[Script Info] Title: [Events] Format: Layer, Start, End, Style, Name, MarginL, MarginR, MarginV, Effect, Text Dialogue: 0,0:00:30.06,0:00:32.69,Default,,0000,0000,0000,,人はなぜ悩むのでしょうか? Dialogue: 0,0:00:33.23,0:00:36.88,Default,,0000,0000,0000,,そのことについて ずっと考え続けてきました Dialogue: 0,0:00:37.71,0:00:43.25,Default,,0000,0000,0000,,いま僕の結論としては 人は「か」だから悩む Dialogue: 0,0:00:43.54,0:00:49.27,Default,,0000,0000,0000,,「か」ではなくて「と」の世界になったら \Nその悩みは消えていく Dialogue: 0,0:00:49.36,0:00:53.01,Default,,0000,0000,0000,,そういうような経験を\N皆さんに共有したいなと思います Dialogue: 0,0:00:55.05,0:01:00.21,Default,,0000,0000,0000,,僕は 両親が台湾出身で\N京都で生まれ育ちました Dialogue: 0,0:01:00.40,0:01:05.74,Default,,0000,0000,0000,,何不自由なく 何の疑問もなく\N日本人として育ってきたんですけども Dialogue: 0,0:01:05.83,0:01:09.77,Default,,0000,0000,0000,,あるとき 小3くらいのときですね Dialogue: 0,0:01:11.11,0:01:16.77,Default,,0000,0000,0000,,正月休みが明けたときに \Nクラスのみんなが集まって話をしている Dialogue: 0,0:01:17.03,0:01:20.06,Default,,0000,0000,0000,,そのときに おじいちゃまとか\Nおばあちゃまの家に行って Dialogue: 0,0:01:20.06,0:01:23.09,Default,,0000,0000,0000,,お雑煮を食べておもちが丸かったの とか Dialogue: 0,0:01:23.17,0:01:26.53,Default,,0000,0000,0000,,いやうちは四角だったよとか\Nいうふうに言うんですね Dialogue: 0,0:01:26.92,0:01:28.44,Default,,0000,0000,0000,,「ちょっと待てよ」と Dialogue: 0,0:01:28.44,0:01:31.94,Default,,0000,0000,0000,,「いや うちお雑煮って\N食べたことないねんやけど」って Dialogue: 0,0:01:32.09,0:01:35.53,Default,,0000,0000,0000,,「おもちって何?お雑煮に\N入ってるもんなん?」みたいな Dialogue: 0,0:01:35.92,0:01:42.55,Default,,0000,0000,0000,,「あれ 僕ずっと日本人やと思って過ごして\Nきたけども 日本人じゃないのかな?」って Dialogue: 0,0:01:43.86,0:01:50.28,Default,,0000,0000,0000,,でも 例えば台湾に行って \N両親の親戚や家族 友だちに会って Dialogue: 0,0:01:50.40,0:01:55.11,Default,,0000,0000,0000,,台湾語を喋れるわけでもない \N中国語を喋れるわけでもない中で Dialogue: 0,0:01:55.31,0:01:58.94,Default,,0000,0000,0000,,「あれ 自分は台湾人でもないのかな?」と Dialogue: 0,0:01:59.50,0:02:05.16,Default,,0000,0000,0000,,自分は日本人なのか 台湾人なのかという\N「か」にすごく苦しめられてきました Dialogue: 0,0:02:07.04,0:02:12.72,Default,,0000,0000,0000,,いま日本で仕事をして \Nそしてそれを台湾でも仕事をするようになると Dialogue: 0,0:02:13.16,0:02:16.43,Default,,0000,0000,0000,,「自分は日本人でもあり\N台湾人でもある」ということに Dialogue: 0,0:02:16.43,0:02:19.44,Default,,0000,0000,0000,,すごく大きな価値がある\Nということに気づきました Dialogue: 0,0:02:19.72,0:02:22.47,Default,,0000,0000,0000,,僕は台湾で講演をするときに必ず Dialogue: 0,0:02:23.12,0:02:28.52,Default,,0000,0000,0000,,(台湾語の自己紹介) Dialogue: 0,0:02:28.55,0:02:30.09,Default,,0000,0000,0000,,というふうに言うんですけども これは Dialogue: 0,0:02:30.09,0:02:35.13,Default,,0000,0000,0000,,「私のお父さんお母さんは台湾人です \N台湾語をちょっと喋れます Dialogue: 0,0:02:35.24,0:02:36.85,Default,,0000,0000,0000,,でも日本で生まれました」 Dialogue: 0,0:02:36.88,0:02:38.47,Default,,0000,0000,0000,,これを一言いうだけで Dialogue: 0,0:02:38.47,0:02:42.70,Default,,0000,0000,0000,,皆さんすごく笑ってくれて \Nやりやすくなるんですね Dialogue: 0,0:02:42.84,0:02:45.39,Default,,0000,0000,0000,,日本人であり 台湾人であるという Dialogue: 0,0:02:45.39,0:02:50.72,Default,,0000,0000,0000,,「と」の価値が自分にはあるんだ\Nということにすごく救われました Dialogue: 0,0:02:51.07,0:02:56.02,Default,,0000,0000,0000,,日本人なのか 台湾人なのか\Nというふうな「か」で悩み苦しみ Dialogue: 0,0:02:56.20,0:03:00.91,Default,,0000,0000,0000,,そして日本人と台湾人とという\N「と」の世界に救われたんですね Dialogue: 0,0:03:02.18,0:03:06.88,Default,,0000,0000,0000,,僕は2年前まで医学生として\N医学を勉強していたんですけども Dialogue: 0,0:03:07.39,0:03:12.27,Default,,0000,0000,0000,,初めて 病院に医学生として\N勉強を始めたときに Dialogue: 0,0:03:12.27,0:03:15.43,Default,,0000,0000,0000,,自分は患者さんの立場で見たらいいのか Dialogue: 0,0:03:15.43,0:03:19.45,Default,,0000,0000,0000,,それとも医師の立場で見たらいいのか \Nその「か」に悩みました Dialogue: 0,0:03:20.16,0:03:24.30,Default,,0000,0000,0000,,医師の立場として見るには \Nあまりにも経験や知識が足りない Dialogue: 0,0:03:25.00,0:03:28.08,Default,,0000,0000,0000,,でも 患者さんの立場で見るにしても Dialogue: 0,0:03:28.17,0:03:30.82,Default,,0000,0000,0000,,別にその病気を自分が\N経験しているわけでもないし Dialogue: 0,0:03:30.82,0:03:32.38,Default,,0000,0000,0000,,その家族でもない Dialogue: 0,0:03:32.53,0:03:36.38,Default,,0000,0000,0000,,どこに自分の価値があるんかな\Nということに悩みました Dialogue: 0,0:03:37.63,0:03:40.56,Default,,0000,0000,0000,,それが 「あ ちょっと待てよ」と Dialogue: 0,0:03:40.65,0:03:43.84,Default,,0000,0000,0000,,患者さんの立場も持っているし \N医師の立場も持っている Dialogue: 0,0:03:43.84,0:03:46.44,Default,,0000,0000,0000,,その視点をどちらも持っている\Nということの価値が Dialogue: 0,0:03:46.44,0:03:49.04,Default,,0000,0000,0000,,医学生にはあるということに\N気づいたんですね Dialogue: 0,0:03:49.32,0:03:53.23,Default,,0000,0000,0000,,例えば 患者さんには\N医師には言えないけども Dialogue: 0,0:03:53.23,0:03:57.11,Default,,0000,0000,0000,,回ってくる医学生 学生さんぐらいには\N言えるみたいなことがあるんです Dialogue: 0,0:03:57.52,0:04:02.57,Default,,0000,0000,0000,,逆もまたしかりで 医師の方も\N患者さんには直接的過ぎて言えないけれども Dialogue: 0,0:04:02.93,0:04:05.84,Default,,0000,0000,0000,,医学生には教えられるみたいなことがある Dialogue: 0,0:04:05.87,0:04:12.55,Default,,0000,0000,0000,,その両方の立場と視点と考えを持ちうることが\N医学生の大きな価値なんだと気づきました Dialogue: 0,0:04:12.91,0:04:16.70,Default,,0000,0000,0000,,患者と医師とどちらの視点を\N持てばいいのかということから Dialogue: 0,0:04:17.00,0:04:21.88,Default,,0000,0000,0000,,患者と医師とどちらの視点も持てるという\N医学生の価値に気づいたんですね Dialogue: 0,0:04:23.41,0:04:28.90,Default,,0000,0000,0000,,また今 僕は名古屋のある病院で\N医師として働いていますけれども Dialogue: 0,0:04:29.18,0:04:33.41,Default,,0000,0000,0000,,どういう医療をやるか \Nそれをどうやるかということに関して Dialogue: 0,0:04:33.53,0:04:35.53,Default,,0000,0000,0000,,どう決めていくものなのでしょうか? Dialogue: 0,0:04:35.69,0:04:39.39,Default,,0000,0000,0000,,医療の意思決定とはどういうふうに\Nされていくものなのでしょうか? Dialogue: 0,0:04:39.83,0:04:45.94,Default,,0000,0000,0000,,患者さんが決めるのか 医師が決めるのか \Nというようなシーンがいっぱいあります Dialogue: 0,0:04:46.76,0:04:50.83,Default,,0000,0000,0000,,例えば 乳がんの若いお母さん Dialogue: 0,0:04:51.14,0:04:54.90,Default,,0000,0000,0000,,10歳くらいの子どもがいる人の場合で言うと Dialogue: 0,0:04:55.90,0:05:01.54,Default,,0000,0000,0000,,医師がこの人に対して手術をするか \N薬をするかということに対しては Dialogue: 0,0:05:02.20,0:05:07.66,Default,,0000,0000,0000,,例えばこのがんがどれくらい進行しているか \N転移はあるか 他の症状はないか Dialogue: 0,0:05:07.86,0:05:11.58,Default,,0000,0000,0000,,そういった客観的なものを\Nベースに考えるんですね Dialogue: 0,0:05:11.98,0:05:14.54,Default,,0000,0000,0000,,でも一方で患者さんに聞いてみると Dialogue: 0,0:05:14.98,0:05:18.30,Default,,0000,0000,0000,,そういった客観的なものではなくて \Nむしろ主観的なもの Dialogue: 0,0:05:18.88,0:05:21.80,Default,,0000,0000,0000,,自分がもし 手術を受けて\Nおっぱいがなくなったら Dialogue: 0,0:05:23.35,0:05:26.97,Default,,0000,0000,0000,,初めて自分の子どもを\N息子をお風呂に入れるときに Dialogue: 0,0:05:27.07,0:05:30.04,Default,,0000,0000,0000,,自分のないおっぱいについて\Nどう説明したらいいですか? Dialogue: 0,0:05:30.31,0:05:32.03,Default,,0000,0000,0000,,ここから入るんですね Dialogue: 0,0:05:33.09,0:05:37.16,Default,,0000,0000,0000,,医師は 客観的なものから\N考えるかもしれません Dialogue: 0,0:05:37.27,0:05:41.86,Default,,0000,0000,0000,,でも 主観的なものを患者さんは\Nより大事にするっていう中で Dialogue: 0,0:05:42.19,0:05:44.72,Default,,0000,0000,0000,,患者さんが決めるのか\N医師が決めるのかということが Dialogue: 0,0:05:44.72,0:05:46.49,Default,,0000,0000,0000,,すごく問題になります Dialogue: 0,0:05:47.15,0:05:51.54,Default,,0000,0000,0000,,そこを 患者さんと医師とが\Nどう一緒に決めることができるのかということを Dialogue: 0,0:05:51.54,0:05:54.04,Default,,0000,0000,0000,,僕らは考えないといけないと思います Dialogue: 0,0:05:54.70,0:05:58.52,Default,,0000,0000,0000,,それは 「何をやるか」\N「何をやらないか」ではなくて Dialogue: 0,0:05:58.52,0:06:01.85,Default,,0000,0000,0000,,「それをなぜやるか」 \Nそして「なぜやらないか」ということを Dialogue: 0,0:06:01.85,0:06:05.05,Default,,0000,0000,0000,,お互いに共有しながら\N話し合って決めていくことです Dialogue: 0,0:06:05.56,0:06:10.70,Default,,0000,0000,0000,,その結論が 手術になるか 薬になるかが\N大事なことではありません Dialogue: 0,0:06:10.89,0:06:16.56,Default,,0000,0000,0000,,その決めていく過程を\N患者さんと医師が一緒に共有していく Dialogue: 0,0:06:16.60,0:06:18.76,Default,,0000,0000,0000,,そういうことに意味があるんです Dialogue: 0,0:06:18.76,0:06:21.18,Default,,0000,0000,0000,,だから 患者さんか医師かではなくて Dialogue: 0,0:06:21.18,0:06:26.43,Default,,0000,0000,0000,,患者さんと医師とが医療 どういう医療を\N受けるかっていうのを決めていく Dialogue: 0,0:06:26.49,0:06:28.87,Default,,0000,0000,0000,,そういう必要が僕はあると思います Dialogue: 0,0:06:29.83,0:06:34.04,Default,,0000,0000,0000,,また これからの世代を生きる僕たちは Dialogue: 0,0:06:34.98,0:06:37.16,Default,,0000,0000,0000,,どんな仕事に就いていっても Dialogue: 0,0:06:37.25,0:06:40.90,Default,,0000,0000,0000,,AIというものについて\N無関係ではいられないと思います Dialogue: 0,0:06:41.31,0:06:44.76,Default,,0000,0000,0000,,いろんな新聞やニュース記事を紐解けば Dialogue: 0,0:06:45.98,0:06:50.35,Default,,0000,0000,0000,,「AIが人の仕事を奪う」\N「人はAIによって置き換わる」 Dialogue: 0,0:06:50.35,0:06:51.47,Default,,0000,0000,0000,,医師もそうです Dialogue: 0,0:06:51.47,0:06:56.18,Default,,0000,0000,0000,,「AIは 医師の仕事を奪っていくだろう」\N「医師はAIに代替される」 Dialogue: 0,0:06:56.18,0:06:57.81,Default,,0000,0000,0000,,そういう話ばっかりですね Dialogue: 0,0:06:57.81,0:07:01.96,Default,,0000,0000,0000,,いわゆる AIか医師かの話が\Nいっぱいあると思います Dialogue: 0,0:07:03.65,0:07:08.34,Default,,0000,0000,0000,,ディープラーニングの父と呼ばれる\Nジェフェリー・E・ヒントン教授はですね Dialogue: 0,0:07:08.35,0:07:12.35,Default,,0000,0000,0000,,2016年 『ニューヨーカー』\Nという雑誌のコラムに Dialogue: 0,0:07:13.31,0:07:18.21,Default,,0000,0000,0000,,画像をベースにして判断する\N放射線科医という医師は Dialogue: 0,0:07:18.54,0:07:21.66,Default,,0000,0000,0000,,もうその育成をやめるべきだ\Nというふうに書いているんですね Dialogue: 0,0:07:21.91,0:07:26.19,Default,,0000,0000,0000,,なぜなら AIがすべてを代替できるから\Nというふうに言っています Dialogue: 0,0:07:26.40,0:07:33.06,Default,,0000,0000,0000,,まさに彼も AIか医師かというような\N世界観で生きていたのかなと思います Dialogue: 0,0:07:34.39,0:07:39.25,Default,,0000,0000,0000,,ただ実は その1年後に \Nジェフェリー・E・ヒントン教授は Dialogue: 0,0:07:39.31,0:07:42.48,Default,,0000,0000,0000,,同じ『ニューヨーカー』の雑誌に\Nコラムを寄せています Dialogue: 0,0:07:43.37,0:07:45.69,Default,,0000,0000,0000,,「医師の役割は進化するんだ」と Dialogue: 0,0:07:46.09,0:07:51.63,Default,,0000,0000,0000,,単なる画像を見る人からそれ以上のものに\N進化していくというふうに言っています Dialogue: 0,0:07:52.40,0:07:57.63,Default,,0000,0000,0000,,僕たちが考えないといけないのは\NAIか医師か AIか人か ではなくて Dialogue: 0,0:07:57.76,0:08:00.89,Default,,0000,0000,0000,,AIと医師とを どういうふうに\N繋いでいくことができるか Dialogue: 0,0:08:00.91,0:08:03.92,Default,,0000,0000,0000,,AIと人とをどうやって繋いで\N新たな価値を生んでいくか Dialogue: 0,0:08:03.92,0:08:07.21,Default,,0000,0000,0000,,それを僕たちは考えないといけない\Nというふうに思います Dialogue: 0,0:08:09.40,0:08:16.33,Default,,0000,0000,0000,,また 新しいお札の肖像画になる\N渋沢栄一さんという人がですね Dialogue: 0,0:08:16.74,0:08:21.21,Default,,0000,0000,0000,,数百社の会社を作る支援をする中で Dialogue: 0,0:08:22.12,0:08:25.55,Default,,0000,0000,0000,,「会社経営とは何か?」\Nというような本を書いています Dialogue: 0,0:08:25.75,0:08:30.55,Default,,0000,0000,0000,,そのタイトルが『論語か算盤』ではなくて \N『論語と算盤』なんですけども Dialogue: 0,0:08:30.80,0:08:36.40,Default,,0000,0000,0000,,会社経営とは算盤をはじきながら\N利益を追求していかないといけない Dialogue: 0,0:08:36.53,0:08:40.28,Default,,0000,0000,0000,,なぜなら 利益を追求していかないと\N会社はつぶれてしまうから Dialogue: 0,0:08:40.67,0:08:43.06,Default,,0000,0000,0000,,一方で 『論語』のような Dialogue: 0,0:08:43.36,0:08:48.34,Default,,0000,0000,0000,,哲学や道徳や価値観に\N基づいたものをベースに Dialogue: 0,0:08:48.61,0:08:51.76,Default,,0000,0000,0000,,「この会社がどういう\N社会的な価値を生み出すのか?」 Dialogue: 0,0:08:52.06,0:08:54.91,Default,,0000,0000,0000,,「どういう役割を担うか?」\Nということを考えないと Dialogue: 0,0:08:55.08,0:08:57.31,Default,,0000,0000,0000,,存在する意義がないと言っているんですね Dialogue: 0,0:08:58.11,0:09:03.35,Default,,0000,0000,0000,,『論語か算盤』ではなくて \N『論語と算盤』であるということが大事です Dialogue: 0,0:09:04.24,0:09:07.87,Default,,0000,0000,0000,,僕もある医療系のキャンペーンですね Dialogue: 0,0:09:08.26,0:09:11.56,Default,,0000,0000,0000,,クラウドファンディングという\Nいろんな人からお金を集めて Dialogue: 0,0:09:11.76,0:09:14.66,Default,,0000,0000,0000,,何か啓発キャンペーンをやる\Nということをやったんですけども Dialogue: 0,0:09:14.66,0:09:18.25,Default,,0000,0000,0000,,「医学系のキャンペーンで\Nお金を集めるとは何事や?」と Dialogue: 0,0:09:18.57,0:09:21.82,Default,,0000,0000,0000,,「お前はお金のためにやってんのか?」\Nというように言われたことがあります Dialogue: 0,0:09:22.98,0:09:28.28,Default,,0000,0000,0000,,それって僕たちは もしかしたら \Nお金のためか 人のためか 社会のためかって Dialogue: 0,0:09:28.40,0:09:33.06,Default,,0000,0000,0000,,どれかしか実現できないと\N思ってるんじゃないでしょうか? Dialogue: 0,0:09:34.38,0:09:36.05,Default,,0000,0000,0000,,生きていくためにはお金が必要です Dialogue: 0,0:09:36.10,0:09:40.28,Default,,0000,0000,0000,,でも一方で それを何のために使うのか\Nっていうことも同時に考える Dialogue: 0,0:09:40.88,0:09:44.64,Default,,0000,0000,0000,,『論語か算盤』ではなくて \N『論語と算盤』ということを Dialogue: 0,0:09:44.64,0:09:48.13,Default,,0000,0000,0000,,僕たちは実践していかないと\Nいけないじゃないかと思います Dialogue: 0,0:09:51.42,0:09:52.95,Default,,0000,0000,0000,,ここ数年 — Dialogue: 0,0:09:52.95,0:09:54.92,Default,,0000,0000,0000,,僕は今26歳なんですけども — Dialogue: 0,0:09:55.64,0:10:02.35,Default,,0000,0000,0000,,同世代の何人かが自ら命を絶ちました Dialogue: 0,0:10:03.86,0:10:05.40,Default,,0000,0000,0000,,彼らのことを思うと Dialogue: 0,0:10:07.08,0:10:12.76,Default,,0000,0000,0000,,「生きるか死ぬか」という\N「か」にすごく苛まれて Dialogue: 0,0:10:13.29,0:10:17.14,Default,,0000,0000,0000,,追い詰められて 追い立てられたんじゃないかな\Nというふうに思います Dialogue: 0,0:10:18.22,0:10:21.06,Default,,0000,0000,0000,,シェイクスピアの有名な言葉でも Dialogue: 0,0:10:21.64,0:10:25.84,Default,,0000,0000,0000,,「生きるか死ぬか それが問題だ」\Nというふうな言葉がありますが Dialogue: 0,0:10:26.28,0:10:29.97,Default,,0000,0000,0000,,「生きるか死ぬか」\Nそれが本当に問題なのでしょうか? Dialogue: 0,0:10:31.56,0:10:35.22,Default,,0000,0000,0000,,僕は「生きるということ」と\N「死ぬということ」が Dialogue: 0,0:10:35.22,0:10:38.32,Default,,0000,0000,0000,,共にあるあり方が\Nあるんじゃないかと思います Dialogue: 0,0:10:39.79,0:10:42.09,Default,,0000,0000,0000,,生きづらさを抱えて\Nあるところでは生きていけない — Dialogue: 0,0:10:42.09,0:10:46.31,Default,,0000,0000,0000,,苦しい つらい 死にたい 消えてしまいたい\Nと思うことがあるでしょう Dialogue: 0,0:10:47.45,0:10:52.82,Default,,0000,0000,0000,,ただ それでも そこの自分が死んだとしても \N他で生きている — Dialogue: 0,0:10:53.03,0:10:57.06,Default,,0000,0000,0000,,名前を変えてもいいし \N今までのすべてを捨ててもいいし Dialogue: 0,0:10:57.06,0:10:59.92,Default,,0000,0000,0000,,でも そこでも どこかでは生きている Dialogue: 0,0:10:59.92,0:11:04.15,Default,,0000,0000,0000,,そういった「生きるということ」と\N「死ぬということ」が Dialogue: 0,0:11:04.15,0:11:06.94,Default,,0000,0000,0000,,どちらかではなくて どちらともある Dialogue: 0,0:11:06.94,0:11:11.20,Default,,0000,0000,0000,,そういうあり方が僕はあるんじゃないかな\Nというふうに思っています Dialogue: 0,0:11:13.46,0:11:18.71,Default,,0000,0000,0000,,なぜ「か」が「と」になることで\N新たな価値が生まれるのでしょうか? Dialogue: 0,0:11:19.29,0:11:22.24,Default,,0000,0000,0000,,それは「か」という世界の中では Dialogue: 0,0:11:22.89,0:11:27.43,Default,,0000,0000,0000,,交わらず 分断され\Nどちらかしか選べなかったものが Dialogue: 0,0:11:27.99,0:11:34.77,Default,,0000,0000,0000,,「と」の中では お互いが繋がり \Nそしてどちらの性質も持ち Dialogue: 0,0:11:34.93,0:11:36.90,Default,,0000,0000,0000,,そして重なり合ったところに Dialogue: 0,0:11:37.02,0:11:42.85,Default,,0000,0000,0000,,新たな価値が 新たな分野が 新たな概念が\N生まれるからだと思います Dialogue: 0,0:11:43.03,0:11:45.12,Default,,0000,0000,0000,,そうした「と」には Dialogue: 0,0:11:45.58,0:11:50.28,Default,,0000,0000,0000,,間をつないで その間から\N新しいものを生み出していく Dialogue: 0,0:11:50.28,0:11:52.89,Default,,0000,0000,0000,,そんな力があるんだと思います Dialogue: 0,0:11:54.27,0:11:55.87,Default,,0000,0000,0000,,この「間」という字 Dialogue: 0,0:11:56.67,0:12:01.13,Default,,0000,0000,0000,,僕たちにはすでに備わっている\N言葉じゃないかなと思います Dialogue: 0,0:12:01.49,0:12:03.90,Default,,0000,0000,0000,,僕たちは人間です Dialogue: 0,0:12:04.94,0:12:08.38,Default,,0000,0000,0000,,人でもありますけども 人間でもあります Dialogue: 0,0:12:08.60,0:12:11.38,Default,,0000,0000,0000,,人は1人かもしれないし Dialogue: 0,0:12:11.53,0:12:14.86,Default,,0000,0000,0000,,1人で生きていかないといけない\Nときもあるかもしれないけれども Dialogue: 0,0:12:15.05,0:12:19.41,Default,,0000,0000,0000,,何かと何かの間に立って それを繋いでいく Dialogue: 0,0:12:19.54,0:12:22.80,Default,,0000,0000,0000,,そういった存在であるということが\Nこの人間という言葉に Dialogue: 0,0:12:22.94,0:12:26.28,Default,,0000,0000,0000,,含まれているのじゃないかと \N僕はそれを見出したいと思います Dialogue: 0,0:12:27.90,0:12:31.02,Default,,0000,0000,0000,,そんな何かと何かとの間を繋いで Dialogue: 0,0:12:31.54,0:12:35.16,Default,,0000,0000,0000,,「か」の世界ではなくて「と」の世界を Dialogue: 0,0:12:35.16,0:12:38.77,Default,,0000,0000,0000,,ともに同じ人間として ともに作っていく Dialogue: 0,0:12:38.88,0:12:40.96,Default,,0000,0000,0000,,そんな仲間になってください Dialogue: 0,0:12:41.18,0:12:42.63,Default,,0000,0000,0000,,ありがとうございました Dialogue: 0,0:12:42.63,0:12:44.78,Default,,0000,0000,0000,,(拍手)