[Script Info] Title: [Events] Format: Layer, Start, End, Style, Name, MarginL, MarginR, MarginV, Effect, Text Dialogue: 0,0:00:07.81,0:00:12.89,Default,,0000,0000,0000,,遠い未来を想像してみてください\N人類が淡い青い色をした地球を離れ Dialogue: 0,0:00:12.89,0:00:17.02,Default,,0000,0000,0000,,何千光年も先にある惑星に都市をつくり Dialogue: 0,0:00:17.02,0:00:21.52,Default,,0000,0000,0000,,貿易と輸送の銀河網が整備されています Dialogue: 0,0:00:21.52,0:00:25.40,Default,,0000,0000,0000,,そのような文明に飛躍するためには\N何をしたらよいのでしょう? Dialogue: 0,0:00:25.41,0:00:28.66,Default,,0000,0000,0000,,考えることはたくさんあります \Nコミュニケーションをどうとるのでしょうか? Dialogue: 0,0:00:28.66,0:00:30.100,Default,,0000,0000,0000,,銀河政府は\Nどんなものになるでしょうか? Dialogue: 0,0:00:30.100,0:00:33.73,Default,,0000,0000,0000,,そして その中でも最も重要なものとして Dialogue: 0,0:00:33.73,0:00:37.62,Default,,0000,0000,0000,,その文明を動かすのに十分なエネルギーは\Nどこで得るのでしょうか? Dialogue: 0,0:00:37.62,0:00:43.58,Default,,0000,0000,0000,,そこでの産業 惑星改革事業 そして\N宇宙船のためのエネルギー源のことです Dialogue: 0,0:00:43.58,0:00:47.58,Default,,0000,0000,0000,,ニコライ・カルダシェフという天文学者が Dialogue: 0,0:00:47.58,0:00:52.45,Default,,0000,0000,0000,,文明の進化に伴い増加するエネルギー需要量を\N測る物差しについて提案しました Dialogue: 0,0:00:52.45,0:00:56.45,Default,,0000,0000,0000,,私たちがいる現在のような\N初期の進化過程において Dialogue: 0,0:00:56.45,0:01:02.35,Default,,0000,0000,0000,,化石燃料 太陽光パネル 原子力発電所の様に\N惑星を拠点とした燃料源は Dialogue: 0,0:01:02.35,0:01:07.14,Default,,0000,0000,0000,,おそらく太陽系内の他の惑星で\N定住するのには十分ですが Dialogue: 0,0:01:07.14,0:01:09.96,Default,,0000,0000,0000,,その域を越えるには不十分でしょう Dialogue: 0,0:01:09.96,0:01:13.16,Default,,0000,0000,0000,,第3段階かつ最終段階にある文明にとって Dialogue: 0,0:01:13.16,0:01:18.22,Default,,0000,0000,0000,,銀河規模の拡張には 太陽が毎秒放出する\N385ヨタジュール(10の24乗J)の Dialogue: 0,0:01:18.22,0:01:25.12,Default,,0000,0000,0000,,約1000億倍の\Nエネルギーが必要になります Dialogue: 0,0:01:25.99,0:01:28.86,Default,,0000,0000,0000,,斬新な物理学によって\N突破口が開かない限り Dialogue: 0,0:01:28.86,0:01:32.31,Default,,0000,0000,0000,,需要を満たし得るエネルギー源は\N1つしかありません Dialogue: 0,0:01:32.31,0:01:35.45,Default,,0000,0000,0000,,超大質量ブラックホールです Dialogue: 0,0:01:35.45,0:01:39.45,Default,,0000,0000,0000,,ブラックホールをエネルギー源と考えるのは\N直観と相いれないですが Dialogue: 0,0:01:39.45,0:01:44.03,Default,,0000,0000,0000,,降着円盤のおかげで ブラックホールは\Nまさにエネルギー源となるのです Dialogue: 0,0:01:44.03,0:01:49.90,Default,,0000,0000,0000,,膠着円盤とは事象の地平面に落下した\N物質により形成された円形で平らな構造物です Dialogue: 0,0:01:49.90,0:01:52.98,Default,,0000,0000,0000,,角運動量が保存されるため Dialogue: 0,0:01:52.98,0:01:56.98,Default,,0000,0000,0000,,そこにある粒子はブラックホールに\Nまっすぐ落ちていくわけではありません Dialogue: 0,0:01:56.98,0:02:00.22,Default,,0000,0000,0000,,むしろ ゆっくりと渦巻き状に\N吸いこまれていきます Dialogue: 0,0:02:00.22,0:02:03.56,Default,,0000,0000,0000,,ブラックホールの強烈な重力場のため Dialogue: 0,0:02:03.56,0:02:07.18,Default,,0000,0000,0000,,これらの粒子は\N事象の地平線に近づくにつれ Dialogue: 0,0:02:07.18,0:02:10.00,Default,,0000,0000,0000,,粒子の位置エネルギーを\N運動エネルギーへと変えていきます Dialogue: 0,0:02:10.00,0:02:12.94,Default,,0000,0000,0000,,粒子の相互作用により \Nこの運動エネルギーは Dialogue: 0,0:02:12.94,0:02:15.46,Default,,0000,0000,0000,,宇宙空間に放射されます Dialogue: 0,0:02:15.46,0:02:18.93,Default,,0000,0000,0000,,この時の 物質からエネルギーへの変換効率は\N驚くべき値になります Dialogue: 0,0:02:18.93,0:02:25.96,Default,,0000,0000,0000,,回転していないブラックホールは6%\N回転しているものは最大32%にもなります Dialogue: 0,0:02:25.96,0:02:29.52,Default,,0000,0000,0000,,これは核分裂を大幅に凌ぎます Dialogue: 0,0:02:29.52,0:02:32.80,Default,,0000,0000,0000,,核分裂は 質量から\Nエネルギー取り出す仕組みにおいて Dialogue: 0,0:02:32.80,0:02:35.53,Default,,0000,0000,0000,,現在のところ 最も効率的で\N広く利用されている方法です Dialogue: 0,0:02:35.53,0:02:42.43,Default,,0000,0000,0000,,核分裂はウラン原子のわずか0.08%を\Nエネルギーに変えます Dialogue: 0,0:02:42.43,0:02:46.12,Default,,0000,0000,0000,,この反応を利用する手掛かりは\Nおそらく ― Dialogue: 0,0:02:46.12,0:02:52.15,Default,,0000,0000,0000,,物理学者フリーマン・ダイソンが考案した\Nダイソン球という構造体にあるでしょう Dialogue: 0,0:02:52.15,0:02:56.80,Default,,0000,0000,0000,,1960年代に ダイソンは高度な惑星文明は Dialogue: 0,0:02:56.80,0:03:01.02,Default,,0000,0000,0000,,主星の周りに人工的な球体を設計し\N主星が発する全放射エネルギーを捉え Dialogue: 0,0:03:01.02,0:03:06.11,Default,,0000,0000,0000,,エネルギー需要を満たすことが\Nできるだろうと提言しました Dialogue: 0,0:03:06.11,0:03:09.32,Default,,0000,0000,0000,,似ているけれど ずっと複雑な設計が Dialogue: 0,0:03:09.32,0:03:12.80,Default,,0000,0000,0000,,理論的にはブラックホールに適用できます Dialogue: 0,0:03:12.80,0:03:17.33,Default,,0000,0000,0000,,エネルギー生産のために ブラックホールは\N継続的に物質を吸い込む必要があるので Dialogue: 0,0:03:17.33,0:03:20.58,Default,,0000,0000,0000,,球体で完全に覆うのは\N好ましくないでしょう Dialogue: 0,0:03:20.58,0:03:23.72,Default,,0000,0000,0000,,仮にそうしても\N多くの超大質量ブラックホールの Dialogue: 0,0:03:23.72,0:03:26.13,Default,,0000,0000,0000,,両極から発射されるプラズマジェットは Dialogue: 0,0:03:26.13,0:03:30.13,Default,,0000,0000,0000,,どんな構造物も吹き飛ばして\N粉々にしてしまうでしょう Dialogue: 0,0:03:30.13,0:03:33.78,Default,,0000,0000,0000,,その代わり ダイソンリングのようなものを\N設計する方法もあるかもしれません Dialogue: 0,0:03:33.78,0:03:37.07,Default,,0000,0000,0000,,それは遠隔操作による\N巨大な捕集器でできています Dialogue: 0,0:03:37.07,0:03:40.02,Default,,0000,0000,0000,,それらはブラックホールを回る\N周回軌道 ― Dialogue: 0,0:03:40.02,0:03:44.02,Default,,0000,0000,0000,,おそらくは 降着円盤のある平面上の\Nずっと遠い場所に近づくことでしょう Dialogue: 0,0:03:44.02,0:03:46.71,Default,,0000,0000,0000,,この装置は発電所に \N回収したエネルギーを送るために Dialogue: 0,0:03:46.71,0:03:50.05,Default,,0000,0000,0000,,鏡のようなパネルを使用したり Dialogue: 0,0:03:50.05,0:03:52.75,Default,,0000,0000,0000,,貯蔵用のバッテリーを\N使用したりできるでしよう Dialogue: 0,0:03:52.75,0:03:57.70,Default,,0000,0000,0000,,この捕集器を ブラックホールから\Nちょうど良い距離に構築する必要があります Dialogue: 0,0:03:57.70,0:04:00.73,Default,,0000,0000,0000,,近すぎると放射エネルギーで\N溶かされてしまいます Dialogue: 0,0:04:00.73,0:04:05.54,Default,,0000,0000,0000,,遠すぎると 利用可能なエネルギーの\Nごく一部しか回収できず Dialogue: 0,0:04:05.54,0:04:09.19,Default,,0000,0000,0000,,ブラックホールを周回している恒星の\N影響を受ける可能性があります Dialogue: 0,0:04:09.19,0:04:14.07,Default,,0000,0000,0000,,完全なシステムを構築するためには Dialogue: 0,0:04:14.07,0:04:17.18,Default,,0000,0000,0000,,赤鉄鉱のような高反射性物質\N地球数個分に加え Dialogue: 0,0:04:17.18,0:04:23.05,Default,,0000,0000,0000,,一群の建設ロボットを作るために\N惑星を数個解体する必要があるでしょう Dialogue: 0,0:04:23.05,0:04:27.24,Default,,0000,0000,0000,,ダイソンのリングが作られれば \N技術的な最高傑作となり Dialogue: 0,0:04:27.24,0:04:32.50,Default,,0000,0000,0000,,銀河の隅々にまで広がる文明に\Nエネルギーを供給することができます Dialogue: 0,0:04:32.50,0:04:35.08,Default,,0000,0000,0000,,すべて荒唐無稽な憶測に\N思えるかもしれませんが Dialogue: 0,0:04:35.08,0:04:38.26,Default,,0000,0000,0000,,今でも 私たちはエネルギー危機にあり Dialogue: 0,0:04:38.26,0:04:41.80,Default,,0000,0000,0000,,地球の限られた資源の問題に直面しています Dialogue: 0,0:04:41.80,0:04:45.80,Default,,0000,0000,0000,,持続可能なエネルギーの新しい生産方法は Dialogue: 0,0:04:45.80,0:04:48.82,Default,,0000,0000,0000,,特に人類の種としての存続や Dialogue: 0,0:04:48.82,0:04:52.04,Default,,0000,0000,0000,,技術の進歩に向けての営みにおいて\N常に必要とされるでしょう Dialogue: 0,0:04:52.04,0:04:54.86,Default,,0000,0000,0000,,もしかしたら これらの巨大な天体を\N征服した文明が Dialogue: 0,0:04:54.86,0:04:58.06,Default,,0000,0000,0000,,すでに存在しているのかもしれません Dialogue: 0,0:04:58.06,0:04:59.94,Default,,0000,0000,0000,,ブラックホールから届く光が Dialogue: 0,0:04:59.94,0:05:03.92,Default,,0000,0000,0000,,周期的に暗くなることを観測することで\N彼らの存在を見分けられるかもしれません Dialogue: 0,0:05:03.92,0:05:08.18,Default,,0000,0000,0000,,ダイソンリングの一部が途中を遮って\N通過する際に暗くなるからです Dialogue: 0,0:05:08.18,0:05:13.08,Default,,0000,0000,0000,,あるいは この超構造体は理論の領域に\N留まる運命なのかもしれません Dialogue: 0,0:05:13.08,0:05:17.34,Default,,0000,0000,0000,,それを知りえるのは 時の経過 そして\N私たちの科学的な創意工夫だけなのです