間も歌ったものです 00:02:57.240 --> 00:03:00.176 何も心配せずに歌うだけで良いと 自分に言い聞かせることで 00:03:00.200 --> 00:03:03.480 大きな力を与えられました NOTE Paragraph 00:03:05.280 --> 00:03:09.216 5年後 私は「ChopArt」という 組織を立ち上げました 00:03:09.240 --> 00:03:13.360 未成年のホームレスのための 分野横断的な芸術組織です 00:03:14.320 --> 00:03:18.536 「ChopArt」は 芸術をツールとして トラウマからの回復を目指します 00:03:18.560 --> 00:03:19.720 コミュニティ作りや 00:03:19.720 --> 00:03:23.136 尊厳回復に関する知識を 00:03:23.136 --> 00:03:25.591 創造的なプロセスに応用する というものです 00:03:26.600 --> 00:03:29.176 「ChopArt」はジョージア州の アトランタに本部を置き 00:03:29.200 --> 00:03:33.016 その他に インドのハイデラバードと ガーナのアクラにも プログラムがあり 00:03:33.040 --> 00:03:35.296 2010年の創設以来 00:03:35.320 --> 00:03:37.800 世界中で4万人以上の 十代の若者を支援してきました 00:03:39.080 --> 00:03:41.216 私たちが関わる若者達は 00:03:41.240 --> 00:03:43.640 アートの持つ変革的な要素の中に 心の拠り所を見出し 00:03:44.840 --> 00:03:48.560 ChopArt が創作に提供する 安全なスペースを拠点にしています 00:03:49.360 --> 00:03:55.096 無視されがちな彼らは アートで日の当たる場所に踏み出します 00:03:55.120 --> 00:03:58.360 でも 無視される存在からの脱却は 簡単ではありません NOTE Paragraph 00:03:59.720 --> 00:04:02.976 私たちのところにいる ジェレミーとケリーのきょうだいは 00:04:03.000 --> 00:04:05.440 私たちのプログラムを 3年以上 受けてきました 00:04:06.520 --> 00:04:10.000 2人は毎週水曜の夕方に ChopArtのクラスに来ます 00:04:11.280 --> 00:04:12.480 でも約1年前に 00:04:13.760 --> 00:04:17.320 ジェレミーとケリーの 目の前で 母親が発作を起こして亡くなりました 00:04:18.480 --> 00:04:21.399 2人は救急隊員が母を蘇生できずにいる 様子を 見ていました 00:04:22.560 --> 00:04:24.736 父親は 泣き叫ぶ2人を 00:04:24.760 --> 00:04:28.536 一時的にChopArtのメンターである エリンの監督下に置く同意書に署名し 00:04:28.560 --> 00:04:32.200 子供達が出て行く時に 着替え用の衣服を 持って行くことさえ許しませんでした 00:04:33.560 --> 00:04:36.040 この一連の出来事に 私の心は張り裂けそうでした 00:04:37.240 --> 00:04:40.776 でも ChopArtに対する 2人の信頼と決意に応えるために 00:04:40.800 --> 00:04:43.040 私はこの仕事を続けています 00:04:44.320 --> 00:04:46.496 ケリーは どん底の時に エリンに電話をかけます 00:04:46.520 --> 00:04:48.856 エリンなら2人が 愛情と思いやりを感じられるように 00:04:48.880 --> 00:04:51.856 何でもすると わかっているからです 00:04:51.880 --> 00:04:56.976 それは 私たちが アートを 入り口として使うことで 00:04:57.000 --> 00:04:59.720 ホームレスの若者を心を癒し その人生を立て直せる証だと思います NOTE Paragraph 00:05:01.240 --> 00:05:02.640 私たちの立て直しは続きます 00:05:03.480 --> 00:05:05.216 私たちはデヴィンと立て直します 00:05:05.240 --> 00:05:07.416 彼は 一家でホームレスになりました 00:05:07.440 --> 00:05:11.120 母親が 医療費と家賃のいずれかを 選ばねばならなかったからです 00:05:12.000 --> 00:05:14.640 デヴィンは ChopArtを通じて 絵画への情熱に目覚めました 00:05:15.360 --> 00:05:17.016 私たちはリズと立て直します 00:05:17.040 --> 00:05:20.216 リズは 10代の大半を ストリートで過ごしましたが 00:05:20.240 --> 00:05:23.256 若い心に 過度のトラウマが のしかかってくると 00:05:23.280 --> 00:05:27.000 自分自身を取り戻すのに 音楽に救いを求めます 00:05:28.240 --> 00:05:30.216 私たちは マリアと立て直します 00:05:30.240 --> 00:05:32.576 マリアは 家族と暮らすバンの中で 00:05:32.600 --> 00:05:35.096 おじいさんを亡くした後の悲しみを 00:05:35.120 --> 00:05:37.360 詩作を通して 癒します NOTE Paragraph 00:05:38.800 --> 00:05:44.376 ですから ホームレスの 生活をしている若者に向けて 00:05:44.400 --> 00:05:45.600 言わせてください 00:05:46.760 --> 00:05:48.920 あなたの中には立て直す力があります 00:05:50.040 --> 00:05:51.680 アートで あなたの声は届きます 00:05:51.680 --> 00:05:54.496 アートはあなたを 置かれた境遇で 判断することはありません 00:05:54.520 --> 00:05:56.976 だから 自分の光の中に立つまで 闘いをやめないで 00:05:57.000 --> 00:06:00.336 たとえ あなたが一番辛い時でも 00:06:00.360 --> 00:06:01.740 私たちはあなたを見ているから NOTE Paragraph 00:06:02.120 --> 00:06:03.336 ありがとうございました NOTE Paragraph 00:06:03.360 --> 00:06:06.600 (拍手)