WEBVTT 00:00:07.117 --> 00:00:10.077 現在 プラスチックはどこにでもあります 00:00:10.077 --> 00:00:14.908 プラスチックは ある小さな物から始まりましたが 00:00:14.908 --> 00:00:17.958 それは プラスチックでできたものでは ありませんでした NOTE Paragraph 00:00:17.958 --> 00:00:22.335 何世紀もわたり ビリヤードのボールは 象牙で作られていましたが 00:00:22.335 --> 00:00:26.235 19世紀に 過剰な狩猟によって 象の数が減少すると 00:00:26.235 --> 00:00:27.605 19世紀に 過剰な狩猟によって 象の数が減少すると 00:00:27.605 --> 00:00:33.298 ビリヤードボールのメーカーは 莫大な報酬を掲げ 代替品を探し始めました 00:00:33.298 --> 00:00:39.670 1863年にこの難題に挑んだ アメリカ人 ジョン・ウェズリー・ハイアットは 00:00:39.670 --> 00:00:45.699 5年の歳月をかけ セルロイドという新素材を発明しました 00:00:45.699 --> 00:00:50.884 木や藁に含まれるセルロースが原料です NOTE Paragraph 00:00:50.884 --> 00:00:55.092 しかし 彼は ビリヤードボールを作るのに セルロイドでは無理だと気付きます 00:00:55.092 --> 00:00:59.092 素材の重さが不十分で 跳ね返りもあまりよくありませんでした 00:00:59.092 --> 00:01:01.892 しかし 着色と模様付けが可能なので 00:01:01.892 --> 00:01:05.372 サンゴ べっ甲 琥珀 真珠層のような 高価な材料を模倣することができました 00:01:05.372 --> 00:01:08.892 サンゴ べっ甲 琥珀 真珠層のような 高価な材料を模倣することができました 00:01:08.892 --> 00:01:13.699 これが ハイアットの作った 最初のプラスチックとされる素材です NOTE Paragraph 00:01:13.699 --> 00:01:18.079 「プラスチック」という言葉は ポリマーからなる素材のことをいいます 00:01:18.079 --> 00:01:22.923 ポリマーとは 繰り返しサブユニットからなる高分子です 00:01:22.923 --> 00:01:25.463 これには 人工のプラスチックだけでなく 00:01:25.463 --> 00:01:28.853 生物の体内に存在する多くの成分も含まれます 00:01:28.853 --> 00:01:31.993 しかし 一般的にプラスチックといえば 00:01:31.993 --> 00:01:34.573 合成素材のことを指します 00:01:34.573 --> 00:01:39.063 どちらも 加工前は 柔らかく可鍛性があるのが特徴です 00:01:39.063 --> 00:01:42.223 ですから 特定の形状に 成形することができます NOTE Paragraph 00:01:42.223 --> 00:01:46.330 最初のプラスチックとして 認識されてはいるものの 00:01:46.330 --> 00:01:50.868 セルロイドは可燃性が高く 生産には危険が伴いました 00:01:50.868 --> 00:01:53.968 そこで発明家たちは 代替品を探し始めました 00:01:53.968 --> 00:01:57.418 1907年に ある化学者が フェノール樹脂という 00:01:57.418 --> 00:01:59.708 コールタールの廃棄物と 00:01:59.708 --> 00:02:04.963 ホルムアルデヒドを組み合わせ 丈夫で新しいポリマーを作りました 00:02:04.963 --> 00:02:09.192 これはベークライトと言い セルロイドより可燃性が低く 00:02:09.192 --> 00:02:12.672 原料も手に入れやすい素材でした NOTE Paragraph 00:02:12.672 --> 00:02:14.892 しかし これはあくまでも 始まりでした 00:02:14.892 --> 00:02:19.933 1920年代には 複数の研究者が初めて ポリスチレンを商業用に開発しました 00:02:19.933 --> 00:02:23.103 断熱性のあるスポンジ状のプラスチックです 00:02:23.103 --> 00:02:29.381 その後すぐに 柔軟性がありながら丈夫な ポリ塩化ビニルが登場しました 00:02:29.381 --> 00:02:31.491 その後 透明のアクリルが発明され 00:02:31.491 --> 00:02:34.731 ガラスを模した飛散防止のパネルができました 00:02:34.731 --> 00:02:38.561 そして 1930年代には ナイロンが注目を集めました 00:02:38.561 --> 00:02:42.966 これは シルクを模倣したポリマーですが シルクより何倍もの強度がありました 00:02:42.966 --> 00:02:48.920 1933年に登場したポリエチレンは 最も汎用性の高いプラスチックの1つです 00:02:48.920 --> 00:02:53.814 現在でも 買い物袋 シャンプーのボトル 防弾ベストなど 00:02:53.814 --> 00:02:56.064 あらゆる製品に使われています NOTE Paragraph 00:02:56.064 --> 00:03:00.341 この素材の爆発的な増加に伴い 新しい製造技術が登場しました 00:03:00.341 --> 00:03:04.171 射出成形と呼ばれる技術の発明によって 00:03:04.171 --> 00:03:08.819 溶かしたプラスチックを 様々な形の型に入れ 00:03:08.819 --> 00:03:10.939 急速に硬化することができるようになりました 00:03:10.939 --> 00:03:15.135 これにより 新品種や新形状の プラスチック製品の可能性が生まれ 00:03:15.135 --> 00:03:20.690 安価で迅速かつ大量に 生産できるようになりました 00:03:20.690 --> 00:03:23.850 科学者たちは この安価な新素材により 00:03:23.850 --> 00:03:28.889 人々がそれまで手の届かなかったものを 生産できると希望を抱きました NOTE Paragraph 00:03:28.889 --> 00:03:33.193 しかし プラスチックは 第二次世界大戦に利用されることになります 00:03:33.193 --> 00:03:38.019 戦時中 アメリカのプラスチック生産量は 4倍になりました 00:03:38.019 --> 00:03:43.506 兵士は新しいプラスチック製のヘルメットや 耐水性のあるビニルレインコートを着用し 00:03:43.506 --> 00:03:48.250 パイロットは飛散防止プラスチックの アクリル樹脂製コックピットに座り 00:03:48.250 --> 00:03:52.720 弾力性のあるナイロン製の パラシュートを与えられました NOTE Paragraph 00:03:52.720 --> 00:03:55.070 その後 戦時中に次々と現れた プラスチック製造会社は 00:03:55.070 --> 00:03:59.753 消費者向け製品に注目し始めます 00:03:59.753 --> 00:04:04.853 木 ガラスおよび布地などの材料は プラスチックに代わり始めました 00:04:04.853 --> 00:04:09.761 家具 衣類 靴 テレビ ラジオにも プラスチックが多用されるようになります 00:04:09.761 --> 00:04:13.761 汎用性の高いプラスチックは 包装にも活用されるようになりました 00:04:13.761 --> 00:04:18.143 食品などの製品の鮮度を保つのが 主な目的です 00:04:18.143 --> 00:04:22.533 瞬く間に ゴミ袋や伸縮性のあるラップ 00:04:22.533 --> 00:04:25.763 つぶせるボトル 持ち帰り用の容器 00:04:25.763 --> 00:04:30.420 果物 野菜 肉を入れる容器などが現れました NOTE Paragraph 00:04:30.420 --> 00:04:34.420 わずか数十年で このマルチな材料は 00:04:34.420 --> 00:04:38.420 「プラスチック世紀」 とまで言われる時代を作ります 00:04:38.420 --> 00:04:42.080 プラスチック世紀は 利便性と 多大なる経済的効果をもたらしましたが 00:04:42.080 --> 00:04:45.670 凄まじい環境問題も引き起こしました 00:04:45.670 --> 00:04:48.910 プラスチックの多くは 再生不可能な資源でできています 00:04:48.910 --> 00:04:52.760 プラスチック包装は一回きりの利用を 想定して設計されていますが 00:04:52.760 --> 00:04:56.150 その中には分解に 何世紀もかかるものもあり 00:04:56.150 --> 00:04:59.640 膨大な量の廃棄物が蓄積されています NOTE Paragraph 00:04:59.640 --> 00:05:04.541 今世紀は 技術革新により この問題に取り組まなければなりません 00:05:04.541 --> 00:05:08.718 プラスチック使用量の削減 生分解性プラスチックの開発 00:05:08.718 --> 00:05:12.718 既存プラスチックの新しいリサイクルなど 様々な取り組みが必要です