1
00:00:14,702 --> 00:00:15,702
贈り物

2
00:00:16,266 --> 00:00:17,820
すばらしいですね

3
00:00:18,210 --> 00:00:20,137
贈り物を嫌がる人はいませんよね？

4
00:00:21,760 --> 00:00:23,376
６歳のとき

5
00:00:23,400 --> 00:00:24,640
私は贈り物を受け取りました

6
00:00:25,320 --> 00:00:28,776
１年生の担任の先生が
すばらしいアイデアを思いついて

7
00:00:28,800 --> 00:00:32,136
先生は私たちに
贈り物をもらうだけではなく

8
00:00:32,159 --> 00:00:36,160
互いに褒め合う美徳を学ぶことも
体験させたいと考えました

9
00:00:36,640 --> 00:00:39,360
先生はクラス全員を
教室の前の方に来させ

10
00:00:39,360 --> 00:00:42,260
買っておいた全員分の贈り物を
教室の隅に積み上げました

11
00:00:42,260 --> 00:00:43,200
そして先生は言いました

12
00:00:43,200 --> 00:00:46,456
「ここに立って お互いに褒め合いましょう

13
00:00:46,480 --> 00:00:48,056
褒められた人は

14
00:00:48,080 --> 00:00:50,660
贈り物を取って席に戻ってください」

15
00:00:51,520 --> 00:00:53,170
すばらしい考えでしょう？

16
00:00:53,760 --> 00:00:55,276
問題なんて起きっこないと

17
00:00:55,276 --> 00:00:56,640
（笑）

18
00:00:57,400 --> 00:00:59,456
最初40人いました

19
00:00:59,480 --> 00:01:01,936
誰かの名前が上がるたびに

20
00:01:01,960 --> 00:01:03,940
私は心から応援しました

21
00:01:04,280 --> 00:01:06,776
そして残り20人となり

22
00:01:06,800 --> 00:01:08,576
10人となり

23
00:01:08,600 --> 00:01:10,220
５人となり

24
00:01:10,520 --> 00:01:11,936
そして３人が残りました

25
00:01:11,960 --> 00:01:13,420
私はそのうちの１人でした

26
00:01:13,650 --> 00:01:15,730
そして褒め言葉が止みました

27
00:01:16,510 --> 00:01:19,070
その時点で 私は泣いていました

28
00:01:19,821 --> 00:01:23,285
もう「贈り物」なんて
聞きたくありませんでした

29
00:01:23,285 --> 00:01:25,277
褒められたい気持ちもなくなりました

30
00:01:25,277 --> 00:01:27,965
ただその場から逃げ出して 
席に戻りたかったです

31
00:01:28,500 --> 00:01:30,516
先生も慌て始めました

32
00:01:30,540 --> 00:01:34,196
「この子たちに何か良いことを
言ってあげる人いないの？」

33
00:01:34,219 --> 00:01:35,436
（笑）

34
00:01:35,460 --> 00:01:38,436
「誰もいないの？だったら
贈り物を取って席に戻りなさい

35
00:01:38,460 --> 00:01:39,716
来年は良い子にして

36
00:01:39,740 --> 00:01:41,836
褒めてもらえるようになりなさい」と

37
00:01:41,860 --> 00:01:43,620
（笑）

38
00:01:44,420 --> 00:01:45,940
私の話を聞いて

39
00:01:45,940 --> 00:01:48,866
私がこのことを すごくよく覚えているのが
おわかりでしょう

40
00:01:48,866 --> 00:01:50,060
（笑）

41
00:01:50,700 --> 00:01:52,796
でも 気まずい思いをしたのは
どっちでしょう？

42
00:01:52,820 --> 00:01:54,850
私か先生か？

43
00:01:54,850 --> 00:01:58,306
先生は 気づいたはずです
チーム作りのために行った自分の行為が

44
00:01:58,306 --> 00:02:00,980
６歳児を公開処刑する
羽目になったとね

45
00:02:01,500 --> 00:02:02,956
笑える要素なしにです

46
00:02:02,980 --> 00:02:05,316
テレビで誰かが
こき下ろされるのを見ますよね

47
00:02:05,340 --> 00:02:06,490
それは愉快です

48
00:02:06,490 --> 00:02:08,777
その日の出来事に
愉快な要素は皆無でした

49
00:02:09,220 --> 00:02:12,140
それが私の一面をなしており

50
00:02:12,140 --> 00:02:15,916
そして私は死んでも 
同じ目には２度と遭いたくない —

51
00:02:15,916 --> 00:02:18,100
２度と公けの場で 拒絶されたくない 
と思いました

52
00:02:18,340 --> 00:02:19,796
それが一面です

53
00:02:19,820 --> 00:02:22,276
８年ほど早送りしましょう

54
00:02:22,300 --> 00:02:23,340
ビル・ゲイツが

55
00:02:23,340 --> 00:02:25,516
私の住んでいた北京にやってきて

56
00:02:25,540 --> 00:02:26,756
スピーチをしました

57
00:02:26,780 --> 00:02:28,516
私はゲイツのメッセージを聞き

58
00:02:28,540 --> 00:02:30,836
この人物に惚れ込みました

59
00:02:30,860 --> 00:02:33,756
私は やったね 
夢ができたと思いました

60
00:02:33,780 --> 00:02:35,916
その夜 私は家族に手紙を書いて

61
00:02:35,940 --> 00:02:37,060
伝えました

62
00:02:37,060 --> 00:02:40,876
「25歳までに世界一大きな会社を作って

63
00:02:40,900 --> 00:02:42,836
マイクロソフト社を買収する」と

64
00:02:42,860 --> 00:02:44,756
（笑）

65
00:02:44,780 --> 00:02:47,396
世界征服という考えに

66
00:02:47,420 --> 00:02:48,870
私は取り憑かれました

67
00:02:49,060 --> 00:02:51,876
作り話じゃなく
実際に手紙も書きました

68
00:02:51,900 --> 00:02:53,236
これがその手紙です

69
00:02:53,260 --> 00:02:55,236
（笑）

70
00:02:55,260 --> 00:02:57,076
全部読まなくてもいいですよ

71
00:02:57,100 --> 00:02:58,876
（笑）

72
00:02:58,900 --> 00:03:00,280
ひどい字だし

73
00:03:00,280 --> 00:03:04,716
キーワードをマークしたので
わかっていただけるかと思います

74
00:03:04,740 --> 00:03:06,516
（笑）

75
00:03:06,540 --> 00:03:07,740
だから —

76
00:03:09,180 --> 00:03:11,196
それが 私のもう１つの面です

77
00:03:11,220 --> 00:03:12,900
世界征服を企てる者です

78
00:03:13,780 --> 00:03:15,236
それから ２年後

79
00:03:15,260 --> 00:03:19,196
アメリカに来る機会が与えられて

80
00:03:19,220 --> 00:03:20,796
私はそれに飛びつきました

81
00:03:20,820 --> 00:03:23,036
だってそこは 
ビル・ゲイツの住む国ですからね

82
00:03:23,060 --> 00:03:24,200
（笑）

83
00:03:24,200 --> 00:03:27,360
私はそれを自分の起業家人生の
始まりだと思っていました

84
00:03:27,580 --> 00:03:29,756
それから さらに14年早送りして

85
00:03:29,780 --> 00:03:31,196
私は30歳になっていました

86
00:03:31,220 --> 00:03:33,596
私は そんな会社を
築き上げてはおらず

87
00:03:33,620 --> 00:03:35,156
起業すらしていませんでした

88
00:03:35,180 --> 00:03:39,156
実際には マーケティング・マネージャーとして
フォーチュン500企業で働いていました

89
00:03:39,180 --> 00:03:40,796
私は行き詰まりを感じ

90
00:03:40,820 --> 00:03:42,350
どんよりしていました

91
00:03:42,860 --> 00:03:43,960
何故でしょう？

92
00:03:43,960 --> 00:03:46,830
14歳で この手紙を書いた人物は
どこへ行ってしまったのか？

93
00:03:47,380 --> 00:03:49,187
やってみようとしなかった
からではありません

94
00:03:49,380 --> 00:03:52,436
新しいアイデアが浮かぶたび —

95
00:03:52,460 --> 00:03:54,436
新しいことをやってみたいと思たびに

96
00:03:54,460 --> 00:03:56,175
また職場においても

97
00:03:56,200 --> 00:03:57,936
提案がしたいと思ったとき

98
00:03:57,960 --> 00:04:01,496
グループの人たちの前で
発言したいと思ったとき

99
00:04:01,520 --> 00:04:03,336
常に葛藤を感じていました

100
00:04:03,360 --> 00:04:06,356
14歳の私と ６歳の私との間の葛藤です

101
00:04:06,360 --> 00:04:08,496
１人の私が 世界征服を望み

102
00:04:08,520 --> 00:04:09,736
世界を変えたいと考え

103
00:04:09,760 --> 00:04:12,340
もう１人の私が 拒絶に恐れをなすのです

104
00:04:12,560 --> 00:04:15,520
そして その度に６歳の私が勝つのでした

105
00:04:16,959 --> 00:04:20,935
そして 自分の会社を始めた後も
この恐怖心はついて回りました

106
00:04:20,959 --> 00:04:24,096
私が自分の会社を始めたのは
30歳のときでした

107
00:04:24,120 --> 00:04:25,536
ビル・ゲイツになりたければ

108
00:04:25,560 --> 00:04:27,600
遅かれ早かれ 始めなきゃいけません

109
00:04:28,280 --> 00:04:30,816
起業したとき

110
00:04:30,840 --> 00:04:33,736
投資を受けられるチャンスが
めぐってきましたが

111
00:04:33,760 --> 00:04:35,560
却下されました

112
00:04:36,240 --> 00:04:37,976
拒絶されて 私は傷つきました

113
00:04:38,000 --> 00:04:41,600
あまりにも傷が大きくて
即座にやめたくなりました

114
00:04:42,350 --> 00:04:43,696
でも そこでこう思いました

115
00:04:43,720 --> 00:04:47,560
「１回出資を断られたくらいで 
ビル・ゲイツは諦めようと思ったか？

116
00:04:48,120 --> 00:04:50,976
成功した起業家で 
こんなことでやめた人がいたか？

117
00:04:51,000 --> 00:04:52,376
そんなはずはない」

118
00:04:52,400 --> 00:04:54,376
ここで パッとひらめいたんです

119
00:04:54,400 --> 00:04:56,216
自分には もっと良い会社を作れるし

120
00:04:56,240 --> 00:04:58,456
もっと良いチームや製品だって
作れるけれど

121
00:04:58,480 --> 00:05:00,016
でも １つ確かなことがある

122
00:05:00,040 --> 00:05:01,896
自分は もっと良いリーダーに
なる必要がある

123
00:05:01,920 --> 00:05:03,700
もっと良い人間になる必要がある

124
00:05:03,730 --> 00:05:07,296
これ以上自分の人生を
６歳児の自分に振り回される訳にはいかない

125
00:05:07,320 --> 00:05:09,730
６歳の自分に退場願わねばなりません

126
00:05:10,200 --> 00:05:12,470
そこで 私は 
インターネットに助言を求めました

127
00:05:12,470 --> 00:05:13,896
Googleは私の友達です

128
00:05:13,920 --> 00:05:14,860
（笑）

129
00:05:14,860 --> 00:05:17,640
私が検索したのは
「拒絶への恐怖を克服する方法」でした

130
00:05:18,160 --> 00:05:21,016
ヒットしたのは 
沢山の心理学の記事で

131
00:05:21,040 --> 00:05:23,896
恐怖心や苦痛の原因について
書かれていました

132
00:05:23,920 --> 00:05:27,216
それから 沢山の脳天気で
スピリチャルな記事もヒットし

133
00:05:27,240 --> 00:05:30,071
「拒絶を個人的に受け取らず 
乗り越えなさい」と書かれていました

134
00:05:30,400 --> 00:05:32,056
言われなくたってわかります

135
00:05:32,080 --> 00:05:33,656
（笑）

136
00:05:33,680 --> 00:05:35,816
でも だったら何故それほど怖いのか？

137
00:05:35,840 --> 00:05:37,856
それから偶然このサイトを見つけました

138
00:05:37,880 --> 00:05:40,256
題して「拒絶セラピー・ドットコム」
(rejectiontherapy.com)

139
00:05:40,280 --> 00:05:42,816
（笑）

140
00:05:42,840 --> 00:05:46,776
「拒絶セラピー」は
カナダ人起業家が発明したゲームです

141
00:05:46,800 --> 00:05:48,496
彼の名はジェイソン・コームリーです

142
00:05:48,520 --> 00:05:53,616
基本的なアイデアは 30日間
出かけて行って 自ら拒絶を求め

143
00:05:53,640 --> 00:05:55,896
毎日 何かで拒絶されることを通じて

144
00:05:55,920 --> 00:05:59,780
最終的には拒絶の痛みに対する
免疫をつけるというものです

145
00:06:00,400 --> 00:06:02,096
そのアイデアが気に入りました

146
00:06:02,120 --> 00:06:03,656
（笑）

147
00:06:03,680 --> 00:06:05,816
「そうだ これをやってやろう

148
00:06:05,840 --> 00:06:08,856
100日間拒絶される気分を
味わってみせる」

149
00:06:08,880 --> 00:06:11,296
拒絶されるネタを 考え出して

150
00:06:11,320 --> 00:06:14,170
それから 動画ブログを作りました

151
00:06:14,800 --> 00:06:16,736
これが 私のやったことです

152
00:06:16,760 --> 00:06:19,926
ブログの体裁はこんな感じで

153
00:06:20,700 --> 00:06:21,900
1日目･･･

154
00:06:22,500 --> 00:06:23,796
（笑）

155
00:06:23,820 --> 00:06:27,060
「初対面の人から100ドル借りる」

156
00:06:28,220 --> 00:06:30,956
それはこんな感じでした

157
00:06:30,980 --> 00:06:32,716
階下へ行くと

158
00:06:32,740 --> 00:06:34,956
体格の良い男性が
デスクにいるのが見えました

159
00:06:34,980 --> 00:06:36,716
警備員のようないでたちです

160
00:06:36,740 --> 00:06:38,276
私は 彼に近づいて行きました

161
00:06:38,300 --> 00:06:40,036
歩いていただけですが

162
00:06:40,060 --> 00:06:42,396
人生で一番長い道のりでした

163
00:06:42,420 --> 00:06:44,556
首元で後ろ髪が逆立ち

164
00:06:44,580 --> 00:06:47,036
汗が出て 心臓がバクバクしました

165
00:06:47,060 --> 00:06:48,276
たどり着くと 言いました

166
00:06:48,300 --> 00:06:50,956
「こんにちは 
100ドル貸してもらえませんか？」

167
00:06:50,980 --> 00:06:52,316
（笑）

168
00:06:52,340 --> 00:06:54,550
すると彼は 見上げて「まさか」と言います

169
00:06:55,140 --> 00:06:56,340
「なんでまた？」

170
00:06:56,700 --> 00:06:58,996
で 私は言いました 
「ダメですか？ ならいいです」

171
00:06:59,020 --> 00:07:00,735
回れ右して 逃げ出しました

172
00:07:00,759 --> 00:07:02,119
（笑）

173
00:07:03,460 --> 00:07:05,196
ものすごく恥ずかしかったです

174
00:07:05,220 --> 00:07:06,676
でも 自分の姿を動画に撮っていたので

175
00:07:06,700 --> 00:07:09,836
その夜 拒絶されている自分の姿を見ました

176
00:07:09,860 --> 00:07:11,956
自分の恐怖感の大きさが 分かりました

177
00:07:11,980 --> 00:07:14,340
まるで 映画『シックス・センス』に
出てくる あの子供です

178
00:07:14,340 --> 00:07:16,126
「死んだ人が見えるんだ」みたいな

179
00:07:16,126 --> 00:07:17,516
（笑）

180
00:07:17,540 --> 00:07:19,076
でも それから相手の男性を見ると

181
00:07:19,100 --> 00:07:20,996
別に威圧的ではありません

182
00:07:21,020 --> 00:07:23,396
彼は 太めの感じが良い人でした

183
00:07:23,420 --> 00:07:26,876
しかも 彼は 「なんで？」って
聞いてくれたんです

184
00:07:26,900 --> 00:07:29,316
つまり 私に説明の機会をくれた訳です

185
00:07:29,340 --> 00:07:30,916
私は 色々言えたはずなのに

186
00:07:30,940 --> 00:07:33,236
説明することも
交渉することだってできたのに

187
00:07:33,260 --> 00:07:34,700
何もしませんでした

188
00:07:35,180 --> 00:07:36,970
やったのは 逃げることだけです

189
00:07:37,530 --> 00:07:40,820
「すげえ 俺の人生の縮図みたいだ」と
思いました

190
00:07:41,420 --> 00:07:43,956
ちょっとでも 拒絶されそうだと感じるたびに

191
00:07:43,980 --> 00:07:46,116
私は 速攻で逃げていたんです

192
00:07:46,140 --> 00:07:47,396
で どうしたと思います？

193
00:07:47,420 --> 00:07:49,236
次の日は 何が起きても

194
00:07:49,260 --> 00:07:50,730
もう逃げない

195
00:07:50,730 --> 00:07:52,330
とどまろうと決めました

196
00:07:52,500 --> 00:07:54,876
２日目 「ハンバーガーの
無料のお代わりをリクエスト」

197
00:07:54,876 --> 00:07:56,636
（笑）

198
00:07:56,660 --> 00:07:58,956
ハンバーガー店に行ったときのことです

199
00:07:58,980 --> 00:08:01,370
お昼ごはんを食べ終えると
カウンターへ行ってこう言いました

200
00:08:01,370 --> 00:08:03,376
「ハンバーガーの無料お代わり
お願いできますか？」

201
00:08:03,376 --> 00:08:05,276
（笑）

202
00:08:05,300 --> 00:08:07,756
店員は 困惑して
「ハンバーガーの無料お代わりって？」

203
00:08:07,780 --> 00:08:09,036
（笑）

204
00:08:09,060 --> 00:08:12,630
「ドリンクお代わり無料の
ハンバーガー版みたいなやつです」と言うと

205
00:08:12,630 --> 00:08:15,526
店員は 「すいませんが
バーガーの無料お代わりはやっていません」

206
00:08:15,526 --> 00:08:16,596
（笑）

207
00:08:16,620 --> 00:08:20,676
拒絶されて いつもなら逃げ出す場面ですが 
私はとどまりました

208
00:08:20,700 --> 00:08:22,836
そして言いました 
「ここのバーガー大好きだし

209
00:08:22,860 --> 00:08:24,276
お店も大好きだけど

210
00:08:24,300 --> 00:08:26,396
ハンバーガーに無料お代わりがあったら

211
00:08:26,420 --> 00:08:27,756
もっと好きになるんだけど」

212
00:08:27,780 --> 00:08:29,036
（笑）

213
00:08:29,060 --> 00:08:31,676
すると店員が言いました
「では店長に伝えておきます

214
00:08:31,700 --> 00:08:34,676
実現されるかもしれませんが
今日はお出しできません」

215
00:08:34,700 --> 00:08:36,326
で 私はそこを立ち去りました

216
00:08:36,326 --> 00:08:37,996
ちなみに

217
00:08:38,020 --> 00:08:40,275
ハンバーガーの無料お代わりが
実現したとは思いません

218
00:08:40,299 --> 00:08:41,515
（笑）

219
00:08:41,539 --> 00:08:43,100
お店は元のままでしょう

220
00:08:43,659 --> 00:08:46,956
でも 私が 最初に感じた 
生きるか死ぬかみたいな危機感は

221
00:08:46,980 --> 00:08:48,316
もうありませんでした

222
00:08:48,340 --> 00:08:50,076
そこにとどまって話し続け

223
00:08:50,100 --> 00:08:51,716
逃げるのをやめただけで です

224
00:08:51,740 --> 00:08:54,690
私は思いました「おおすごい
もう教訓が得られた

225
00:08:54,690 --> 00:08:55,800
いいね」と

226
00:08:55,800 --> 00:08:58,460
そして３日目
「オリンピックのドーナツを買う」

227
00:08:59,260 --> 00:09:01,780
ここで 私の人生が ひっくり返りました

228
00:09:02,620 --> 00:09:04,236
クリスピー・クリームのお店に行きました

229
00:09:04,260 --> 00:09:05,476
ドーナツ屋さんで

230
00:09:05,500 --> 00:09:08,116
主に アメリカの南東部にある
チェーン店です

231
00:09:08,140 --> 00:09:09,996
ここにも 何店舗かあるはずです

232
00:09:10,020 --> 00:09:11,275
お店に入って

233
00:09:11,299 --> 00:09:14,436
言いました「五輪マークの形をした
ドーナツが欲しいんですが

234
00:09:14,460 --> 00:09:17,356
つまり ５つのドーナツを
つなげたやつです･･･」

235
00:09:17,380 --> 00:09:19,990
そんなの取り合うわけない
と思うでしょ？

236
00:09:20,140 --> 00:09:22,516
ところが そのドーナツ屋さんは
真剣に受け止めたんです

237
00:09:22,540 --> 00:09:23,756
（笑）

238
00:09:23,780 --> 00:09:24,996
紙を取り出して

239
00:09:25,020 --> 00:09:27,196
色と輪っかを書き出し

240
00:09:27,220 --> 00:09:29,236
「どうしたらこれを 作れるかしら？」と

241
00:09:29,260 --> 00:09:31,156
そして 15分後

242
00:09:31,180 --> 00:09:34,596
五輪の形をしたドーナツの箱を
持って出てきたんです

243
00:09:34,620 --> 00:09:36,276
私はとても感動しました

244
00:09:36,300 --> 00:09:38,436
にわかには信じられませんでした

245
00:09:38,460 --> 00:09:42,220
このときの動画はユーチューブで
500万回以上見られました

246
00:09:42,660 --> 00:09:45,266
世界中のみんなも信じられなかったんです

247
00:09:45,266 --> 00:09:47,600
（笑）

248
00:09:47,940 --> 00:09:51,156
これがきっかけで 私は新聞に載り

249
00:09:51,180 --> 00:09:52,596
トークショーなんかにも出演して

250
00:09:52,620 --> 00:09:54,116
有名になりました

251
00:09:54,140 --> 00:09:56,276
沢山の人から 
メールをもらうようになりました

252
00:09:56,300 --> 00:09:58,836
「素晴らしい活動ですね」と

253
00:09:58,860 --> 00:10:02,396
でも 名声にも悪名にも
私は関心がありません

254
00:10:02,420 --> 00:10:04,236
私が心から望んでいたのは 学ぶこと

255
00:10:04,260 --> 00:10:05,476
そして 自分を変えることでした

256
00:10:05,500 --> 00:10:08,616
そこで 私は100日間拒絶チャレンジの
残された期間を

257
00:10:08,616 --> 00:10:10,036
活動の場に —

258
00:10:10,060 --> 00:10:12,196
この調査プロジェクトに変更しました

259
00:10:12,220 --> 00:10:14,630
自分に何を学べるか知りたかったのです

260
00:10:14,740 --> 00:10:16,516
そして 私は多くのことを学びました

261
00:10:16,540 --> 00:10:18,116
とても沢山の秘訣を発見しました

262
00:10:18,140 --> 00:10:19,070
例えば

263
00:10:19,070 --> 00:10:22,190
一旦断られても
逃げ出さなければ

264
00:10:22,190 --> 00:10:24,100
「いいえ」を「はい」へと
覆せる可能性も出てきて

265
00:10:24,100 --> 00:10:26,266
そのための魔法の言葉は
「なんで？」だということ

266
00:10:26,266 --> 00:10:30,050
ある日 花を手に
知らない人の家へ行き

267
00:10:30,050 --> 00:10:31,430
ドアをノックして 言いました

268
00:10:31,430 --> 00:10:33,876
「ねえ お宅の裏庭に
この花を植えてもいいですか？」

269
00:10:33,900 --> 00:10:35,436
（笑）

270
00:10:35,460 --> 00:10:37,650
相手は 「ダメです」と言いました

271
00:10:38,200 --> 00:10:40,076
でも その人が行ってしまう前に
尋ねました

272
00:10:40,100 --> 00:10:42,036
「あの 理由を聞かせてもらえます？」

273
00:10:42,060 --> 00:10:44,940
すると 「うちには犬がいて

274
00:10:44,940 --> 00:10:47,350
裏庭に何を植えても
全部掘り返してしまうので

275
00:10:47,350 --> 00:10:49,266
あなたのお花を無駄にしたくないんです

276
00:10:49,266 --> 00:10:51,660
植えたいなら
この通りの向こうの コニーに聞いてみたら

277
00:10:51,660 --> 00:10:53,596
彼女は花が大好きですから」

278
00:10:53,620 --> 00:10:54,836
言われた通りにしました

279
00:10:54,860 --> 00:10:56,916
通りを渡って 
コニーの家をノックしました

280
00:10:56,940 --> 00:10:58,796
そうしたら コニーはとても喜んでくれました

281
00:10:58,820 --> 00:11:00,516
（笑）

282
00:11:00,540 --> 00:11:01,770
そして30分後

283
00:11:01,770 --> 00:11:03,490
コニーの裏庭に
この花が植えられました

284
00:11:03,490 --> 00:11:05,360
今は もっと見栄えが良いはずです

285
00:11:05,360 --> 00:11:06,756
（笑）

286
00:11:06,780 --> 00:11:09,716
でも もし最初の拒絶で
その場を去っていたら

287
00:11:09,740 --> 00:11:11,196
多分こう思っていたでしょう

288
00:11:11,196 --> 00:11:12,880
この人が断ったのは
私を信用していなくて

289
00:11:12,880 --> 00:11:14,276
私を変な人だと思ったからだとか

290
00:11:14,300 --> 00:11:16,420
身なりのせいで 
印象が悪かったからだとか

291
00:11:16,420 --> 00:11:17,610
実際はそんなことはなく

292
00:11:17,610 --> 00:11:20,676
私の提案が 相手の希望と
マッチしなかっただけです

293
00:11:20,700 --> 00:11:22,956
しかも 相手は私を信頼して
紹介までしてくれました

294
00:11:22,980 --> 00:11:24,510
セールス用語で言うと

295
00:11:24,510 --> 00:11:26,550
私は紹介を顧客に変えたんです

296
00:11:27,260 --> 00:11:28,476
それから別の時には

297
00:11:28,500 --> 00:11:30,350
あることを口にすることで

298
00:11:30,350 --> 00:11:33,506
承諾の可能性がずっと広がると学びました

299
00:11:33,506 --> 00:11:35,596
例えば ある日私はスターバックスへ行き

300
00:11:35,620 --> 00:11:39,196
店長に聞きました「ねえ スターバックスの
挨拶係にしてもらえませんか？」

301
00:11:39,220 --> 00:11:41,596
「スターバックスの挨拶係って
何のことですか？」

302
00:11:41,620 --> 00:11:43,716
「ウォルマートの入口で
挨拶している人がいますよね？

303
00:11:43,740 --> 00:11:46,980
店に入る客に『こんにちは』って
言う係の人 —

304
00:11:46,980 --> 00:11:49,396
基本的に万引を防止するための
係ですけどね

305
00:11:49,420 --> 00:11:52,556
スターバックスの客にも
ウォルマートの体験を提供したいんです」

306
00:11:52,580 --> 00:11:54,036
（笑）

307
00:11:54,060 --> 00:11:57,310
まあ あんまり良いアイデアか
わかりませんが —

308
00:11:58,300 --> 00:12:00,796
というか実際 かなりひどいアイデアです

309
00:12:00,820 --> 00:12:02,876
で 彼は言いました 「うーん」

310
00:12:02,900 --> 00:12:05,156
こんな表情で
彼はエリックっていうんですが

311
00:12:05,180 --> 00:12:07,556
迷った様子で聞いていました

312
00:12:07,556 --> 00:12:08,836
「どうかな」と

313
00:12:08,860 --> 00:12:10,516
そこで私は訊きました
「変ですかね？」

314
00:12:10,540 --> 00:12:12,580
すると「確かに変だね」と

315
00:12:13,500 --> 00:12:16,356
でも そう言った途端 
エリックの態度ががらりと変わりました

316
00:12:16,380 --> 00:12:19,316
まるで 猜疑心を全部 
振り払ったような感じでした

317
00:12:19,340 --> 00:12:21,060
「いいですよ やっても

318
00:12:21,060 --> 00:12:22,616
ただ変になりすぎないで」

319
00:12:22,616 --> 00:12:23,796
（笑）

320
00:12:23,820 --> 00:12:26,196
その後１時間 私は
スターバックスの挨拶係をやりました

321
00:12:26,220 --> 00:12:28,356
来店するお客さん全員に
「こんにちは」と言って

322
00:12:28,380 --> 00:12:30,756
クリスマスの乾杯をしたんです

323
00:12:30,780 --> 00:12:33,050
ちなみに みなさんの経歴がどうあれ

324
00:12:33,050 --> 00:12:34,540
挨拶係はおすすめしません

325
00:12:34,540 --> 00:12:35,520
（笑）

326
00:12:35,520 --> 00:12:36,980
本当に退屈な仕事でした

327
00:12:37,900 --> 00:12:42,730
でも その時「変ですか？」と聞いたから
これが実現したのだと気づきました

328
00:12:42,730 --> 00:12:45,326
私は彼が抱いていた猜疑心を
言葉にしたんです

329
00:12:45,326 --> 00:12:48,556
「変ですか？」と口にしたことが
私は変でないことを示していた —

330
00:12:48,580 --> 00:12:51,116
つまり 私が 挨拶係なんて変だと

331
00:12:51,140 --> 00:12:53,516
彼同様に思っていた
ということです

332
00:12:53,540 --> 00:12:55,326
そして 繰り返し私が学んだのは

333
00:12:55,326 --> 00:12:57,860
相手が抱きそうな疑念を

334
00:12:57,860 --> 00:12:59,660
聞かれる前に口にすれば

335
00:12:59,660 --> 00:13:01,186
信頼を得られるということです

336
00:13:01,186 --> 00:13:03,360
承諾してもらえる確率が上がるんです

337
00:13:03,390 --> 00:13:06,810
それからただ聞いてみるだけで
夢の実現につながることも

338
00:13:06,810 --> 00:13:08,276
私は学びました

339
00:13:08,300 --> 00:13:11,396
私の家は４代にわたる
教師の家系ですが

340
00:13:11,420 --> 00:13:14,236
祖母はいつも言っていました

341
00:13:14,260 --> 00:13:16,556
「ジャ なんでもやりたいことをしなさい

342
00:13:16,580 --> 00:13:18,636
だけど 先生になってくれたら
最高だけどね」

343
00:13:18,660 --> 00:13:20,076
（笑）

344
00:13:20,100 --> 00:13:22,356
私は起業家になりたかったので
教師にはなりませんでした

345
00:13:22,380 --> 00:13:25,700
でも 何かを実際に教えることは
いつも私の夢でした

346
00:13:25,700 --> 00:13:26,730
そこで思いました

347
00:13:26,730 --> 00:13:30,070
「大学で授業を教えさせてと
頼んでみたらどうだろう？」

348
00:13:30,070 --> 00:13:31,866
当時オースティンに住んでいたので

349
00:13:31,866 --> 00:13:33,796
テキサス大学オースティン校に行き

350
00:13:33,820 --> 00:13:37,036
教授たちのドアをノックして尋ねました
「あなたの授業で教えてもいいですか」

351
00:13:37,060 --> 00:13:39,556
最初の２回は 良い返事はもらえませんでした

352
00:13:39,580 --> 00:13:42,076
でも 逃げずに続けると

353
00:13:42,100 --> 00:13:45,436
３度目の正直です
教授がとても感心してくれました

354
00:13:45,460 --> 00:13:47,666
「そんなこと言ってきた人間は
初めてだよ」と

355
00:13:47,666 --> 00:13:51,556
私は PowerPointで
授業内容の用意をしていました

356
00:13:51,580 --> 00:13:53,500
教授が言いました 
「ほう これは使えるね

357
00:13:53,500 --> 00:13:57,106
どうかね ２ヶ月後にもう一度来たら
君をカリキュラムに組み込んでおくから」

358
00:13:57,106 --> 00:13:59,340
そして２ヶ月後
私は授業で教えていました

359
00:14:00,140 --> 00:14:03,396
これが私です —
画質が悪いので分かりにくいと思いますが

360
00:14:03,420 --> 00:14:06,196
時には照明に拒絶されることもあります

361
00:14:06,220 --> 00:14:07,420
（笑）

362
00:14:08,380 --> 00:14:09,400
でも

363
00:14:09,400 --> 00:14:12,356
授業を終えて外に出るとき
私は泣いていました

364
00:14:12,380 --> 00:14:14,156
なぜならこう思ったからです

365
00:14:14,180 --> 00:14:17,350
「ただ聞いてみるだけで
一生の夢を叶えることができた」と

366
00:14:17,350 --> 00:14:20,536
以前は 教えるためには
何か達成していなければと思っていました

367
00:14:20,536 --> 00:14:23,796
すごい起業家になるとか 博士号を取るとか

368
00:14:23,820 --> 00:14:25,356
でも 実際は ただ聞いてみるだけで

369
00:14:25,380 --> 00:14:26,970
教えることができたんです

370
00:14:27,100 --> 00:14:29,476
そして皆さんには見えない
あの写真で

371
00:14:29,500 --> 00:14:32,796
私は キング牧師の言葉を
引用していました

372
00:14:32,820 --> 00:14:37,356
というのも 調査の中で気づいたことですが
本当の意味で世界を変えた人たち —

373
00:14:37,380 --> 00:14:40,316
私たちの生き方や考え方を変えた人たちは

374
00:14:40,340 --> 00:14:44,436
最初は一度ならず
暴力的な拒絶に遭っていました

375
00:14:44,460 --> 00:14:46,516
キング牧師や

376
00:14:46,540 --> 00:14:48,596
ガンジーや マンデラのような人たち

377
00:14:48,620 --> 00:14:50,156
そして イエス・キリストもそうです

378
00:14:50,180 --> 00:14:53,556
これらの人たちは 拒絶によって
自分の可能性を限定することなく

379
00:14:53,580 --> 00:14:57,740
拒絶に対する自分の反応の仕方で
自分の道を決定していきました

380
00:14:58,620 --> 00:15:00,180
拒絶に向き合ったんです

381
00:15:01,060 --> 00:15:04,276
このような偉大な人にならずとも
拒絶について学ぶことはできます

382
00:15:04,300 --> 00:15:05,556
私の場合は

383
00:15:05,580 --> 00:15:07,510
拒絶が 呪縛であり

384
00:15:07,510 --> 00:15:09,056
恐怖の対象でした

385
00:15:09,056 --> 00:15:13,076
逃げ回ることで
ずっと拒絶に苛まれていました

386
00:15:13,100 --> 00:15:14,820
それから拒絶に向き合い始め

387
00:15:15,600 --> 00:15:18,650
拒絶を 人生最大の授かりものに変えたんです

388
00:15:19,120 --> 00:15:23,576
私は 拒絶をチャンスに変える方法を
人に教えはじめました

389
00:15:23,600 --> 00:15:25,616
ブログや 講演や

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00:15:25,640 --> 00:15:27,536
最近出した本を使い

391
00:15:27,560 --> 00:15:32,550
そのための技術まで開発して
拒絶への恐怖心を克服する手助けをしています

392
00:15:34,000 --> 00:15:35,736
人生で拒絶を経験したら

393
00:15:35,760 --> 00:15:37,976
次に壁にぶつかり

394
00:15:38,000 --> 00:15:40,016
失敗に直面したら

395
00:15:40,040 --> 00:15:41,856
可能性について考えてみてください

396
00:15:41,880 --> 00:15:43,096
逃げないで下さい

397
00:15:43,120 --> 00:15:44,336
ただ 向き合うだけで

398
00:15:44,360 --> 00:15:46,710
賜物に変わるかもしれません

399
00:15:46,960 --> 00:15:48,176
ありがとうございました

400
00:15:48,200 --> 00:15:51,124
（拍手）