0:00:04.000,0:00:07.000 紀元前に来たと想像しましょう。 0:00:07.000,0:00:09.000 さて、以下のこと考えてください。 0:00:09.000,0:00:12.000 時計なしでどのように時間をはかればいいでしょうか? 0:00:12.000,0:00:15.000 すべての時計は、時間を均等に分けた 0:00:15.000,0:00:18.000 パターンの反復によって作られています。 0:00:18.000,0:00:20.000 この反復のパターンを見つけるため、 0:00:20.000,0:00:22.000 空を見上げてみます。 0:00:22.000,0:00:24.000 太陽が毎日 出没するパターンは 0:00:24.000,0:00:25.000 とても明白です。 0:00:25.000,0:00:28.000 しかし、より長期の時間を計るには 0:00:28.000,0:00:30.000 より長い周期が必要です。 0:00:30.000,0:00:32.000 そこで月を観察します。 0:00:32.000,0:00:34.000 日ごとに少しずつ、大きくなっては 0:00:34.000,0:00:36.000 小さくなります。 0:00:36.000,0:00:38.000 満月から次の満月までの 0:00:38.000,0:00:39.000 日にちを数えると、 0:00:39.000,0:00:40.000 29という数字にたどりつきます。 0:00:40.000,0:00:42.000 これが「月」の起源です。 0:00:42.000,0:00:45.000 しかし、29を等分に分けようとすると 0:00:45.000,0:00:48.000 問題が発生します。これは不可能です。 0:00:48.000,0:00:51.000 29を等分に分ける唯一の方法は、 0:00:51.000,0:00:54.000 1づつに分けることです。 0:00:54.000,0:00:56.000 つまり、29は「素数」なのです。 0:00:56.000,0:00:58.000 これは、等分に分けられないものです。 0:00:58.000,0:01:00.000 1より大きい数で 0:01:00.000,0:01:02.000 複数に分割できる数字は、 0:01:02.000,0:01:04.000 「合成数」と呼ばれます。 0:01:04.000,0:01:06.000 ここで興味深い疑問が生じます。 0:01:06.000,0:01:08.000 素数はいくつあるのでしょう? 0:01:08.000,0:01:10.000 どのくらい大きな数字になるのでしょう? 0:01:10.000,0:01:13.000 ここで、まず数字を二つに分類します。 0:01:13.000,0:01:15.000 素数を左に、 0:01:15.000,0:01:17.000 合成数を右に置きます。 0:01:17.000,0:01:20.000 始めのうちは、行ったり来たりして、 0:01:20.000,0:01:23.000 特にパターンはないようです。 0:01:23.000,0:01:25.000 では、近代の技術を使用して 0:01:25.000,0:01:26.000 より大きい外観を見てみましょう。 0:01:26.000,0:01:29.000 ウラムの螺旋と呼ばれるものを描きます。 0:01:29.000,0:01:32.000 まず、すべての数字を螺旋状に 0:01:32.000,0:01:33.000 書いてきます。 0:01:33.000,0:01:37.000 そして、すべての素数を青で示します。 0:01:37.000,0:01:41.000 最後に、何百万もの数字を見てみましょう。 0:01:41.000,0:01:43.000 これが、素数のパターンで 0:01:43.000,0:01:45.000 永遠に続きます。 0:01:45.000,0:01:48.000 驚くことに、このパターンの全体像は 0:01:48.000,0:01:50.000 未だに解かれていません。 0:01:50.000,0:01:51.000 けれど、何かの手がかりはあります。 0:01:51.000,0:01:54.000 つぎに、紀元前300年の 0:01:54.000,0:01:55.000 古代ギリシャに行ってみましょう。 0:01:55.000,0:01:58.000 アレキサンドリアの哲学者 ユークリッドは、 0:01:58.000,0:01:59.000 すべての数字が 0:01:59.000,0:02:02.000 2つのカテゴリーに分類されることを示しました。 0:02:02.000,0:02:04.000 彼は、いかなる数字でも 0:02:04.000,0:02:06.000 最小限の等分の数字のグループに至るまで、 0:02:06.000,0:02:10.000 繰り返し、分割できることに気がつきました。 0:02:10.000,0:02:13.000 そして、これらの最小限の数字が 0:02:13.000,0:02:15.000 「素数」です。 0:02:15.000,0:02:17.000 つまり、すべての数字は 0:02:17.000,0:02:20.000 それより小さい素数からつくられているのです。 0:02:20.000,0:02:25.000 簡素に考えるために、素数を除いたすべての数字を考えます。 0:02:25.000,0:02:28.000 任意の合成数を選んでみます。 0:02:28.000,0:02:29.000 これを分けつづけると 0:02:29.000,0:02:33.000 かならず、「素数」に行きつきます。 0:02:33.000,0:02:34.000 ユークリッドは、すべての数字は 0:02:34.000,0:02:37.000 それより小さな素数を使って表わせることを見つけました。 0:02:37.000,0:02:39.000 これを、基本ブロックと考えます。 0:02:39.000,0:02:42.000 どの数字を選んでも 0:02:42.000,0:02:46.000 それより小さい素数の和で作られています。 0:02:46.000,0:02:48.000 これが、この発見の基礎で 0:02:48.000,0:02:50.000 算術の基礎定理と呼ばれています。 0:02:50.000,0:02:57.000 任意の数字、例えば、30を等分できる素数をすべて見つけてみましょう。 0:02:57.000,0:02:59.000 これを因数分解と言います。 0:02:59.000,0:03:01.000 これで「素因数」を得られます。 0:03:01.000,0:03:05.000 この場合は、2、3、5が30の「素因数」です。 0:03:05.000,0:03:09.000 ユークリッドは、素因数を特定の回数任意の数字を 0:03:09.000,0:03:10.000 かけ合わせることで 0:03:10.000,0:03:12.000 元の数字が得られることを見つけました。 0:03:12.000,0:03:16.000 この場合、これらの素因数を一度ずつかければ、30が得られます。 0:03:16.000,0:03:20.000 2x3x5 が30の因数分解です。 0:03:20.000,0:03:23.000 これは、特定の鍵の組み合わせのようなものです。 0:03:23.000,0:03:24.000 これ以外に、他の素数を使って 0:03:24.000,0:03:27.000 30を構築する方法は 0:03:27.000,0:03:28.000 ありません。 0:03:28.000,0:03:31.000 ですから、それぞれの数字に 0:03:31.000,0:03:34.000 ただ一つの因数分解が存在します。 0:03:34.000,0:03:38.000 各数字は、それぞれ違う鍵のようなものなのです。 0:03:38.000,0:03:39.000 それぞれの特定の鍵に 0:03:39.000,0:03:42.000 特定のコードである因数分解が存在します。 0:03:42.000,0:03:43.000 同一のコードを持つ鍵はありません。 0:03:43.000,0:03:47.000 いかなる数字でも、同じ因数分解を持つことはありません。